第 64 回日本口腔衛生学会総会シンポジウム 3 東日本大震災後の関係機関における災害時歯科保健医療の取組 ~ 大規模災害に備えて ~ 2015 年 5 月 29 日 ( 金 ) つくば国際会議場 ( エポカルつくば ) 災害時の公衆衛生 健康危機管理支援チーム (DHEAT) の創設について 川崎市医務監 全国衛生部長会副会長 坂元昇 sakamoto-n@city.kawasaki.jp
東日本大震災での活動種別にみた派遣要請元比率 国被災県被災市町村その他 心のケア 公衆衛生? 医療救護 災害医療コーディネーター DMAT 人日 0 1 2 3 4 5 6 7 万 全国の自治体等による東日本大震災被災地への保健医療福祉支援実態報告書坂元昇 2012 年 ( 平成 24 年 )3 月日本公衆衛生協会
東日本大震災での自治体等からの専門別派遣職員 ( 人日 ) 福祉職 2.2% 精神保健福祉士 心理職 2.9% 歯科衛生士 0.2% 理学療法士 作業療法士 0.5% 放射線技師 1.3% 管理栄養士 1.0% 事務職 18.2% 看護師 14.7% 104 人 助産師 0.0% その他 6.2% 医師 14.0% 99 人 140765 人日 704 人 / 年に相当 保健師 34.1% 240 人 歯科医師 0.2% 獣医師 0.3% 薬剤師 4.1% 平均的労働者の年間労働日数 =200 日 全国の自治体等による東日本大震災被災地への保健医療福祉支援実態報告書坂元昇 2012 年 3 月日本公衆衛生協会
東日本大震災における自治体等による保健医療人的支援量 (2011 年 3 月 11 日 ~2011 年 12 月 31 日 295 日間 ) 岩手県宮城県福島県 避難所 ( ピーク時 ) 332 1158 315 避難者 ( ピーク時 ) 49454 210500 28659 平均 1 避難所人数 147 57 76 支援人日 (295 日間 ) 48737 66289 24013 1 避難所あたりの支援人日 ( 支援者数 労働日数 ) 146.8 57.2 76.2 1 避難所当たりの支援時間 1174.4 457.6 609.6 1 避難所あたり 1 日の支援時間 ( 分 ) 238.9 93.1 124 避難者 1 人あたりの 1 日の支援者接遇時間 ( 分 ) 1.6 1.6 1.6 避難者 1 人あたりの 1 日の保健師接遇時間 ( 秒 ) 33 33 33 避難者 1 人あたり 1 日の医師接遇時間 ( 秒 ) 13.4 13.4 13.4 * 支援者が 1 日 8 時間労働すると仮定して計算してある 全国の自治体等による東日本大震災被災地への保健医療福祉支援実態報告書 より作表坂元昇 2012 年 3 月日本公衆衛生協会
南海トラフ巨大地震での想定 1 東日本大震災では 4 万 8 千人日 (240 人 / 年 ) の保健師が被災 3 県に派遣された 2 東日本大震災で保健師を派遣した自治体はほぼ都道府県 保健所設置市 特別区からに限られている ( 派遣可能な保健師数 : 約 1 万 3 千人 ) 3 3 万人以上の避難者が想定されている府県は 20 で その被災する府県 保健所設置市の保健所等行政機関で働く保健師数は約 6100 人である 4 南海トラフ巨大地震では東日本大震災の 30 倍の避難者が出る 東日本大震災と同じ支援を行うためには 240 30=7200 人の保健師の派遣が必要となる 1649 市町村 59%(19326 人 ) 47 都道府県 15%(4929 32516 人 ) 69 保健所設置 (13190) 市 22%(7088 人 ) 23 特別区 4%(1173 人 ) 被災しなかった都道府県等のほぼ全ての保健師を 1 年間派遣する必要がある 平成 25 年度保健師活動領域調査 ( 領域調査 ) 厚生労働省 全国の自治体等による東日本大震災被災地への保健医療福祉支援実態報告書坂元昇 2012 年 3 月日本公衆衛生協会
東日本大震災被災地で保健医療支援チームによって指摘された最大の課題 被災市町村の行政機能低下 災害現場における情報不足 調整機能不全 効果的 効率的な支援ができない 長期支援計画が立てられない 全国衛生部長会調査報告書 2011 年 7 月 28 日
災害時の保健医療福祉体制 ( 時系列 ) 災害発生 東日本大震災後の関係機関における災害時歯科保健医療の取組 ~ 大規模災害に備えて ~ 第 64 回口腔衛生学会シンポジウム,2015 年 5 月 29 日 都道府県災害対策本部 ( 医療対策本部 ) 急性期 亜急性期 中長期 医薬品 医療機器などの調達 現地災害医療対策本部 外部支援 瓦礫の中での医療 (DMAT) 搬送体制確保 災害関連死防止等 DMAT DPAT 医療救護 保健師等 患者搬送 被災者の治療 健康管理 福祉 ( 市町村 ) 救護所 医療支援 医療機関の状況把握 医療機関における診療体制確保 公衆衛生支援 心のケア ( 保健所 )
災害医療コーディネーターの任務遂行場所 ( 複数回答 ) その他 5.8% 3 市町村 10.1% 2 二次医療圏 保健所 39.1% 1 都道府県本庁 44.9% 回答率 :47 都道府県 100% 1のみ :6 自治体 2のみ :1 自治体 1と2:19 自治体 2と3:1 自治体 1と2と3:6 自治体 全国衛生部長会災害時保健医療活動標準化委員会調査 2015 年 2 月 18 日
都道府県災害医療コーディネーターの職務 その他 14.6% 避難者や避難所の健康管理等公衆衛生活動の調整 18.8% DMAT や医療救護等医療活動の調整 66.6% 全国衛生部長会災害時保健医療活動標準化委員会調査 2015 年 2 月 18 日
DHEAT 創設向けた動き 2011 年 3 月東日本大震災が発生 2011 年 5 月災害支援パブリックヘルフォーラム立ち上げ 2012 年 3 月東日本大震災における全国自治体による保健医療支援の実態が明らかになる 2013 年 5 月大規模地震に対する地域保健基盤の整備実践に係る遠藤研究班が発足 2013 年 6 月災害時における公衆衛生活動の支援組織の創設に係る高野研究班が発足する 2014 年 2 月日本集団災害医学会で DHEAT の必要性についての会長発言と特別セッションが開催される 2014 年 11 月日本公衆衛生学会で DHEAT についての特別セッションが開催される 2014 年 1 月全国衛生部長会災害時保健医療活動標準化委員会発足 2015 年 2 月全国衛生部長会総会で DHEAT 創設が承認される 2015 年 6 月全国衛生部長会で国に対して DHEAT の予算要望
DHEAT の資格認証研修を国立保健医療科学院で行うことについて その他 7.5% 未回答 1.5% どちらとも言えない 32.8% 賛成 55.2% 反対 3.0% 全国衛生部長会災害時保健医療活動標準化委員会調査 2015 年 2 月 18 日
自治体の保健医療福祉体制 人口比率 44.4% 申請承認 権限移譲 47 都道府県保健福祉部局 委任 人口比率 55.6% 94 保健所設置市 * 保健福祉部局 一部委任 125 保健所福祉事務所 365 県型保健所福祉事務所 1649 管区内市町村保健福祉部課市町村保健センター ** 災害時保健医療調整拠点 * 指導 技術的支援等 4.4 市町村 * 地域保健法第 5 条第 1 項規定 20 指定都市 23 特別区 43 中核市 その他 8 政令市 * 地域保健法による地域保健対策の推進に関する基本的な指針 ** 地域保健法第 18 条 ( 健康相談 保健指導および健康診査その他 地域保健に関する必要な事業を行うことを目的とする施設 )
災害医療対策本部の階層構造 都道府県 災害医療対策本部 ( 災害医療コーディネーター ) 災害拠点病院 二次医療圏拠点 県型保健所 保健所設置市 地域災害医療対策本部 地域災害医療対策本部 地域災害医療対策本部 地域災害医療対策本部 市町村災害対策本部 ( 医療対策本部 ) 被災者 ( 避難所など )
今後の自治体の災害時保健医療福祉体制 ( 案 ) 派遣調整 東日本大震災後の関係機関における災害時歯科保健医療の取組 ~ 大規模災害に備えて ~ 第 64 回口腔衛生学会シンポジウム,2015 年 5 月 29 日 国災害対策本部 災害医療コーディネーター & DHEAT 調整本部 全国の DHEAT を統括的に調整 ( 国立保健医療科学院等 ) 非被災都道府県 DMAT 医療救護 DPAT DHEAT 派遣 被災都道府県災害医療対策本部 災害医療コーディネータ & 統括 DHEAT DMAT DPAT 地域 DHEAT 派遣 地域保健医療コーディネーター 94 保健所設置市災害保健医療福祉対策本部 125 保健所地域災害保健医療福祉対策本部 地域 DHEAT 地域保健医療コーディネーター 365 県型保健所地域災害保健医療福祉対策本部 1649 管区内市町村災害保健医療福祉対策本部 地域 DHEAT 避難所 避難者健康管理 < 坂元昇作図 >
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