再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院

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目次 1. はじめに ( 臨床研究とは ) 今回の研究について 目的 方法 対象となる患者さん 研究方法 スケジュール 研究参加期間 研究参加予定人数.

ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

群馬大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会 _ 情報公開 通知文書 人を対象とする医学系研究についての 情報公開文書 研究課題名 : がんサバイバーの出産の実際調査 はじめに近年 がん治療の進歩によりがん治療後に長期間生存できる いわゆる若年のがんサバイバーが増加しています これらのがんサバイバ

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臨床研究許可申請書の提出に際しての留意事項

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臨床研究に参加される研究対象者の方へ 皮膚症状を呈する膠原病における炎症性サイトカインの病態への関与について に関する研究の説明 これは臨床研究への参加についての説明文書です 本臨床研究についてわかりやすく説明しますので 内容を十分ご理解されたうえで 参加するかどうか患者さんご自身の意思でお決め下さ

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診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

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がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

4. 結果はお返ししない予定です [ 結果を開示しない場合 ] 今すぐに診療に役立てることができないため結果をお返ししない予定です ご理解く ださいますようお願いいたします 詳しくは ページへ ( 必要に応じて )5. 親権者の承諾のもと 未成年者の参加をお願いしています 詳しくは ページへ 6.

(個人情報は他人には決して漏らしません)

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

疫学研究の病院HPによる情報公開 様式の作成について

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目 次 1. はじめに 2. 臨床研究とは 3. 研究の目的 意義 4. 研究の対象と方法 5. 研究への自由意志参加 同意取消しの自由 6. 研究責任者 組織 7. 研究の場所 期間 8. 研究試料と情報の取り扱い 9. 研究結果の扱い 10. 研究資金源 11. 利益相反 12. 研究参加者の負

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(3) 倫理学 法律学の専門家等 本法人に所属しない人文 社会科学の有識者若干名 (4) 一般の立場から意見を述べることができる者若干名 (5) 分子生物学 細胞生物学 遺伝学 臨床薬理学 病理学等の専門家若しくは遺伝子治療等臨床研究の対象となる疾患に係る臨床医として 日本医科大学長が推薦した者若干

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1. 背景 NAFLD は非飲酒者 ( エタノール換算で男性一日 30g 女性で 20g 以下 ) で肝炎ウイルス感染など他の要因がなく 肝臓に脂肪が蓄積する病気の総称であり 国内に約 1,000~1,500 万人の患者が存在すると推定されています NAFLD には良性の経過をたどる単純性脂肪肝と

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Transcription:

< 小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病に対する 多施設共同臨床試験 (ALL-B12 研究 ) に参加された方へ > 研究課題 再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 への保存検体の使用について 日本小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG) が行っております小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病に対する多施設共同臨床試験 (ALL-B12 研究 ) に参加された患者さんの中で検体提供への同意を文書で頂いている方につきましては 治療中に採取された骨髄または血液の余剰検体 ( 検査で使用された残り ) が白血病研究目的に長期保存をされています 今回 標題の白血病研究を実施致しますので 研究の概略を説明させていただきます 小児急性リンパ性白血病の一部の患者さんでは 通常は観察されない融合遺伝子 ( 複数の遺伝子が連結されて生じる新たな遺伝子 キメラ遺伝子 ) が白血病細胞特異的に観察をされ 治療標的となり得ることが知られています 既に 特定の融合遺伝子を標的としたいくつかの分子標的薬剤が開発 臨床応用され 高い有効性が示されています しかし 分子標的薬剤は特定の融合遺伝子を有した患者さんにしか有効ではないので いかに有効性が期待できる患者さんを見つけるかが重要となります そこで 本研究では ALL-B12 治療研究に参加された患者さんの中で再発してしまった患者さんを対象に 再発時の保存試料を用いて遺伝子解析することにより どのような検査をすれば分子標的薬剤の有効性が期待できる患者さんを確実かつ効率よく見つけ出せるのか 有効性が期待できる患者さんがどの程度いるのかを明らかとしたいと思います この成果によって 各々の患者さんにより有効かつ副作用の少ない治療法を選択することができると期待されます 1. 研究の概要 研究課題

再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター高度診断研究部長 ( 研究の実務統括および遺伝子 データ解析を行う ) 共同研究機関 JPLSG-ALL 委員会 JPLSG 臨床試験参加施設のうち検体提供施設京都大学医学研究科腫瘍生物学講座京都府立医科大学小児科国立成育医療研究センター岡山大学小児科 研究目的 この研究は 急性リンパ性白血病に対する治療標的となり得る融合遺伝子の同定方法を確立することにより 分子標的薬剤の適応拡大を通じて治療成績の改善に寄与することを目指しています 対象となる患者さん この研究に参加していただくためには いくつかの参加の条件があり 研究への参加をお願いしています < 研究に参加していただける方の主な条件 > 1)JPLSG ALL-B12 治療研究に参加され 再発が認められた方 2) 再発時または白血病診断時の骨髄検体が保存されている方 3) 治療研究内で行われた遺伝子検査で融合遺伝子が認められなかった方 研究方法 既に採取 保存されている白血病細胞に含まれる遺伝子 (RNA) を取り出して遺伝子解析を行い 融合遺伝子の有無を調べます なお RNA の一部は遺伝子解析をするために 後述する京都大学など外部の研究機関に送る場合があります それらの施設に送る検体には 個人が特定できないように あなた ( お子さん ) の名前や住所などの個人情報は記載せず 研究用の番号を付けて提出いたします この研究では 研究参加への同意の取り消し 診療情報との照合などの目的で あなた ( お子さん ) の名前と研究用の番号を結び付ける対応表は臨床研究事務局で厳重に保管されます したがって 遺伝子解析研究に関わる研究者は個人情報を知ることはありません 研究参加期間 研究全体の予定期間は 2016 年 4 月から 2020 年 3 月です

研究参加予定人数 この研究は 50 名の方に参加をお願いする予定です この研究に参加することにより予想される利益と起こるかもしれない不利益 本遺伝子解析研究においては あなた ( お子さん ) 個人に直接的に有益な結果が出る可能性は低い と思われます しかしながら 長期的には 研究の成果は今後の医学の発展に寄与することが 期待されています 将来 あなた ( お子さん ) の病気の診断や予防 治療などがより効果的に行われるようになる可能性があります 一方 遺伝子情報は非常に様々な病気や体質などに関わる情報を含んでいますので 別項に述べますように 個人情報の保護や情報の漏えいに十分配慮をした上で 研究を行います 研究の参加について この研究に参加するかどうかは あなた ( お子さん ) の自由な意思でお決め下さい 担当医師を通じて いつでも 先の研究への参加同意を撤回いただくこともできます その場合にも 担当医師と気まずくなったり 今後の治療に対して不利益をこうむることは全くありません 研究の中止について 次のような場合には 研究へ参加いただけなかったり 研究を中止することがありますので ご了承ください あなた ( お子さん ) から研究参加の同意を撤回する申し出があった場合保存されている試料の量や質が十分になかった場合研究依頼者の事情により 研究を続けることが難しいと判断した場合 あなた ( お子さん ) に新たに協力いただきたいこと 特にありません この研究に関する新たな情報が得られた場合 この研究に参加されている間に あなた ( お子さん ) の研究参加の意思に影響するような新たな情報を入手した場合には その都度その内容をお知らせしますので 続けて研究に参加されるかどうか あなた ( お子さん ) の自由意思でお決め下さい あなた ( お子さん ) の個人情報の保護について 遺伝子に関する研究成果は さまざまな問題を引き起こす可能性が潜在的にあるため 情報が漏えいすることのないよう 慎重に取り扱う必要があります あなた ( お子さん ) の試料は 研究代表機関である名古屋医療センター臨床研究センターに提供される前に氏名 住所など個人を特定できる情報は除いていますが さらに データ解析施設に情報を提供する場合は代わりに新しく符号をつけて 誰のものか分からないようにします 本研究の研究成果を学会や医学雑誌などに発表されることもあります ただし いずれの場合にも あなた ( お子さん ) の個人情報が公表されることは一切ありません

将来 この研究で得られた遺伝子解析結果を別の研究に利用する可能性 ( 二次利用 ) があります そのような場合も あなた ( お子さん ) の実名を出すようなことは一切ありません あなた ( お子さん ) の病状や名前などに関する情報を含め 個人情報は厳重に守ります 二次利用する場合には 改めてその研究計画を臨床研究審査委員会において審査し データ類の扱いも含め 適切な研究計画であるかどうか評価がなされて 必ず院長の承認を得て 初めて実施されます また 二次利用の内容について JPLSG のホームページで情報を公開します このような確認の過程を経ず 勝手に二次利用されることはありません 研究成果の帰属について この研究により得られた結果が 特許権等の知的財産を生み出す可能性がありますが その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属することになり あなた ( お子さん ) には帰属しません 研究組織と研究資金について この研究は 日本小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG) ALL-B12 治療研究の付随研究として 研究者が獲得した公的研究費である革新的がん医療実用化研究事業として行われます 利益相反について 利益相反とは 外部との経済的な利益関係等によって 研究データの改ざん 特定企業の優遇など研究が公正かつ適切に行われていないと第三者から懸念されかねない事態のことを指しますが この研究は 特定の企業からの資金提供を受けておらず 特定の企業の利益を優先させて あなた ( お子さん ) の治療方針を変えてしまったり 研究の公正さを損なうことはありません 研究参加中の費用について この研究に関する費用は 研究者が獲得した日本医療研究開発機構の公的研究費 ( 革新的がん医療実用化研究事業 ) から支出されています よって 今回の遺伝子解析に必要な費用について 負担を求めることはありません その一方で 謝礼金等をお渡しすることもありません 研究終了後の対応について 研究終了後も 今までどおり あなた ( お子さん ) の状態に合った診療を行います 研究に関する情報公開について この研究は 治療研究の中で保存をされた検体を用いた研究であり 公開データベース等への研究の登録は行いません しかし より詳細な研究の計画 研究の方法についてお知りになりたいときには 担当医師までご連絡ください この研究に参加している他の方の個人情報や 研究の知的財産等に支障がない範囲で研究計画書の閲覧や説明をいたします 解析結果の開示について この研究では 新規の融合遺伝子の同定を主に行いますので 各融合遺伝子の臨

床的意義や分子標的薬剤の有効性などを判断する十分な情報に欠けますので 解析結果の開示は原則として行いません ただし 本研究を通じて 意義が明確な融合遺伝子の存在が明らかとなった場合には 担当医に報告をし 然るべき検査で確認をするように提案をする予定です この研究における担当医師及び連絡先 担当医師からの説明や この説明文書を読んでもわからないこと 研究に関する質問や何か心配事がありましたら どうぞ遠慮なく担当医師に質問して下さい 研究に参加するかどうかは ご家族や友人に相談されるのもよいと考えます 研究代表機関 : 国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター連絡先 :052-951-1111( 大代表 ) 研究責任医師 高度診断研究部長眞田昌 共同研究機関の名称及び研究責任者 この研究は JPLSG の付随研究として 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 小児白血病におけるバイオマーカーによる早期診断技術の確立と実用化に関する研究 ゲノム情報と薬剤感受性予測に基づく 小児血液腫瘍における最適医療の実現に向けた研究 ( 研究代表 眞田昌 ) の事業として行われます 眞田昌 ( 国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター ) 清河信敬 ( 国立成育医療研究センター ) 今村俊彦 ( 京都府立医科大学小児科 ) 滝智彦 ( 京都府立医科大学分子診断 治療医学 ) 嶋田明 ( 岡山大学小児科 ) 加藤元博 ( 国立成育医療センター ) 平松英文 ( 京都大学小児科 ) 柴徳生 ( 群馬大学小児科 ) 片岡圭亮 ( 京都大学腫瘍生物学 )