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Microsoft Word - H30 市税のしおり最終版

◆JREI固定インフォ No18◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

Microsoft Word _大和システム瓦版.docx

Microsoft Word - 暱京髟裆 平拒16年(衄ㇳ)32.docx

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

◆JREI固定インフォ No25◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

路線価図

す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

固定資産税の課税のしくみ < 評価額と課税標準額と税額の推移 > ( 土地編 ) 課税標準額 評価額 税 額 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価額が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割

市税のしおり2016表紙再3

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1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

固定資産評価審査申出とは

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

◆JREI固定インフォ No15◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

11総法不審第120号

固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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『知っておきたい 不動産所有コストの中身と抑えるコツ』

不動産鑑定士からみた広大地評価の留意点 (1) 広大地かどうかを判断するには 1 チェック項目 大規模工業用地ではない? または 1,000 m2以上? はい 1,000 m2以上あります 最寄の駅から徒歩 15 分以上? はい 15 分以上かかります周辺は住宅地でマンションが建っていない? はい

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

11総法不審第120号

第 5 章 N

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スライド 1

11総法不審第120号

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

(Microsoft Word - fiÁ‰L”dŠl‘‚‡g33.doc)

税理士法人チェスター【紹介】

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

z68k表紙kotei

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

処分済み

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

長は 特措法第 39 条第 1 項に規定する地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等の探索に必要な限度で その保有する同項に規定する土地所有者等関連情報を その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができることとなります ( 特措法第 39 条第

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

資産運用として考える アパート・マンション経営

法関係法人税法関係 zeimu QA テーマ分類別索引 法人税

PowerPoint プレゼンテーション

第 1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補 ( 以下 不動産鑑定士等 という ) は 本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり 同一価格時点で大量に行う鑑定評価であり 特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料を作成するも

平成  年(オ)第  号

半年ごとの地価動向について 地価公示(1 月 1 日時点 ) と都道府県地価調査 (7 月 1 日時点 ) との共通の調査地点で見ると 三大都市圏の住宅地は平成 25 年の前半と後半がほぼ同率の上昇となり 商業地は平成 25 年後半に上昇率が拡大している また 地方圏の住宅地 商業地はともに下落した

一の2 について一の1 について贈与税の基礎控除額の水準は 少額不追求の観点 相続税の補完税である贈与税の機能の維持の観点等から設定されているものであり 現在の六十万円という水準は このような観点にかんがみ 妥当な水準であると考えている 所得税における各種所得控除については 基礎的な人的控除のほか

固定資産の価格は 国が示す基準で評価します 固定資産の評価は 国が示す 固定資産評価基準 によって行うこととされています ( 固定資産評価基準は 総務大臣が告示します ) これにより 評価した価格 ( 評価額 ) は 毎年 3 月 31 日までに市町村長が決定します 平成 30 年度の価格 ( 評価

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本検討会で扱う「所有者の所在の把握が難しい土地」とは

株式保有会社の相続税評価の緩和

固定資産税のあらまし2016

相続財産の評価P64~75

PowerPoint プレゼンテーション

所得税確定申告セミナー

11総法不審第120号

11総法不審第120号

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

例会レジュメ

住宅ローンアドバイザー会報 12 月号 住宅購入後にかかる税金にはどんなものがある? 質問住宅を購入しようと思っていますが 負担しきれないほどの税金を負担することにならないか心配です 住宅購入後に必要となる税金を教えてください 回答住宅購入後にかかる税金には 固定資産税 都市計画税があります 固定資

平成18年度地方税制改正(案)について

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

(3) 評価替え土地と家屋については, 原則として, 基準年度 (3 年ごと ) に評価替えを行い, 賦課期日 (1 月 1 日 ) 現在の価格を固定資産課税台帳に登録します 第 2 年度と第 3 年度は, 新たな評価を行わないで, 基準年度の価格をそのまま据え置きます ( 平成 30 年度が基準年

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 4-5 福島 震災復興 租税特別措置等により達成しようとする目標 政策の達成目標と同じ 租税特別措置等による達成目標に係る測定指標 仮設施設の整備数 8 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 東日本大震災で

11総法不審第120号

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

第1回基礎問題小委員会  礎1-6

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

公益法人の寄附金税制について

H28秋_24地方税財源

11総法不審第120号

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

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私たちの市税

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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Microsoft Word - 優秀作品(土地)

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

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ており 土地の個別的要因に係る補正が全て考慮されたものとなっていることから 土地の形状 道路との位置関係等に基づく個別的要因に係る補正 すなわち評価通達 15(( 奥行価格補正 )) から 20(( 不整形地の評価 )) まで及び 20-3(( 無道路地の評価 )) から 20-6(( 容積率の異な

第25回税制調査会 総25-2

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

第6回税制調査会 総6-3

等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

個人住民税の特別徴収税額決定通知書(納税義務者用)の記載内容に係る秘匿措置の促進(概要)

7 固定資産税に関する事務 基礎項目評価書

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

価格 ( 評価額 ) 固定資産の価格は, 総務大臣が定めた固定資産評価基に基づき評価し, 価格を決定します 価格は 3 年ごとに評価替え ( 価格の見直し ) を行っており, この評価替え年度を基年度といいます 平成 30 年度がこの基年度に当たり, 全ての土地 家屋について新しい価格が決定しました

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

Transcription:

JREI 固定インフォ No9 日本不動産研究所からの固定資産税評価に関連する情報配信です 平成 22 年 2 月 3 日 財団法人日本不動産研究所固定資産税評価研究会です 目次 ======================================= 1. 第 27 回税制調査会が開催される 2. 東京都の固定資産税等の軽減措置の継続について 3. 第 3 回土地に関する調査研究委員会が開催される 4. 建築着工統計調査報告 ( 平成 21 年計分 ) が公表される 5. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 2 回 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価 ( その2) ============================================= 1. 第 27 回税制調査会が開催される 1 月 28 日 ( 木 ) に第 27 回税制調査会が開催され 中長期的な税制の抜本的な改革に向けて検討を行う専門家委員会と3つのプロジェクトチームを設置することを決めました http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/21zen27kai.html 税制調査会の下に設置する専門家委員会は 内閣官房国家戦略室と提携しつつ 税制調査会における税制抜本改革実現に向けての具体的なビジョンの策定等に関しての助言を行うために設置をします 専門家委員会の活動範囲としては次の2 点です (1) 中長期的な税制抜本改革実現に向けての具体的なビジョンの調査研究 (2) 各年度の税制改正に当たって必要な調査研究また この専門家委員会の下に 税制調査会が直面する改革課題について論点整理を進めるために 次の 2つの小委員会を設置することを決めました (1) 基礎問題検討小委員会専門家委員会における検討の準備のため 税制にかかる基礎的な問題について 必要に応じ 専門的 実務的な見地から調査 検討を行う

(2) 納税環境整備小委員会 納税者権利憲章 ( 仮称 ) の制定 国税不服審判所の改革 社会保障 税に関わる番号制度の導入などについ て 専門的 実務的な見地から検討を行う さらに 専門委員会とは別に関係省庁の副大臣や政務官などで構成する次の3つのプロジェクトチームを設けました (1) 納税環境整備プロジェクトチーム納税者権利憲章 ( 仮称 ) の制定 国税不服審判所の改革 社会保障 税に関わる番号制度の導入などについての検討を行う (2) 市民公益税制プロジェクトチーム市民 事業者 行政が協働して課題を解決していく 新しい公共 を確立するため 市民が担う公益活動を資金面で支える寄付税制等の検討を行う (3) 控除廃止の影響に係るプロジェクトチーム所得税 個人住民税の控除見直しに伴う保険料等の負担への影響を踏まえ 医療 福祉制度に関する負担の基準の見直し 経過措置の導入など適切な措置の検討を行う 2. 東京都の固定資産税等の軽減措置の継続について 東京都主税局は1 月 22 日 ( 金 ) に 固定資産税等の軽減措置を平成 22 年も継続することをホームページ上で公表しました http://www.metro.tokyo.jp/inet/oshirase/2010/01/20k1p400.htm 固定資産税等の軽減措置の継続の対象となるのは 次の3つです (1) 小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置 (2) 小規模非住宅用地に対する固定資産税 都市計画税の減免措置 (3) 商業地等に対する固定資産税 都市計画税の負担水準の上限引き下げ措置 (1) の小規模住宅用地は 面積が 200 m2までの部分について 都市計画税の 1/2 を軽減するというもので 昭和 63 年度に都民の定住確保や地価高騰に伴う負担緩和として創設されたものです (2) の小規模非住宅用地は 面積 400 m2以下の土地のうち 200 m2までの部分について 固定資産税 都市

計画税の2 割を軽減するというもので 過重な負担の緩和や中小企業の支援を目的として平成 14 年度に創設されたものです (3) の商業地等は 負担水準が65% を超える商業地等について 固定資産税 都市計画税の負担水準 6 5% に相当する税額まで軽減するというもので 負担水準の不均衡を是正し 過重な負担を緩和するために平成 17 年度に創設されたものです なお (1) から (3) の軽減の対象は23 区内の土地に限られます 3. 第 3 回土地に関する調査研究委員会が開催される ( 財 ) 資産評価システム研究センターの 土地に関する調査研究委員会 の第 3 回会議が1 月 26 日 ( 火 ) に開催されました この通称 土地研 は 今年度の研究テーマを 山林評価に関する調査研究 として検討を行っています 当研究所は この土地研の事務局である ( 財 ) 資産評価システム研究センターから調査業務を受託し お手伝いをさせていただいております http://www.recpas.or.jp/jigyo/f_jigyo.html 第 3 回目の会議では 次の2つの議事についての検討が行われました (1) 山林素地及び山元立木価格の現状について (2) 山林に係る評価手法の開発について (1) の 山林素地及び山元立木価格の現状について では 山林市場の現状を把握するために 当研究所の定期調査である山林素地価格調査と山元立木価格調査の調査概要と結果の概要及び山林素地価格及び山元立木価格の現状についての説明をしました (2) の 山林に係る評価手法の開発について では 前回までの会議で実際の売買実例の実態調査結果として 一般山林の評価において 林業経営を目的とした価格を求めることは妥当 かつ 売買実例方式を採用することは可能 ですが 売買実例方式の適用にあたっては 売買実例の収集 選択 比準の各過程 また一般山林と介在山林の評価方法の選択において技術上困難である と報告した結果につきまして 今回の会議では 岡山県 群馬県 熊本県をモデル地区と選定し 前回までに報告している売買実例の実態調査結果についての検証と分析を行いました その結果として モデル地区の売買実例については林業経営を継続していることを確認し さらに林業経営を目的とする売買実例の抽出が可能であることを確認しました

また 固定資産税における山林に係る評価手法の開発として モデル地区のうち岡山県の指定市町村の基準山林について 鑑定評価に準ずる方法 を適用して実際に価格査定を行い その価格を用いて標準山林 3 地点への価格比準を試みました 今後の課題としては 比準表の適用範囲や状況類似地区の統合の検討 介在山林の対象範囲の検討さらに市町村に対する技術支援等の整理が必要であることを示しました 最後に 総務省から論点メモとして以下の3つの論点が示されました (1) 現行評価水準について (2) 適正な時価 の把握のための新たな手法について (3) 市町村における新たな手法の活用可能性についてこの3つの論点をベースとして 各委員が活発な議論を行いました 4. 建築着工統計調査報告 ( 平成 21 年計分 ) が公表される 国土交通省は1 月 29 日 ( 金 ) に建築着工統計調査報告 ( 平成 21 年計分 ) を公表しました http://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000135.html 平成 21 年の住宅着工の総戸数は 788,410 戸 ( 前年比で 27.9% の減少 ) と大幅な減少となりました 新設の住宅着工戸数が80 万戸を下回るのは 昭和 39 年以来 45 年ぶりとなります また 利用関係別戸数では 持家が前年比 10.6% の減少で284,631 戸 貸家が前年比 30.8% の減少で321,649 戸 分譲住宅のうち一戸建住宅は 21.2% 減少で91,255 戸となりました とくに着目すべき点は マンションの新設の着工戸数の落ち込みが著しいということです 前年比 58.0% 減少の76,678 戸となり マンションの統計調査を開始した昭和 60 年以来 初めて10 万戸を下回りました asahi.com では マンションの新設住宅着工戸数の急激な減少の原因について 一昨年の金融危機以降 不動産業界向け融資が抑制され 建設資金不足から着工が激減した ものと報道しています http://www.asahi.com/business/update/0129/tky201001290263.html さらに 不動産投資市場の動きとして 投資家から資金を集め 賃貸マンションなどに投資する上場不動産投資信託 (Jリート) 市場で 資金繰り悪化から新規投資を控えるファンドが相次いだ とうことが影響していると報道しています

5. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 2 回 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価 ( その2) 第 1 回では 最高裁まで争われた3つの土地評価に関する判例を紹介し 判決におけるポイントと適正な時価の解釈についての説明をいたしました 今回は 3つの判例のうち 茅沼事件に焦点をあて 固定資産税評価の実務面から特に留意すべき事項についてご説明いたします 1. 東京都固定資産評価審査委員会審査決定取消訴訟 ( 茅沼訴訟 ) ア. 東京地裁判決 ( 平成 8 年 9 月 11 日言渡平成 7 年 ( 行ウ ) 第 235 号 ) イ. 東京高裁判決 ( 平成 10 年 5 月 27 日言渡平成 8 年 ( 行コ ) 第 118 号 ) ウ. 最高裁判決 ( 平成 15 年 6 月 26 日言渡平成 10 年 ( 行ヒ ) 第 41 号 ) この訴訟は 固定資産税の納税義務者である原告が 土地課税台帳に登録された平成 6 年度の価格について 時価を超える違法な価格として 被告である固定資産評価審査委員会に対して審査の申し出をしましたが 審査委員会の価格決定に不服があるとして 平成 5 年度価格を超える部分の取り消しを求めた裁判です この訴訟は平成 6 年度評価替え時のものであり 平成 5 年 1 月 1 日から 賦課期日である平成 6 年 1 月 1 日までの 1 年間の地価の下落について 標準宅地の評価について争われた裁判です 原告は 争点となっている土地の周辺に位置する地価公示地から10 地点を選定し 1 年間の下落率が 3 0% 以上であったと主張をしました これに対し 高裁において 審査委員会は10 地点の選定の根拠が不明であると主張し 類似性の最も高い地価公示地を挙げ その下落率が指標になると反論をしました しかし 高裁では審査委員会の主張を認めず 地価公示地 1 地点の下落率だけでは希薄であると判断を下しました ここで注目すべきは相続税路線価の取扱いです 審査委員会は 相続税路線価をも考慮して下落率を算定すべきではないか との主張をしました 当時の相続税路線価では 1 年間で 30% 以上の下落を示していませんでした しかし 判決では 固定資産税評価においては標準宅地の評価で鑑定評価を得ていることから 相続税路線価を含めて考慮する必要はないという判断を下しました

また この訴訟におけるもう一つの争点が都市計画道路街路予定地に係る減価修正の問題です 争点となった土地には都市計画道路がかかっており 評価にあたっては 都市計画道路予定地の補正として 30% の減価率を適用していました 結論として裁判所は この補正に対しては適正であるという判断を下しました 判断の根拠は以下の3 点です (1) 画地計算基準にはない補正率を所要の補正として適用して対応していること (2) 当時の固定資産評価基準の不整形地や無道路地の減価の補正率の上限が 30% であること (3) さらには相続税法上の取扱いは予定地にかかる部分のみ 30% 減価するが 本件では全体に対して補正を行っており 相続よりは強めに減価を考慮していること す 本件の茅沼訴訟における適正な時価の判断時期及び解釈等が その後の最高裁の判断基準となっていま 次回は赤坂事件について焦点をあててみます 情報配信サービス ( このメール ) についてこのメールの内容等に関するお問合せは お手数ですが 各担当までお願い申し上げます また このメールの記事を許可なく転載することを禁じます Copyright(C) Japan RealEstate Institute All rights reserved 編集 発行 : 財団法人日本不動産研究所 http://www.reinet.or.jp/ システム評価部固定資産税評価研究会情報配信担当 [TEL] 03-3503-5341 [FAX] 03-3503-4550 メールの配信停止 配信先の変更に関しては こちらにご連絡をお願い申し上げます JREI-sysinfo@imail.jrei.jp