宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

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1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

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東部地域の農業 農地の復旧 復興スケジュール 平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 市復興ビジョン 復旧 再生期 発展 創出期 仙台の復興 仮設ポンプ設置 基盤整備対策 がれき撤去 排水機能復旧 ( 排水ポンプ場 排水路の改修等 ) 堆積土砂の除去 除塩事

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

Microsoft Word - ①事業計画書.doc

第3節 重点的な取り組み

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田原市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 3 月 23 日 田原市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利

2 活動方針 (1) 市町村との連携県同行のもと 全市町村を巡回するなどにより 県が示した市町村毎の目標面積の達成に向けた意見交換等を行います 特に 重点実施地区においては 広域振興局 市町村 農業委員会等からなる 地域推進チーム (3の事業推進体制参照 ) と課題や対応方向等の情報を共有し 課題を

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2 1.4(0.5) 1.3(0.4) 1.2(0.4) (0.4) 3.1(0.4) 3.1(0.4)

知創の杜 2016 vol.10

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AI IoTを活用したスマート農業の加速化 人手不足への対応や生産性の向上を進めるためには ICTを活用したスマート農業の推進が重要 今後人工知能やIoT等の先進技術により 生産現場のみならずサプライチェーン全体にイノ ベーションを起こし 生産性向上や新たな価値創出を推進 1

めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

Microsoft Word _研修機関等認定要領

国全体で高齢化が進展しつつある現在 農林水産 業をはじめとする多くの産業分野で労働力不足が深 刻な問題となっており わが国最大の農業地域であ る北海道においても 農業の担い手の減少 高齢化 といった課題が確実に進行している ( 図 2) 図 2 北海道の年齢別基幹的農業従事者数の推移 ( 男女計 )

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

新たな宇宙状況監視 (SSA) システム構築に向けた事前調査平成 26 年度予算案額 11 百万円 ( 新規 ) 文部科学省研究開発局宇宙開発利用課 事業概要 目的 必要性 事業イメージ 具体例 スペースデブリの増加が世界的な課題として認識される中 宇宙状況監視 ( SSA : Space Situ

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農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

1_表紙(本編)

平成 25 年度 妹背牛地区における水田輪作実証調査について - 第 2 報 - 札幌開発建設部深川農業開発事業所 鈴木一平九本康嗣菊池暁彦 国営農地再編整備事業 妹背牛地区 では 水稲を中心として 小麦 豆類等の土地利用型作物を導入した農業経営が展開されている 本地区では農家戸数減少に伴う急激な経

沖縄県 生食用パインアップル産地の育成とブランド化 活動期間 : 平成 23 年度 ~ 継続中 1. 取組の背景国産パインアップルは 沖縄県の本島北部地域及び石垣島で生産が行われており 土壌酸度が低い酸性土壌の地域で栽培が行われてきた 生産された大部分は缶詰に加工されており 昭和 60 年には生産量

( 別紙様式 2) 平成 30 年度の目標及びその達成に向けた活動の点検 評価 Ⅰ 農業委員会の状況 ( 平成 31 年 3 月 31 日現在 ) 都道府県名 : 茨城県農業委員会名 : 守谷市 1 農業の概要 単位 :ha 田 耕地面積 経営耕地面積

29 宇農委第 227 号 平成 29 年 12 月 5 日 宇治市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 宇治市農業委員会 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) 第 7 条第 1 項の規定に基づき 宇治市農業委員会にかかる標記指針を下記のと

( 問 2) 担い手確保 経営強化支援事業は 補助率が 2 分の 1 以内となっていますが 融資額と補助金はどのような関係となっていますか 本事業では 農業者の融資を活用した主体的な経営発展の取組を支援することから 融資の活用を要件としており 融資を主体とするいわゆる融資主体型補助事業としていること

( 別紙様式 2) 平成 28 年度の目標及びその達成に向けた活動の点検 評価 Ⅰ 農業委員会の状況 ( 平成 29 年 3 月 31 日現在 ) 都道府県名 : 北海道農業委員会名 : 美唄市農業委員会 1 農業の概要 単位 :ha 田 畑 普通畑樹園地牧草畑 耕地面積 8,

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1


平成 26 年度 決算説明書 / 事務事業評価シート 課名 農業委員会事務局 予算 款項目決算書目名事業名称 頁農業委員会費 農業委員会事業 1. 概要 目的 担い手の確保 育成と優良農地の確保 有効利用に向けた取り組み 対象 市民 事業概要 農業委員会事業 農地法第 3 条許可

[ 2 / ] 平成 26 年 0 月 05 日 19 時 08 分 2 秒作成 ( 連絡先 ) 事務事業名 イマリンビーチ管理運営事業 事 業 群 0 観光客受け入れ体制の整備 事 業 イマリンビーチ管理運営事業 事業の計画 2 年度計画目標年度 計画

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

3. 地域営農の課題 (1) 妹背牛町における農業動向妹背牛町の農家戸数は 農林業センサスによると平成 12 年 340 戸から平成 22 年 229 戸と 10 年間で 111 戸 (3 3%) 減少しているのに対し 経営規模別の農家戸数では 戸当り 20ha 以上の総戸数が平成 12 年 12

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

1 秋田県の農地中間管理事業の実績及び利用権設定にかかる支障事例 2. 利用権の存続期間延長手続きの緩和について ( その 1) H26~H29 実績 H26 H27 H28 H29 計 借受面積 (ha) 1,730 3,629 2,619 2,044 10,022 借受 ( 契約 ) 件数 1,

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

月報私学2013年10月号

( 別紙様式 2) 平成 29 年度の目標及びその達成に向けた活動の点検 評価 Ⅰ 農業委員会の状況 ( 平成 30 年 3 月 31 日現在 ) 都道府県名 : 埼玉県農業委員会名 : 杉戸町農業委員会 1 農業の概要 単位 :ha 耕地面積 経営耕地面積

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地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

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公益目的支出計画実施報告

新米の契約取引拡大支援事業 9,000 中核経営体の連携生産及び複数年契約等による県産米の取引モデルを確立 普及することにより 産地間競争に打ち勝つ生産体制の強化や 米価変動の影響が少ない安定した生産 供給体制の構築を図る 予算額 奨励品種 恋の予感 等の大規模流通試験 地域間連携による統一商品づく

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< 重点施策 > (1) 就農研修拠点の拡大 ポイント JA 全農岐阜のいちご研修所 冬春トマトの岐阜県就農支援センターなど 就農研修拠点の整備により 新規就農者の効果的な育成が可能になった トマトの就農研修拠点を全県的に拡大するとともに 柿 栗 飛騨牛など 他品目の就農者を育成するシステムづくりを

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

01 【北海道】

現行見直し案見直し理由等 カラス 被害時期 : 通年 ニホンザル 被害対象 : 農作物全般への食害 農業施設へ被害 生活環境被害 ヒヨドリ 被害時期 : 通年 アナグマ 被害対象 : 果樹への食害 被害対象 : 農作物全般への食害 ハクビシン 被害対象 : 農作物全般への食害 住居侵入による生活環境

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

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取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

千葉県 高品質サツマイモの安定供給による産地の強化 活動期間 : 平成 24 年度 ~ 継続中 1. 取組の背景千葉県の北総台地に位置する印旛 香取地域ではサツマイモ生産が盛んであり 当事務所では香取農業事務所と広域連携して サツマイモを中心とした露地野菜産地の振興を図っています 管内では 成田市東

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

だクラウドコンピューティングの流れの中で一気に注目を集めるようになったのである このように Ruby や Ruby on Rails のビジネス分野での普及 そしてその結果生じる開発の大規模化への対応などが国内外で進むのに対して 松江市では Ruby を IT 産業振興のための 地域資源 として注目

ニュースリリース 農業景況調査 : 設備投資 平成 2 9 年 3 月 24 日 株式会社日本政策金融公庫 農業者の設備投資意欲が過去最高 ~ 生産効率関連の農業機械投資が最多 後継者確保に課題も ~ < 平成 28 年下半期農業景況調査関連 > ( 注 1) 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公

様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

2014 年度事業計画書 2014 年 3 月 25 日 一般社団法人日本テレワーク協会 1

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

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平成30年度事業計画書(みだし:HP用)

みどり公社実績集2017_0411

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

みえ GAP チャレンジ宣言 ~ 三重から GAP 認証の輪を!~ 私たちは 農業を志す若者や農業の未来を拓こうとする生産者など 意欲と情熱に溢れる皆さんとともに 生産者の輪 生産者と消費者の輪 生産者と流通業者の輪 など 様々な輪を生み出し つなげることで GAP 認証の取得にチャレンジします そ

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資料 3-1 人工知能や IoT によるスマート農業の 加速化について ( 案 ) 平成 28 年 11 月

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スマート農業はもうはじまっている!

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地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

地域農業の将来動向と担い手経営の成立・展開に必要な技術開発方向

江府町地域協議会活用明細

主な業務の内容

3 売れる農産物づくり (1) 農業産出額 目標 評価 755 億円 (22 年度 ) 760 億円 (25 年度 ) 755 億円 A (2) 県オリジナル品種の作付面積 141ha (21 年度 ) 197 ha (26 年度見込み ) 190 ha A (3) オリーブ牛出荷頭数 100 頭

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

【H 制定】災害高機能型推進事業実施要領

Ⅱ 担い手への農地の利用集積 集約化 1 現状及び課題 管内の農地面積これまでの集積面積現状 ( 平成 28 年 4 月現在 ) 1, 課 題 1 貸手 借手のマッチングの強化 2 集落営農組織の推進 育成 集積率 単位 ha 1 管内の農地面積は 活動計画に記載した耕地及び作付面積統

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

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【千葉県事業計画】別記様式第3号別添

新規前年度継続 ( 変更あり ) 前年度継続 加工用米助成 ( 基幹作物 ) 豊郷町農業再生協議会整理番号 2 加工用米 ( 基幹作物 ) 1,079 円 /10a 参考となる 3 1,300 円 /10a 豊郷町では加工用米を地域振興作物に位置付けている 一定品質を確保するために 種子更新を行って

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

Microsoft Word - 【最終】平成29年度の施政方針と予算の概要について

( 別紙様式 2) 平成 29 年度の目標及びその達成に向けた活動の点検 評価 Ⅰ 農業委員会の状況 ( 平成 30 年 3 月 31 日現在 ) 都道府県名 : 熊本県農業委員会名 : 宇土市農業委員会 1 農業の概要 単位 :ha 田 耕地面積 1, 経営耕地面積

27 ( 一財 ) 札幌市水道サービス協会 [ 所管課 : 水 ) 企画課 ] 平成 27 年度の具体的な行動計画 ( アクションプラン ) 取組結果 1 団体目標 27 ( 一財 ) 札幌市水道サービス協会 新方針重点取組目標 1 新公益法人制度への対応 新たな公益法人制度が施行されたことに伴い

I. 担い手の確保 育成 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む現場や様々な取組の共有を図り 建設業の取り組む 働き方改革 を応援します 新規 1 整備局ホームページ内に 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む企業 ( 工事 ) を紹介して

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

新規就業者定着促進対策 ( 新規就業者定着促進事業 ) 事業のポイント 1 未来を担う人材や中核経営体の確保 育成 654,362 千円 募集から技術研修 就業後の定着までの一貫した支援を強化し 未来を支える農林水産業新規就業者の確保 地域への定着を促進します 新規農業就業者定着促進事業 農業振興課

発行 第 4 号まで各 2,000 部発行 NPO 団体 コミュニティとの交流 連携 スタッフ研修 中間支援団体の設立支援などを実施している 25 年度からは とめ市民活動プラザ を市に移管し とめ市民活動フォーラム を NPO 法人化した上で 市が NPO 法人とめ市民活動フォーラム に運営管理を

Transcription:

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成活動期間 : 平成 27 年度 ~ 継続中 震災後, 沿岸部では, 新たな大規模土地利用型経営体が一気に設立し, 内陸部では, 農地集積による急激な面積拡大など, 経営の早期安定化や地域の中核を担う経営体としての育成が急務となった そこで, 県内に 4 つのモデル経営体を設置し, 省力 低コスト生産技術及び ICT の導入を支援し, 地域の中核を担う経営体としての育成を図った その結果, 水稲乾田直播の目標収量の達成, 可変施肥田植機による基肥の削減効果, 水田センサによる水管理の有効性が明らかになった また, ほ場管理システムを活用した経営改善への動きがスタートした 具体的な成果 普及指導員の活動 低コスト生産技術の導入 水稲乾田直播栽培 : 目標収量の達成と園芸部門の拡大 (2 経営体 ) 可変施肥田植機 : 基肥の削減効果の確認 ( 削減率 8~20%) 水田センサ : 直播栽培ほ場における出芽後の水管理や除草剤散布のタイミングについての有効活用 (1 経営体で導入 ) ほ場管理システムの導入 労働時間や生産費の分析, 水田の特徴把握等, システム活用への動きがスタート (3 経営体 ) 指導にあたり, 各経営体の熟度に応じた支援策が必要であることが判明 企業的経営に向けた経営の最適化 ほ場管理システムを活用し,J-GAP 取得に向けた大幅な進展 (1 経営体 ) 乾直播種機水田センサ減肥率マップ (2) 県全域活動 経営高度化に向けた普及推進 経営高度化研修会により, 参加者の中には, 導入を具体的に検討している経営体もあり, 県内へ徐々に波及 低コスト生産技術の導入支援 普及センターとの連携による生育調査や技術指導, 現地検討会の開催 ほ場管理システムの導入支援 システム開発者との現地指導会 先進経営体との情報交換会 普及指導員の資質向上研修会 企業的経営に向けた経営の最適化支援 専門家による現地指導 J-GAP 管理基準の確認, 先進事例調査 普及指導員だからできたこと 高いコーディネート力と専門技術を有する農業革新支援専門員だからこそ, 試験研究機関との連携や, 県内の課題解決に向けた適切なアドバイスができた

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農システム の構築が望まれる状況にある こうした中, 震災後の復旧, 復興に合わせ新たな大規模土地利用型経営体の設立が進んできているが, これらの組織の多くは, 試行錯誤しながら組織運営に取り組んでおり, 早期に安定経営の軌道に乗せる必要があった 一方, 内陸部においても, 農地の集積が進み, 面積が拡大していることから, 内陸部を含めた県内 4 つの大規模土地利用型経営体をモデル経営体とし, 地域営農の中核を担う経営体としての育成を図った 2. 活動内容 ( 詳細 ) (4 モデル経営体 ( 農事組合法人 3 経営体, 有限会社 1 経営体 )) イ低コスト生産技術導入支援水稲乾田直播, 可変施肥田植, 水田センサ等, 低コスト生産技術の導入を支援するとともに, モデル経営体の実証ほを活用した現地検討会を開催し, 農業者, 関係機関, 普及職員等への情報提供を行った また, 新しい技術については, 民間企業や試験研究機関と連携を図り, ほ場巡回や検討を行うとともに, 地方ブロック段階の検討会等に参加し, 新技術の導入方法や活用方法について検討した 水稲乾田直播栽培の作業機械 可変施肥田植え機とほ場の減肥率マップ 水田センサとタブレットでの確認画面 ロ ICT を活用したほ場管理の効率化支援クラウドを活用したほ場管理システムの導入による生産 経営の見える化については, システム開発者を現地へ派遣し, 現地指導を行いながら, システムの導入と活用方法について支援するとともに, 先進的経営体との情報交換会を開催し - 1 -

た また, 担当普及職員の資質向上を図るため, 普及職員向けの研修会を実施した システムの確認画面蓄積データの解析結果 ( クラウドを活用したほ場管理システム ) 現地指導会の様子 ハ企業的経営に向けた経営の最適化支援就業規則の見直しについて, 社会保険労務士による現地指導を実施するほか, J-GAP 取得に向けた支援として,J-GAP 管理基準の確認支援,J-GAP 先進事例調査等を実施した (2) 県全域活動イ生産性の向上, 効率化のための技術導入と経営高度化に向けた普及推進低コスト生産技術や ICT を活用した経営の高度化について, 県内への波及効果を目的に, 県全体での経営高度化研修会を開催した ロ支援機関ネットワーク活動の充実各経営体支援機関が協力して効果的 効率的に担い手支援を行っていくことを目的に, 担い手支援ネットワーク会議を開催し, 県段階で各関係機関との連携強化を図った 3. 具体的な成果 ( 詳細 ) イ低コスト生産技術導入支援低コスト生産技術である水稲乾田直播栽培, 可変施肥田植機, 水田センサをモデル経営体に導入し, その効果を検討した 水稲乾田直播栽培を導入した 2 経営体では, 目標収量を達成するとともに, 園芸部門の拡大が図られた また, 可変施肥田植機については,8~20% の基肥の削減効果が認められた 水田センサについては, 直播栽培ほ場に設置し, 煩雑になりがちな出芽後の水管理や除草剤散布のタイミングに活用できることが明らかになり,1 経営体で導入することを決定した ロ ICT を活用したほ場管理の効率化支援ほ場管理システムについては, 本システムを活用した労働時間や生産費等の分析 検討, ほ場の特徴把握など, システム活用に向けた動きがスタートした また, 経営体が本システムを活用し経営改善を行うには, 経営体の熟度に応じて, 4 つの段階 ( 導入 運用 活用 定着 ) に整理し, 支援することが重要であり, 各段階における課題は異なることから, それに応じた支援策が必要であることが判った - 2 -

ハ企業的経営に向けた経営の最適化支援 1 経営体では, ほ場管理システムを活用し,J-GAP 取得の進捗が大幅に進んだ (2) 県全域活動イ生産性の向上, 効率化のための技術導入と経営高度化に向けた普及推進経営高度化研修会では,ICT を活用した営農の可視化や人材育成に関する講演のほか, ほ場管理システムや GPS ガイダンスシステム, 自動操舵補助システム等の紹介 展示を行った また, モデル経営体代表から, 実際にこれら ICT を活用したシステム導入による効果や課題について紹介いただいた 参加者の中には, 導入を具体的に検討している経営体も出てきており, 県内への波及効果が徐々に現れ始めている ロ支援機関ネットワーク活動の充実担い手支援ネットワーク会議では, 各機関の事業や取組内容等について情報共有し, 支援策等の整理が行われ, 問題点を共有した 具体的には, 法人設立段階や 6 次産業化等の個別課題への支援は充実しているが, 経営管理, 経営安定化, 人材育成への支援が不足していることが判明した 県内の一部では関係機関の連携を強化しながらの取り組みも始まっているが, 今後は, 不足部分の充実に当たり, 連携可能な事業等では, 関係機関の調整を図りながら, 支援が円滑に行われるような動きにつなげていくことが重要である 水稲乾田直播現地検討会 (6 月 ) 経営高度化研修会 (3 月 ) 4. 農家等からの評価 コメント ( モデル経営体農事組合法人代表理事組合長 ) ほ場管理システムは, 作業管理や GAP 取得以外に, 後継者育成にも活用できる また, 乾田直播などの省力 低コスト技術も, 今後, 規模を拡大して取り組みたいので, 引き続き支援をお願いしたい 5. 普及指導員のコメント ( 農業振興課普及支援班技術主幹笹原剛志 ( 革新支援専門員 ( 土地利用型 ))) 震災後, 新たに設立された沿岸部の大規模土地利用型法人, 中間管理事業により農地集積が進む大規模土地利用型法人の安定経営と地域の維持 発展のために, 生産者の方々はもとより, 各地域の普及センターや試験研究機関, 企業等の方々と一体となって取り組んできた 今後も, 各モデル経営体が本県農業を牽引する先進的な大規模経営体となるよう引き続き支援するとともに, モデル経営体の取組が県内 - 3 -

全域へ波及するよう働きかけていきたい 6. 現状 今後の展開等乾田直播では,2 経営体で目標収量を達成したが, 今後, 労働力, 生産コスト, 収量性等の面での評価を行い, モデル経営体での導入効果の検証を行う必要がある また, その他の技術については, 導入効果の検証がまだ不十分であることから, その検証を進めていくとともに, 本技術で得られたデータの効率的な活用について検討していく ほ場管理支援システムについては, システム活用と併行して, ほ場情報を整理したほ場カルテ等の補助手段の整備を進め,GAP の実践も含め, システムの経営体への定着を支援していく また, 経営改善による経営安定化や体質強化, 更には人材育成へとつなげていく必要がある 担い手支援ネットワークについては, 情報共有で明らかになった不足部分を解消するとともに, こうした取組を地域段階へ波及させていきたい - 4 -