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三沢市行政経営推進プラン

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

第16回税制調査会 別添資料1(税務手続の電子化に向けた具体的取組(国税))

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

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1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

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平成23年9月29日WG後修正

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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平成18年度標準調査票

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

内部統制ガイドラインについて 資料

4 合併を選択した理由 合併を選択した理由は 直面する財政危機への対応よりも 将来に向けた行政体制の充実 強化や行政サービスの維持 向上 合併を選択した理由 地方分権時代にふさわしい基礎自治体としての行政体制の充実 強化を図るため 20 市町村 効率的 効果的な行財政運営により 行政サービスを維持

活動指標及び 活動指標標準仕様書 導入手順書策定数 ( 改定を含む ) 活動見込 31 活動見込 2 活動指標及び 活動指標 RPA 補助事業の完了数 活動見込 31 活動見込 5 活動指標及び AI 実証地域の完了数 活動指標 活動見込 31 活動見

主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

知創の杜 2016 vol.10

. 当年度目標取組み事項及びその内容関連施策 ( 総合計画 ) 基本政策行政改革の推進 中期行財政運営方針に基づき 計画的に行財政運営基盤の充実強化を図るため 平成 年度行財政運営方針を 8 月に策定します ( 公民連携セクションの設置 働き方見直しの推 事務事業の見直しについては 見直しに向けた取

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

第14回税制調査会 総務省説明資料(・地方税務手続の電子化等2・個人住民税2)

一次評価 担当課による自己評価 必要性 効率性 有効性 市民や社会のニーズを的確に捉えた事業か 民間事業者や市民が自ら実施することのできない事業か 目的 目標の達成手段として適切で 優先度の高い事業か 受益者との負担関係やは妥当な水準か 他の手段や方法とのコスト比較は十分行われているか コスト削減や

中小法人の地方法人二税の eltax の利用率 70% 以上という目標達成に向けて 下記の eltax の使い勝手改善等の取組を進めるとともに 地方団体の協力を得つつ 利用勧奨や広報 周知等 eltax の普及に向けた取組を一層進める また 中小法人の地方法人二税の eltax の利用率の推移等を踏

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

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資料1 第1回会議のポイントについて

育児短時間勤務

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

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スライド 1

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

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第4次日田市行政改革に向けての方針

はじめに 学校を取り巻く環境は, 社会や経済の変化に伴い, より複雑化 多様化しており, 学校には, これまで以上に子供たちに対するきめ細かな対応が求められております また, 情報化やグローバル化といった社会の急速な変化が進む中, 知識を活用し, 協働して新たな価値を生み出せるよう, 主体的な学びを

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5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

01 【北海道】

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )


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Taro-ドラッカー研修上

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

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厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

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Ⅱ.1 ワーク ライフ バランス施策の定義と類型 (1) ワーク ライフ バランス施策とは work-life balance 1 (2) ワーク ライフ バランス施策の類型

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため


つに分けて契約した事態について内部牽制が機能していなかった イ 監査の状況 監事 監査室 経理課総務監査係等 公認会計士の各監査機関等において 監査対象の重複 漏れが極力生じないよう 各監査機関等が監査計画を調整するなどして 効率的 効果的な監 査を行うことが必要だが いずれの監査機関等も 本件の契

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

4-(1)-ウ①

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果《概要版》

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々


H28秋_24地方税財源

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

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概算要求基準等の推移

平成18年度標準調査票

資料3

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

プリント

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

内閣府令本文

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目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

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ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

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(2) 地方公務員の純減目標 基本方針 2005 で要請した 4.6% 以上の純減確保に向けた各地方団体の真摯な取組及び国による定員関係の基準の見直しにより 一層の純減の上積みが確保されるよう取組む 1 国基準関連分野国が定数に関する基準を幅広く定めている分野 ( 国基準関連分野 ) の職員 ( 教

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

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働き方の現状と今後の課題

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

Transcription:

地方公共団体の職場における能率向上に関する研究会報告書 望ましいワークスタイルを実現するワークプレイス改革 < 概要版 > 1. 地方自治体と地方公務員を巡る変化と改革 (1) 地方自治体の変化地方自治体の規模 構成 役割等は大きく変貌 特に最近 20 年間の 地方分権改革 平成の合併 地方行革 は 地方公務員の働き方を大きく変えるもの 地方分権一括法 地域主権改革における 義務付け 枠付け の見直しを通じ 地方自治体には 政策的な裁量の拡大と同時に政策上の説明責任 平成の合併 によって市町村数は 1,727 まで減少 また 指定都市 中核市 特例市への移行も進展し 市町村の規模 能力の拡充は相当程度達成 (2) 行革の時代 この 20 年間は 地方自治体にとって 行革の時代 地方公務員の総数の減少 給与水準の引下げ アウトソーシングの活用 多様化などが進展 直近の 集中改革プラン に基づく取組は 大きな成果 (5 年間で 7.5% の職員数純減など ) をあげたが その影響もまた大きい とりわけ 一般行政部門での大幅削減には 職員一人当たりの業務負担増による士気の低下等への懸念 地方自治体の組織 運営は その理念や手法が問われる節目に (3)ICTの進展地方自治体でのコンピュータ導入 特に近年のICTの進展により 地方公務員の働き方は大きく変化 ICTは業務効率化に大きく寄与する可能性を有するが 自治体の規模 業務手順の見直しの有無等により 効果には大きな差 (4) 人事 給与制度 人材育成地方行革が続くなかで 一人一人のモチベーションを高め 能力を育成する必要性 民間企業の動向を踏まえ 地方公務員にも能力 実績主義に基づく人事管理が導入されつつあるが 個別の団体ごとの取組姿勢には濃淡 地方自治体の最大の課題の一つ (5) 研究会の問題認識この 20 年の変化と改革により 地方自治体の姿と職場の在り方は大きく変化 現状にふさわしい職場と働き方をあらためて構築する必要 1

2. 地方自治体に期待される行政運営スタイル これまでの地方行革の特徴は 量的削減 今後は 一律削減するだけの行革を超えて 新たな行政運営スタイルへの移行が期待される (1) 明確なビジョンに基づく行政経営 ビジョン や 経営理念 を組織全体で共有することにより 首長の政策判断( トップダウン ) と担当部署 職員の取組 ( ボトムアップ ) をリンク ビジョンには 指針性と具体性が必要 (2) 成果指向の行政運営 予算主義の弊害を改め 成果指向の行政運営を徹底 PDCA サイクルによる目標管理型の行政運営や政策評価制度のさらなる充実が必要 (3) 効率的な行政運営 効率化により捻出される人的 財政的リソースを質の向上に充てていく発想が求められる 業務改革の取組にも 施策の効果とコストのバランスを意識することが重要 行政運営スタイルの変革を具体化するものとして 地方公務員のワークスタイルに着目 一人一人がモチベーションを高め 質の高い仕事のできるワークスタイルのあり方を探求 3. 地方公務員の望ましいワークスタイル (1) 望ましいワークスタイル地方公務員にも 新たな課題や難しい課題に果敢に挑戦していく高い意欲が求められる そのためには 挑戦の成果を正当に評価し さらなる挑戦を促す必要 この好循環をつくり出すことが重要 ( 図 1) 1 やる気が出る ( モチベーション向上 ) やる気モチベーション組織のビジョンへの共感と人事評価制度のやりがいが出る適切な運用が鍵 2 知恵が出る ( アイデア創出 ) 成果組織内でのコミュニケーションの円滑化で モが出るチベーションをアイデア創出に結び付けること知恵が重要 住民満足度が出るアウトカム指向 3 成果が出る ( アウトカム指向 ) 地方自治体の政策体系と職員の達成感が合致 図 望ましいワークスタイルの好循環するよう構築することが必要 2 アイデアコミュニケーション

(2)ICT 化やマニュアル化 職員再配置等の戦略的展開 ICTの導入に際し 業務の規格化やマニュアル化など 仕事の流れを規定する職場のルールや慣行の見直しに取り組むことが不可欠 また ICTの導入等により生み出される人的リソースを より必要性の高い業務に投入できるよう 適正な職員再配置が必要 (3) ワーク ライフ バランスを実現する働き方新たな課題に対するアイデア創出には 仕事以外の生活を充実させて 新鮮な刺激を受けられる環境が重要 また 仕事と育児 介護の両立は男女を問わず大きな問題であり ワーク ライフ バランスの実現は喫緊の課題 限られた時間の中で着実に成果を出す働き方に転換していくため 人事管理や職員配置の見直しが不可欠 (4) 地方自治体 地方公務員に特有の事項ワークスタイル変革と地方自治体 地方公務員に特有の制度 慣行との関係を整理 1 地方公務員の人事 給与制度やその運用の動向近年の給与構造改革や人事評価制度の導入により 従来の年功序列的な運用から 評価結果を反映する運用へと変化 ワークスタイル変革の大きな障害になるものではない 2 法令による義務付け 枠付けによる制約地方自治体の業務に対する国の法令等による制約は 地域主権改革による 義務付け 枠付け の見直しにより相当緩和 4. ワークスタイル変革に向けた 10 のワークプレイス改革の取組 ワークスタイル変革を実現するための施策は各般にわたるが 研究会では 業務の効率化により人的 財政的リソースを創出し これを望ましいワークスタイルの実現に向けた改革の原資として投入する取組に焦点 地方自治体の業務の各側面に潜在する ムダ を新たなリソースととらえ ワークスタイル変革につなげる 10のワークプレイス改革の取組 を整理 提示 1 ムダな紙をなくす ノンペーパー ペーパーストックレス 紙を極力使わない働き方 職場環境を実現し 業務の生産性を向上 2 ムダな机をなくす フリーアドレス 3 ムダな執務スペースをなくす フリーミーティングスペースへの転用 職場に個人の固定席を設けない フリーアドレス の導入やオフィスレイアウトの再配置により 会議室や打ち合わせスペースを確保し 職員間のコミュニケーション 3

を活性化 4 会議のムダをなくす 会議ルールの設定等 ペーパーレス会議システムで資料の準備時間や紙の使用量を削減 また 会議ルールを定め 会議の実質化と効率化を実現 5 照会業務のムダをなくす コールセンターの活用 コールセンターでの一元的な対応により住民満足度を向上させると同時に 職員の業務効率を確保 また 問合せを通じた住民ニーズの把握 反映にも寄与 6 ムダな残業をなくす 日程の共有 グループ内で業務日程 内容を共有し 優先順位付けや均てん化を図ることで 業務の効率化と残業縮減を可能に 7 定型業務のムダをなくす ルーティンワークのマニュアル化 詳細な業務マニュアルの作成により業務の標準化 定型化を行い 業務の質の向上や円滑な引継等を実現 8 窓口業務のムダをなくす ワンストップ窓口の導入 複数の手続を一つの窓口で行うワンストップ窓口を導入し 組織 設備を刷新することにより 住民満足度の向上や業務の効率化 人件費の削減等を実現 9 文書管理のムダをなくす ファイリングシステムの活用 文書保存や廃棄等の統一的なルールを定めることにより 検索性向上による円滑な業務執行や 保存文書の最適化による執務環境の改善を実現 10 現金取扱いのムダをなくす 電子マネー納付の導入 電子マネーによる収納を導入することにより 住民の利便性向上 現金の収納事務の効率性 正確性の向上を推進 4

5. ワークスタイル変革の推進手法と留意点 (1) 人事評価制度と能力開発支援人事評価の適切な運用がワークスタイル変革の前提 また 職員の能力開発支援を 人事評価と表裏のものとして充実させる必要 (2) 改革の 定石 に学ぶ改革に成功した事例には 以下のような共通した特徴 1 的確な現状把握と目標設定的確な現状分析と問題把握に基づいて目標設定することが重要 目標を一気に達成するだけでなく 少しずつ小さな達成を積み重ねていく方法や モデル的な取組も有効 2トップレベルを巻き込んだ強力な推進体制改革の成功にはトップのリーダーシップとボトムアップの両方が不可欠 首長から職員に向けて明確なメッセージを発し 徹底的にその方針を貫くことが重要 また 各部局のキーパーソンの理解と共感を得て 推進体制の中に取り込むことも有効 3 職員の意識改革一人一人の職員が 組織の目標 ビジョンを理解し 自らの問題と捉える意識改革が重要 また 現場からの改善提案も重視すべき それによりモチベーションを高く持ち 自発的な取組が可能に 4 成果に対する適切な褒賞成果に対する明確な褒賞も有効 その際 個人単位の人事評価のみならず グループの単位での褒賞制度も有益 5

望ましいワークスタイルを実現するワークプレイス改革の全体像 6 明確なビジョン 首長の政策判断( トップダウン ) と担当部署 職員の行動 ( ボトムアップ ) をリンク 望ましいワークスタイル 3つの 出る 投財捻政出好循環をつくり出す的さリれソたー人ス的の ワーク ライフ バランス 仕事と仕事以外の生活( 家庭 地域活動等 ) のバランスを実現成果指向の行政運営 住民サービスを担う各担当部署が 常に成果の達成を目指す体制の構築入改革の推進手法と留意点 (1) 人事評価制度と能力開発支援 (2) 改革の 定石 6 1 的確な現状把握と目標設定 2トップレベルを巻き込んだ強力な推進体制 3 職員の意識改革 4 成果に対する適切な褒賞 効率的な行政運営 のワークプレイス改革の取組 10 1 ムダな紙をなくす ノンペーパー ペーパーストックレス 2 ムダな机をなくす フリーアドレス 3 ムダな執務スペースをなくす フリーミーティングスペースへの転用 4 会議のムダをなくす 会議ルール設定等 5 照会業務のムダをなくす コールセンターの活用 6 ムダな残業をなくす 日程の共有 7 定型業務のムダをなくす ルーティンワークのマニュアル化 8 窓口業務のムダをなくす ワンストップ窓口の導入 9 文書管理のムダをなくす ファイリングシステムの活用 10 現金取扱のムダをなくす 電子マネー納付の導入

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取組前後の比較 取組前 取組後 11 11