1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪 ) の分解によって生成 エネルギーとして利用される
1. の構造式 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 テストステロン ( 男性ホルモン ) ビタミン D
1. 脂質はどのようにして運ばれるか やトリグリセリド ( 中性脂肪 ) あぶら の一種であり 水に溶けないリポタンパク質水の中を油が移動できるように乗り物を用意脂質とアポタンパク質がくっつき リポタンパク質となる脂質アポタンパク質リポタンパク質 水に溶けない 水に溶ける 脂質を包み込み血液中を移動
1. リポタンパク質の種類 リポタンパク質の種類 キロミクロン 主な構成成分 ほとんどがトリグリセリド ( 中性脂肪 ) 特徴 食事からの脂質を肝臓へ運ぶ VLDL トリグリセリドが主体 ( 約 50 %) 肝臓で合成されて血液中へ分泌 LDL HDL が約 50 % リン脂質が約 50 % が約 30 % 各組織にを運ぶ 悪玉と呼ばれる 細胞や血管のを肝臓へ回収 善玉と呼ばれる
1. リポタンパク質の種類 リポタンパク質 タンパク質 トリグリセリド ( 中性脂肪 ) リポタンパク質の種類 キロミクロン トリグリセリド 構成成分の比率 VLDL LDL HDL リン脂質 タンパク質
1. 洗剤とリポタンパク質の共通点とは 界面活性剤の作用 水中 水に溶けやすい部分 皮脂 ( 油 ) 油に溶けやすい部分 リポタンパク質 脂質は水に溶けない リポタンパク質では水に溶ける
2. 血液中での脂質の動き キロミクロン VLDL 吸収 各組織 ( 細胞 ) TG 小腸 HDL LDL TG
2. 血液中での脂質の動き キロミクロン VLDL 吸収 各組織 ( 細胞 ) TG 小腸 HDL LDL TG
2. 血液中での脂質の動き キロミクロン VLDL 吸収 各組織 ( 細胞 ) TG 小腸 HDL LDL TG
2. 血液中での脂質の動き キロミクロン VLDL 吸収 各組織 ( 細胞 ) TG 小腸 HDL LDL TG
2. 血液中での脂質の動き キロミクロン VLDL 吸収 各組織 ( 細胞 ) TG 小腸 HDL LDL TG
2. の合成 吸収 合成 合成の簡単な概要 HMG-CoA 還元酵素 アセチル -CoA HMG-CoA メバロン酸
3. 脂質異常症の診断 脂質異常症で重要となる項目 トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) HDL LDL 脂質の種類 脂質異常症の診断基準 トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 150 mg/dl 以上 LDL 140 mg/dl 以上 HDL 40 mg/dl 未満
3. 動脈硬化 動脈硬化の病態 動脈 : しなやかで弾力性がある 脂質が沈着すると血管内が細くなり 弾力性が失われる 動脈硬化を起こした血管 血流悪化 心臓の冠状動脈が細くなる狭心症心臓の冠状動脈が詰まる心筋梗塞 血栓 プラーク 脳の血管が詰まる 脳梗塞
3. 動脈硬化 圧力 プラーク形成 血流 出血 血栓の生成 脂質異常症 動脈硬化 脳梗塞など 心筋梗塞 死亡
3. 生活習慣の乱れ 脂質異常症を誘発する生活習慣 食べすぎ 高カロリー食 アルコール 運動不足 ストレス 喫煙
3. 脂質異常症の要因 体質 + 生活習慣の乱れ 脂質異常症 遺伝 病気や薬の副作用
3. 復習 動脈硬化を起こした血管 血流悪化 心臓の冠状動脈が細くなる狭心症心臓の冠状動脈が詰まる心筋梗塞 血栓 プラーク 脳の血管が詰まる 脳梗塞 プラーク形成 血栓の生成 圧力 血流 出血
4. の動き が合成 吸収される アセチル -CoA 食事 HMG-CoA メバロン酸 HMG-CoA 還元酵素 各組織へ 胆汁酸として排泄
4. トリグリセリド ( 中性脂肪 ) の動き トリグリセリドを分解するトリグリセリド 遊離脂肪酸 LPL( リポ蛋白リパーゼ ) トリグリセリドを合成する 遊離脂肪酸 各組織 ( 細胞 ) 遊離脂肪酸 各組織 ( 細胞 ) 肝臓 トリグリセリド
4. 脂質の動き 脂肪細胞 遊離脂肪酸 遊離脂肪酸 HDL アセチル-CoA トリグリセリド HMG-CoA メバロン酸 VLDL HMG-CoA 還元酵素 LDL 肝臓 胆汁酸 排泄吸収十二指腸胆汁酸 LDL 受容体 小腸 LPL HDL VLDL LDL トリグリセリド 遊離脂肪酸 血管 各細胞 コレステロールコレステロール LDL 受容体 脂肪細胞 遊離脂肪酸 組織
4. の動き アセチル -CoA HMG-CoA メバロン酸 HMG-CoA 還元酵素 肝臓 胆汁酸排泄吸収 小腸 十二指腸 胆汁酸
4. トリグリセリドの動き 脂肪細胞 遊離脂肪酸 遊離脂肪酸 トリグリセリド 肝臓 LPL トリグリセリド 遊離脂肪酸 脂肪細胞 遊離脂肪酸 血管 組織
4. リポタンパク質の動き 各細胞 トリグリセリド HDL VLDL LDL LDL 受容体 HDL VLDL LDL コレステロールコレステロール LDL 受容体 肝臓 血管 組織
4. 家族性高血症 家族性高血症 生まれつき LDL 値が高い : 遺伝子の異常 LDL 受容体が正常に働けない ( 変異が起こっている ) + トリグリセリド LDL VLDL VLDL コレステロールコレステロール 肝臓 LDL 受容体 LDL 血管 LDL 受容体 組織
5. 脂質異常症の治療薬 脂質異常症の診断で重要となる項目 LDL トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) HDL 脂質異常症治療薬の考え方やトリグリセリドに作用すれば良い脂質異常症の治療薬の合成 吸収を阻害胆汁酸の排泄を促進トリグリセリド ( 中性脂肪 ) を低下
5. HMG-CoA 還元酵素阻害薬 HMG-CoA 還元酵素阻害薬 ( スタチン系薬剤 ) の作用機序 食事 アセチル-CoA HMG-CoA メバロン酸 HMG-CoA 還元酵素 HMG-CoA 還元酵素阻害薬 各組織へ 阻害 胆汁酸として排泄
5. HMG-CoA 還元酵素阻害薬 1 HMG-CoA 還元酵素を阻害 HMG-CoA メバロン酸 2 量の減少 プール量の減少 HMG-CoA 還元酵素 肝臓の LDL 受容体増加 3 の取り込み 4 血中の減少 LDL 受容体 LDL 受容体
5. 小腸トランスポーター阻害薬 吸収 小腸トランスポーター阻害薬 阻害 小腸トランスポーター 食物中の
5. 胆汁酸の排泄を促進する薬 胆汁酸の排泄を促す 異化促進薬 胆汁酸の排泄を促す 陰イオン交換樹脂 胆汁酸を吸着する 吸収 陰イオン交換樹脂 肝臓 胆汁酸 排泄 胆汁酸 吸着 異化促進薬 十二指腸
5. フィブラート系薬 血管 脂肪細胞 トリグリセリド 分解 遊離脂肪酸 遊離脂肪酸 LPL( リポ蛋白リパーゼ ) 活性化 フィブラート系薬 阻害 遊離脂肪酸 合成 肝臓 トリグリセリド
ニコチン酸誘導体 5. その他の薬剤 脂肪細胞 遊離脂肪酸 遊離脂肪酸 肝臓 阻害 ニコチン酸誘導体 トリグリセリド EPA 製剤 魚油 : 青魚に含まれる成分 ( 不飽和脂肪酸 ) 血液中のトリグリセリドを下げる抗血栓作用として血液を固まりにくくする
5. 脂質異常症治療薬の改善効果 LDL トリグリセリド HDL HMG-CoA 還元酵素阻害薬 ( スタチン系薬 ) -25 % -10 ~ -20 % 10 ~ 20 % 小腸トランスポーター阻害薬 -20 ~ -25 % -10 ~ -20 % 10 ~ 20 % 異化促進薬 -10 ~ -20 % -10 ~ -20 % 陰イオン交換樹脂 -20 ~ -25 % 10 ~ 20 % フィブラート系薬 -10 ~ -20 % -25 % 20 ~ 30 % ニコチン酸誘導体 -10 ~ -20 % -20 ~ -25 % 10 ~ 20 % -10 ~ -20 % EPA 製剤
5. 横紋筋融解症とは HMG-CoA 還元酵素阻害薬やフィブラート系薬の重篤な副作用 横紋筋融解症 横紋筋とは いわゆる 筋肉 のこと 横紋筋融解症では筋肉が溶けていく 横紋筋融解症の症状 しびれ 筋肉痛 脱力感 腎不全に陥り 死に至ることも HMG-CoA 還元酵素阻害薬とフィブラート系薬の併用で横紋筋融解症のリスクが高まる