第 3 学年国語科学習指導案 平成 24 年 6 月 13 日 ( 水 ) 児童数 名 指導者 教諭 1 単元名 教材名じょうほうをもとめて読む めだか 本の仕組みを知ろう ( 生き物ふしぎ図かん を作ろう ) 2 児童の実態と本単元の意図 (1) 児童の実態 ( 省略 ) (2) 本単元の意図本単元は 小学校学習指導要領国語 ( 平成 20 年 ) における第 3 学年及び第 4 学年の C 読むこと の指導事項イ 目的に応じて, 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関係を考え, 文章を読むこと とエ 目的や必要に応じて, 文章の要点や細かい点に注意しながら読み, 文章などを引用したり要約したりすること を受けて設定した 紹介したい 生き物ふしぎ図かん を作ることを目標にして 段落相互の関係を考え 文章を読み取り 文章の要点をとらえたり 文章などを引用したり要約して書き表すことをねらいとする 説明的文章の学習で育てたい力として 正確な読解力 論理的思考力 情報活用力 説明的な表現力などがある 3 年生では 正確な読解力を育てるために 要点を読み取ることが重要である めだか は 文章前半の敵から身を守る方法を解説した部分では 段落冒頭が中心文 段落内の他の文が中心文を詳しく解説するという構成になっている まず この構成に気付くことを通して 内容をまとめた文 と 詳しい説明の文 があることをおさえる ついで 後半の自然の厳しさに耐える仕組みを述べた部分でも 内容をまとめた文 と 詳しい説明の文 の関係を考えて読ませ 要点の読み取りへと進めてゆく 論理的思考力を育てる点からは 物事を適切に分類することを学ばせたい めだか では 他の魚と比べて優れた点が六つあげられているが その四つが 敵から身を守る方法 であり 二つが 自然の厳しさに耐える仕組み である このそれぞれはある観点に従って分類したものであり それぞれを入れ替えることはできない このような気付きをもとに 雑多な事柄を適切に分類 整理する思考力を育てる 説明の進め方からみると 前半は 問いに答えるかたちで 後半は 要旨の提示を受けて解説するかたちになっている 低学年の説明文が一つの問いや要旨を受けて展開していたのとは異なる こうしたやや複雑な構造の説明を理解したり 自分で行ったりできるようになることも 中学年で身に付けたい力である 生き物ふしぎ図かんを作ろう では めだか の読みを通してわき上がった知的好奇心を基に 目次や索引を利用して情報検索の力を育てる また 解説内容から 自分の疑問を解決する部分を読み取り 箇条書きにまとめることや自分だけの 生き物ふしぎ図かん を作る喜びを味わわせた 1
い 3 本校の研究主題との関わり (1) 研究主題 研究主題 確かな学力の向上をめざした学習指導の改善 ~ 読むこと における 単元を貫く言語活動 の研究 ( 国語科 )~ 本単元の学習を通して どの子にも確かな学力 ( 基礎 基本の定着 ) を身に付けさせることのできる授業を構築していきたい 本単元は3 年生になって初めての読むことの説明文の単元であり 読むこと に主眼を置き 学習指導要領との関連から 本単元で身に付けさせたい力を 以下のようにとらえた C 読むこと 学習指導要領解説国語編 P61~P66 (1) 目標 (3) 目的に応じ, 内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに, 幅広く読書しようとする態度を育てる (2) 内容 1 指導事項 (1) 読むことの能力を育てるために, 次の事項について指導する イ目的に応じて, 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関係を考え, 文章を読むこと エ目的や必要に応じて, 文章の要点や細かい点に注意しながら読み, 文章などを引用したり要約したりすること カ目的に応じて, いろいろな本や文章を選んで読むこと 2 言語活動例 (2)(1) に示す事項については, 例えば, 次のような言語活動を通して指導するものとする イ記録や報告の文章, 図鑑や事典などを読んで利用すること ウ記録や報告の文章を読んでまとめたものを読み合うこと オ必要な情報を得るために, 読んだ内容に関連した他の本や文章などを読むこと [ 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ] イ言葉の特徴やきまりに関する事項語句に関する事項 ( カ ) 表現したり理解したりするために必要な文字や語句について, 辞書を利用して調べる方法を理解し, 調べる習慣を付けること 文及び文章の構成に関する事項 ( ク ) 指示語や接続語が文と文との意味のつながりに果たす役割を理解し, 使うこと 2
B 書くこと 学習指導要領解説国語編 P56~P61 (1) 目標 (2) 相手や目的に応じ, 調べたことなどが伝わるように, 段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに, 工夫をしながら書こうとする態度を育てる (2) 内容 1 指導事項 (1) 書くことの能力を育てるために, 次の事項について指導する ア関心のあることなどから書くことを決め, 相手や目的に応じて, 書く上で必要な事柄を調べること 2 言語活動例 (2)(1) に示す事項については, 例えば, 次のような言語活動を通して指導するものとする ウ収集した資料を効果的に使い, 説明する文章などを書くこと (2) 研究の仮説と手立て 仮説 1 目的に応じて中心となる語や文をとらえるなどして段落相互の関係を押さえる言 語活動をすることによって 読解力を育て 要点を読み取ることができるであろう < 具体的な手立て > 要点を読み取るためのワークシートの例 読解力を育てるために 要点を読み取る工夫 中心文と中心文を詳しく説明する文の構成に気づき 内容をまとめた文 と 詳しい説明の文 を押さえる そのために この関係を考えて要点を読み取るためのワークシートを活用する 接続語( 第一に 第二に ) を手がかりにして 中心文をとらえていく 単元を貫く言語活動が円滑に進められるように 本の仕組みを知ろう の学習を 生き物ふしぎ図かん として設定し 生き物のみでなく 本文の読み取り後 めだかふしぎ図かん を作成し 要点をとらえ 箇条書きの力を育てる 単元を貫く言語活動 に向かって意欲を高める工夫 教師モデルの図鑑を提示することで 具体的なイメージを持ち 自分もやってみたいという思いを感じさせ 説明文を読んでいく強い動機づけにする 図鑑での内容の読み取りが苦手な児童には 支援シート( 必要な箇所に線を引いたり ポイントを付け加えたもの ) を渡したり つまずいている児童を集めて指導支援を行ったりする また 難解語句を調べることができるように国語辞典を使用させる 学習の見通しを持たせるために単元計画を知らせる 3
読み取りの学習を活用場面で生かす単元計画を設定し 活用力を育てる 導入 展開 ( 習得 ) ( 活用 1) ( 活用 2) まとめ 生き物ふしぎ めだか で 大事な めだかふ 生き物ふしぎ 生き物ふし 図かん を作る ところの要点をまと しぎ図かん 図かん を作る ぎ図かん を紹 見通しをもつ める方法を学ぶ を作る 介し合う 並行読書 ( 読書の時間を活用し 生き物図鑑を読む ) 仮説 2 生き物ふしぎ図かん を作成する活動を通して 本や図鑑を利用 活用の仕方を学び 作成した図鑑を紹介することによって 学ぶ楽しさ 交流し合う楽しさを味わい 言語活動が拡がるであろう < 具体的な手立て> 学び合う楽しさの工夫 話型の提示をすることにより 話が円滑に進められるようにし 交流が深まるようにする 自分の考えや思いを持って友だちと交流することで 考えや思いがさらに拡がったり 深まったりすることで 表現活動への意欲を高める できあがった図鑑を友だちに紹介することで 相手意識を持ち 交流が深まるようにする また お家の人からのメッセージをいただくようにする 4 単元の目標 (1) 生き物 について説明したいろいろな図鑑を読もうとしている ( 関心 意欲 態度 ) (2) 自身の知識と対応させながら文章を読み めだかや他の生き物について説明されている事柄を読み取ろうとしている ( 関心 意欲 態度 ) (3) 問いかけの文や要旨を述べた文との関係に気をつけながら 段落の要点をとらえることができる ( 読むこと ) (4) 目的や必要に応じて 文章の要点に注意しながら読み 文章を引用したり要約することができる ( 読むこと ) (5) 指示語 接続語を手がかりにしながら 中心文をとらえることができる ( 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ) 4
5 単元の評価規準や学習活動に即した評価規準 単元の評価規準 学 習 活 動 に 即 し た 評 価 規 準 ア国語への 関心 意欲 態度 自身の知識と対応させなが ら文章を読み めだかや他 の生き物について説明さ れている事柄を読み取ろ うとしている 1 自身の知識と対応させな がら文章を読み めだか について ( 分かったこと や疑問 さらに調べたい 課題を 3 項目以上指摘し ている ) 説明されている 事柄を読み取ろうとして いる 2 生き物ふしぎ図かん を ( 要点を押さえて適切 に ) 調べて書こうとして いる 3 友だちの作った 生き物 ふしぎ図かん を興味を もって聞き よいところ を (2 つ以上 ) 見つけて 感想を書こうとしてい る エ読む能力 *( ) の部分は A の状況 他は B の状況を示す 問いかけの文や要旨を述べた文との 関係に気をつけながら 段落の要点 をとらえている 目的や必要に応じて 文章の要点に 注意しながら読み 文章を引用した り要約している 1 問いかけの文や要旨を述べた文 との関係に気をつけながら 段落 の要点をとらえている ( 問いと 答えや要旨と解説の関係 中心文 とそれを詳しく述べる文の関係 を把握し 段落の要点をとらえて いる ) 2 段落同士の関係に気をつけ 文章 の構成を話し合っている 3 目次と索引の違いが分かり 本の 中から自身の課題に即したペー ジを見つけている 4 索引から自分の調べたい生き物 のページを見つけ 大事なところ を ( 要点を押さえて ) 箇条書きで 表している オ言語についての知識 理解 技 能 指示語 接続語を手がか りにしながら 中心文を とらえている 1 指示語 接続語を手がか りにしながら 中心文を とらえ ( 段落の関係や文 章全体の構成を説明し ) ている 2 調べる目的に合わせて 目次と索引を使い分け ている ( 目次 索引 奥付などからなる本の 仕組みを知り 調べる際 に利用している ) 3 難解語句の意味を国語 辞典を使って ( 積極的 に ) 調べ 理解している 5
6 単元学習過程及び評価計画 ( 全 11 時間 9 は本時 ) 時主な学習活動学習内容 評価規準 評価方法 導入 1 説明文の学習を知る めだか の学習を通して 学習の見通し 段落ごとの要点の読み取 アの1 オの3 要点の読み取りを知る ま る確認 発言内容の考察 た 物事を適切に分類する ノート記述の考察 ことを知る 生き物ふしぎ図かん を 生き物ふしぎ図かん の 作ることを知る 作成の確認 生き物ふしぎ図かん を作ろう 展開 ( 習得 ) 2 めだか を読んで 学習活動を知る 学習の見通しの確認 初発の感想 疑問に思ったことの発表 形式段落の確認 エの1 発言内容の考察 記述の考察 ワークシートの考察 交流の仕方 ( グループ 話型の確認 ) 3 1~4 段落を読んで 一見 段落ごとの読み取り エの 1 のんびりしているめだか 問いの確認 オの 1 がおかれた状況を読み取 中心文と詳しく説明する文 発表の様子や態度の考察 る の読み取り ワークシートの考察 めだかは小さい魚 交流の仕方 ( グループ 話型の確認 ) 4 5~8 段落を読んで めだ 段落ごとの読み取り エの 1 かの身の守り方を読み取 中心文と詳しく説明する文 オの 1 る の読み取り 発表の様子や態度の考察 敵から身を守る方法 ワークシートの考察 交流の仕方 ( グループ 話型の確認 ) 5 9~11 段落を読んで 自然 段落ごとの読み取り エの 1 の厳しさに耐えるめだか 中心文と詳しく説明する文 オの 1 の体のしくみを読み取る の読み取り 発表の様子や態度の考察 自然の厳しさに耐えるしく ワークシートの考察 み 交流の仕方 ( グループ 話型の確認 ) 6 12 段落を読んで文章全体 文章構成のまとめ エの 2 を振り返り 文章構成をま 12 段落の叙述と 1~11 段落 発表の様子や態度の考察 6
( 活用 1 ) ( 活用 2 ) ま と め とめる の内容との対応関係 ワークシートの考察 7 めだか で読み取った事柄を整理し 第 2~ 第 6 時の学習を確認し めだかふしぎ図かん を作る めだか の内容の かじょう書き 図鑑の作成 エの23 発表の様子や態度の考察 ワークシートの考察 8 生き物ふしぎ図かん を 調べる生き物の選択 アの1 作るために図鑑のしくみ 図鑑の作成 エの3 を学び 生き物を選ぶ 昆虫 魚 動物等の選択 オの2 図鑑のしくみ ( 目次 索 ワークシートの考察 引 奥付 前書き 後書き ) 9 選んだ生き物について調べる 10 調べた物をまとめ 生き物ふしぎ図かん を作る 11 作った 生き物ふしぎ図かん を紹介発表する 資料の読み取りと箇条書 エの4 き ワークシートの考察 図鑑のしくみ( 目次と奥付 ) 図鑑の作成 アの2 エの4 ワークシートの考察 生き物ふしぎ図かん の アの3 紹介 発表内容の考察 感想カードの記入の仕方 参加態度 7 単元の学習指導 (1) 本時の学習指導 ( 本時 9/11 時間 ) 目標 索引から自分の調べたい生き物のページを見つけ 大事なところを引用したり要約したりして箇条書きで表すことができる ( 読むこと ) (2) 評価規準 ( ) の部分は A の状況 他は Bの状況を示す エ読む能力 1 索引から自分の調べたい生き物のページを見つけ 大事なところを ( 要点を押さえて ) 箇条書きで 表している (3) 展開 学習活動学習内容 教師の支援 指導 評価の創意工夫時間 1 本時の学習課題を 本時の学習の見通しつかむ 生き物ふしぎ図かん を作ろう めあて : かじょう書きでみじかく書こう 2 前時の学習を想起 奥付の見方 児童が調べる生き物の図鑑の資料を人数分 教師モデルの図鑑を数冊 支援シート ( 生き物紹介カード ) を数枚ずつ用意しておく めあての確認をする 大事な事柄の箇条書きの仕方を確認する 7 5 10
し 奥付から図鑑に 記入する 本の題名やシリーズ名 本を書いた人または 編集者 奥付の中で 本の題名やシリーズ名 本を 書いた人 ( 編集者 ) を図鑑に記入すること を確認し 全体で記入させる 3 自分の調べたい生き物のふしぎを見つけて ワークシートに書く 資料の読み取り ワークシートには 絵以外のところを記入 箇条書きの仕方させる 大事な事柄をまとめ 読み取りが十分ではない児童には 図鑑をる もとに分かりやすくまとめた支援シート 番号や記号をつける を渡す 短く分けて書く 箇条書きが十分理解できない児童には 教師のモデルの図鑑を提示し 箇条書きの仕方をイメージさせたり 個別に指導したりする 教師モデルの図鑑は まとめのヒントになるために いつ見てもよいことを伝える 意味が分からない時には 国語辞典を使って調べるよう助言する 書き終わった児童には 見直しさせ 他の生き物を調べるように助言する 評価場面 < 学習活動に即した評価規準 > エの4 < 評価方法 > 調査の様子や態度の観察 ワークシートの考察 < 手立て> 文章の読み取りが十分できない児童には 支援シート ( 生き物紹介カード ) や教師モデルの図鑑を提示することで箇条書きの仕方を理解させる めあてが達成されている児童には 他の生き物図鑑をつくるように助言する 23 4 箇条書きが的確に 発表の仕方 教師は 意図的に指名する 5 書けている児童に みんなに聞こえる声 全体に聞こえる声の大きさで話すように 生き物ふしぎ図か の大きさ する ん を紹介してもら う 8
5 本時の学習のまと めをする めあての振り返り めあてを確認し 児童に自己評価させる 2 8 備考 (1) 板書計画 みじかく分けて書く 番号や記号をつける 大事なことがらをまとめる かじょう書き 発行日 本を書いた人 ( へん集者 ) 本の題名やシリーズ名 本の最後のほうにある おくづけ めあて かじょ う書きでみ じかく 書こう 生き物ふしぎ図かん を作ろう 9