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地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

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平成 30 年 6 月 18 日 07 時 58 分頃の大阪府北部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

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図 年 [ 高度利用者向け ] 半月ごとの緊急地震速報発報回数 東北地方太平洋沖地震からほぼ単調に減少していた緊急地震速報の発報回数は 2015 年のほぼ安定した発報回数分布が 2016 年は急増しました 熊本地震直後では半月で最大 158 回 福島県沖の地震の後には 98 回となり

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

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火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 1 日 6 日 8 日 14 日 20 日 22 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は700~1,800 トン (10 月 :500~1,70 トン ) と増減しながら 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の

目次 第 Ⅰ 編本編 第 1 章調査の目的 Ⅰ-1 第 2 章検討体制 Ⅰ-2 第 3 章自然 社会状況 Ⅰ-3 第 4 章想定地震 津波の選定条件等 Ⅰ-26 第 5 章被害想定の実施概要 Ⅰ-37 第 6 章被害想定結果の概要 Ⅰ-48 第 7 章防災 減災効果の評価 Ⅰ-151 第 8 章留意

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火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 12 日 18 日 25 日 27 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は 900~1,600 トン (11 月 :700~1,800 トン ) と 増減を繰り返しながら概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状

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火山ガスの状況 ( 図 8-5 図 9-4) 10 月 2 日 9 日 17 日 18 日 23 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の 1 日あ たりの放出量は 500~1,700 トン (9 月 :90~1,400 トン ) と 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状況

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地震の将来予測への取組 -地震調査研究の成果を防災に活かすために-

した 気象庁は その報告を受け 今後は余震確率の公表方法を改めることとしたという 2. 被害状況 被害要因等の分析 (1) 調査方針本委員会は 以下の調査方針で 被害調査と要因分析を行っている 1 極めて大きな地震動が作用し 多数かつ甚大な建築物被害が生じた益城町及びその周辺地域に着目して検討を進め

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9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県東京都 市区町村江戸川区 地区 清新町, 臨海町 2/6 発生面積 中 地形分類 盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南

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熊本地震に係る対応について

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8km M km M M8.4 1M M M 東北地方太平洋沖で想定されていた地震 Fig % 8 9% M8. 6 3m M % Fig.1 Distribution of

4:10 防災科学技術研究所第 2 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 9:34 防災科学技術研究所第 3 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 11:50 防災科学技術研究所職員が熊本県庁 ( 熊本県災害対策本部 ) に到着 16:00

地震活動概況 この期間 県内の震度観測点で震度 1 以上を観測した地震は5 回あり最大震度は2でした 11 日 10 時 25 分 茨城県北部の地震 ( 深さ5km M4.9) により 福島県で震度 3を観測したほか 東北 関東地方 新潟県で震度 2~1を観測しました この地震は地殻内で発生しました

H19年度

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若狭ネット第 149 pp.6-31( ( S2) M Ss M7.2 M ( 1 ) /21/ / M6.4 (1997) M7.2 M

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177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

1. 地震情報発生日時 :2018 年 6 月 18 日午前 7 時 58 分震源地 : 大阪府北部 ( 北緯 34.8 度 東経 度 ) 震源深さ: 約 13km 地震の規模 ( マグニチュード ):6.1 震度 6 弱の地域 :* 印は気象庁以外の震度観測点についての情報 大阪府震度

0 5 15

図 年に発生した被害地震の震源位置 1/14 浦河沖 (M6.7) (2)6/16 内浦湾 (M5.3) (4)11/22 福島県沖 (M7.4) (5)12/28 茨城県北部 (M6.3) 5/16 茨城県南部 (M5.5) (3)10/21 鳥取県中部 (M6.6) (1)4/14

津波の怖さを知っていますか? 平成 5 年 (1993 年 ) 北海道南西沖地震では地震発生から 5 分と経たないうちに大津波が押し寄せ 死者 202 人 行方不明者 28 人などの被害が生じました ( 写真は函館海洋気象台職員撮影 ) 宮崎地方気象台

プレス発表資料 平成 27 年 3 月 10 日独立行政法人防災科学技術研究所 インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム 津波予測システムを公開 独立行政法人防災科学技術研究所 ( 理事長 : 岡田義光 以下 防災科研 ) は インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム地震パラメー

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域

世界の地震活動(2016年5月~10月)

Transcription:

平成 8 年 1 月 日地震調査研究推進本部地震調査委員会 16 年 1 月 1 日鳥取県中部の地震の評価 1 月 1 日 14 時 7 分に鳥取県中部の深さ約 1km でマグニチュード (M)6.6( 暫定値 ) の地震が発生した この地震により鳥取県で最大震度 6 弱を観測し 被害を伴った その後 1 月 日 17 時現在までに発生した最大の地震は 1 日 14 時 53 分に発生した M5. ( 暫定値 ) の地震で 最大震度 4 を観測した M6.6 の地震の震源周辺で発生している地震活動は減衰傾向が見られるものの活発であり 北北西 - 南南東方向に延びる長さ約 1km の領域で発生している なお 1 日 1 時過ぎから ややまとまった地震活動が震源の極近傍で見られていた この地震の発震機構は西北西 - 東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で 地殻内の浅い地震である この地震の発震機構と今回の地震活動の分布から推定される震源断層は 北北西 - 南南東方向に延びる左横ずれ断層であった GNSS 観測の結果によると 今回の地震に伴って 鳥取県内の羽合観測点が北北東方向に約 7cm( 暫定値 ) 移動するなどの地殻変動が観測されている これまでの地震活動は 平成 1 年 ( 年 ) 鳥取県西部地震 (M7.3) と同程度に活発であり 平成 8 年 (16 年 ) 熊本地震 (M7.3) ほど活発ではない 鳥取県周辺では 大きな規模の地震の発生後に規模の近い地震が続発した事例が複数あり 同程度かさらに大きな地震が数ヶ月後に発生した事例もある 揺れの強かった地域では 地震発生から 1 週間程度 最大震度 6 弱程度の地震に注意が必要である 特に地震発生から ~3 日程度は 規模の大きな地震が発生することが多い 地震調査委員会は 今回の地震活動域を含む中国地域北部の区域では 活断層は少ないが 地震活動は比較的活発であり M6.8 以上の地震が 3 年以内に発生する確率は 4% と評価していた

平成 8 年 1 月 1 日 14 時 7 分頃の鳥取県中部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 ) 気象庁作成

1 月 1 日鳥取県中部の地震 震央分布図 (1997 年 1 月 1 日 ~16 年 1 月 日 9 時 深さ ~3km M 1.) 16 年 1 月の地震を赤色で表示 a 今回の地震 図中の茶細線は地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す 16 年 1 月 1 日 14 時 7 分に鳥取県中部の深さ 11km で M6.6 の地震 ( 最大震度 6 弱 ) が発生した この地震は 地殻内で発生した 発震機構は西北西 - 東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型である また この地震の後 同日 14 時 53 分には 深さ 9km で M5. の地震 ( 最大震度 4) が発生するなど 活発な地震活動が続いている (1 月 日 9 時現在 ) 1997 年 1 月以降の活動をみると 今回の地震の震源付近 ( 領域 a) では 年 9 月 16 日に M5.5 の地震 ( 最大震度 4) が発生している 193 年 1 月以降の活動をみると 今回の地震の震央付近 ( 領域 b) では 年 1 月 6 日に M7.3 の地震 ( 最大震度 6 強 ) の 平成 1 年 ( 年 ) 鳥取県西部地震 が発生し 負傷者 138 人などの被害を生じている ( 被害は 日本被害地震総覧 による ) 震央分布図 (193 年 1 月 1 日 ~16 年 1 月 1 日 17 時 深さ ~3km M 5.) 16 年 1 月の地震を赤色で表示 領域 a 内の M-T 図 平成 1 年 ( 年 ) 鳥取県西部地震 今回の地震 鳥取地震 北丹後地震 v b 平成 7 年 (1995 年 ) 兵庫県南部地震 図中の茶細線は地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す 領域 b 内の M-T 図 16 年 1 月 1 日 時 ~ 日 9 時 M 1. 本資料中 16 年 1 月 1~ 日の地震データは未処理 未精査のものがある 気象庁作成

K NET KiK net (orehole) KiK net (Surface) 5 km Distance along strike (km) 1 35.5 35. TTRH4 TTRH3 TTR7 TTR5 TTRH7 OKY1 OKY5 OKYH1 OKY OKY6 OKYH11 TTRH6 TTR3 TTRH1 TTRH5 133.5 134. 134.5 TTRH5 TTRH6 TTR3 TTRH1 OKY OKYH11 OKY6 OKYH1 OKY5 OKY1 TTRH7 TTR7 TTRH3 TTRH4 TTR5 EW.78.57.87.66 1.7.81 1..69.6 1.3 1.18 1.17 1.8 1.65 5.37 3.88.83.36.91 1.5 5.95 3.7 1.4.61.81.51.3 1.86 18.7 1.67 5 1 Time [s] NS.7.7.79.39 1.4 1.34 1.1.5 1.63 1.37.89.74.73.54.38.38.8.53 1.5.89 1.53 6.71.71.1.7 1.68 3.3.37 8.6.56 5 1 Time [s] Obs. UD Syn. [cm/s].3.5.98.74.91.8.66.73.71.39.55..33.4 1..85.51.4 1.6.79.9 1.35 1..4.58.46 1.53 1.18 3.5 1.36 5 1 Time [s] Distance along dip (km) 1 [m].7 [m]..14.8.4.56.7. 1.(s) 1..(s). 3.(s) 3. 4.(s) 4. 5.(s) 5. 6.(s) 5 1 15..4 Depth (km) [m]

鳥取県中部の地震 (1 月 1 日 M6.6( 暫定値 )) 前後の観測データ (1) 暫定 この地震に伴い地殻変動が観測された. 基準期間 :16/1/14 9:~16/1/1 8:59[R3: 速報解 ] 比較期間 :16/1/1 15:~16/1/ 5:59[Q3: 迅速解 ] 地殻変動 ( 水平 ) 4 7 cm 3 115 名和 1 cm 41135 東伯 4 cm 116 羽合 1 cm 95378 鹿野 16 八束 16/1/1 M6.6 95389 中和 1 cm 117 佐治 1 cm 9538 智頭 cm 1 4 cm 35 cm 固定局 : 三隅 (95388) 1 3 4 5 134 1 3 成分変化グラフ 期間 : 16/9/1~16/1/ JST cm (1) 三隅 (95388) 羽合 (116) 4 3 1-1 - -3-4 東西 基準値 :177411.399m 16/1/1 M6.6 9/1 11 1 1/1 11 1 期間 : 16/9/1~16/1/ JST cm () 三隅 (95388) 東伯 (41135) 東西 基準値 :16195.836m 4 3 1-1 - -3-4 16/1/1 M6.6 9/1 11 1 1/1 11 1 cm (1) 三隅 (95388) 羽合 (116) 8 6 4 - -4-6 -8 南北 基準値 :8531.9m 16/1/1 M6.6 9/1 11 1 1/1 11 1 cm () 三隅 (95388) 東伯 (41135) 4 3 1-1 - -3-4 南北 基準値 :81.1m 16/1/1 M6.6 9/1 11 1 1/1 11 1 cm (1) 三隅 (95388) 羽合 (116) 比高 基準値 :-1.98m 8 6 4 - -4-6 -8 16/1/1 M6.6 9/1 11 1 1/1 11 1 ---[F3: 最終解 ] ---[R3: 速報解 ] ---[Q3: 迅速解 ] cm () 三隅 (95388) 東伯 (41135) 比高 基準値 :6.73m 8 6 16/1/1 M6.6 4 - -4-6 -8 9/1 11 1 1/1 11 1 国土地理院

平成 8 年 1 月 1 日に発生した鳥取県中部の地震の震源断層モデル ( 暫定 ) GNSS で観測された地殻変動から 北北西 - 南南東走向の高角の断層が左横ずれに動いたと推定される 基準期間 :16/1/14-1/1(R3 解 ) 比較期間 :16/1/1 15: -1//5:59 (Q3 解 ) 固定局 : 三隅 緯度 経度 上端深さ 長さ 幅 走向 傾斜 滑り角 滑り量 ( ) ( ) (km) (km) (km) ( ) ( ) ( ) (m) 133.84 35.5.5 17.9 1.9 163 73-3.7.31 6.16 位置は断層の左上端 M w 国土地理院

今回の地震前後の活動状況 16 年 1 月 1 日 1 時 ~ 日 7 時 3 分 M 全て 深さ~km 1 日 14 時以降の震源を赤く表示 1 月 1 日 18 時以降は自動処理による震源を表示震央分布図震央分布図の矩形内の断面図 (- 投影 ) C 矩形内の時空間分布図 (-C 投影 ) 矩形内の MT 図 C 矩形内の時空間分布図 (- 投影 ) 矩形内の MT 図及び回数積算図 M. 1 日 日 1 日 日 < 資料の利用上の留意点 > 表示している震源は 自動処理による結果を含みます 以下の震源は自動処理による震源です 1 月 1 日 18 時以降 1 月 1 日 18 時以前の地震は 人の手により精査又は波形の確認をした震源データです 発破等の地震以外のものや 震源決定時の計算誤差の大きなものが表示されることがあります 個々の震源の位置や規模ではなく 震源の分布具合や活動の盛衰に着目して地震活動の把握にご利用ください 表示している自動震源について 気象庁で決定した自動震源のうち精度 (*) の良い震源のみ表示 (*) 水平誤差.5 分以内 OT 誤差. 秒以内 観測点 5 地点以上 地震情報を発表した地震は 情報で発表した震源要素で表示 気象庁作成

16 1 8 3.5 15 1 16 (4 ) (M6.8) 8 (16 ) (M7.3) (8 ) (M7.) 7 (1995 ) (M7.3) 5 (M7.) 5 1 ( ) (M7.3) 16 (M6.6) 1997 (M6.6) 1 この資料は速報値であり 後日の調査で変更することがある マグニチュードは 一連の地震活動の最大を示している

15 年 1 月以降の地震活動の状況 震央分布図 15 年 1 月 1 日 ~16 年 1 月 1 日 4 時 分 M 全て 深さ ~km 黒 :15 年 1 月 1 日 ~15 年 11 月 3 日桃 :15 年 1 月 1 日 ~16 年 8 月 19 日緑 :16 年 8 月 日 ~16 年 9 月 5 日青 :16 年 9 月 6 日 ~16 年 1 月 日赤 :16 年 1 月 1 日以降 領域 a 内の断面図 (- 投影 ) 領域 a 領域 a 内の時空間分布図 (- 投影 ) 1 領域 a 内の MT 図 16 年 8 月 1 日 ~1 月 1 日 18 時 16 年 8 月 日から それまでの活動域 ( 黒 桃 ) よりやや西側で活動が見られた この活動 ( 緑 ) が始まると それまでの活動域 ( 黒 桃 ) での活動は見られなくなった (1) 16 年 9 月 6 日からは さらに西側 ( 青 ) で活動が見られた この活動 ( 青 ) が始まると 8 月 日から見られていた活動 ( 緑 ) が見られなくなった () 色分けで示した活動域 ( 活動期間 ) の中で 最大規模の地震に吹き出しを付加している 16 年 1 月 1 日は 未処理の地震がある 気象庁作成

平成 8 年 1 月 1 日鳥取県中部の地震過去の主な地震と被害 震央分布図 (8 年 1 月 ~16 年 1 月 1 日 14 時 1 分 深さ ~5km M5.5 以上 ) 今回の地震 鳥取地震 北丹後地震 平成 1 年 ( 年 ) 鳥取県西部地震 平成 7 年 (1995 年 ) 兵庫県南部地震 M7 以上および今回の地震付近の M6 以上の地震に吹き出しを付けた 震央分布図中の細線は 地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す 年月日 M 主な被害 868.8.3 7. 播磨諸郡の官舎や諸定額寺の堂塔が倒れる 88.11.3 7. 神社 仏寺 家屋が転倒 損壊 187.3.14 7.1 死者 551 負傷者 58 家屋全壊 456 同焼失 3 海岸で海水の変動あり 197.3.7 7.3 北部で甚大な被害 死者,91 負傷者 7,86 住家全壊 5,4 同焼失,19 1943.9.1 7. 鳥取市を中心に被害大 死者 1,83 負傷者 3,59 家屋全壊 7,485 1995.1.17 7.3 死者 6,434 行方不明 3 負傷者 43,79 住家全壊 14,96.1.6 7.3 負傷者 18 住家全壊 435 半壊 3,11 < 参考 > 日本の地震活動,9, 地震調査委員会 日本被害地震総覧 599-1,13, 東京大学出版会総務省消防庁災害情報 気象庁作成

鳥取県中部の地震 ( 周辺の内陸地殻内の地震の続発事例 ) 震央分布図 (193 年 1 月 1 日 ~16 年 1 月 1 日 14 時 3 分 M 4.5 3km 以浅 ) 緑色 : M5. 以上の地震発生後 近傍で 3 日以内に M の差が.5 以下の地震 ( 後続の地震の M の方が大きい場合を含む ) が発生した事例赤色 : 今回の地震 鹿野 - 吉岡断層 M7. 程度 Z ランク 宍道 ( 鹿島 ) 断層 M7. 程度もしくはそれ以上ケース 1:X ランクケース :S* ランク 雨滝 - 釜戸断層 M6.7 程度 Z ランク 岩坪断層 M6.5 程度 X ランク 今回の地震 山崎断層帯 ( 那岐山断層帯 ) M7.3 程度 ランク 山崎断層帯 ( 主部 / 北西部 ) M7.7 程度 ランク 安田断層 M6. 程度 X ランク 日南湖断層 M6.7 程度 X ランク 青線は地震調査委員会で長期評価が実施された活断層 最初の地震の発生年月日 最初の地震の震央地名 後続の最初の地震の地震の M(Mf- M(Mf) M.5) 地震間の期間差 前震 - 本震型 最初の地震と第四紀火山との距離 km 以内 1~ 3km 31km 以上 最初の地震と活断層との距離 地震調査研究推進本部事務局 (11) で関係が指摘されたもの 最初の地震と活断層との距離 1km 以内にあるものを抽出 195/7/4 鳥取県西部 5.7 5.4 4 時間 - - 193/1/ 広島県北部 6.1 5.9 時間 - - 1935/7/4 鳥取県中部 5.4 5. 1 分 - 5.7 1 分 1943/3/4 鳥取県東部 6. 6. 9 時間 5.9 8. 日 鹿野 - 吉岡断層 4km 岩坪断層 6km 1953/6/8 島根県東部 5. 4.5 6.9 日 - - 1954/5/8 島根県東部 5. 5.4 8. 日 - - 1963/3/31 島根県西部 5.1 5. 時間 - - 1983/1/31 鳥取県中部 6. 5.7 3 分 - 鹿野 - 吉岡断層 1km 1984/5/3 兵庫県南西部 5.6 5.1 3 分 4 - 山崎断層帯主部北西部 km 1989/1/7 鳥取県西部 5.3 5.5 5.9 日 - 日南湖断層 5km 4.8 1 分 199/11/1 鳥取県西部 5.1 5..3 日 5.1 1.4 日 鹿野 - 吉岡断層 4km - 雨滝 - 釜戸断層 3km 岩坪断層 1km 日南湖断層 4km 気象庁作成

4 中国地域の活断層で発生する地震の長期評価地域内でM6.8 以上の地震が3 年以内に発生する確率北部区域 活断層は少ないが 地震活動は比較的活発東部区域 活断層も少なく 地震活動も低調西部区域 活断層が相対的に多く 活動性も概して高い 今回の地震 ( 気象庁第 1 報 ) 年鳥取県西部地震の震源断層 今回の地震 ( 気象庁第 1 報 ) 北部 西部 東部 平成 8 年中国地域の活断層の長期評価 ( 第一版 )