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すまい給付金事業の概要 1 消費税率引上げへの対応 平成 26 年 4 月 1 日からの消費税率の 5% から 8% への引上げに合わせて 消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化する観点等から 平成 25 年度税制

付議資料

様式第 1 号 ( 第 3 条第 1 項 第 10 条第 項並びに第 11 条 1 項及び第 項関係 ) 別添 1 神奈川県知事 殿 平成 7 年 6 月日 高等学校等就学支援金受給資格認定申請書 収入状況届出書 高等学校等就学支援金の受給資格の認定を申請します 高等学校等就学支援金の支給に関して,

すまい給付金事業の概要 1 消費税率引上げへの対応 平成 26 年 4 月 1 日からの消費税率の 5% から 8% への引上げに合わせて 消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化する観点等から 平成 25 年度税制

☆☆H26以降入学生 減免制度紹介パンフ(H29 給付金改定)

令和元年度神奈川県私立高校生等奨学給付金のお知らせ < 県外学校用 > 神奈川県では 私立高校生等の保護者の授業料以外の教育費の負担を軽減するため 返済不要の 高校生等奨学給付金 を支給しています 当制度は 授業料の負担を軽減する 就学支援金 とは別の制度です 年度ごとに申請が必要となりますので 対

Microsoft PowerPoint - ① 平成30年度高等学校等就学支援金手続きのお知らせ(リーフレット)(Q&A含む)《A4・6頁の巻3ッ折》

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都道府県別私立高校生への授業料等支援制度

( 給付の対象から除外する場合 ) 第 4 条前条の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する場合は 給付の対象から除外する (1) 高校生等が 児童福祉法による児童入所施設措置費等国庫負担金について ( 平成 11 年 4 月 30 日厚生省発児第 86 号厚生事務次官通知 ) による措置費等

( 様式第 1 号 ) 国公立高校用 大阪府教育委員会教育長様 奨学のための給付金受給申請書 記入日令和年月日 受給対象となる生徒に関する事項 生徒が在学する学校の名称等 フリガナ 生徒の氏名 生徒の住所 高等学校 年組番 全日制 昭和平成 学校の種類 課程 学科 定時制 通信制 生徒の生年月日 大

Taro-05H28要綱本文○

国立大学授業料の納付方法の拡大(あっせん)

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07-4 平成26年度予算(案)説明資料

子ども・子育て支援新制度の解説資料 2.利用者負担 その1

(3) 支給限度 ( 就学支援金には 支給期間や単位数に上限があります ) 支援期間の上限 支援される単位の上限 全日制 36 月 (3 年 ) まで 定時制 48 月 (4 年 ) まで 年間 30 単位まで かつ 通算 74 単位まで 通信制 48 月 (4 年 ) まで 年間 30 単位まで

あっせん文(国民健康保険における限度額適用・標準負担額減額認定証 の申請に係る被保険者の負担軽減)

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第 3 提出期限について要綱第 6 条第 1 項の規定による申請書及び添付書類 ( 以下 申請書等 という ) の提出期限は 次のとおりとする ただし 北海道教育委員会教育長及び教育局長 ( 以下 教育長等 という ) がやむを得ない理由があると認める場合は この限りではない (1) 北海道立の高等

2909_5_youryou_gennmenn.doc

東京都では 私立高等学校等に通う生徒が安心して勉学に打ち込めるよう 法律に基づく全国一律の制度として 高等学校等就学支援金 を交付し 家庭の教育費負担を軽減しています この案内は 2 3 年生で初めて 4 月から就学支援金の受給を希望する人も対象となります ( 転校生も同じく対象となります ) 平成

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

制度の概要 平成 26 年 4 月以降に入学する方は 授業料に関する支援制度が新しくなり 原則として授業料を徴収します ただし 住民税のうち 市町村民税所得割額 (3~4 ページ参照 ) が 30 万 4,200 円 ( 年収 910 万円程度 ) 未満の世帯 ( ) の生徒には 高等学校等就 学支

年金受給権者死亡後に支給された年金の返納通知の改善(概要)

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資料2-3 私立高校生への各都道府県における支援制度

平成19年度分から

資料 1 年金給付に関する通知書について 年金額改定通知書は 物価の変動等に応じて年金額が改定された場合に日本年金機構が年金受給者に改定された年金額を通知するものである ( 厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 115 号 ) 第 2 条の 2 厚生年金保険法施行規則 ( 昭和 29 年厚生省令

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総務省四国行政評価支局 ( 局長秦博之 ) に マル優郵便貯金申込書に記載した氏名の字が 戸籍上の字と違っているとして マル優郵便貯金の非課税扱いを取り消されたことに納得できない とする高齢者の苦情が3 件寄せられた 当局では これら個別事案の解決と 四国管内での広域的な改善を図るため 民間有識者で

平成 31 年度高等学校等就学支援金 申請手続きのお知らせ ~ 在校生用 ~ 東京都では 私立高等学校等に通う生徒が安心して勉学に打ち込めるよう 法律に基づく全国一律の制度として 高等学校等就学支援金 を交付し 家庭の教育費負担を軽減しています 保護者の所得状況 ( 住民税額等 ) により 就学支援

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

(2)-2 退所時 ( 契約入所の場合 ) 保護者と児童福祉施設等の契約に基づき入所している子どもについては 児童福祉法に基づく障害児施設給付費の支給を行う都道府県が把握していることから 当該都道府県が施設の所在する市町村及び保護者の住所地の市町村へ退所した旨を通知することにより 二重支給を防止し

その他の者について 申請者 ( 生徒 ) の保護者等について 保護者等の住所 申請者 ( 生徒 ) との関係世帯区分 該当する世帯の に印を付けてください - 保護者等の収入の状況について ( ()~(3) のいずかれの に印を付けてください ) () 生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 44 号

平成19年度税制改正.xls

介護保険制度における通院等乗降介助の適用範囲の拡大(概要-行政苦情救済推進会議の意見を踏まえた通知-

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生徒募集要項

その他の者について 申請者 ( 生徒 ) の保護者等について 該当する世帯の に印を付けてください - 道府県民税所得割及び市町村民税所得割が非課税である世帯です 保護者等の収入の状況について ( (1)~(3) のいずかれの に印を付けてください ) ふくおかはなこ (1) 生活保護法 ( 昭和

   

政策評価書3-3(4)

保育所に入所できないことを事由とする育児休業給付金の支給対象期間の延長に関する手続及び要件の周知(概要)

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

平成28年度子どものための教育・保育給付災害臨時特例補助金交付要綱

目次 推薦入試募集要項 2 一般入試募集要項 3 二次募集募集要項 3 出願上の注意 4 出願手続 4 1. 出願書類等 2. 出願方法 入学試験当日 4 1. 持ち物 2. 入学試験 3. 昼食 入学手続 5 1. 手続期間 2. 手続場所 3. 入学納入金 入学後の初年度納入金 5 特別奨学生

別紙 1 東京海上日動あんしん生命奨学金制度 2019 年度奨学生募集要項本奨学金は 疾病により保護者を失った遺児で 経済的理由により進学が困難な方に 奨学金の給付を行うことで大学等への進学を後押しすることを目的とし 東京海上日動あんしん生命奨学金制度 に基づいて運営されるものです 申請資格等疾病に

国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険に係る保険料の還付の促進及び還付加算金の取扱いの改善(あっせん)

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地縁団体名義への所有権移転登記手続の改善促進 ( 概要 ) - 行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん - 平成 25 年 2 月 15 日 総務省行政評価局は 次の行政相談を受け 行政苦情救済推進会議 ( 座長 : 大森彌東京大学名誉教授 ) に諮り 認可を受けた地縁団体名義への所有権の移転

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

で定める延納又は分納を許可された者は この限りではない 4 既に半額免除が決定している者が 年度途中に事由が発生した場合の全額免除に該当すると思わ れる際は 改めて申請することができる ( 減免の決定 ) 第 5 条理事長は 授業料の減免の申請があったときは 第 2 条に定める減免の基準に適合するか

綾瀬市インフルエンザ予防接種実施要領

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軽減要綱 H10

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e-Shien利用規約

しぶや高齢者のしおり

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

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私立幼稚園の新制度への円滑移行について

( 研修料の額 ) 第 4 条研修員の研修料の額は 実験を要する部門にあっては月額 36,300 円とし 実 験を要しない部門にあっては月額 18,100 円とする ( 研究料の額 ) 第 5 条民間等共同研究員 ( 共同研究のために民間企業等から派遣される研究員をいう 以下同じ ) の研究料の額は


老発第    第 号

公的年金からの特別徴収制度の見直しについて ( 平成 28 年 10 月以降適用 ) 公的年金からの特別徴収制度の見直しが行われ 平成 28 年 10 月以降に実施 される特別徴収より 下記のとおり制度が改正されました 1 特別徴収税額の算定方法の見直し 年間の公的年金からの特別徴収税額の平準化を図

労災年金のスライド

「公的年金からの特別徴収《Q&A

参考資料

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

平成 30 年度 1 1 埼玉県補助金授業料等軽減補助申請について 高等学校等の授業料の支援として 一定要件を満たす世帯に対し 県が授業料等の負担を軽減する制度があります すべて返済不要の制度ですが 学校が定める期日までに申請をしなければ受給できません 同時に配布いたしました埼玉県作成のピンク色のリ

平成17年度財団法人東京都体育協会に対する補助金交付要綱

平成29年度就学援助の実施状況(市町村別実施状況)(平成29年6月時点)

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

金受給非該当確認書 の提出が必要になります ( 申請漏れを防ぐため高等学校等就学支援金を申請 しない場合でも 必ず提出していただくことになります ) 高等学校等就学支援金受給資格認定の申請 収入状況の届出について 第 1 学生時は 平成 26 年 4~6 月の支給を平成 25 年度の 市町村民税所得

物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

(組合)事務連絡案(国内在住者扶養認定QA)

する保護者 ( 以下 支給対象者 という ) とする (1) 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 81 条第 2 項に規定する特別支援学級に在籍する児童等の保護者 (2) 前号に掲げる児童等以外のものであって 学校教育法施行令 ( 昭和 28 年政令第 340 号 ) 第 22

( 行政苦情救済推進会議の意見 ) 保険料を負担する者の負担の公平性を図る観点から 保険料の定時決定のみならず 随時改定においても報酬実態に即した標準報酬月額を決定することができるよう 標準報酬月額の算定の方法を見直す必要がある ( あっせん要旨 ) 厚生労働省は 保険料を負担する者の負担の公平性を

Microsoft Word - 給与幕僚Ⅲ 平成30年配偶者控除改正に伴う事前準備のご案内

(2) 大学院学生の研究成果の学会発表としての海外医学活動推進奨学金 ( 一つの年度において 総額 50 万円を上限とする ) 自ら ( 自分たち ) の研究成果を口頭発表する場合 ( 海外での活動期間を問わない 同一学会で 2 件を上限 ) 応募多数の場合は 研究の評価の高いものを選考する 5 万

産業廃棄物税は 最終処分される産業廃棄物に課されるものであり 排出事業者から中間処理に委託された廃棄物すべてに課税されるわけではありません 中間処理業者の方が排出事業者から処理料金に含めて受け取る税相当額は 中間処理によって減量化されたり リサイクルされた分を除いた中間処理後に最終処分される産業廃棄

(協会)300829事務連絡(国内在住者扶養認定QA)

1 給与所得控除額を算出する計算式は給与収入金額によって異なります 今回は給与収入金額 3,600,000 円以上 6,599,999 円以下の場合の式を用いています 2 調整控除額は合計課税所得金額 2,000,000 円超と 2,000,000 円以下で算出方法が異なります 今回は 2,000,

2 昭和 52 年度に川崎市立高等学校に入学を志願する者 ( 編入学し 転入学し 又は再入学することを志願する者を除く ) に係る入学選考料及び同年度に川崎市立高等学校に入学する者 ( 編入学し 転入学し 又は再入学する者を除く ) に係る入学料については 改正後の条例第 2 条の規定にかかわらず

要綱 本文

Microsoft Word - zeisyou9記載の手引.doc

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

第 9 回社会保障審議会年金部会平成 2 0 年 6 月 1 9 日 資料 1-4 現行制度の仕組み 趣旨 国民年金保険料の免除制度について 現行制度においては 保険料を納付することが経済的に困難な被保険者のために 被保険者からの申請に基づいて 社会保険庁長官が承認したときに保険料の納付義務を免除す

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

資料3-3.文部科学省における子供の貧困対策の総合的な推進

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

0 表紙

Transcription:

平成 30 年 2 月 9 日 高等学校等就学支援金の受給決定前の授業料納付の猶予 ( 概要 ) - 行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん - 総務省行政評価局は 高等学校等就学支援金 ( 以下 就学支援金 という ) の受給に関する行政相談を受け 行政苦情救済推進会議に諮り その意見を踏まえて 平成 30 年 2 月 9 日 文部科学省にあっせんしました ( 行政相談の要旨 ) 子供が私立高校に入学した 私立高校でも 国から就学支援金が支給されるので 授業料の実質的な負担はないと思っていたが 入学後 約半年間は授業料の全額を納付しなければならない ( 同期間分の就学支援金については 後に還付 相殺等で充当 ) と言われた 負担は一時的なものであり 後に充当されるとしても 授業料の全額を支払うのは負担が大きいので 就学支援金が支給されるまでの間 授業料の納付を猶予してほしい ( 注 ) 本相談は 北海道管区行政評価局が受け付けた相談である 旭川行政監視行政相談センタ ーでも同趣旨の相談を受け付けている ( 制度の概要等 ) 就学支援金は 高等学校等 ( 注 ) における教育に係る経済的負担の軽減を図り もって教育の機会均等に寄与することを目的として支給 高等学校等に在学する生徒又は学生で日本国内に住所を有する者に支給され 私立高等学校等に在学する場合 保護者の収入状況に応じて加算あり 支給を受けようとするときは 在学する高等学校等の設置者 ( 以下 学校設置者 という ) を通じて保護者の課税証明書等とともに都道府県知事に申請し認定を受ける必要あり 文部科学省が都道府県に求めた学校設置者への指導内容 授業料を負担することが困難な者に対しては 就学支援金が支給されるまでの間徴収を猶予するなど 生徒 保護者の負担に十分配慮する 学校設置者が就学支援金を代理受領した際には 速やかに生徒に引き渡す 学校設置者における生徒募集に際しての就学支援金制度に係る周知について 正確な情報を発信する ( 注 ) 高等学校 中等教育学校の後期課程 特別支援学校の高等部 高等専門学校 ( 第 3 学年まで ) 専修学校及び各種学校のうち高校の課程に類する課程を置くもの 1

( あっせん要旨 ) 文部科学省は 次の措置を講ずる必要がある 1 各学校設置者における授業料の徴収方法の実態を把握した上で 授業料徴収の際 就学支援金相当分を速やかに控除していない学校設置者に対して就学支援金制度の趣旨を徹底するとともに 就学支援金相当分を控除した上で授業料を徴収している学校設置者の事例を都道府県に示すことなどにより 生徒 保護者の負担に配慮した授業料の徴収が行われるよう都道府県を指導すること 2 高等学校等への進学を希望する者やその保護者が 就学支援金の取扱いについて正確な情報を入手できるよう 学校設置者が生徒募集要項等に明示することについて都道府県を指導すること 1 就学支援金の支給額等私立高等学校等に在学する場合に 保護者の収入状況に応じて設けられている加算措置を含めた就学支援金の支給限度額は図表 1 のとおりである 図表 1 就学支援金の支給限度額等 ( 一月当たりの金額 ) 私立高等学校等公立高等学校等市町村民税所得割額加算後の支給限 ( 下段は年収の目安 ) 基準額加算額支給限度額度額 304,200 円以上支給されない支給されない ( 年収 910 万円以上 ) 304,200 円未満加算なし 9,900 円 ( 年収 910 万円未満 ) 9,900 円 154,500 円未満 ( 年収 590 万円未満 ) 51,300 円未満 ( 年収 350 万円未満 ) 0 円 [ 非課税 ] ( 年収 250 万円未満 ) 9,900 円 ( 注 ) 文部科学省の資料に基づき当局が作成した 4,950 円 14,850 円 9,900 円 19,800 円 14,850 円 24,750 円 定時制 2,700 円特別支援学校高等部 400 円国立高等学校 9,600 円 2

2 就学支援金支給の流れ就学支援金は 都道府県から受給権者である生徒に支給されるものであるが 学校設置者は 受給権者に代わって就学支援金を受領 ( 代理受領 ) し 受給権者の授業料債権の弁済に充てることとされている 図表 2 就学支援金支給の流れ ( 注 ) 文部科学省の資料に基づき当局が作成した 3 学校設置者における就学支援金支給の審査時期 適用期間等就学支援金の支給額決定のための課税証明書等の審査時期や適用期間 学校設置者から都道府県への交付申請等の時期は 北海道の場合 図表 3 のとおりであり 課税証明書等の審査が 第 1 学年 ( 新入生 ) は年 2 回 ( 入学時と 7 月頃 ) 第 2 学年と第 3 学年は年 1 回 (7 月頃 ) 行われる 図表 3 学校設置者における就学支援金支給の審査時期 適用期間等 第 1 学年 前年度の課税証よる審査 (4 月 ) 4~ 6 月分に適用 当該年度の課税証明書等による審査 (7 月 ) 7 月 ~ 翌年 6 月分に適用 <4 月 > <7 月 > 当該年度の課税証明書 <3 月 > 等による審査 (7 月 ) 第 2 3 学年 7 月 ~ 翌年 6 月分に適用 <4 月 > <7 月 > <3 月 > 学校からの 交付申請 5 月上旬 7 月上旬 10 月上旬 1 月上旬 道における交付決定 5 月下旬 7 月下旬 10 月下旬 1 月下旬 道から学校への支給 5 月末 7 月末 10 月末 1 月末 ( 注 ) 当局の調査結果による 3

授業料の徴収状況に係る調査結果 北海道内の私立高等学校 ( 全日制 )51 校のうち 21 校における授業料の徴収状況について調査した結果は図表 4 のとおりである ⅰ) 入学後の 4 月分から就学支援金相当額を差し引いて徴収している学校が 9 校 ⅱ) 就学支援金の受給資格審査に時間を要する等として 入学当初は授業料の全額を徴収し 後日還付している学校が 8 校みられた一方 ⅲ) 徴収誤りがあった場合に徴収しにくい等として 入学後 3 か月以上授業料の全額を徴収し 後日還付している学校が 4 校みられた また 就学支援金相当額を含め授業料を全額徴収していた学校の生徒募集要項を確認したところ 入学後に授業料の全額を納入しなければならない時期があることについての情報提供は行われていなかった 図表 4 私立高等学校における授業料の徴収事務の実施状況 区分 ⅰ)4 月分から就学支援金 相当額を差し引いて徴収 (9 校 ) ⅱ) 入学当初は全額を徴収 (8 校 ) ⅲ) 入学後 3 か月以上全額 を徴収 (4 校 ) ( 注 ) 当局の調査結果による 左記の理由等 新入生には 3 月中に申請書類を配布し入学式に回収 生徒 の銀行口座開設を 3 月中に依頼 4 月は口座引き落としに代わり振込用紙を作成 北海道への申請と同時に引き落とし額を確定 入学後速やかに申請させ 審査 4 5 月分又は 4 5 月分と 7 月分は全額を徴収し後日還 付 提出書類の審査や徴収額の計算事務で口座引き落とし に間に合わないため 4 月分のみ全額徴収し後日還付 4 月分の授業料は 3 月中 に納付させるため 7 月分は全額を徴収し後日還付 収入審査事務が集中する ため 4 月から 9 月分まで全額を徴収 北海道単独の補助金の交 付を待って 11 月頃にまとめて還付しているが 指導があ れば見直しを検討 4 月から 6 月又は 7 月分まで全額を徴収し後日還付 北海 道の交付決定後でないと過小徴収があった場合に徴収しづ らいため 4 月から 8 月分まで全額を徴収し後日還付 申請書の審査 事務処理の関係や 徴収不足額が発生した場合に徴収しづ らいためこのようしているが 指導があれば見直しを検討 4 月から 8 月分まで全額を徴収し後日還付 就学支援金の 交付額が確定しないためこのようにしているが 指導があ れば見直しを検討 4

文部科学省の意見 高等学校等が授業料を徴収する際は あらかじめ就学支援金相当分を差し引いた上で徴収することが原則であり やむを得ず 後日に還付する方法をとる場合でも できる限り速やかに還付するなど 生徒 保護者の負担に配慮した授業料の徴収を行うよう都道府県に求めている 文部科学省においては 現行の就学支援金制度の開始や 授業料以外の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金制度の創設から 3 年を経過したことから 制度改正による効果や影響等について検証し 取り組むべき課題や講ずべき措置について 学識経験者等の協力を得て検討を行うため 平成 29 年 5 月から 30 年 3 月までの予定で 高校生等への修学支援に関する協力者会議 を開催し 検討を行っている 地方公共団体や関係団体等からのヒアリング等も行い 本制度の効果や影響について様々な角度から検証を行っているところ 協力者会議の報告については 29 年度内に取りまとめ予定 行政苦情救済推進会議の意見 行政苦情救済推進会議の主な意見は 次のとおりである 1 就学支援金についての計算を前倒しして行い 受給の可否を判断することにより 4 月から就学支援金相当分を控除して授業料を徴収する方法をとることについて都道府県から学校に指導を求める必要がある 年度当初は 授業料以外にも施設費等の負担が必要であるので できるだけ保護者の負担を軽減することが重要である 2 文部科学省も生徒 保護者の負担に配慮するよう都道府県に指導を求めており 今回調査した学校の中にも所轄庁等の指導があれば検討すると述べているものがあることから 保護者の負担に配慮し 学校に 就学支援金相当分を 4 月から控除するよう指導を求める必要がある 3 生徒 保護者が 就学支援金について 正確な情報が得られるよう学校に指導を求める必要がある 5

参考 行政苦情救済推進会議 総務省に申出のあった行政相談事案の処理に民間有識者の意見を反映させ るための総務大臣の懇談会 ( 昭和 62 年 12 月発足 ) 本件を付議した会議の構成員は 次のとおりである ( 座長 ) 松尾邦弘 弁護士 元検事総長 江利川毅 埼玉県立大学理事長 公益財団法人医療科学研究所 理事長 小野勝久 公益社団法人全国行政相談委員連合協議会会長 梶田信一郎 元内閣法制局長官 斎藤 誠 東京大学大学院法学政治学研究科教授 高橋 滋 法政大学法学部教授 南 砂 読売新聞東京本社取締役調査研究本部長 6