に著しい多様性がある 生体内に見られる長いコンドロイチン硫酸鎖には, 一本の鎖で均一にすべての二糖単位が同じ構造 ( 例 : コンドロイチン 6 硫酸構造 ) をしているものはほとんど存在せず, 多くの生化学や細胞生物学の教科書において誤解を与える記述がなされており, 注意を要する 医薬品としてのコ

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 商品名 : イチョウ葉脳内 α( アルファ ) 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) 弊社では当該製品 イチョウ葉脳内 α( アルファ ) と同一処方の製品を 200

特定できるものではありませんでした そのため 個人の体質や体調による影響が大きく影響したものであると判断しました よって 当該製品が原因と考えられる健康被害の発生は 確認されませんでした ただし 届出の製品と喫食実績で調査対象とした製品でルテイン量に違いがありましたので 既存情報から喫食経験および安

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

会長 日本製薬団体連合会会長 日本一般用医薬品連合会会長 米国研究製薬 工業協会会長 欧州製薬団体連合会会長及び一般社団法人日本医薬品卸業連合 会会長あてに発出することとしているので申し添えます

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

別紙様式 (Ⅱ) 商品名 : 伝統にんにく卵黄 (31 粒入り 62 粒入り ) 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 安全性評価シート 喫食実績の有無 : あり なし ( あり の場合に実績に基づく安全性の評価を記載) 本製品 伝統にんにく卵黄 と同等の製品は 1993 年 11 月より日

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

(別添様式1)

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

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適応病名とレセプト病名とのリンクDB

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要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

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AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

テイカ製薬株式会社 社内資料

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DRAFT#9 2011

減量・コース投与期間短縮の基準

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モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

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未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

相互作用DB

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④資料2ー2

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使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

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IRB記録概要

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た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

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スライド 1

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要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

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Transcription:

話題 サプリメントの臨床的有用性を検証するその 3 コンドロイチンの臨床的有用性 廣田憲威 コンドロイチンとはコンドロイチンは,D-グルクロン酸(GlcA) と N-アセチル-D-ガラクトサミン (GalNAc) の 2 糖が反復する糖鎖に, 硫酸が結合した構造を持つ この GlcA-GalNAc 二糖単位の中で硫酸基の付加やエピ化(GlcA からイズロン酸 ) で構造 - 44 -

に著しい多様性がある 生体内に見られる長いコンドロイチン硫酸鎖には, 一本の鎖で均一にすべての二糖単位が同じ構造 ( 例 : コンドロイチン 6 硫酸構造 ) をしているものはほとんど存在せず, 多くの生化学や細胞生物学の教科書において誤解を与える記述がなされており, 注意を要する 医薬品としてのコンドロイチン製剤現在, コンドロイチンは 健康食品 だけではなく, 医療用医薬品と一般用医薬品 ( 第 3 類 ) として, 以下の製剤が発売されている 医療用製剤については, 半世紀以上も前の薬剤であるため, 今の基準にそった臨床試験の結果はない しかし再評価には合格し, 現在も臨床に供されている 1 注射薬 コンドロイチン硫酸ナトリウム注射液 200mg 日医工 組成 1 管 (20ml) 中にコンドロイチン硫酸エステルナトリウム 200mg 含有 効能 効果 進行する感音性難聴( 音響外傷を含む ), 症候性神経痛, 腰痛症, 関節痛, 肩関節周囲炎 販売開始 2012 年 12 月 ( これは製品名が変更となった際の日付 同成分の薬剤は 50 年前から発売されている ) 薬価 1 管 20ml 58 円 カシワドール静注 ( アイロム製薬 ) 組成 1 管 (20ml) 中にコンドロイチン硫酸エステルナトリウム 200mg, サリチル酸ナトリウム 400mg 含有 効能 効果 症候性神経痛, 腰痛症 販売開始 1960 年 6 月 薬価 1 管 20ml 75.0 円 2 外用薬 アイドロチン 1%,3% 点眼液 ( 参天製薬 ) 組成 1ml 中にコンドロイチン硫酸エステルナトリウム 10mg または 30mg 含有 効能 効果 角膜表層の保護 販売開始 1970 年 8 月 薬価 1%5ml 84.8 円 3%5ml 87.7 円 3 代表的な一般用医薬品 アクテージ AN 錠 ( 武田薬品 ) 組成 6 錠 (1 日服用量 ) 中フルスルチアミン (VB 1 )100mg, ピリドキシン (VB 6 )20mg, シアノコバラミン (VB 12 )60μg, コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 800mg 効能 効果 1. 次の諸症状の緩和 関節痛 筋肉痛 ( 腰痛, 肩こり, 五十肩など ), 神経痛, 手足のしびれ, 眼精疲労, 便秘 - 45 -

2. 次の場合のビタミン B1 の補給 肉体疲労時, 妊娠 授乳期, 病中病後の体力低下時 3. 脚気ただし, 上記 1 および 3 の症状について,1 ヵ月ほど使用しても改善がみられない場合は, 医師または薬剤師に相談すること 定価 100 錠 ( 約 16 日分 )4,179 円 200 錠 ( 約 33 日分 )7,329 円 ネット販売ではおおむね 25% 程度値引きされている コンドロイチン ZS 錠 ( ゼリア新薬 ) 組成 1 錠中コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 260mg(1 日服用量は 6 錠 ) 効能 効果 関節痛, 神経痛, 腰痛, 五十肩, 神経性難聴, 音響外傷性難聴, 疲労回復 定価 60 錠 (10 日分 )2,520 円 108 錠 (18 日分 )3,880 円 180 錠 (30 日分 )5,880 円 270 錠 (45 日分 )7,880 円 ゼリア新薬の HP よりコンドロイチンの臨床的有用性コンドロイチンは, 循環器, 呼吸器, 消化器 肝臓, 生殖 泌尿器, 糖尿病 内分泌に対して作用をもたらすことは報告されていないようである 脳 神経感覚器では, 白内障の術後処置としてコンドロイチンとヒアルロン酸の併用点眼は有効性がある ドライアイにも有効 炎症に対しては, コンドロイチン硫酸と鎮痛剤や NSAIDs との併用で, 臀部や膝の変形性関節症の症状を軽減したという報告が 1980 年 ~2001 年までに多く報告されている ただし, これらの試験デザインに問題があるため結果については信頼性が乏しいとされている よって, 現時点で変形性関節症に対する有効性についての見解は一致していない というよりも否定的である 1コンドロイチンの炎症に対する有用性を示唆する論文メタ分析 (2008 年 6 月までを対象 2 つのデータベースで検索 無作為化比較試験 4 報について検討 ) において, 変形性関節症の患者によるコンドロイチン硫酸の摂取 (1~3 年間 ) は, 関節腔の狭小化をわずかに抑えたという報告がある 1) コンドロイチン ZS 錠を用いた臨床研究 ( 第 39 回日本関節病学会 :2011 年 11 月 ) 演題名 変形性膝関節症に対するコンドロイチン硫酸ナトリウムの臨床効果 発表者 森田充浩他 ( 藤田保健衛生大学整形外科学教室 ) 目的 コンドロイチン硫酸ナトリウム(CS) の変形性関節症 (OA) に対する有効性が海外で報告されているが, 本邦での報告はない 今回, 本邦の膝 OA 患者を対象に CS の有効性を検討した 方法 藤田保健衛生大学病院および愛知県内の提携病院に来院した Kellgren and Lawrence grade が 2~3, 疼痛 VAS スコアが 30mm 以上の膝 OA 患者 73 例 ( 男性 12 例, 女性 61 例, 平均年齢 68.5 歳 ) を対象とし,CS 投与量が 1 日 260mg( 低用量群 ) 及び 1,560mg( 高用量群 ) の 2 群に対し, 二重盲検用量比較試験を行った 臨床評価は, 初診時,3,6,9 及び 12 ヵ月後に,Lequesne index(li), 疼痛 VAS スコアを用いて評価した また, 初診時及び 12 ヵ月後に膝関節単純 X 線撮影および血液生化学検査を行った 結果 全体の比較では, 全ての項目で両群間に有意な差は認められなかったが, 初診時の LI - 46 -

総計が 8 以上の重症例においては,LI 評価項目の分類 Ⅰ( 痛み ) は 6 及び 9 ヵ月後, また, 疼痛 VAS スコアは 6 ヵ月後において高用量群が低用量群に比べ有意な低下を示した 考察 CS は, 本邦の膝 OA 患者に対しても, 海外の報告と同様に痛み低減作用を示すことが確認された また,CS は副作用が少ないため,NSAIDs の代替薬として患者への負担軽減につながる可能性がある 今後は, 作用メカニズムや他剤との併用効果等を検討する必要がある この学会発表は, ゼリア新薬から提供されたものであり, ゼリア新薬がスポンサーとなっている 試験デザインにおいて, プラセボをコントロールにしていないのは, 倫理上の問題を理由にされていたが, ゼリア新薬の説明では 1 日 260mg の低用量群 ( 常用量の 6 分の 1 量 ) がコントロールに等しいとのことであった 報告では, コンドロイチンの有用性を示唆しているが, 実際の疼痛スコアのデータを見る限り, 低用量群と高用量群との間でほとんど差がなく, コンドロイチンの臨床的有用性は確認できていないのではないかと考える 2コンドロイチンの炎症に対する有用性を否定する論文 50 歳以上の膝変形関節症患者 89 名を対象にした無作為化二重盲検比較試験において, 塩酸グルコサミン 1,500mg/ 日およびコンドロイチン硫酸 1,200mg/ 日を 6 ヵ月摂取させたところ, 歩行距離および膝の強度, 痛みに対して効果が認められなかった 2) 2010 年 6 月までを対象に 4 つのデータベースで検索できた 200 名以上を対象とした大規模無作為化比較試験 10 報について検討したメタ分析において, 膝や腰の変形性関節症患者によるグルコサミンやコンドロイチン硫酸の単独もしくは併用摂取は, 関節の痛み, 関節腔の狭小化に影響は与えなかった 3) 国立健康 栄養研究所 (NIH) のコンドロイチンに対する評価 1 安全性経口で適切に摂取されれば,2 か月から 6 年間までの継続投与で安全とされている 経口摂取での副作用はまれであるが, 上部腹痛, 吐き気を起こすことがある 臨床試験では, 下痢, 便秘, まぶたの腫れ, 下肢の浮腫, 脱毛, 期外収縮が報告されている 外用では, 点眼薬として適切に用いればおそらく安全である 筋肉内注射は安全が示唆されている 妊娠中 授乳中の安全性については十分なデータがないので, 使用を避けるべきである コンドロイチン硫酸はヘパリンと構造的に類似している コンドロイチンがアレルギーの原因になるため, 喘息患者では症状を悪化させることがあるかもしれない 小児に医療目的でコンドロイチン硫酸を使用するのは, 科学的根拠が不十分なため推奨されない 点眼薬の副作用としては, 眼圧の上昇, 目の不快感, 白内障手術後の角膜の浮腫などがある - 47 -

2 重篤な副作用症例 49 歳男性 ( 日本 ) が, 膝関節痛のためにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含む製品を 1 ヵ月程度摂取したところ, 発熱および乾性咳嗽が生じて医療機関を受診 摂取中止および加療にて回復したが, 再摂取により再び呼吸困難が出現し, 再度中止により回復した DLST( リンパ球刺激試験 ) においてコンドロイチンが陽性であったため, コンドロイチンによる薬剤性肺炎と診断された 慢性心房細動の既往歴があり, ワルファリンなどの医薬品を服用している 69 歳男性が, 自己判断でコンドロイチン硫酸 400mg とグルコサミン 500mg を含むカプセルを 6cp/ 日,4 週間摂取したところ,INR 値が 2.58 から 4.52 へ上昇し, ワルファリンを減量して改善した ワルファリン 7.5mg/ 日を 5 日間服用している 71 歳男性が, グルコサミン 1,500mg とコンドロイチン 1,200mg を 1 日 2 回摂取し,3 週間で INR 値の延長がみられ, グルコサミン 750mg/ 日, コンドロイチン 600mg/ 日に減量しても INR 値の延長が続く 摂取の中止およびワルファリンの減量を行うことで INR 値が回復した 3 理論的な薬物相互作用抗凝固薬 ( ワルファリン, ヘパリンなど ), 抗血小板薬 ( プラビックスなど ),NSAIDs( アスピリンなど ) との併用で出血のリスクが高くなる 4 評価と懸念されること点眼薬としてヒアルロン酸と併用することによる臨床的有用性は確認されている しかし, 経口による炎症に対する有用性は期待できない 静脈内注射による有用性についても検証されていない 懸念されることとして, コンドロイチンがクマリン様物質であることから, ワルファリンやヘパリンを使用している患者が併用した場合は注意を要すると思われる 文献 1)Rheumatol Int, 30(3) 357-363 (2010). 2)Osteoarthritis Cartilage, 15(11) 1256-1266 (2007). 3)BMJ, 16(1) 1-9(2010). ( ひろた のりたけ ( 有 ) 大阪ファルマ プラン ) - 48 -