< 来週の投資環境 > 8 月 18 日 ~ 8 月 22 日 地政学的リスクの悪影響を警戒 来週の金融市場見通し ユーロ圏の 2014 年 4-6 月期の実質 GDP( 域内総生産 ) は前期比で横ばいと ゼロ成長となった ウクライナをめぐり ロシアに対し厳しい経済制裁に踏み切っていることなどが背景 ウクライナ紛争が世界経済に悪影響を及ぼしていることは気がかり もっとも プーチン露大統領は 国際協調を模索する考えを示した 欧米とロシアとの対立が緩和されると リスクオン ( 選好 ) の動きに 1. 株価 :1 万 5,000 円台前半中心のレンジ 予想レンジ 日経平均株価 ( 来週 )15,000~15,600 円 ( 今月 )14,500~16,000 円前週末に オバマ米大統領のイラク空爆承認を受け大幅下落となったものの 年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の運用方針見直しで 日本株への配分を増やすとの報道や 地政学的リスクへの警戒がやや和らいだことから 国内株は持ち直しの動きになった ただ 急落前の水準を上回ってきており 急落後の反発はとりあえず一服か ドル円も方向感は出ず一進一退の動きが継続しており 方向感は出にくそうだ 2. 長期金利 : 低位もみ合い 予想レンジ 新発 10 年債利回り ( 来週 )0.48~0.53% ( 今月 )0.45~0.65% 欧米の金利低下や 良好な需給を背景に長期金利は一時 0.495% と昨年 4 月 8 日以来の 0.5% 割れとなった ユーロ圏の景気低迷を背景に ドイツの 10 年債利回りは一時初めて 1% を割り込んだ 国内では 30 年国債入札 5 年国債入札は順調な結果で 日銀の巨額の買い入れを背景に良好な需給が継続しており 長期金利は上昇し難い ただ 積極的に買い進む金利水準ではないため 低水準でのもみ合いとなりそうだ 3. 為替 : 様子見 予想レンジ ドル円レート ( 来週 )101.5~103.5 円 ( 今月 )100.0~104.0 円ドル円はオバマ米大統領のイラク空爆承認を受け 101 円半ばまでドル安 円高が進んだものの 再び 102 円半ばの水準まで戻ってきた ウクライナ情勢など地政学的リスクは気がかりも ドル円は鈍い動き 週末にイエレン米連邦準備制度理事会 (FRB) 議長が ジャクソンホールで開かれるシンポジウムで講演する 利上げに関する何らかの示唆があれば 相場が動くきっかけになるだけに 徐々に様子見姿勢も広がりそうだ ( 円 ) 17,000 16,000 15,000 14,000 図表 1. 日経平均株価 13,000 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 (%) 図表 2. 新発 10 年物国債利回り 0.3 ( 円 / ドル ) 107 105 103 101 99 97 図表 3. ドル円レート 95 (2014.8.15 シニアストラテジスト鈴木和仁 ) 1 5
来週の投資戦略 公的資金が株式相場を支える 1.GPIFの運用見直しは 9 月との観測年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の運用方針見直しに関する報道で 株価が持ち直す場面が目立ってきている 8 月に入り ウクライナをめぐる欧米とロシアとの対立が深刻化したことを懸念し 株価は軟調な動きになっていたが 8 月 7 日には GPIFの運用改革で日本株への配分を 20% 超に増やすことを想定し 9 月末にかけ調整を本格化させる見通しと伝わったことから 国内株が 6 営業日ぶりに反発した また 先週末の 8 日には オバマ米大統領がイラクのイスラム過激派に対する空爆を承認したことを受け 地政学的リスクへの警戒が強まり 国内株は大幅下落となったものの 今週には地政学的リスクへの警戒がやや和らいだことに加え GPIFの株式投資の上限を暫定的に撤廃し 9 月以降は国内株式の割合を 20% 台に増やすと報じられたことを好感し 国内株は持ち直しの動きになった 最近のGPIFの運用見直しに関する報道は以下の通り 9 月末にかけ資産割合を調整 新たな資産割合を決めるまでの暫定措置として 国内株式 海外株式や国内債券 海外債券の上限とを撤廃 国内債券を 60% から 40% 程度にする一方 国内株式の比率を 12% から 20% 超に 外国株式への配分も厚くする方向 2.GPIF 以外も GPIFの 3 月末の国内債券の保有比率は 55.4%( 図表 1 2) 仮に国内債券の比率が 40% まで引き下げられるとすると 引き下げ分の 15% 程度が 国内株式 外国債券 外国株式に配分されることになる 国内株式の 3 月末の保有比率は 16.5% 新しい売買がないと仮定した場合には 直近でおおよそ 17% 程度となり 上限の 18% まであと僅かな状況だ 20% まで比率が引き上げられるとすると 国内株式は 3.8 兆円程度増えることになるが 報道では 20% 超とされており もう少し増額余地がありそうだ 図表 1. GPIF の資産別残高 2013 年 3 月末 2014 年 3 月末 基本ポートフォリオ ( 割合 ) ( 割合 ) ( 許容乖離幅 ) 国内債券 74.5 兆円 61.8% 70.2 兆円 55.4% 60% (±8%) 国内株式 17.6 兆円 14.6% 20.8 兆円 16.5% 12% (±6%) 外国債券 11.8 兆円 9.8% 14.0 兆円 11.1% 11% (±5%) 外国株式 14.9 兆円 12.3% 19.7 兆円 15.6% 12% (±5%) 短期資産等 1.8 兆円 1.5% 1.8 兆円 1.5% 5% 合計 120.5 兆円 126.6 兆円 100% ( 出所 )GPIFの資料を基に しんきん投信作成 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 73.9 67.5 66.6 63.3 61.8 55.4 16.5 12.0 11.5 12.5 14.6 9.7 8.3 8.1 8.7 11.1 9.8 8.5 7.7 10.8 11.3 11.5 12.35 15.6 2009 年 3 月末 図表 2. GPIF の運用資産構成割合 2010 年 3 月末 2011 年 3 月末 2012 年 3 月末 ( 出所 )GPIF の資料を基に しんきん投信作成 2013 年 3 月末 2014 年 3 月末 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資産 2 5
公的 準公的資金の運用 リスク管理等の高度化等に関する有識者会議で 国内債券を中心とするポートフォリオの見直しが提言されていることから GPIFの資産配分が見直されると 国家公務員共済 地方公務員共済などの他の公的年金 ( 来年 10 月にはGPIFと運用一元化予定 ) 独立行政法人等の準公的資金も影響を受けることになる 他方 公的 準公的資金のほかに 日銀は 量的 質的金融緩和 政策の下 株価指数連動型上場投資信託 (ETF) 買い入れ ( 年間 1 兆円規模 ) を継続している ( 図表 3) 日銀については 株価の下落局面でのETF 買い入れが目立つ また かんぽ生命についても 昨年度から国内株の残高を積み増している ( 図表 4) 今年度は 6 月までで 2,000 億円国内株を積み増した 報道によると 今年度は 3,000 億円 ~3,500 億円程度の国内株の積み増しを計画している模様だ しばらくは 幅広い公的資金が株価を下支えする局面が続きそうだ ( 円 ) 16,000 15,500 15,000 14,500 14,000 13,500 14/4 図表 3. 日銀の ETF 買入と株価推移 14/5 14/6 14/7 14/8 ( 億円 ) 180 160 140 120 100 80 60 40 20 指数連動型上場投資信託受益権 (ETF) 買入 ( 右目盛 ) 日経平均株価 ( 左目盛 ) ( 出所 )Bloomberg 日銀よりデータ取得し しんきん投信作成 図表 4. かんぽ生命が保有する国内株式残高 ( 億円 ) 6,000 帳簿価額 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 11/3 12/3 13/3 14/3 14/6 ( 年 / 月 ) ( 出所 ) かんぽ生命の資料を基に しんきん投信作成 (2014.8.15 シニアストラテジスト鈴木和仁 ) 3 5
主な内外経済スケジュール 8 月 18 日 ( 月 ) 国庫短期証券入札 (1 年 ) 6 月の毎月勤労統計 ( 確報値 ) 米 8 月の NAHB 住宅市場指数 ユーロ圏 6 月の貿易収支 19 日 ( 火 ) 20 年利付国債入札 7 月の全国百貨店売上高 7 月の日本製半導体製造装置 BB レシオ 6 月の景気動向指数 ( 改訂状況 ) 米 7 月の消費者物価指数 米 7 月の住宅着工 許可件数 ユーロ圏 6 月の経常収支 20 日 ( 水 ) 8 月の QUICK 短観調査 7 月の貿易統計 7 月の公社債投資家別売買高 7 月のコンビニエンスストア売上高 6 月の全産業活動指数 米連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事録 (7/29 30 日開催分 ) 米 MBA 住宅ローン申請指数 21 日 ( 木 ) 国庫短期証券入札 (3 か月 ) 流動性供給入札 8 月のロイター短観調査 7 月の全国スーパー売上高 米カンザスシティ連銀年次シンポジウム ( シ ャクソンホール 23 日まで ) 米 5 年 TIPS 国債入札 米 8 月のフィラデルフィア連銀景況指数 米 7 月の中古住宅販売件数 米 7 月の景気先行指数 北米 7 月の半導体製造装置 BB レシオ 米新規失業保険申請件数 米失業保険継続受給者数 ユーロ圏 8 月の PMI 製造業景気指数 ユーロ圏 8 月の消費者信頼感指数 中国 8 月の HSBC 製造業 PMI 22 日 ( 金 ) 7 月の電力需要実績 イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB) 議長の講演 ( シ ャクソンホール 23 日まで ) (2014.8.15 チーフエコノミスト辻佳人 ) 4 5
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