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この薬を使う前に 確認すべきことは? 患者さんや家族の方はこの薬の効果や注意すべき点などについて十分理解できるまで説明を受けてください 説明に同意した場合に使用が開始されます 次の人は この薬を使用することはできません 過去にイストダックス点滴静注用に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人

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薬生薬審発 0525 第 3 号薬生安発 0525 第 1 号平成 30 年 5 月 25 日 都道府県各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) トファシチニブクエン酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について トファシチニブクエン酸塩製剤 ( 販売名 : ゼルヤンツ錠 5 mg 以下 本剤 という ) については 本日 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導 入及び維持療法 ( 既存治療で効果不十分な場合に限る ) を効能又は効果として承認したところです 本剤投与により 結核 肺炎 敗血症 ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化や帯状疱疹等の再活性化が報告されていること 本剤との関連性は明らかではないが悪性腫瘍の発現も報告されていること 本剤の維持療法で 10 mg を投与する際には慎重に判断する必要があることから その使用に当たっては 特に下記の点につ いて留意されるよう 貴管下の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします 記 1. 本剤の適正使用について (1) 本剤については 本承認に際し 製造販売業者による全症例を対象とした使用成績調査をその条件として付したこと 承認条件 < 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法 ( 既存治療で効果不十分な場合に限る )>

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し 本剤の適正使用に必要な措置を講じること (2) 本剤の警告 効能又は効果 用法及び用量 慎重投与並びに重要な基本的注意は以下のとおりであるので 特段の留意をお願いするこ と なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照され たいこと 警告 1. 本剤投与により 結核 肺炎 敗血症 ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告されており 本剤との関連性は明らかではないが 悪性腫瘍の発現も報告さ れている 本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め これらの情報を患者に十分説明し 患者が理解したことを確認した上で 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること また 本剤投与により重篤な副作用が発現し 致命的な経過をたどることがあるので 緊急時の対応が十分可能な医療施設及 び医師が使用し 本剤投与後に副作用が発現した場合には 主治医に連絡するよう患者に注意を与えること 2. 感染症 (1) 重篤な感染症敗血症 肺炎 真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため 十分な観察を行うなど感染症 の発症に注意すること (2) 結核播種性結核 ( 粟粒結核 ) 及び肺外結核 ( 脊椎 脳髄膜 胸膜 リンパ節等 ) を含む結核が報告されている 結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため 本剤投与に 先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に 加え インターフェロン -γ 遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い 適宜胸部 CT 検査等を行うことにより 結核感染の有無を確認すること 結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には 結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下 原則として本剤の投与開始前に適

切な抗結核薬を投与すること ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において 投与後活動性結核が認められた例も報告されている 3. 4. 潰瘍性大腸炎では 本剤の治療を行う前に 少なくとも 1 剤の既存治療薬 ( ステロイド 免疫抑制剤又は生物製剤 ) の使用を十分勘案すること また 本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験を持つ医師が使用すること 効能 効果 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法 ( 既存治療で効果不十分な場合に限る ) < 効能 効果に関連する使用上の注意 > 潰瘍性大腸炎過去の治療において 他の薬物療法 ( ステロイド 免疫抑制剤又 は生物製剤 ) による適切な治療を行っても 疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること 用法 用量 潰瘍性大腸炎導入療法では 通常 成人にトファシチニブとして 1 回 10 mg を 1 日 2 回 8 週間経口投与する なお 効果不十分な場合はさらに 8 週間投与することができる 維持療法では 通常 成人にトファシチニブとして 1 回 5 mg を 1 日 2 回経口投与する なお 維持療法中に効果が減弱した患者では 1 回 10 mg の 1 日 2 回投与に増量することができる また 過去の薬物治療において難治性の患者 (TNF 阻害剤無効例等 ) では 1 回 10 mg を 1 日 2 回投与することができる < 用法 用量に関連する使用上の注意 > 潰瘍性大腸炎 1. 本剤の導入療法の開始後 16 週時点で臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は 他の治療法への切り 替えを考慮すること 2. 本剤の維持療法中に本剤 1 回 10 mg を 1 日 2 回経口投与しても臨床症状の改善が認められない場合は 本剤の継続投与の必要性を慎重に検討し 他の治療法への切り替えを考慮すること 3. 中等度又は重度の腎機能障害を有する潰瘍性大腸炎患者 中

等度の肝機能障害を有する潰瘍性大腸炎患者には 減量し (1 回投与量を減量 1 回投与量を減量することができない場合は投与回数を減らす ) 本剤を慎重に投与すること 4. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので 本剤と TNF 阻害剤等の生物製剤や タクロリムス アザチオプリン等の強力な免疫抑制剤 ( 局所製剤以外 ) との併用はしないこと なお 本剤とこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (1) 感染症の患者又は感染症が疑われる患者 [ 本剤は免疫反応を減弱する作用を有し 正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので 適切な処置と十分な観察が必要である ] (2) 結核の既感染者 ( 特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者 )[ 結核を活動化させるおそれがあるので 胸部レントゲン検査等を定期的に行うなど 結核症状の発現に十分注意すること ] (3) 易感染性の状態にある患者 [ 感染症を発現するリスクが増加する ] 重要な基本的注意 (1) 本剤は 免疫反応に関与するヤヌスキナーゼ (JAK) ファミリーを阻害するので 感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある 本剤の投与に際しては十分な観察を行い 感染症の発現や増悪に注意すること 本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は 速やかに適切な処置を行い 感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること また 患者に対し 発熱 倦怠感等があらわれた場合には 速やかに主治医に相談するよう指導すること (2) 悪性リンパ腫 固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている 本剤との因果関係は明らかではないが 悪性腫瘍の発現には注意すること (3) 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え インターフェロン -γ 遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い 適宜胸部 CT 検査等を行うことにより 結核感染の有無を確認すること 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には 結核の診療経験がある医師に相談すること 以下のいずれかの患者には 原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること 1) 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影

を有する患者 2) 結核の治療歴 ( 肺外結核を含む ) を有する患者 3) インターフェロン -γ 遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により 既感染が強く疑われる患者 4) 結核患者との濃厚接触歴を有する患者また 本剤投与中も胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し 患者に対し 結核を疑う症状が発現した場合 ( 持続する咳 発熱等 ) には速やかに主治医に連絡するよう説明すること なお 結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと (4) 本剤を投与された B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者 (HBs 抗原陰性 かつ HBc 抗体又は HBs 抗体陽性 ) において B 型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている 本剤投与に先立って B 型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど B 型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること (5) ヘルペスウイルス等の再活性化 ( 帯状疱疹等 ) が報告されている また 日本人患者で認められた重篤な日和見感染症のうち多くが重篤な帯状疱疹であったこと 播種性帯状疱疹も認められていることから ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意すること 徴候や症状の発現が認められた場合には 患者に受診するよう説明し 速やかに適切な処置を行うこと また ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意すること (10) 感染症発現のリスクを否定できないので 本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこと 2. 医療機関における適正使用に関する周知事項について本剤については 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 第 79 条に基づき 承認 取得者である製造販売業者に対し 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全症例を対象に使用成績調査を実 施する よう義務付けたので その調査の実施にご協力願いたいこと