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積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

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7.(1)NISA 口座の開設時の手続きの見直し 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 NISA 口座の稼働率向上のため 非課税口座の開設手続きについての見直しが行われる (2) 内容 NISA 口座の開設申し込み時に 即日での買付けを可能とすること (3) 適用時期平成 31 年 1 月 1

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(2) 口数ベースの所有比率は 引き続き信託銀行の所有比率が高く を対象と した ETF でも同様の結果となる一方 以外を対象とした ETF では所有比率に変動 がみられました 受益権口数ベース ( 表 2) では 信託銀行の所有比率が37.4% と前回調査に比べて1.0 ポイントの低下となったもの

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1. 日本の証券市場の現状 図表 1 日本の家計資産保有率 出典 : 資金循環の日米欧比較 より引用 この図から欧米諸国と比べ預貯金の割合が高く有価証券の割合が低いといえ る 14 年 1 月には NISA( 少額投資非課税制度 ) が開始され 家計の 貯蓄か ら投資 への促進が現在行われている し

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Ⅰ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置 1. つみたて NISA の制度期限の延長 NISA 制度の恒久化 根拠法の制定等 1つみたて NISA について 平成 49 年までとされている投資可能期間 ( 制度期限 ) を延長することにより 来年以降に投資を開始しても投資可能期間が少

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(2) 受益権口数ベースの所有比率は 生命保険会社及び信託銀行が上昇する一方 都銀 地銀等及び個人 などで低下する結果となった 受益権口数ベース ( 以下 口数ベース という ) の所有比率 ( 表 2) については 信託銀行が41.2% と引き続き全投資部門中最大の所有セクターとなっており 以下

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運用手段の多様化は堅実に進み 銀行界への影響は これまでのところ ほとんど見受けられない おもな商品の国内市場規模 ~2007 年度の組成額 発行額等 ~ ゆうちょ銀行の新規業務 ゆうちょ銀行の新規業務 ~2008 年 3 月末残高 3 ~~ シンジケート ローン ( 注 1) 26.1 兆円貸出債

常陽銀行における取組状況 お客さま本位の取組みの実践 預り資産契約者数は 順調に増加しております 預り資産残高は マーケットの影響等ありましたが前年水準を維持しております 積立商品の契約者数は順調に増加しており 前年対比で 21.7% 増加しております 預り資産残高および預り資産契約者数の推移 積立

ポイント 年の一般 NISA * 口座 18 年末に非課税期間終了へ 2 一般 NISA 開始以降の主要資産の価格推移 1.5 倍 日 米株式 1.7 倍 外国債券 1.1 倍 3 今後の運用方針 ( 投資先 ) を再検討 主な資産の方向性 ( 見通し ) 5 年間リターン実績 グローバ

参考 調査結果を踏まえた NISA DC 年金 ファンドラップの潜在的利用者数および資産額 NISA DC 年金 ファンドラップを通じた資産額は 2016 年 3 月末で合計 18 兆円 (NISA は累計投資 額 DC 年金は投資信託資産額 (2015 年 3 月末 ) ファンドラップは資産額 )

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経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

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新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

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1

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

Transcription:

政策 Ⅲ-1-(1)-1 1. 政策及び目標等 政策個人投資家の参加拡大 達成すべき目標目標設定の考え方及びその根拠測定指標 個人投資家の金融 資本市場への参加が拡大すること良質で多様な金融商品 サービスを利用できる 利用者の満足度が高い金融システムを構築し 貯蓄から投資へ の流れを加速させ リスクに柔軟に対応できる経済構造を構築していく 個人金融資産に占める株式 投資信託の割合 2.17 年度重点施策等 1 投資サービス法( 仮称 ) の制定に向けた作業の実施 17 年度 2 金融資産の有効活用に資する金融税制改革の一層の推進及び改正重点施策証券税制の広報 3 民間による個人株主の育成 拡大に向けた取組みに対する支援 1 投資サービス法( 仮称 ) の検討状況 証券市場への個人投資家の参加状況 ( 個人金融資産に占める株式 投資信託の割合 個人株主数 特定口座数の推移 ) 参考指標 2 税制改正及び広報の状況 証券市場への個人投資家の参加状況 ( 同上 ) 3 個人株主育成 拡大に向けたイベント等の開催状況 証券市場への個人投資家の参加状況 ( 同上 ) 3. 政策の内容現在の我が国の金融システムにおいては 間接金融偏重を是正し証券市場を通じた適切なリスク分散を図るとともに 金融の自由化 国際化の進展にともなう利用者の多様なニーズに応え 新しい成長分野にも円滑に投資資金を供給することが必要となっています このような 利用者の満足度が高く 国際的にも高い評価が得られるような金融システムを 官 の主導ではなく 民 の力によって実現するため 平成 16 年 12 月末に公表した 金融改革プログラム に基づき 各種施策を着実に実施するとしており ( 経済財政運営と構造改革に関する基本方針 25 など) 証券市場についても 幅広い投資家の参加する真に厚みのあるものとするため 個人投資家の積極的な市場参加を促すための環境整備を図ることが課題となっています このため 誰もが投資しやすい市場の整備 投資家の信頼が得られる市場の確立

効率的で競争力のある市場の構築等の証券市場の構造改革を着実に実施していくこととしました 4. 現状分析及び外部要因金融庁としては これまでも 日本版ビッグバンを始め 証券市場の改革促進プログラム (14 年 8 月公表 ) の着実な実施や 証券取引法等の一部を改正する法律 の制定 (16 年 6 月公布 ) 等 所要の制度整備を行うとともに 特定口座 の導入 (15 年 1 月 ) 上場株式等の譲渡所得の税率軽減(15 年 1 月 ) や配当所得に係る税率軽減 (15 年 ) を求めるなどの取組みを進めてきました このような中 17 年の株式市場においては 個人の売買シェアが2 年連続で3 割を超え 家計の金融資産に占める株式 投資信託の割合が年度ベースで3 期連続増加するなど ( 資料 1 参照) 家計における 貯蓄から投資へ に向けた動きが見受けられます しかしながら 個人金融資産に占める株式 投資信託の割合は アメリカで 27.9% (25 年末 ) ドイツでは 17.8%(24 年末 ) であるのに対して 日本では近年増加してきているものの 依然として 11.5%(26 年 末 ) にとどまっており 活力ある証券市場の構築のためには なお一層 個人投資家の積極的な参加を促していく必要があります 資料 1 個人金融資産に占める株式 投資信託の構成比 ( 日 米 独 ) (%) 45. 4. 米国 39.5 35. 3. 25. 2. 15. 1. 5. 12.9 9.2 26.9 35.7 34.3 3.7 28.6 25.2 ドイツ 23.5 2.1 18. 14.1 14.4 15.4 日本 7.4 8.7 7.6 6.6 7. 8.7 35.8 23.4 7.6 32.4 21.1 6.8 28. 16.7 5.7 29.7 29. 18.2 17.8 7.9 8.4 27.9 11.5 日本米国 ドイツ. 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2 21 22 23 24 25 ( 注 ) 日本は年度ベース (末 ) 米国とドイツは年末ベース(12 月末 ) の数字 ドイツの 25 年は未公表

日本 米国 ドイツともに家計 + 民間非営利団体の数字 ( 出典 ) 各国資金循環統計より作成 日本 : 日本銀行 米国 :FRB ドイツ: ブンデスバンク 5. 事務運営についての報告及び評価 (1) 事務運営についての報告 1 投資者保護のための横断的法制の整備に向けた作業の実施利用者保護の拡充と利用者利便の向上 また市場の公正性 透明性の一層の向上等を図るため 18 年 13 日 証券取引法等の一部を改正する法律案 及び 証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 を国会に提出しました ( 同法律案は6 月 7 日に可決 成立し 6 月 14 日に公布されました ) 2 金融資産の有効活用に資する金融税制改革の推進 15 年度以降 累次の税制改正において 証券税制の大幅な軽減 簡素化が図られてきているところですが 18 年度改正においても 個人投資家の利便性向上の観点から 特定口座に係る年間取引報告書の交付の電子化が可能とされ また 特定口座に係るみなし廃止制度の適用除外措置が設けられることとなりました 3 民間による個人株主の育成 拡大に向けた取組みに対する支援これまでに証券投資経験のない層の証券市場への参加を促すため 日本証券業協会や投資信託協会等が全国 24 会場で開催した 証券投資の日 イベント (17 年 1 月 ) や全国 2 会場で開催した 春季証券投資セミナー (18 年 2 月 ) 等 各種イベント等に対し 金融庁後援 名義を付与しました また お金の使い方と地域社会について考えるシンポジウム を大阪 (17 年 12 月 ) 千葉(18 年 1 月 ) で開催し 投資知識の普及に努めました (2) 評価 17 事務年度においては 個人投資家が投資しやすい環境を整備することに必要と考えられる措置を適切に講じたものと考えています また 以下にみるように 個人投資に関する指標については全般的に向上する傾向がみられ これらの措置が一定の役割を果たしたものと考えています 1 個人金融資産に占める株式及び投資信託の増加 17 年度の個人金融資産に占める株式 投信の構成比は 11.5%( 対前年度比 3.1 ポイント増 ) 出資金の構成比は 3.6%( 同.9 ポイント増 ) となっており 個人金融資産の直接金融への動きが進んでいます

資料 2 個人金融資産の内訳 6. 5. 現金 預金 51. 4. 3. 2. 保険 年金 25.3 1.. 1991FY 1992FY 1993FY 1994FY 債券 1995FY 1996FY 株式 投信 1997FY 1998FY 1999FY 出資金 出典日本銀行 資金循環統計 2FY 21FY 22FY 23FY 24FY 25FY 11.5 3.6 3.4 2 個人の株式保有額の増加 17 年度株式分布状況調査 ( 全国証券取引所 ) によると 17 年度末現在の個人の株式保有額は 19 兆 4,664 億円 ( 対前年度末比 31 兆 2,691 億円 4% 増 ) となっており 個人投資家の証券市場の参加が着実に進んでいます 資料 3 投資部門別株式保有状況 年度 平 16 平 17 増減額 増減比率 会社数 ( 社 ) 2,775. 2,843. 68. 億円 % 億円 % 億円 % 合計 3,692,819. 1. 5,745,69. 1. 1,889,71. 51.2 1 政府 地方公共団体 7,173..2 9,724..2 2,55. 35.5 2 金融機関 1,261,636. 32.7 1,812,866. 31.6 551,229. 43.7 3 証券会社 44,813. 1.2 79,2. 1.4 34,27. 76.3 4 事業法人 その他の法人 845,643. 21.9 1,214,222. 21.1 368,579. 43.6 5 外国人 915,297. 23.7 1,535,111. 26.7 619,814. 67.7 6 個人 781,973. 2.3 1,94,664. 19.1 312,69. 4. 出典全国証券取引所 株式分布状況調査

資料 4 投資部門別株式保有比率の推移 4. 35. 3. 25. 2. 15. 1. 5.. 外国人 年金信託 金融機関 事業法人等 投資信託 個人 1 11 12 13 14 15 16 17 26.7 23.6 21.1 19.1 4.4 3.6 出典全国証券取引所 株式分布状況調査 3 個人株主数の増加平成 17 年度株式分布状況調査 ( 全国証券取引所 ) によると 17 年度末現在の個人株主数 ( 延べ人数 ) は約 3,87 万人 ( 対前年度末比 268 万人増 ) となっており 個人投資家の証券市場への参加が着実に進んでいます 資料 5 個人株主数の推移 4, 万人 3,8 3,6 3,4 3,2 3,41 3,3523,377 3,215 3,539 3,87 3, 3,22 2,8 2,6 2,4 2,49 2,56 2,685 2,61 2,734 2,721 2,737 2,786 2,74 2,83 2,2 2, 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 年度 出典全国証券取引所 株式分布状況調査

4 株式売買状況個人の株式売買高 ( 委託売買高 三市場合計 ) をみると 17 年度は約 38 兆円となっており 対前年度比で 163 兆円増加しています また 株式売買高 ( 同上 ) に占める個人の割合は 17 年度で 38.5% となっており 対前年度比で 5.5 ホ イント増となっています このように 個人の株式の取引が活発化しています 資料 6 個人投資家の株式売買高 売買額 ( 兆円 ) 割合 (%) 35 45 3 個人投資家売買額 ( 左目盛 ) 個人投資家の割合 ( 右目盛 ) 4 25 35 3 2 25 15 2 1 15 1 5 5 平成 4 年度 平成 5 年度 平成 6 年度 平成 7 年度 平成 8 年度 平成 9 年度 平成 1 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 出典東京証券取引所 5 インターネット取引の増加 18 年 のインターネット専業大手証券会社 5 社の株式委託売買代金 ( 一日当たり平均売買代金 ) は 8,743 億 8,1 万円 ( 対前年比 83.2% 増 ) と大幅に増加しています また 18 年 末時点の口座数 ( インターネット専業大手 5 社ベース ) をみると 334 万 5,8 口座となっており ( 対前年比 87% 増 ) 大幅に増加しています なお インターネット専業大手 5 社の口座については ほとんどが個人所有であると考えられることから 個人の株式市場への参加が着実に増加しているものと考えられます

資料 7 インターネット口座数の推移 ( インターネット専業大手 5 社 ) 4,, 3,5, 3,, 口座数 2,5, 2,, 1,5, 1,, 5, 13 年 末 13 年 末 14 年 末 14 年 末 15 年 末 15 年 末 16 年 末 16 年 末 17 年 末 17 年 末 18 年 末 出典大手インターネット専業証券会社 5 社ホームページ 6 投資信託 ( 公募株式投資信託 ETF REIT) の拡大公募株式投資信託の販売額 ( 純資産残高 ) については 18 年 末には 44 兆 9,869 億円 ( 対前年比 55.7% 増 ) となっています 販売態別構成比を見ると 銀行等は 48.8% を占めており 1 年 12 月から開始された銀行等の窓口販売が着実に増加しています ETFの取引高については 16 年度に 2 兆 2,17 億円であったものが 17 年度には 3 兆 6,451 億円 ( 対前年度比 64.9% 増 ) と着実に増加しています REITの取引高については 16 年度に 9,788 億円であったものが 17 年度には 2 兆 421 億円 ( 対前年度比 18.6% 増 ) と着実に増加しています

資料 8 公募株式投資信託の販売状況 ( 純資産残高 ) ( 兆円 ) 5 45 4 公募株式投信全体うち銀行等窓販分 35 3 25 2 15 1 5 2 年 1 月 1 月 21 年 1 月 1 月 22 年 1 月 1 月 23 年 1 月 1 月 24 年 1 月 1 月 25 年 1 月 1 月 26 年 1 月 出典社団法人投資信託協会 投資信託 資料 9 ETF 取引高の推移 ( 百万円 ) 6, 5, 4, 3, 取引開始 ( 13 日 ) 5 銘柄 2 銘柄が新規上場 1 銘柄が新規上場 4 銘柄が新規上場 4 銘柄が新規上場 1 銘柄が上場廃止 1 銘柄が上場廃止 2, 1, 平成 13 年 11 月平成 14 年 1 月 1 銘柄が新規上場 11 月平成 15 年 1 月 1 銘柄が新規上場 11 月平成 16 年 1 月 2 銘柄が上場廃止 11 月 平成 17 年 1 月 出典公表データ等を基に金融庁作成 1 銘柄が上場廃止 11 月平成 18 年 1 月

資料 1 REIT 取引高の推移 ( 百万円 ) 3, 上場数 32 銘柄 25, 上場数 12 銘柄 2, 15, 取引開始 ( 1 日 ) 2 銘柄 上場数 16 銘柄 1, 5, 平成 14 年 1 月 平成 13 年 11 月 上場数 3 銘柄 11 月平成 15 年 1 月 上場数 6 銘柄 11 月平成 16 年 1 月 11 月平成 17 年 1 月 出典公表データ等を基に金融庁作成 上場数 33 銘柄 資料 11 証券会社 16 社における特定口座数の推移 11 月平成 18 年 1 月 万口座 7 6 675 645 621 585 558 535 5 4 3 481 443 4 417 346 357 364 372 385 325 335 315 2 1 224 194 181 166 147 11 11 116 12 127 135 平成 15 年 1 月末 末 末 末 末 11 月末平成 16 年 1 月末 末 末 末 末 11 月末 17 年 末 17 年 末 18 年 末 出典日本証券業協会

6. 今後の課題証券市場の構造改革に関しては これまでも着実に実施してきたところであり 株式市場が活況を呈するなど明るい兆しが見られますが 諸外国と比べると 依然として個人金融資産に占める株式 投資信託の割合は低い水準にあると考えられ 今後とも不断に証券市場の構造改革に取り組むことが重要であると考えています 具体的には 利用者保護の拡充と利用者利便の向上を図るための 金融商品取引法 の円滑な施行と着実な実施 民間による個人株主の育成 拡大に向けた取組みに対する支援 改正証券税制の広報及び税制改正要望を行っていきます 今後とも 貯蓄から投資へ の流れが加速され 証券市場が幅広い投資家の参加する厚みのあるものとなるよう 誰もが投資しやすい市場の整備 投資家の信頼が得られる市場の確立 効率的で競争力のある市場の構築に向けて 個人金融資産の直接金融への動き等これまでの取組みの有効性等を踏まえつつ 証券市場の構造改革に対する取組みの充実 改善 税制面での対応 新たな施策の検討等を行っていく必要があります 7. 当該政策に係る端的な結論政策の達成に向けて成果が上がっているが 環境の変化や取組みの有効性等を踏まえ 取組みの充実 改善や新たな施策の検討等 ( 貯蓄から投資へ の流れが加速され 証券市場が幅広い投資家の参加する厚みのあるものとなるような 証券市場の構造改革に対する取組み等 ) を行う必要があります 8. 学識経験を有する者の知見の活用政策評価に関する有識者会議 9. 注記 ( 政策効果の把握方法又は評価に使用した資料等 ) 政策効果把握方法 政策効果は 下記に掲げる資料を参考にしつつ 把握に努めました 使用資料等 資金循環統計 ( 日本銀行 ) 株式分布状況調査 ( 全国証券取引所 ) 投資部門別株式売買代金 三市場 ( 東京証券取引所 ) インターネット取引 ( 大手インターネット専業株式会社ホームページ ) 1. 担当部局総務企画局市場課 総務企画局企業開示課 総務企画局政策課 総務企画局企画課 総務企画局信用制度参事官室 総務企画局企画課保険企画室 監督局保険課 監督局証券課 証券取引等監視委員会