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第 20 回固定資産評価研究大会分科会発表概要 死亡者課税 と相続未登記 ~ 自治体アンケートから見える制度の課題 ~ 公益財団法人東京財団 研究員兼政策フ ロテ ューサー 吉原祥子 はじめに本発表は 固定資産税実務における相続人調査難航の問題について 死亡者課税 など自治体アンケートから明らかになった実態を報告し そこから示唆される制度的課題について問題提起することを目的とする 相続未登記による固定資産税実務への影響地方から人が減り 地価の下落が続く中 所有者の居所や生死が直ちに判明しない いわゆる 所有者不明 の土地が 災害復旧や耕作放棄地の解消 空き家対策などを進める上で支障となる事例が各地で報告されている 国土交通省は今年 3 月 所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索 利活用のためのガイドライン を公表し 対策に乗り出した 所有者不明化 の大きな要因の 1 つに相続未登記の問題がある 所有者の死亡後 相続人が相続登記を行わないまま世代交代が進むことで 法定相続人がねずみ算式に増加し 権利関係が複雑化していく 鹿児島県では県内農地の約 4 割にあたる 5 万 9,870 ヘクタールが相続未登記である可能性が判明し 農地集積の支障となることが懸念されている (2016 年 3 月 31 日付け南日本新聞 ) 自治体税務の現場における相続人調査難航の問題は 実はこうした土地の 所有者不明化 と同じ制度的課題に起因している 自治体アンケートから見えた実態 486 自治体が 徴収が難しくなった 民間シンクタンクの東京財団は この問題の実態を定量的に把握するため 2014 年秋に全国 1,718 市町村および東京都 (23 区 ) の税務部局を対象にアンケート調査を実施した 相続未登記が固定資産税の納税義務者 ( 土地所有者 ) の特定にどのような問題を生じさせているかを調べることで 所有者不明化 の実態把握をめざした 調査に対して 全国 888 自治体より回答を得た ( 回答率 52%) まず これまで土地の所有者が特定できないことによって問題が生じたことはありますか との質問に対して 63% にあたる 557 自治体が ある と回答した 具体的には 固定資産税の徴収が難しくなった (486 自治体 ) が最も多く 次いで 老朽化した空き家の危険家屋化 (253 自治体 ) 土地が放置され 荒廃が進んだ (238 自治体 ) がほぼ同数であった ( 図 1) 1-63-

の実施に支障をきたしたた図 1 所有者不明化 による具体的な問題 600 486 500 400 300 200 100 0 固定資産税の徴収が難しくなった253 238 老朽化した空き家の危険家屋化土地が放置され 荒廃が進んだ134 道路開設 災害復旧等 公共事業34 25 11 不法侵入 滞在など治安上の問題産業廃棄物などが不法投棄されにつながったその他自治体数 (N=557, M.T.=212%) 次に 死亡者課税 について尋ねた これは相続未登記の事案に対して税務部局による相続人調査が追いつかず やむなく死亡者名義での課税を続けるもので 146 自治体 (16%) が あり と回答した ( 図 2) 納税義務者に占める人数比率( 土地 免税点以上 ) は 6.5% であった なし は 7 自治体 (1%) 735 自治体 (83%) は わからない と回答し 所有者の生死を正確に把握することが困難な現状もうかがえた 図 2 死亡者課税の有無 (N=888) なし 7 (1%) あり 146 (16%) 納税義務者に占める死亡者課税の人数比 6.5% わからない 735 (83%) 2-64-

続未登記は減らない握が困難増える 死亡者課税は今後増えていく と予想する自治体は 87% 次に こうした死亡者課税が今後増えていくと思うか尋ねたところ 888 自治体のうち そう 思う どちらかといえばそう思う が 770 自治体 (87%) に上った ( 図 3) 図 3 今後 死亡者課税が増えると思いますか まったく思わない 5 (1%) あまり思わない 68 (8%) 無回答 45 (5%) (N=888) どちらかといえばそう思う 333 (38%) そう思う 437 (49%) その理由を記述式で尋ねたところ 回答内容は制度的要因と社会的要因に大きく二分された 制度的要因は 手続きの煩雑さや費用負担の大きさ等を理由とする相続未登記の増加 不在地主の増加による相続人調査の困難化などである ( 図 4: 黒の棒 ) 社会的要因は 土地の資産価値の低さや管理負担を理由とする相続放棄の増加や 親族関係の希薄化に伴う遺産分割協議の困難化などである ( 図 4: 白の棒 ) 図 4 死亡者課税が増えると思う理由 222 (N=491, M.T.=111%) 200 150 250 100 50 相89 72 52 43 35 14 18 0 自治体外在住者の死亡把相続放棄 相続人不存在が高齢化 人口減少土地に対する意識の変化相続人調査の困難化その他親族関係の希薄化3-65-

具体的には 土地の売買等も沈静化しており 正しく相続登記を行っていなくても当面実質的問題が発生しないケースが増えている 相続人が地元に残っていない 山林 田畑について 所有する土地がどこにあるかわからない方が多い 土地は利益となる場合よりも負担 ( 毎年の税金 ) になる場合が多いので 相続人も引き受けたがらない 過疎地で固定資産の価値も低い上 所有者の子が地元に帰ることがますます少なくなり 固定資産に対する愛着がなくなってゆく といった記述があった さらに 寄せられた回答の中には 相続放棄によって所有者が不存在となった土地の扱いについて 相続財産管理制度などの制度はあるものの費用対効果が見込めず 放置せざるをえない事例が少なくないことや その後の当該土地の管理責任や権利の帰属が 実態上 定かでない点があることなど 制度的 法的な課題を指摘するコメントもあった 総じて こうした回答内容から 人口減少という社会の変化と 硬直化した現行制度によって 土地所有者 ( 納税義務者 ) の把握困難化という結果がもたらされている という問題の全体構造が徐々に浮かび上がってきた 課税保留あり の自治体は 23% うち 77% が 所有者不明化 関連本調査では 課税保留 についても質問した 課税保留とは 徴収が困難な事案について 実務上 やむなく課税対象からいったんはずし 保留することを指す 地方税法上の根拠はない まず 平成 25 年度において 固定資産税の課税保留はどのくらいありましたか と尋ねたところ 200 自治体 (23%) が 課税保留あり という結果を得た ( 図 5) 次に 課税保留あり の 200 自治体に対して そのうち所有者居所不明や死亡者課税に関連するものはどれくらいですか と尋ねたところ 166 自治体より回答があり 全体の件数に占める居所不明 死亡者課税関連の比率は 77% という結果を得た 土地所有者の居所や生死の把握の困難化 ( すなわち 所有者不明化 ) が 課税保留の大きな要因となっていると考えられる 図 5 課税保留の有無 無回答 172 (19%) 保留あり 200 (23%) 課税保留に占める 所有者不明 関連の件数比率 77% 保留なし 516 (58%) また 回答欄の欄外には 課税保留はすべて所有者不明 ( 相続放棄 ) 所有者死亡により 法定相続人調査を行ったが 全員が死亡しており 当自治体が相続財産の管理人の申立てを行っ 4-66-

ても 費用対効果に疑義があるため 課税保留措置を行った といった付記もあった ここから 相続人不存在の土地や相続放棄された土地について その後の権利の帰属が定まらないために やむなく課税保留を行っている事例のあることもうかがえた 人口減少を踏まえた制度見直しの必要本調査で明らかになったこうした現状は 土地の 所有者不明化 問題が 一時的 局所的な事象ではなく 固定資産税実務という平時における自治体の共通業務にも影響が及んでいることを示している もとより わが国の土地制度は 土地の所有 利用状況に関する情報基盤が未整備という大きな課題を抱えている 不動産登記法にもとづく任意の権利登記が実質的な所有者情報源となっているものの 近年 その限界は各方面で認識されている 空き家対策や農地基本台帳の整備において 固定資産課税台帳の相続人情報が重視されているのはその表れと言える だが 今後 土地の利用価値の低下や登記手続きの煩雑さから相続未登記が増えていくとすれば 所有者不明化 は慢性的に拡大し 死亡者課税の問題に見られるように固定資産課税台帳の精度にも影響が及ぶことは必至であろう 人口減少 相続増加 土地の低 未利用という社会変化を踏まえた 制度の見直しが急務である 参考文献 : 東京財団 土地の 所有者不明化 ~ 自治体アンケートが示す問題の実態 ~ (2016 年 3 月 http://www.tkfd.or.jp/files/pdf/lib/81.pdf) 5-67-