原子力規制委員会について 独立性の確保 : 原子力利用における 推進 と 規制 を分離し 専門的な知見に基づき中立公正な立場から独立して原子力安全規制に関する職務を担う組織として 原子力規制委員会 を設置 原子力規制組織の一元化 : 原子力安全 核物質防護 核不拡散の保障措置等に関する規制を一元化

Similar documents
新旧対照表

Microsoft PowerPoint - パネル02_規制庁山本審議官.ppt

平成 29 年 12 月 27 日中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉施設保安規定の変更について 1. はじめに平成 28 年 4 月より導入したカンパニー制の自律的な事業運営をこれまで以上に促進するため, 各カンパニーへのさらなる機能移管をはじめ, 本店組織について, 戦略機能の強化と共通サー

表紙 NRA 新規制基準概要

reference3

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

第 2 回保障措置実施に係る連絡会 ( 原子力規制庁 ) 資料 3 廃止措置施設における保障措置 ( 規制庁及び IAEA との協力 ) 平成 31 年 4 月 24 日 日本原子力研究開発機構安全 核セキュリティ統括部 中村仁宣

原子力規制委員会設置法案に対する附帯決議

条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

二と (第二条関係)第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ることを任務とすること (第三条関係)第四所掌事務一原子力規制委員会は 第三の任務を達成するため 次に掲げる事務をつかさどること 1原子力利用

実用発電用原子炉の設置 運転等に関する規則 ( 抜粋 ) ( 昭和 53 年 最終改正 : 平成 25 年 )( 通商産業省令 ) ( 工場又は事業所において行われる廃棄 ) 第九十条法第四十三条の三の二十二第一項の規定により 発電用原子炉設置者は 発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行

sankou5

11

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった ( 国会事故

二国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて 環境省の外局として 原子力規制委員会を設置すること 第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ること 原子力に係る製錬 加工 貯蔵 再処理及び廃棄の事業並びに

原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案(新旧対照表)

untitled

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

IAEA(国際原子力機関)の査察技術開発への協力 - 日本発の技術で核不拡散に貢献 -

研究炉に関わる研究環境と課題

<4D F736F F D D9197A791E58A C8FAC924D8FA489C891E58A77838A E837D836C B4B92F65F E332E398E7B8D73816A>

525 人 ( 県内避難者 8 万 4671 人, 県外避難者 4 万 5854 人 ) となっている 福島第一原発事故は, まさしく, 重大な人権侵害である (2) 福島第一原発事故前にも, 原子炉施設の設置許可においては 災害の防止上支障がないこと であることが要件とされてきた ( 平成 24

<4D F736F F F696E74202D F94AD C C5E8CB48E E7B90DD82CC90568B4B90A78AEE8F8082CC8A C982C282A282C E616C>

<4D F736F F D208CB48E7197CD8E968BC68ED296688DD08BC696B18C7689E E7C816A E31322E DC58F4994C5817A>

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

管理下にない放射性物質を見つけたら ~ 放射性物質が思わぬところから発見されることがあります ~ 原子力規制委員会原子力規制庁原子力防災政策課事故対処室安全規制管理官 ( 再処理 加工 使用担当 ) 付放射線対策 保障措置課放射線規制室放射線対策 保障措置課保障措置室監視情報課

 

 

新安全基準の骨子

Microsoft PowerPoint - Ppt ppt[読み取り専用]

とを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても 原子力施設の廃止措置やこれまで原子力発電の利用に伴い発生した放射性廃棄物の処分の取組に関するこれらの領域における政策課題に取組まなければならない (1) 福島第

<30345F D834F E8F48816A2D8AAE90AC2E6D6364>

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

安全管理規程

Microsoft PowerPoint 発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準について(編集練習)

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

原子炉物理学 第一週

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の概要 目的国際的に協力して生物の多様性の確保を図るため 遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることにより 生物多様性条約カルタヘナ議定書 ( 略称 ) 等の的確かつ円滑な実施を確保 主務大臣による基本的事項の公表 遺

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

第 1 章 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書を受けて政府が講じた措置 提言 2: 政府の危機管理体制の見直し 緊急時の政府 自治体 及び事業者の役割と責任を明らかにすることを含め 政府の危機管理体制に関係する制度についての抜本的な見直しを行う 提言 2 1) 政府の危機管理体制の抜本的

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

< D834F E8F48816A2D8AAE90AC2E6D6364>

別紙 1 防災訓練結果報告の概要 1. 訓練の目的本訓練は 核物質管理センター六ヶ所保障措置センター原子力事業者防災業務計画第 2 章第 5 節第 2 項 防災訓練 に基づき 原子力災害を想定した総合訓練を実施することで 原子力防災組織が有効に機能することを確認する 訓練後は訓練モニターの評価結果

図表 2-5 経済産業省の原子力保安検査官の資格要件に関する規定 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 昭和 32 年法律第 166 号 )( 抜粋 ) ( 原子力施設検査官 原子力保安検査官及び核物質防護検査官 ) 第 67 条の2 文部科学省及び経済産業省に 原子力施設検査官

<4D F736F F F696E74202D E9197BF31817A8CB48E7197CD91CE8DF482C98AD682B782E990A CC8FF38BB582C982C282A282C42E

原子力安全推進協会 (JANSI) のミッション 日本の原子力産業界における 世界最高水準の安全性の追求 ~ たゆまぬ最高水準 (Excellece) の追求 ~ ミッション達成のための取組み ( 原子力防災関係 ) 〇安全性向上対策の評価と提言 勧告及び支援 過酷事故 (SA) 対策の評価 〇原子

2. 主要な政策課題領域原子力発電の利用に関する意見が分類 Ⅰ Ⅱ Ⅲのいずれに分類されるものであっても 国民に安心をもって原子力発電の利用を受け入れていただくことを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても

原子力艦寄港地等放射能影響把握システムの整備平成 28 年度概算要求額 0.2 億円 (0.2 億円 ) < 事業の背景 > 防災基本計画を受けて策定された 原子力艦の原子力災害対策マニュアル ( 中央防災会議主事会議申合せ ) に基づき 原子力艦の原子力災害に関する通報を受けた場合には 直ちに平常

内閣官房内閣情報調査室 Cabinet Intelligence and Research Office 2013

第 2 日 放射性廃棄物処分と環境 A21 A22 A23 A24 A25 A26 放射性廃棄物処分と環境 A27 A28 A29 A30 バックエンド部会 第 38 回全体会議 休 憩 放射性廃棄物処分と環境 A31 A32 A33 A34 放射性廃棄物処分と環境 A35 A36 A37 A38

技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 資料第 1 号 原子力発電所の 事故リスクコスト試算の考え方 原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 平成 23 年 10 月 13 日 内閣府原子力政策担当室

道州制基本法案(骨子)

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

個人情報の保護に関する規程(案)

新規制基準適合性審査と避難計画策定をめぐる経緯と課題

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

14個人情報の取扱いに関する規程

特定個人情報の取扱いの対応について

平成 26 年 3 月 6 日千葉医療センター 地域医療連携ネットワーク運用管理規定 (Ver.8) 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク運用管理規定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この運用管理規定は 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク ( 以下 千葉医療ネットワーク ) に参加

PowerPoint プレゼンテーション

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

炉物理の研究第 70 号 (2018 年 4 月 ) 京都大学研究炉の運転再開について 京都大学複合原子力科学研究所 1 中島健 三澤毅 1. はじめに大学が保有する 3 基の研究炉 ( 近畿大学原子炉 UTR-KINKI( 最大熱出力 1W) 京都大学研究用原子炉 KUR( 最大熱出力 5,000

Microsoft Word - 設計認証Q&A docx

情報システムセキュリティ規程

我が国における放射性廃棄物処分に係る規制動向Ⅲ 文部科学省における取組について

PPTVIEW

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

<93FA92F6955C2E6D6364>

1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

特定個人情報の取扱いの対応について

< D834F E8F74816A2D8AAE90AC2E6D6364>

<4D F736F F D BA692E88B7982D18AD698418B4B92F D F4390B382C882B5816A2E646F63>

島根原子力発電所原子力事業者防災業務計画の届出について

●アレルギー疾患対策基本法案

A23 A24 A25 A26 A27 A28 A38 A39 燃料再処理 A40 A41 A42 A43 第 3 日 休 憩 総合講演 報告 3 日本型性能保証システム 燃料再処理 A29 A30 A31 A32 A33 A34 A35 燃料再処理 A36 A37 燃料再処理 A44 A45 A4

< D834F E8F48816A2D8AAE90AC2E6D6364>

内部統制ガイドラインについて 資料

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

〇用語 個人情報保護法 個人情報の保護に関する法律のこと 現行保護法 現行の個人情報の保護に関する法律のこと 改正法 保護法 法 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 27 年 9 月 9 日法律第 65 号

文部科学省における原子力の安全確保

目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

個人情報保護規定


Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

研究炉班 : 審査会合 (28 回実施 ) ヒアリング (111 回実施 ) 地震津波班 : 審査会合 (33 回実施 ) ヒアリング (73 回実施 ) 新規制基準対応の想定スケジュール (HTTR) 設置変更許可申請 : 平成 26 年 11 月 26 日 第 1 回 : 平成 28 年 10

日程表 mcd

事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

untitled

第 1 はじめに債権者らは 補充書面 11( テロ対策の不備 ) において テロ等の対策の必要性を確認した上で ( 第 1) テロ対策に関連する新規制基準が内容として不十分であること それにもかかわらず 債務者がこれに基づく対策すら講じていないことを明らかにするとともに ( 第 2) テロ対策として

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

<433A5C C6B617A B615C B746F705C8E648E965C8D7390AD8F918E6D82CC8BB38DDE5C A28F6F91E882CC8FF095B696E291E88F D7390AD A5C95BD90AC E937894C55C D837A A96A28F6F91E882CC8FF

原子力発電所等の検査制度の見直しなど原子力関連法の改正案

法律第三十三号(平二一・五・一)

Transcription:

資料 3 第 2 回原子力委員会の在り方 見直しのための有識者会議 ヒアリング資料 平成 25 年 8 月原子力規制庁 1

原子力規制委員会について 独立性の確保 : 原子力利用における 推進 と 規制 を分離し 専門的な知見に基づき中立公正な立場から独立して原子力安全規制に関する職務を担う組織として 原子力規制委員会 を設置 原子力規制組織の一元化 : 原子力安全 核物質防護 核不拡散の保障措置等に関する規制を一元化 危機管理体制の強化 : 内閣に 原子力防災会議 を設置し 関係機関との緊密な連携の下で原子力防災対策を推進 これまでの原子力規制組織 新しい原子力規制組織 内閣府 環境省 原子力委員会 核セキュリティの総合調整 経産省 資源エネルギー庁 文科省 原子力規制委員会 委員長及び委員 4 名 原子力安全委員会 ダブルチェック 原子力安全 保安院 発電用原子炉の安全規制等 JNES (( 独 ) 原子力安全基盤機構 ) 試験研究炉等の安全規制 核不拡散の保障措置の規制 *1 放射線モニタリング *1 SPEEDI 放射性同位元素等の規制 *1 JAEA (( 独 ) 日本原子力研究開発機構 ) 安全研究等 ( 独 ) 放射線医学総合研究所 放射線研究等 JAEA 安全研究等 *2 放医研 放射線研究等 *3 原子力規制庁 ( 事務局 ) JNES の業務を規制委に行わせるため 速やかに JNES を廃止 そのための必要となる法制上の措置を速やかに講ずる JNES 安全確保に関する効率的 効果的な規制がおこなえるよう 関係団体の在り方について検討 必要な措置を講ずる 2

内閣に原子力防災会議を設置し 緊急時に備えて平時から政府全体で原子力防災対策を推進する体制を整備 原子力施設における緊急時の事故収束について原子力規制委員会が事業者を指導 監督 平時 原子力防災会議 ( 内閣に常設 ) 議長 : 内閣総理大臣副議長 : 内閣官房長官 環境大臣 原子力規制委員会委員長等議員 : 国務大臣 内閣危機管理監 副大臣 大臣政務官等事務局長 : 環境大臣 原子力防災体制の強化 緊急時 原子力災害対策本部 ( 原子力緊急事態宣言をしたときに臨時に内閣府に設置 ) 本部長 : 内閣総理大臣副本部長 : 内閣官房長官 環境大臣 原子力規制委員会委員長等本部員 : 国務大臣 内閣危機管理監 副大臣 大臣政務官等 ( 役割 ) 原子力災害対策指針に基づく施策の実施の推進等 原子力事故が発生した場合の長期にわたる総合的な施策の実施の推進 ( 役割 ) 原子力緊急事態に係る緊急事態応急対策の総合調整 原子力災害事後対策の総合調整 原子力規制委員会 ( 役割 ) 原子力施設の安全規制 原子力災害対策指針の策定 関係組織の施策の実施の推進 環境省等関係省庁 それぞれの事務の観点から 原子力防災会議が推進する事務を実施 原子力規制委員会 ( 役割 ) 原子力施設における事業者への事故収束原子力活動の指導 監督 関係組織の総合調整 環境省等関係省庁 それぞれの事務の観点から 原子力災害対策本部の総合調整に協力 3

原子力規制委員会の委員長及び委員 田中俊一 ( たなかしゅんいち ) 68 歳委員長 ( 任期 5 年 ) 元 ( 一財 ) 高度情報科学技術研究機構顧問 日本原子力研究所副理事長 平成 11 年に発生した JCO 臨界事故に際して 専門家として現場において事故収束を指導 福島県における放射能除染活動に先頭に立って取り組んだ 島﨑邦彦 ( しまざきくにひこ ) 67 歳委員長代理 ( 任期 2 年 ) 元東京大学地震研究所教授 地震予知連絡会会長 地震予知連絡会会長 中央防災会議専門委員 日本活断層学会会長等を歴任 活断層や地震発生の長期予測に関し 国民の安全確保に必要な対策に関する見解を提言 更田豊志 ( ふけたとよし ) 56 歳委員 ( 任期 3 年 ) 元 ( 独 ) 日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長 核燃料の事故時の損傷等に関する研究に従事 OECD において 国際的な原子力安全研究協力を行った 中村佳代子 ( なかむらかよこ ) 63 歳委員 ( 任期 3 年 ) 元慶應義塾大学専任講師 ( 公社 ) 日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査 核医学の研究と実践に従事し 日本アイソトープ協会医療連携室長 放射線審議会委員等を歴任 大島賢三 ( おおしまけんぞう ) 70 歳委員 ( 任期 2 年 ) 元東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員 国際連合日本政府代表部特命全権大使 外務省入省後 国連事務次長としてチェルノブイリ原発事故の被災者に対する国際支援に従事した他 国会事故調元委員として事故原因究明に当たった 4

原子力規制委員会の組織 原子力規制委員会原子力規制庁 定員 : 527 人 委員長及び委員(4 名 ) 審議会等 原子炉安全専門審査会 原子炉の安全性に関する事項を調査審議核燃料安全専門審査会 核燃料物質に係る安全性に関する事項を調査審議放射線審議会 放射線障害防止に関する技術的基準の整理 独立行政法人評価委員会 所管する独立行政法人の評価の実施長官 地方の体制 次長緊急事態対策監 緊急時対応の統括( オンサイト対策等 ) 原子力規制事務所 平成 25 年 4 月現在 (22 か所 ) 審議官 (3) 原子力地域安全総括官 災害時の住民の安全確保対策( オフサイト対策 ) 総務課 総務 人事 人材育成 会計 研修 訴訟対応政策評価 広聴広報課 政策評価 広聴広報 申告対応 委員会の会務 原子炉サイト近傍に 原子力保安検査官 ( 定員 154 人 ) 原子力防災専門官 ( 定員 31 人 ) を配置 地域原子力安全連絡調整官 (5) 立地県の県庁等に駐在し 関係機関と連携 国際課 IAEA 等国際機関 諸外国との連携 技術基盤課 原子力防災課 監視情報課 安全規制に関する指針 基準の策定等 防災体制の構築 緊急時の初動対応 核物質防護業務 放射線モニタリングの司令塔機能 モニタリング実施 関連システムの活用業務 放射線対策 保障措置課 安全規制管理官 (5) 放射性同位元素等の使用等の規制 国際約束に基づく保障措置の実施のための規制 原子炉のタイプ ( 沸騰水型原子炉 加圧水型原子炉 試験研究炉等 ) や活動 事業の種別 ( 再処理 廃棄物処理 貯蔵等 ) に応じた審査 検査 地震 津波安全対策 5

原子炉等規制法 の改正 シビアアクシデントを規制対象とすること 新基準を既設の原発にさかのぼって適用する制度などが規定された 改正法の施行については 発電炉に係る規制については施行済み その他の事業 ( 加工 試験研究炉等 ) に係る規制については本年 12 月 18 日までに施行予定 ( 現在 規制基準の骨子案をパブリックコメント中 ) 法目的の追加 大規模な自然災害及びテロリズムその他の犯罪行為の発生も想定 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的 重大事故も考慮した安全規制への転換 保安措置に重大事故対策 ( シビアアクシデント対策 ) が含まれることを明記し 法令上の規制対象に 事業者による原子力施設の安全性向上を図るために総合的な安全評価を定期的に実施し その結果等の国への届出及び公表を義務づけ 最新の知見を既存施設にも反映する規制への転換 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 既に許可を得た原子力施設に対しても最新の規制基準への適合を義務づける バックフィット制度 を導入 原子力安全規制の一元化 電気事業法の原子力発電所に対する安全規制 ( 定期検査等 ) を 原子炉等規制法に一元化 原子炉等規制法の目的 許可等の基準から原子力の利用等の計画的な遂行に関するものを削除し 安全の観点からの規制であることを明確化 6

新規制基準 ( 発電用原子炉 ) の基本的な考え方 新規制基準では 深層防護 を基本とし 共通要因による安全機能の一斉喪失を防止する観点から 自然現象の想定と対策を大幅に引き上げ また 自然現象以外でも 共通要因による安全機能の一斉喪失を引き起こす可能性のある事象 ( 火災など ) について対策を強化 1 深層防護 の徹底 目的達成に有効な複数の ( 多層の ) 対策を用意し かつ それぞれの層の対策を考えるとき 他の層での対策に期待しない 2 共通要因故障をもたらす自然現象等に係る想定の大幅な引き上げとそれに対する防護対策を強化 地震 津波の評価の厳格化 津波浸水対策の導入 多様性 独立性を十分に配慮 火山 竜巻 森林火災の影響評価 3 自然現象以外の共通要因故障を引き起こす事象への対策を強化 火災防護対策の強化 徹底 内部溢水対策の導入 停電対策の強化 ( 電源強化 ) 4 基準では必要な 性能 を規定 ( 性能要求 ) 基準を満たすための具体策は事業者が施設の特性に応じて選択 7

従来の基準と新基準との比較 従来と比較すると シビアアクシデントを防止するための基準を強化するとともに 万一シビアアクシデントやテロが発生した場合に対処するための基準を新設 < 従来の規制基準 > 自然現象に対する考慮火災に対する考慮電源の信頼性その他の設備の性能耐震 耐津波性能 < 新規制基準 > 意図的な航空機衝突への対応 放射性物質の拡散抑制対策 格納容器破損防止対策 炉心損傷防止対策 ( 複数の機器の故障を想定 ) 内部溢水に対する考慮 ( 新設 ) 自然現象に対する考慮 ( 火山 竜巻 森林火災を新設 ) 火災に対する考慮 電源の信頼性 その他の設備の性能 耐震 耐津波性能 新設 新設 強化又は新設 強化 ( テロ対策 ) ( シビアアクシデント対策 ) 8

原子炉等規制法に基づく許可における原子力委員会への意見聴取 1. 原子炉の設置 使用済核燃料の貯蔵の事業 再処理の事業の許可等 許可基準において 原子炉 貯蔵施設 再処理施設が 平和目的以外に利用されるおそれがないこと と法定 原子炉等の設置の目的 申請者の事業目的 使用済燃料の処分の方法などから 申請の事業が平和目的以外にないことを確認 原子力規制委員会は 平和目的以外に利用されるおそれがないことにつき 原子力委員会の意見を聴かなければならないこととされている 2. 核燃料物質の使用の許可 許可基準において その使用が 平和目的以外に利用されるおそれがないこと と法定されているものの 一般的に使用の許可を受けなければならない事業としては 他の事業と比較して 小規模 短期間のものを想定していることから 原子力委員会に対する意見聴取規定はない 3. 製錬 加工 廃棄の事業の許可等 許可基準に 平和目的以外に利用されるおそれがないこと という項目がないことから 原子力委員会に対する意見聴取規定はない 原子力規制委員会設置前までは 原子炉等規制法の目的及び許可基準に計画的利用が規定され 併せて 当該観点からの原子力委員会への意見聴取規定があったが 原子力規制委員会設置後はこれらの規定が削除された 9

( 参照条文 ) 原子炉等規制法第 1 条この法律は 原子力基本法 ( 昭和三十年法律第百八十六号 ) の精神にのつとり 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の利用が平和の目的に限られることを確保するとともに これらによる災害を防止し 及び核燃料物質を防護して 公共の安全を図るために 製錬 加工 貯蔵 再処理及び廃棄の事業並びに原子炉の設置及び運転等に関し 大規模な自然災害及びテロリズムその他の犯罪行為の発生も想定した必要な規制を行うほか 原子力の研究 開発及び利用に関する条約その他の国際約束を実施するために 国際規制物資の使用等に関する必要な規制を行い もつて国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする 第 24 条原子力規制委員会は 第二十三条第一項の許可の申請があつた場合においては その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ 同項の許可をしてはならない 一原子炉が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと 二その者 ( 原子炉を船舶に設置する場合にあつては その船舶を建造する造船事業者を含む ) に等原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があり かつ 原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があること 三原子炉施設の位置 構造及び設備が核燃料物質 ( 使用済燃料を含む 以下同じ ) 若しくは核燃料物質によつて汚染された物 ( 原子核分裂生成物を含む 以下同じ ) 又は原子炉による災害の防止上支障がないものであること 2 原子力規制委員会は 第二十三条第一項の許可をする場合においては あらかじめ 前項第一号に規定する基準の適用について 原子力委員会の意見を聴かなければならない 原子力基本法第 2 条原子力利用は 平和の目的に限り 安全の確保を旨として 民主的な運営の下に 自主的にこれを行うものとし その成果を公開し 進んで国際協力に資するものとする 2 前項の安全の確保については 確立された国際的な基準を踏まえ 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として 行うものとする 第 4 条原子力利用に関する国の施策を計画的に遂行し 原子力行政の民主的な運営を図るため 内閣府に原子力委員会を置く 10

原子炉等規制法に基づく核物質防護 核物質の不法移転 ( 盗取 ) や妨害破壊行為の防止のため 原子炉等規制法に基づき 事業者に対し 核物質防護のための措置を義務づけ 国 ( 原子力規制委員会 ) 設計基礎脅威 (DBT) < 実用炉規則第 91 条第 28 号等 > 前各号の措置は 原子力規制委員会が別に定める妨害破壊行為等の脅威 に対応したものとすること 核物質の不法移転又は妨害破壊行為を企てる恐れのある潜在的内部者及び / 又は外部からの敵の属性及び性格をまとめたもの ( 治安当局と協議して作成 ) 核物質防護検査 < 実用炉規則第 97 条等 > 検査は毎年 1 回 事業所等へ立入り 必要な物件の検査 関係者に対する質問等を実施 核物質防護規定の遵守状況を国が監視し 防護措置が的確に実施されていることを確認するため 事業者が講じた防護措置の有効性を定期的に検査 1 国が作成し事業者へ提示 2 申請 / 認可 4 核物質防護検査官が確認 核物質防護規定 防護措置 事業者 < 実用炉規則第 96 条等 > 防護業務従事者の職務 組織 防護区域等の設定 巡視 監視 出入管理 連絡体制の整備 詳細事項の情報管理 防護措置の定期的な評価 改善等 3 具体的措置 < 実用炉規則第 91 条等 > 防護区域等の設定 障壁で区画 立入制限 出入管理 監視装置の設置 連絡手段の確保 情報管理 ( 漏洩防止 ) 脅威に対応した防護措置 防護措置の定期的な評価及び改善 等 ( その他 ) 管理者の選解任 記録 秘密保持義務等 11

核セキュリティに関する検討会 検討会の目的 - 原子力規制委員会の所掌事務である 核燃料物質及びその他の放射性物質の防護に関する関係行政機関の事務の調整に関すること に対応し 核セキュリティに関する様々な省庁横断的課題に応ずると共に 原子力規制委員会として 我が国の核セキュリティ強化を着実に推し進め 核セキュリティに関する国際貢献等に取り組むことを目的とする 優先して取り組むべき課題 平成 25 年 3 月 4 日 : 第 1 回核セキュリティに関する検討会 - 原子力規制委員会設置前に原子力委員会が取りまとめた核セキュリティ関係の報告 ( ) を踏まえ 以下の 3 つの課題を当面優先して検討 1 信頼性確認制度の導入 2 輸送時の核セキュリティ対策 3 放射性物質及び関連施設の核セキュリティ 核セキュリティの確保に対する基本的考え方 ( 平成 23 年 9 月原子力委員会決定 ) 我が国の核セキュリティ対策の強化について ( 平成 24 年 3 月原子力委員会決定 ) 開催状況 - 第 1 回 : 平成 25 年 3 月 4 日 ( 主要議題 : 核セキュリティの現状 原子力委員会等におけるこれまでの検討経緯 関係各省の取組 当面の検討課題 ) - 第 2 回 : 平成 25 年 7 月 8 日 ( 主要議題 : 個人の信頼性確認制度について他 ) 12

1. 核不拡散条約 (NPT) 保障措置の実施について 1970 年発効 ( 我が国は 1970 年署名 1976 年批准 ) 核兵器国 : 核兵器等の委譲の禁止及び製造等についての非核兵器国に対する援助等の禁止 ( 第 1 条 ) 非核兵器国 : 核兵器等の受領 製造の禁止 ( 第 2 条 ) 保障措置の受諾 国際原子力機関 (IAEA) との保障措置協定の締結等 ( 第 3 条 ) ( 我が国は 1977 年に日 IAEA 保障措置協定を締結 ) 2. 保障措置 保障措置協定締結により 有意量の核物質が平和的な原子力活動から核兵器その他の核爆発装置の製造のため又は不明な目的のために転用されることを適時に探知すること及び早期探知の危惧を与えることにより転用を抑止すること を目的とした包括的保障措置制度が適用された IAEA 保障措置は 我が国の計量管理制度による認定を検認することが可能となるような方法で適用される 我が国は 原子炉等規制法に基づき 以下の具体的な活動を実施 監視カメラ 封印 (1) 計量管理 : 原子力事業者等が核物質の在庫量等を国に報告 ( 事業者等の義務 ) (2) 封じ込め 監視 : 核物質の移動等を監視カメラ 封印等により確認 ( 国の義務 ) (3) 保障措置検査 : 国及び指定保障措置検査等実施機関の査察官 ( 員 ) が施設に立入り 核物質の計量及び管理の状況について検査 ( 査察 ) を実施 ( 国の義務 ) 査察 ( 非破壊測定 ) 3. 保障措置結論 IAEA は 保障措置対象の国ごとに検認活動及び評価活動の結果から保障措置結論を導出し これを年次保障措置実施報告書 ( 非公開 ) として取りまとめ その一部を保障措置声明として公表 我が国は 追加議定書により強化された保障措置活動の結果として 2004 年以来 全ての核物質が平和的活動の中に留まっている との保障措置結論を得ている 13

我が国における保障措置実施体制 補 完 的 な ア ク セ ス 国 際 査 察 追加議定書の対象 1 原子力関連資機材の製造組立場所 核物質を用いない核燃料サイクル関連研究開発活動の実施場所 ウラン鉱山等 国際原子力機関 (IAEA) 等 報告 活動状況の報告等 報告 外務省 原子力規制委員会 計量管理報等 原子力施設 評価報告 連携 協力 保障措置に関する協議等 指定保障措置検査等実施機関 2 1 保障措置検査 2 試料分析等 国内査察 指定情報処理機関 2 核物質の計量管理報告の 保障措置検査 ( 査察 ) 情報処理及び解析 1 計量管理 2カメラ 封印等による 封じ込め / 監視 3 現場立入 等 追加議定書 に基づく措置 加工施設 原子炉施設 再処理施設 使用施設 等 1: 通常査察中に発生した補完的なアクセス等を除く 2: 指定保障措置検査等実施機関, 指定情報処理機関 として 原子炉等規制法に基づき ( 公財 ) 核物質管理センターを指定 14