道徳学習指導案 指導者細川裕香 1 学年第 4 学年 3 組 29 名 2 主題名受け継がれる生命 D 生命の尊さ 3 ねらい生命あるものを大切にしようとする態度を育てる 4 資料名 バルバオの木 ( 出典 ゆたかな心で 東京書籍 ) 5 主題設定の理由 本主題は, 第 3 学年及び第 4 学年の内容項目 D 生命の尊さを知り, 生命あるものを大切にすること をもとに設定したものである 生命は, 連続性や有限性が有り, 人間の力を超えた畏敬されるべきものである そうした生命のもつ尊さを知ることで, かけがえのない生命を大切にしようとする態度が育まれる 中学年では, 現実性をもって死を理解できると言われている 特にこの時期に, 生命の尊さを感得できるように指導する必要がある しかし, 生命がかけがえのない尊いものであることは, 言葉では理解していても, 生活の中で実感することが少ない そこで, 今ある自分の生命は, 多くの生命によって支えられており, その生命のつながりは, 遠い先代から受け継がれてきたものであることに気付かせたい そして, 生活の具体的な場面とつなげ, 当たり前のことを一生懸命することが自分の生命を大切にするという意識を持ち, かけがえのない生命を大切にしようとする態度を育みたい 本学級の児童は,2 学期を通して道徳プログラム 命かがやいて に取り組んでいる 児童は, 道徳の時間において わたしの見つけた小さな幸せ ( 出典東京書籍 ) で, 普段当たり前に生活していることの素晴らしさを自分の生活とつなげて考えた また, 体育科の 育ちゆく体とわたし では, 生命誕生における体の仕組みや生命のつながりについて理解し, 与えられた自分の生命を大切にしようという思いをもった 学校行事の 避難訓練 では, 生命の危険に直面した場合の生命の守り方を学習し, 一つしかない生命の大切さを具体的な場面で感じ取る学習をした 理科の 秋の生き物 では, ヘチマの観察を通して, 生命の不思議さや力強さに気付き, 人間だけでなくどんな生き物にも生命があることを学習した 学級活動の 三食バランスを考えよう では, 食べることが生きることにつながっていることから, 自分の生命は他の生命により支えられていることを知り, 残さず食べることで, 自分の生命も他の生命も大切にすることにつながることを学習した 給食の時間には, いただいている生命を感じながら残さず食べるように努めている これらの指導から, 生命はかけがえのないもので, 大切にしなければならないという思いをもっている しかし, 日常生活の中で, 残さず食べたり, 一生懸命勉強をしたり, 決められたきまりを守ったりする等, 当たり前のことを一生懸命することが, 自分の生命を大切にしていることにつながるということを意識して行動していない場面が見られる また, アンケートによると, 一生懸命頑張っている自分が好きですか の問いに対して, 好きと答えた児童は 85% で,15% の児童は一生懸命頑張ることの意義に気付いていない児童がいることが分かった これらのことから, 自分の生命は自分だけのものではなく, 他の人の様々な思いや, 他の生命そのものが支えていることについて考えを深め, 他の生命に支えられ, 生命が受け継がれていくことに気付かせる指導が必要であると考える そして, 受け継がれた尊い生命と自分の生き方をつなげて考えさせ, 自分の生命や他の生命を大切にする態度を育てたい 指導に当たっては, 本時を, 道徳学習プログラム 命かがやいて で体験したことを基に, ねら
いとする価値 生命の尊さ と自己の生き方との関わりについて, さらに考えを深める時間としたい これは, 内容項目 生命の尊さを知り, 生命あるものを大切にすること に関する学習を道徳の時間を要にし, 関連する各教科 領域または日常生活と組み合わせて作成したものである 導入では, 生命に関する価値を確認するために, 個人学習シート いのちかがやいて シートを読ませ, これまでの学習を振り返らせる 展開前段では, バルバオの木を食べるゾウたちの気持ちや, 自分の体を与えるバルバオの木の気持ちを話し合うことを通して, 自分の生命は他の生命に支えられており, その生命がつながって今の自分があることを考えられるようにしたい 中心発問では, バルバオは何のために生命を与えたのかを考えさせることで, 生命を次世代につなげていこうと主体的に生きる気持ちに気付かせ, 受け継がれていく生命の雄大さを感じ取らせた上で, その生命を大切にしようとする態度を育てていきたい 展開後段では命を大切にするとはどうすることか, 自分自身を振り返って発表したり, 自分の経験と比べながら友達の考えを聞いたりすることで, 生命を大切にすることを, 自分の生き方と関わらせて考えられるようにしたい こうして深めた思いを, その後の 道徳タイム で, 道徳学習プログラム いのちかがやいて を通して考えたことや自分の生き方をまとめることで, 自己の成長を確かめ, 道徳的態度を育むようにしていきたい 6 道徳学習プログラム 道徳の時間 わたしの見つけた小さな幸せ 一つしかない生命の尊さを知り, 生命を大切にしよ うとする心情を育てる 保健 育ちゆく体とわたし 思春期に起こる体の発達や発育について理解し, 与 えられた自分の生命の尊さに気付く 学校行事 避難訓練 生命の危険を感じて避難する体験を通して, 生命の 尊さに気付き, 自他の生命の守り方を理解する 理科 秋の生き物 秋の生き物の観察を通して, 生き物にはそれぞれ尊 い生命があり, 生命をつなぐために, 季節によって 様々な特徴や変化があることに気付く 学級活動 三色バランスを考えよう バランスよく食べることが, 健康につながっていることや, 自分の生命は他の生命により支えられていることを知り, 残さず食べることの大切さに気付く 日常の活動 給食 毎日食べている給食は, 様々な生命をいただいてい ることを実感し, 残さず食べようと努力する 生きているからいろんなことができるんだな 生きていることは素晴らしいことだな 思春期になると, 新しい命を生み出す体の準備が始まるんだな 命はつながっているんだな 一つしかない命がなくなったら大変だ 命を大切にしないといけないな 春や夏と比べると, 生き物の様子が変化しているよ みんな大切な命があるんだな 肉, 魚, 野菜, いろいろな命をいただいているから, 元気に過ごせるんだな 残さずに食べよう い 嫌いなものがあるけど, 残さずに食べるぞ 食べられることに感謝して いただきます
道徳の時間 バルバオの木 受け継がれる生命の雄大さに気付き, 生命あるものを大切にしようとする態度を育てる いろいろな命のおかげで自分は生きているんだ 遠い昔からずっと受け継がれてきた命を大切にしないといけないな 道徳タイム 自分の成長を見つめよう 命かがやいて を通して自分の成長を振り返り, 受け継がれる生命の尊さを感じ, 自分の生命も他の生命も大切にしていこうとする気持ちを高める 命かがやいて を通して, 命の大切さが分かったよ 自分の命も他の命も大切にしながら, 精一杯命を輝かせていこう 7 授業の展開過学習活動程 1 生命に関わる自分自身の思いを発表し合う 導入 2 資料 バルバオの木 を聞いて話し合う 展開前段 主な発問と児童の心の動き これまで, どんな生命の学習をしてきましたか 一つしかない命を守ること いろいろな命をいただいていること 小さな生き物にも命があること バルバオの木の実や葉を食べているとき鳥やシカたちはどんなことを思ったでしょう 助かった ありがたいな バルバオは大丈夫なのかな バルバオの木がゾウたちに わたしのみきを食べなさい と言ったのは, どんな気持ちからでしょう ゾウたちがかわいそう たくさん生きたから大丈夫だ みんなを助けたい 指導上の留意点 ( 支援 評価 ) 生命に対する学習を想起させるために, いのちかがやいて シートを読ませ, 振り返らせる 価値への方向付けをするために緑色ハートを掲示し, 命について考える学習であることを意識させる バルバオの木の実や葉を食べることでやっと生き延びることができた喜びに気付かせるため, 飢えている状況をしっかりおさえる 生命を与える側の思いに気付かせるために, バルバオの立場から考えさせる バルバオの木の幹を食べながらゾウたちはどんなことを思ったでしょう やさしいな ありがたい 感謝して食べよう 大切な命をもらったから一生懸命生きるよ 鳥やシカたちが食べた時の気持ちと比較して 食べる 側の気持ちが変化したことに気付かせ, 受け継いだ生命を大切にしようとする心情を考えさせる
展開後段終末 3 今までの自分を振り返り, 生命の大切さと自分自身との関わりについて発表し合う 4 教師の説話を聞く 5 本時の学習を振り返る バルバオはどうして, 鳥やシカやゾウたちに自分の生命を与えたのでしょう 長く生きてきたからいいんだ ぼくの分まで生きてくれ 役に立つことをやりたい わたしの命がつながるんだ 生命を受け継ぐために, 今の自分はどのように生活していきたいですか 自分の命を大切にする 残さずご飯を食べる 何でも一生懸命頑張る 友達を大切にする 錦織圭 という人を知っていますか もらった命を一生懸命大切にしているのだな 命かがやいて を書きましょう 受け継いだ命を大切にして, どんなことも一生懸命頑張ろう 命は自分だけのものではないんだ 命を大切にしたい 生命をつなげていこうとする主体的な生き方について考えさせるため, また新しく生きられる という言葉にふれ, バルバオが自分の体を何のために与えたのか考えさせる 主人公の姿を通して, 生命を受け継ぎながら主体的に生きる大切さについて考えを深めようとしているか 様々な側面から生命について捉えられるよう, これまでの学習と結びつける 自分自身を振り返って発表したり, 自分の経験と比べながら友達の意見を聞いたりすることで, 自分の生き方と関わらせて考えられるようにする 自分の生き方を考えることができるよう, 実際に生命を大切にしている話を聞かせる 生命を様々な側面から捉え, 生命を大切にするために一生懸命生きることの良さについて気付くことができたか 8 板書計画 わたしの命がつな がっていく んだ 受けつぐ生命 君たちの中で生きているよ 役に立つことをし たい ぼくの分まで生きてくれ 長く生きてきたか らいいんだ 食べられることでまた新しく生きられる わたしのことは心配いらない みんなを助けたい たくさん生きたからもうだいじょうぶだ ゾウたちがかわいそう わた しのみ きを食べなさ い ょうぶなのかな バルバオは大じ ありがとう 一生けん命生きるよ やさしいな もらった命を大切にしよう 助かった 感謝して食べよう これで死なずにすむ 葉 シカたち 実 鳥たち みき ゾウたち 食べるものがすっかりなくなった 雨が一てきもふらない日 緑 バルバオの木