診療対象

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 診療対象

修練カリキュラム

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座


がん登録実務について

基礎知識 1. 甲状腺について 甲状腺は いわゆる のどぼとけ ( 甲状軟骨 ) のすぐ下の気管の前にあり 気管を取り囲むように位置しています ( 図 1) 重さ 10~20g 程度の小さな臓器です 羽を広げたチョウのような形で 右葉 ( うよう ) および左葉 ( さよう ) 中央の峡部 ( きょ

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

医療関係者 Version 2.0 RET 遺伝学的検査の実施について Ⅰ.RET 遺伝学的検査の対象 甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査 平成 28 年 4 月より甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査が保険収載された 診療報酬点数表によると 保険適用による RET 遺伝学的検査は 遺


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医療関係者 Version 2.0 多発性内分泌腫瘍症 2 型と RET 遺伝子 Ⅰ. 臨床病変 エムイーエヌ 多発性内分泌腫瘍症 2 型 (multiple endocrine neoplasia type 2 : MEN2) は甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 副甲状腺機能亢進症を発生する常染色体優性遺

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

頭頚部がん1部[ ].indd

北海道医療大学歯学部シラバス

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

1)表紙14年v0

乳癌かな?!と思ったら

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して

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診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

マイクロサテライト不安定性(MSI)検査について

Microsoft PowerPoint - 復習臨床病態学Ⅰ.pptx

目次 甲状腺とは 3 甲状腺ホルモンとは 4 甲状腺ホルモン量の調節 6 甲状腺がんとは 8 甲状腺がんの種類 9 甲状腺とは 甲状腺は のどぼとけのすぐ下にある重さ 10 ~ 20g 程度の小さな臓器で 甲状腺ホルモン というホルモンをつくっています ちょうど 蝶が羽を広げたような形をしていますが

は関連する学会 専門医制度と連携しており, 今後さらに拡大していきます. 日本外科学会 ( 外科専門医 ) 日本消化器外科学会 ( 消化器外科専門医 ) 消化器外科領域については, 以下の学会が 消化器外科データベース関連学会協議会 を組織して,NCD と連携する : 日本消化器外科学会, 日本肝胆

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マイクロサテライト不安定性(MSI)検査について

小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 教育の基本方針小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ね備えた小

206 年実施卒後教育プログラム ( 日泌総会 ) 領域等タイトル日時単位 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 8 日泌総会卒後 9 日泌総会卒後 0 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6

( 後期 1 年目 ) アップ 2. 外来薬物療法を理解し実施できる ( 化学療法 内分泌療法 30 例の達成 ) 3. 乳癌関連基礎研究 ( トランスレーショナルリサーチ ) についての理解 4. 乳腺疾患の診断手技の実施 ( 穿刺吸引細胞診 20 例 針生検 20 例の達成 ) 5. 画像診断の

外来在宅化学療法の実際

Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

研修プログラム モデル例

妊婦甲状腺機能検査の実施成績 東京都予防医学協会母子保健検査部 はじめに て乾燥させたろ紙血液を検体とする 検体は本会の 妊婦の甲状腺機能異常による甲状腺ホルモンの 過不足は 妊娠の転帰に影響を与えるばかりでなく 代謝異常検査センターに郵送される 2 検査項目と検査目的および判定基準 生まれてくる子

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

Microsoft PowerPoint - komatsu 2

Microsoft PowerPoint - 印刷用 DR.松浦寛 K-net配布資料.ppt [互換モード]

資料1_事業実施計画書

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

わたしの手帳 my note

地域公開講演会 2007.3.24

総合診療

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

研修プログラム モデル例

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

核医学画像診断 第36号

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

一般内科

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がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れが見えると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま ほうっておかないでください

研修プログラム モデル例

研究の実績と今後の目標 日本医科大学内分泌外科杉谷巌 1993 年より 20 年間在籍した癌研究会附属病院 ( 現 : がん研有明病院 ) におい て経験させていただいた症例を中心に 主に甲状腺癌についての臨床研究を行 ってまいりました 1. 甲状腺乳頭癌 ~ 彼我の治療方針の相違を乗り越えるための

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記入方法

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

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「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )

外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

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1) 専門研修基幹施設 藤田保健衛生大学病院 ( 総合型研修病院 ) 指導責任者 藤井多久磨 良性から悪性までの全ての婦人科疾患 母体 胎児救命を含む全ての周産期疾患 腹 腔鏡から体外受精まであらゆる生殖内分泌疾患 女性ヘルスケアなど非常に豊富な症 例をそれぞれの専門家による指導にて研修することがで

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

第1号様式

スライド タイトルなし

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

1. 部位別登録数年次推移 表は 部位別に登録数の推移を示しました 2015 年の登録数は 1294 件であり 2014 年と比較して 96 件増加しました 部位別の登録数は 多い順に大腸 前立腺 胃 膀胱 肺となりました また 増加件数が多い順に 皮膚で 24 件の増加 次いで膀胱 23 件の増加

検査項目情報 6154 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E016. カテコールアミン3 分画 カテコールアミン3 分画 [ 随時尿 ] catecholamines 3 fractionation 連絡先 : 3764 基本情報 4E016

NCCN2010.xls

その他の腫瘍 Ⅰ. ランゲルハンス細胞組織球症 (LCH) ランゲルハンス細胞組織球症 (LCH) は 以前はヒスチオサイトーシス Xと呼ばれ レットラー シーベ病 ハンド シューラー クリスチャン病 好酸球性肉芽腫と 3 型に分類されていました それらがいずれもランゲルハンス細胞による疾患と分かり

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

卒後臨床2017-埋込.indd

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第

岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

第58回日本臨床細胞学会 Self Assessment Slide

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一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房

研修プログラム モデル例


研修プログラム モデル例

「             」  説明および同意書

43048腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約第1版 追加資料

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

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甲状腺疾患の診療

CRF_泌尿器科_副腎_ver1.01

虎ノ門医学セミナー

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

Transcription:

1 日本内分泌外科学会 日本甲状腺外科学会専門医制度における内分泌外科疾患研修細則 ( 甲状腺 副甲状腺 副腎 ) 甲状腺研修内容 1. 一般目標 1 内分泌外科専門医としての医療技術 知識を基礎にし 内分泌外科疾患の診療を実践できる医師を養成するための到達目標を定め 研修を実施する 認定施設における研修期間は 通算 5 年以上を必須とする 1) 内分泌外科疾患全体を包括した専門医としての知識 臨床的判断能力 問題解決能力を習得する 2) 各専門分野における診療を適切に遂行できる技術を習得する 3) 医学 医療の進歩に合わせた生涯学習を行う方略 方法の基本を習得する 4) 自らの研修とともに上記項目について後進の指導を行う能力を習得する 2. 到達目標 2( 基礎的知識 ) 各専門分野の内分泌外科診療に共通して必要な下記の基本的知識を習熟し 臨床に即した対応ができる 1) 解剖正常甲状腺の組織像 甲状腺を主とした頚部領域の解剖を理解している 2) 甲状腺ホルモン甲状腺ホルモン産生 分泌 調節および甲状腺ホルモンの作用機序に関する知識を習得している 3) 疫学甲状腺癌の疫学に関する一般的事項 ( 罹患率 死亡率 再発形式 ) に関する最新のデータを認知している バセドウ病の疫学に関する一般的事項に関する最新のデータを認知している 4) 病理下記甲状腺疾患のマクロ ミクロの病理を理解し 画像診断との対比ができる (1) 先天異常と発達異常 (2) 良性疾患 : 腺腫様甲状腺腫 腺腫 機能性甲状腺結節 慢性甲状腺 バセドウ病 亜急性甲状腺炎 その他 (3) 悪性疾患 : 甲状腺癌 ( 乳頭癌 ろ胞癌 髄様癌 低分化癌 未分化癌 ) 悪性リンパ腫 その他非上皮性腫瘍 その他 5) バイオロジー甲状腺癌の自然史 増殖 進展 分化度 癌関連因子などのバイオロジーに関する最新の知見を習得している 3. 到達目標 2( 基本的診療技術 ) 甲状腺疾患の診療に必要な知識 検査 処置に習熟し 診療を行うことができる A. 診断 1) 問診 病歴 視触診甲状腺疾患患者の問診 視触診を行うことができる 2) 病期分類甲状腺癌取扱い規約による甲状腺癌の病期分類ができる 3) 画像診断

2 (1) 甲状腺超音波検査 頚部 CT 頚部 MRI 胸部 CT 上腹部 CT 腹部超音波検査 シンチグラフィ 頭部 CT 頭部 MRI 骨 MRI: 適応を決定し 読影することができる (2) 上記画像診断の各種検査法の特性を理解して検査計画を作り 総合診断ができる 4) 血液検査 (1) 甲状腺ホルモン検査 : 甲状腺ホルモン,TSH,TRAb, 抗 Tg 抗体 抗 TPO 抗体等の測定適応を決定し 検査結果を評価できる (2) 腫瘍マーカー : 適応を決定し 検査結果を評価できる 5) 穿刺吸引細胞診 針生検 外科的生検 : 適応を決定し 結果を理解することができる B. 治療 1) 甲状腺の良性疾患および悪性疾患に対して問診 視触診 画像診断などの結果に基づいた適切な治療方針を決定することができる 2) バセドウ病の治療方法を理解し 外科治療の適応を決定できる 3) 甲状腺癌に対する外科治療 放射線治療 ( 外照射 内照射 ) 化学療法および内分泌療法の役割を理解し それぞれの適応を決定することができる 4) 甲状腺癌に対する緩和医療の内容を理解し 適応を決定することができる 5) 甲状腺術後リハビリテーションの意義を理解している C. 医療倫理など 1) 最新の EBM を検索し その結果を臨床応用できる 2) 患者側に診療方針選択の権利があることを理解し 適切なインフォームド コンセントを得ることができる 3) セカンドオピニオンを求めてきた症例に対し適切な説明を行うことができる 4) 臨床試験の意義を理解し 参加することができる 4. 到達目標 3( 専門的診療技術 ) 行動目標下記の各専門分野別に内分泌疾患の診療内容を理解し EBM を導入した医療を実施できる能力を習得し 臨床応用できる A. 甲状腺外科担当医として内分泌外科に包含される主要な疾患に対する診断と治療をもれなく経験することを目標とする 1) 診療対象 (1) 甲状腺癌 ( 乳頭癌 濾胞癌 髄様癌 (MEN を含む ) 未分化癌 ) (2) バセドウ病 良性甲状腺結節 (3) 橋本病 無痛性甲状腺炎 亜急性甲状腺炎 悪性リンパ腫 2) 診断 (1) 頚部超音波検査 (2) 頚部 MRI または CT 検査 (3) 穿刺吸引細胞診 (4) 針生検など 3) 治療 : 下記の治療法について定められた件数以上の経験 ( 術者または指導者 ) を必要とする (1) 甲状腺癌に対して葉切除術 亜全摘または全摘 * 中心部または側頚部の郭清例 また気管 食道 反回神経などの周囲臓器の合併切除再建例を経験することが望ましい (2) バセドウ病に対しての両葉亜全摘または準全摘等の手術 (3) 頚部リンパ節摘出術 腫瘤摘出術 再発巣切除術

3 (4) 良性腫瘍性疾患に対するする葉切除または亜全摘術等の手術 (5) 甲状腺癌根治術が必要な患者を担当し 術前評価 術前管理 インフォームド コンセント 術後管理ができる (6) 外科治療を行うバセドウ病患者を担当し 術前評価 術前管理 インフォームド コンセント 術後管理ができる (7) 甲状腺術後リハビリテーションの患者への指導ができる (8) 甲状腺術後の適切なフォロー アップができる (9) 術後合併症 ( 術後甲状腺機能低下症 術後副甲状腺機能低下症 反回神経麻痺 乳ビ漏など ) に対して適切な対処ができる 5. 到達目標 4( 生涯教育 ) 甲状腺疾患診療の進歩に合わせた生涯教育を行う方略 方法の基本を習得する 1) 施設内の病理を含む各専門領域が集まる甲状腺カンファレンスに出席し それぞれの専門的立場から意見を述べることができる 2) 施設内甲状腺カンファレンスを司会し 積極的に討論に参加する 3) 学術集会 教育集会に参加し 日進月歩の医学 医療の実情に触れる 4) 学術集会 学術出版物に症例報告や臨床研究の結果を発表する 6. 到達目標 5( 医療行政 ) 医療行政 病院管理 ( リスクマネージメント 医療経営 チーム医療など ) についての重要性を理解し 実地医療現場で実行する能力を習得する

4 副甲状腺研修内容 1. 一般目標外科的副甲状腺疾患に罹患した患者が快適な生活を送ることが出来るように 適切な診断と管理の方法を修得する 以下に 教育目標の 3 領域 : 認知 精神運動 情意に分けて個別行動目標を示す それぞれの個別行動目標を達成するために 各研修施設はその環境に応じた学習方略を整える必要がある 2. 個別行動目標 1( 認知領域 ) 1) 医療倫理の原則 手順を述べる ( 想起 ) 2) EBM(evidence-based medicine) を説明できる ( 想起 ) 3) 副甲状腺の発生と解剖を述べる ( 想起 ) 4) 副甲状腺ホルモンの産生 分泌 調節および作用機序を説明できる ( 想起 ) 5) 高カルシウム血症の鑑別診断ができる ( 問題解決 ) 6) 原発性副甲状腺機能亢進症の鑑別診断 ( 腺腫 過形成 癌 ) ができる ( 問題解決 ) 7) 原発性副甲状腺機能亢進症の手術適応を決定できる ( 問題解決 ) 8) 原発性副甲状腺機能亢進症の部位診断法で病的副甲状腺を指摘できる ( 解釈 ) 9) 原発性副甲状腺機能亢進症の病態別術式と周術期管理 治療成績を述べる ( 想起 ) 10) 二次性副甲状腺機能亢進症の発症原因と仕組みを述べる ( 想起 ) 11) 二次性副甲状腺機能亢進症の臨床症状を述べる ( 想起 ) 12) 二次性副甲状腺機能亢進症の内科的治療法を述べる ( 想起 ) 13) 二次性副甲状腺機能亢進症の部位診断法で病的副甲状腺を指摘できる ( 解釈 ) 14) 二次性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺への介入法とその適応を述べる ( 想起 ) 15) 二次性副甲状腺機能亢進症の手術適応を決定できる ( 問題解決 ) 16) 二次性副甲状腺機能亢進症に対する術式と周術期管理 治療成績を述べる ( 想起 ) 17) 臨床所見 検査データに基づき術後管理ができる ( 問題解決 ) 3. 個別行動目標 2( 精神運動領域 ) 1) 患者と家族の理解度に配慮しながら原発性副甲状腺機能亢進症の診断 治療法 予後に ついて分かりやすく説明する ( 技能 ) 2) 頸部超音波検査を施行できる ( 技能 ) 3) 原発性副甲状腺機能亢進症に対する手術を安全に実施できる ( 技能 ) 4) 二次性副甲状腺機能亢進症に対する手術を安全に実施できる ( 技能 ) 4. 個別行動目標 3( 情意領域 ) 1) 医療倫理を実践する ( 態度 ) 2) 原発性副甲状腺機能亢進の診療にあたって 米国の NIH(National Institute of Health) による 無症候性の原発性副甲状腺機能亢進症に対する管理方針の目安 (2002 年 ) を常に参照する ( 態度 ) 3) 二次性副甲状腺機能亢進の診療にあたって 日本透析医学会による 透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン (2006 年 ) を常に参照する ( 態度 ) 4) 学術出版物を参照し あるいは学術集会や教育集会に参加し 最新の医療情報を批判的に吟味してこれを学ぶ ( 態度 )

5 外科的副腎疾患研修内容 外科的副腎を対象として手術を行う医師の所属専門科は 泌尿器科や外科 ( 一般外科 内分泌外科 ) などであり 同一学会の専門医ではないことが特徴である したがって外科的副腎疾患における本専門医制度は 各科における専門医制度の上に立脚して構築されるものであることを考慮し 研修目標 到達目標を定める 1. 研修目標内分泌外科 ( 副腎 ) 認定医としての医療技術 知識を基礎にし さらに内分泌外科 ( 副腎 ) 専門医として 外科的副腎疾患の診療を実践できる医師を養成するための到達目標を定め 研修を実施する 認定施設における研修期間は通算 5 年以上を必須とする 1) 副腎内分泌外科専門医としての知識 臨床的判断能力 問題解決能力を習得する 2) 外科的副腎疾患における診療を適切に遂行できる技術を習得する 3) 医学 医療の進歩に合わせた生涯学習を行う方略 方法の基本を習得する 4) 自らの研修とともに上記項目について後進の指導を行う能力を習得する 2. 到達目標 1( 基礎的知識 ) 外科的副腎疾患診療に必要な下記の基本的知識を習熟し 臨床に即した対応ができる 1) 解剖正常副腎の組織像 副腎周囲の腹腔内および後腹膜臓器の解剖を理解している 2) 副腎ホルモン副腎皮質ホルモン 髄質ホルモン産生 分泌 調節および作用機序に関する知識を習得している 3) 疫学外科的副腎疾患の疫学に関する一般的事項に関する最新のデータを認知している 4) 病理下記副腎疾患のマクロ ミクロの病理を理解し 画像診断との対比ができる (1) クッシング症候群 ( プレクリニカルクッシング症候群を含む ) (2) 原発性アルドステロン症 (3) 褐色細胞腫 (4) 内分泌非活性腫瘍 (5) 骨髄脂肪腫 (6) 副腎嚢腫 (7) 副腎性器症候群 (8) 副腎癌 ( 原発性 転移性 ) (9) その他 3. 到達目標 2( 基本的診療技術 ) 外科的副腎疾患の診療に必要な知識 検査 処置に習熟し 診療を行うことができる A. 診断 1) 問診 病歴副腎疾患患者の問診を行うことができる 2) 画像診断 (1) 上腹部 CT MRI 腹部超音波検査 シンチグラフィ : 読影することができる (2) 上記画像診断の各種検査法の特性を理解して検査計画を作り 総合診断ができる 3) 血液検査 (1) 内分泌検査 :ACTH コルチゾール アルドステロン カテコラミン

6 (2) 血液生化学検査 : 特に電解質 レニン活性 (3) 静脈サンプリング ( 原発性アルドステロン症 ) 4) 尿検査 (1) 尿中ホルモン測定 : 遊離コルチゾール 17-KS 17-OHCS DHEA-S アルドステロン カテコラミン VMA 5) 負荷試験 抑制試験 (1) デキサメタゾンン抑制試験 (2) CRH 負荷試験 (3) デスモプレシン負荷試験 (4) グルカゴン試験 (5) クロニジン試験 B. 治療 1) 副腎腫瘍に対する根治的手術を安全に行うことができる 2) 腹腔鏡下手術においては 内視鏡外科学会 日本泌尿器科学会 日本エンドウロロジー ES WL 学会の腹腔鏡技術認定をめざすこと C. 周術期管理 1) クッシング症候群 原発性アルドステロン症 褐色細胞腫に対する周術期管理ができる 4. 到達目標 3( 生涯教育 ) 外科的副腎疾患に関する生涯教育を行う方略 方法の基本を習得する 1) 学術集会 教育集会に参加し 日進月歩の医学 医療の実情に触れる 2) 内分泌外科学会において教育セミナーの受講を行う 3) 学術集会 学術出版物に症例報告や臨床研究の結果を発表する 5. 到達目標 ( 医療行政 ) 医療行政 病院管理 ( リスクマネージメント 医療経営 チーム医療など ) についての重要性を理解し 実地医療現場で実行する能力を習得する