宅建の民法 法律上の能力 ( 意思能力 行為能力 ) 代理時効物権変動共有担保物権債務不履行連帯 保証債務債権譲渡 債権の消滅債権の消滅契約の効力 契約の解除担保責任賃貸借 使用貸借請負不法行為相続 2

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宅建試験の出題範囲 1 権利及び権利の変動 民法 借地借家法 不動産登記法 区分所有法 など 2 宅地建物取引業法 宅地建物取引業法 など 3 法令上の制限 国土利用計画法 都市計画法 建築基準法 農地法など 4 その他 ( 税法など ) 各種税法 不当表示防止法など 1

宅建の民法 法律上の能力 ( 意思能力 行為能力 ) 代理時効物権変動共有担保物権債務不履行連帯 保証債務債権譲渡 債権の消滅債権の消滅契約の効力 契約の解除担保責任賃貸借 使用貸借請負不法行為相続 2

おシャレ呪文 1 ケイコさんには 能力がある 3

権利能力 法律が保護する権利の主体となりうる能力 人間であれば 出生と共に権利能力を取得し 死亡と共に失う 意思能力 自己の行為の結果を認識し 法律行為を合理的に判断できる精神的能力 ( 事理弁識能力 ) 10 歳未満の幼児 泥酔者など ( 意思無能力者 ) には意思能力がない 意思無能力者のした法律行為は無効 行為能力 法律行為を単独で完全にすることができる能力 原則 20 歳以上 20 歳以上でも3の例外あり ( 制限行為能力者 ) 制限行為能力者の行為は取消が可能 4

効取消被補助人無ケイコさんのキーワード 権利能力 意思能力 行為能力 胎児の権利能力 法人 意思無能力者 意思の不存在 ( 意思の欠缺 ) 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 詐欺 強迫 制限行為能力者 行為無能力者 未成年者 成年被後見人 被保佐人 5

権利能力 法律が保護する権利の主体となりうる能力 人間であれば 出生と共に権利能力を取得し 死亡と共に失う < キーワード > 胎児に権利能力を認める例外 相続 遺贈 不法行為の損害賠償請求権 法人 ( 自然人以外で権利能力を持つ主体 ) 6

意思能力 自己の行為の結果を認識し 法律行為を合理的に判断できる精神的能力 ( 事理弁識能力 ) 10 歳未満の幼児 泥酔者など ( 意思無能力者 ) には意思能力がない 意思無能力者のした法律行為は無効 < キーワード > 意思無能力者 意思の欠缺 ( 意思の不存在 ) 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 詐欺 強迫 7

1 2 3 4 5 おシャレ呪文 2 ( 無効とは 1,2,3,4,5,6) イ =1 意思無能力者ツ =TWO=2 通謀虚偽表示 サ =3 錯誤 シ =4 心裡留保 ゴ = コ =5 公序良俗 6 6= ム => 無効 1,2,3,4,5 8

完全意思表示 詐欺 強迫不 意思能力 自己の行為の結果を認識し 法律行為を合理的に判断できる精神的能力 ( 事理弁識能力 ) 10 歳未満の幼児 泥酔者など ( 意思無能力者 ) には意思能力がない 意思無能力者のした法律行為は無効 < キーワード > 意思無能力者 意思の不存在 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 9

意思の不存在 1 心裡留保 心裡 であって 心理 ではない 不完全意思表示で権利関係を確定する条件 (1) 善意 悪意 (2) 有過失 無過失 (3) 第 3 者との関係 (4) 登記の有無 10

登記と対抗問題 ト 対抗問題 11

意思の欠缺 ( 意思の不存在 )1-1 心裡留保の原則 1 相手方が善意 無過失であれば ウソは有効 2 第三者が善意であれば 本人は対抗できなくなる 相手方が悪意でも 対抗できなくなる 3 登記の有無は関係ない 12

意思の不存在 2 通謀虚偽表示 < 原則 > 1 通謀なので相手方は常に悪意 当事者間 無効 2 第三者が善意であれば 本人は対抗できなくなる 過失は関係ない ( 過失があってもいい ) 3 登記の有無は関係ない 13

通謀虚偽表示売買契約意思の不存在 2-1 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 1) ト 転得者 14

通謀虚偽表示の第三者とは何か < 原則 > 通謀虚偽表示の当事者及びその包括承継人以外の者で 通謀虚偽表示の外形について新たに独立の法律上の利害関係を有するに至った者 ( 判例 ) この条件に合う第三者が 登記なくとも 過失があっても 権利が保護される 15

通謀虚偽表示意思の不存在 2-2 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 2) ト B さんの一般債権者 第三者 ではない 土地を差押えた人 抵当権設定者 第三者である B さんの一般債権者 16

悪意善意意思の不存在 2-3 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 3) A B 通悪意C D 謀虚偽表示 17

意思の不存在 2-4 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 4) A 評価額 1000 万円 通謀虚偽表示抵当権放棄 B C 二番抵当権 800 万円融資 一番抵当権 500 万円融資 18

通謀虚偽表示売買契約意思の不存在 2-5 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 5) 債権者 E 債権者代位権 B 転得者 C 善意 19

意思の不存在 2-6 通謀虚偽表示 ( 第三者との関係 : 事例 6) ト 放置 善意 譲渡 外観法理 20

意思の不存在 3 錯誤 錯誤 重大な勘違い 表意者が表示行為に対応する効果意思のないことを知らずにする意思表示 21

22 表示意思の内容動機動機実現の過程動機の実現(達成)エコカー プリウス を買おう今度の日曜日にトヨタ ディーラに行き プリウス下さい と言おうと決意ディーラーを訪問し あの人に プリウス下さい と言おうと決意実際に プリウスください と言う (内心的)効果意思表示意思表示行為

23 錯誤に陥った意思表示動機動機の実現(達成)(内心的)効果意思表示意思表示行為内容の錯誤表示の錯誤言い間違い 書き間違い思い違い表示行為の錯誤

示行為の錯誤内心的効果意思に間違い 表示行為は正しい表錯誤 表示の錯誤 内容の錯誤 言い間違い 書き間違い 1000 ドルを 1000 円と勘違いした 内心的効果意思は正しい 表示行為を間違った 思い違い 1 円 =1 ドルだと誤解していた 24

要素の錯誤 1) 本人 ( 表意者 ) にとって もし その錯誤がなかったら そんな意思表示をしなかったであろうと考えられる大きな錯誤 ( 誤解 ) であること 2) 一般人の通常の取引通念に照らしても その錯誤がなければ その意思表示をしないことが 相当だ ( 当然だ ) と認められるような重要な錯誤 ( 誤解 ) であること 25

重過失 ( 重大な過失 ) 軽過失 ( 過失 ) 錯誤サクゴ 3 95 錯誤は 95 条 錯誤は 自由 ( 民法 95 条 ) 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とする ただし 表意者に重大な過失があったときは 表意者は 自らその無効を主張することができない 26

27 動機表示行為表示意思 動機の実現(達成)(内心的)効果意思 動機実現の過程内容の錯誤表示の錯誤+ 要素の錯誤重過失なし + 錯誤無効が可能動機の錯誤無効主張できない ( 例外 ) 動機を表示すれば 無効主張できる

ヨ 要素の錯誤ナコーカおシャレ呪文 3 ( 錯誤の種類 ) 錯誤!! どないヒヨー 泣こーか ど ない ヒ 動機の錯誤 内容の錯誤 表示の錯誤 ( ナ ) 内心的 ( コ ) 効果意思 28

意思の不存在 3 錯誤 錯誤は 自由だぜ < 原則 > 1 本人 ( 表意者 ) の法律行為に 要素の錯誤 があり かつ 本人に重過失がなければ 無効 軽過失であれば 無効になる 動機の錯誤 は 無効にならない 動機を表示すれば 動機の錯誤も無効 相手方が善意 悪意に関係なく無効が主張できる 2 本人だけが無効を主張できる 相手方 第 3 者は無効主張できない 第 3 者に関しては例外あり 3 表意者の無効主張は第 3 者にも対抗できる 善意 登記をもっている第三者にも対抗できる ( 登記は関係ない ) 5 錯誤の主張には時効がなく 全ての第 3 者に主張できる 29

錯誤意思の不存在 3-1 債権者 錯誤 ( 第三者との関係 : 事例 1) 債権者代位権 E 債権者代位権 B 錯誤をみとめているが 無効を自ら主張しない 30

( 問 ) 民法第 95 条本文は 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とする と定めている これに関する次の記述のうち 民法の規定及び判例によれば 誤っているものはどれか ------------------------ 表意者自身において その意思表示に瑕疵 ( かし ) を認めず 民法第 95 条に基づく意思表示の無効を主張する意思がない場合は 第三者がその意思表示の無効を主張することはできない ( 宅建試験平成 21 年問 1) 31

錯誤ト 売買契約意思の不存在 3-2 錯誤 ( 第三者との関係 : 事例 2) 第三者 ( 転得者 )C が 善意でも 悪意でも 登記をもっていても いなくても A は 錯誤無効を C に主張することができる 32

売買契約錯誤意思の不存在 3-1 債権者 錯誤 ( 第三者との関係 : 事例 1) 債権者代位権 E 債権者代位権 B 転得者 C 善意 33

効取消被補助人無ケイコさんのキーワード 権利能力 意思能力 行為能力 胎児の権利能力 法人 意思無能力者 意思の不存在 ( 意思の欠缺 ) 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 詐欺 強迫 制限行為能力者 行為無能力者 未成年者 成年被後見人 被保佐人 34

表示意思表示行為表示意思のプロセス動機強迫詐欺(内心的)効果意思瑕疵ある意思表示 動機の実現(達成)35

民法 刑法 詐欺 詐欺 強迫 脅迫 36

民法 96 条 1 詐欺又は強迫による意思表示は 取り消すことができる 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては 相手方がその事実を知っていたときに限り その意思表示を取り消すことができる 3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは 善意の第三者に対抗することができない 37

意者瑕疵ある意思表示詐欺事例 第三者による詐欺表第三者 D 詐欺 B 相手方 38

意の第三者瑕疵ある意思表示詐欺事例 第三者による詐欺表第三者 D 意者詐欺 詐欺 登記や過失は関係ない B 相手方C 善 39

練習問題 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に 売主が当該契約に係る意思表示を強迫によるものとして適法に取り消した場合 売主は その旨の登記をしなければ 当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない 40

民法 177 条 ( 不動産に関する物権の変動の対抗要件 ) 不動産に関する物権の得喪及び変更は 不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ 第三者に対抗することができない いななく (177 く ) 名馬の登記 41

練習問題 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に 売主が当該契約に係る意思表示を強迫によるものとして適法に取り消した場合 売主は その旨の登記をしなければ 当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない 42

2 甲土地は C から B B から A と売却されており C B 間の売買契約が B の強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には BA 間の売買契約締結の時期にかかわらず C は登記がなくても A に対して所有権を主張することができる 強迫による取消し 43

意思の不存在 瑕疵ある意思表示の権利関係 当事者間の関係 第三者との関係 原則例外過失無効宣言 取消前無効宣言 取消後 心裡留保 ( 民法 93 条 ) 有効 無効 相手方に過失 通謀虚偽表示 ( 民法 94 条 ) 無効 - - 錯誤 ( 民法 95 条 ) 無効 - 本人に重過失 詐欺 ( 民法 96 条 ) 取消可 - - 強迫 ( 民法 96 条 ) 取消可 - - 善意 : 対抗できない悪意 : 対抗できる 善意 : 対抗できない悪意 : 対抗できる 善意 : 対抗できる悪意 : 対抗できる 善意 : 対抗できない悪意 : 対抗できる 善意 : 対抗できる悪意 : 対抗できる 善意 悪意関係なく 登記をもっていれば 本人は土地の返還を求められない ( 民法 177 条で処理 ) 44

無効と取消 無効 取消 効力 誰が主張するか 時効 はじめから効力は発生しない 原則として誰からでも 誰に対しても無効を主張できる 時効は存在しない 時の経過により有効となることはない 取り消されるまでは一応有効 取消宣言があれば 遡って無効となる 原則として取消権者だけが主張できる 取消権が時効により消滅すると 確定的に有効となる 45

取消権の消滅時効は 追認が可能なときから 5 年 行為の時から 20 年である 取消権 と ( う )=>10 時効 時 = 次 =>2 20 = 2 10 2 = 5 46

効取消被補助人無ケイコさんのキーワード 権利能力 意思能力 行為能力 胎児の権利能力 法人 意思無能力者 意思の不存在 ( 意思の欠缺 ) 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 詐欺 強迫 制限行為能力者 行為無能力者 未成年者 成年被後見人 被保佐人 47

制限行為能力者 (1) 未成年者 20 歳未満の者 (2) 成年被後見人 精神上の障害により事理を弁識する能力を 欠く常況 にある者で 後見開始の審判を受けた者 (3) 被保佐人 著しく不十分 保佐開始の (4) 被補助人 不十分 補助開始の 48

制限行為能力者の保護者 (1) 未成年者 親権者または 未成年後見人 (2) 成年被後見人 成年後見人 (3) 被保佐人 保佐人 (4) 被補助人 補助人 未成年者以外は 法人でも保護者になれる 保護者は原則 複数可能 ただし未成年後見人のみ一人限定 49

制限行為能力者の保護者 (1) 未成年者 親権者または 未成年後見人 (2) 成年被後見人 成年後見人 (3) 被保佐人 保佐人 (4) 被補助人代理権は無い 補助人 法定代理人 法定代理人いわゆる法定代理人ではない いわゆる法定代理人ではない 50

保護者の権利 未成年者 保護者 親権者未成年者後見人 保護者の権利 代理権同意権取消権追認権 成年被後見人成年後見人 被保佐人保佐人 被補助人補助人 取消しは 第三者の善意 悪意を問わず全ての第三者に対抗することができる ( 例外 ) 日用品の購入など日常生活に関する軽微な法律行為は 本人が単独ですることができる ( 取消せない ) 51

取消権 1 未成年者と取消権 未成年者が単独でした法律行為は原則取消すことができる ( 取消権者 ) 保護者 ( 親権者 法定代理人 ) 本人 ( 取消せない法律行為 ) 1 法定代理人の同意を得ておこなった行為 2 処分を許された財産の処分をする法律行為 ( お小遣いを使う など ) 3 単に権利を得 又は義務を免れる法律行為 ( 借金を免除してもらうなど本人が不利益とならない契約 ) 4 許可された営業に関する行為 ( 成年擬制 ) 52

取消権 2 成年被後見人と取消権 成年被後見人がした法律行為は原則取消すことができる 1 成年後見人の同意を得て行った法律行為でも 取消すことができる 2 本人に不利益とならない法律行為でもとりけせる ( 取消権者 ) 保護者 ( 成年後見人 = 法定代理人 ) 本人 53

成年被後見人 自分の財産を管理 処分することができない 保佐人 自分の財産を管理 処分するのに援助が必要 補助人 自分の財産を管理 処分するのに援助が必要な場合がある 保佐人 補佐人 保つ 援助の度合が大きい補う 援助の度合が少ない 54

取消権 3 保佐人 補助人と取消権 要件 開始の手続 成年被後見人被保佐人被補助人 事理弁識能力欠く常況 事理弁識能力著しく不十分 事理弁識能力不十分 本人 配偶者 四親等以内の親族 検察官 市区町村長 本人の同意不要不要必要 同意権 取消権 行使できる範囲 日常の生活に関する行為以外の法律行為 民法 13 条 1 項各号に定める法律行為 民法 13 条 1 項に定める法律行為の内 申立ての範囲で裁判所が個別に定めたもの 本人の同意不要 ( 同意権はない ) 不要必要 取消権者本人 成年後見人本人 保佐人本人 補助人 行使できる範囲 財産に関する全ての法律行為 代理権 申立ての範囲で裁判所が定める 特定の法律行為 申立ての範囲で裁判所が定める 特定の法律行為 本人の同意不要必要必要 55

民法 13 条 1 項 被保佐人が次に掲げる行為をするには その保佐人の同意を得なければならない ただし 第九条ただし書に規定する行為については この限りでない 一元本を領収し 又は利用すること 二借財又は保証をすること 三不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること 四訴訟行為をすること 五贈与 和解又は仲裁合意をすること 六相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること 七贈与の申込みを拒絶し 遺贈を放棄し 負担付贈与の申込みを承諾し 又は負担付遺贈を承認すること 八新築 改築 増築又は大修繕をすること 九第 602 条に定める期間を超える賃貸借をすること 56

民法 13 条 1 項 被保佐人が次に掲げる行為をするには その保佐人の同意を得なければならない ただし 第九条ただし書に規定する行為については この限民法 602 条りでない (1) 植林や伐採のために山林を賃貸するときは 10 年一元本を領収し 又は利用すること (2) その他の土地 ( 農地 宅地 ) を賃貸するときは 5 年二借財又は保証をすること (3) 建物の賃貸借をする場合は 3 年三不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする (4) その他の動産の賃貸借をするときは6ヵ月行為をすること 四訴訟行為をすること 五贈与 和解又は仲裁合意をすること 六相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること 七贈与の申込みを拒絶し 遺贈を放棄し 負担付贈与の申込みを承諾し 又は負担付遺贈を承認すること 八新築 改築 増築又は大修繕をすること 九第 602 条に定める期間を超える賃貸借をすること 57

おシャレ呪文 4 ( 被保佐人の不動産賃貸 ) 保佐人 ど こ さ 建物 3 年農地 宅地 5 年山林 10 年 58

取消権 3 保佐人 補助人と取消権 要件 開始の手続 成年被後見人被保佐人被補助人 事理弁識能力欠く常況 事理弁識能力著しく不十分 事理弁識能力不十分 本人 配偶者 四親等以内の親族 検察官 市区町村長 本人の同意不要不要必要 同意権 取消権 行使できる範囲 日常の生活に関する行為以外の法律行為 民法 13 条 1 項各号に定める法律行為 民法 13 条 1 項に定める法律行為の内 申立ての範囲で裁判所が個別に定めたもの 本人の同意不要 ( 同意権はない ) 不要必要 取消権者本人 成年後見人本人 保佐人本人 補助人 行使できる範囲 財産に関する全ての法律行為 代理権 申立ての範囲で裁判所が定める 特定の法律行為 申立ての範囲で裁判所が定める 特定の法律行為 本人の同意不要必要必要 59

制限行為能力者の相手方の保護 催告権 一ヶ月以上の期間を定めて その行為を追認するか 取消すかを確答 ( 返答 ) するように催告 ( 催促 ) できる 60

催告権の行使 契約の当事者未成年者成年被後見人被保佐人 被補助人 催告は誰にするか親権者 未成年後見人成年後見人本人もしくは保佐人 補助人 催告に対して確答が無い場合は 追認 追認 本人 取消し保佐人 補助人 追認 61

制限行為能力者の詐術 制限行為能力者が詐術を用いた場合は 取消権は消滅する 62

効取消被補助人無ケイコさんのキーワード 権利能力 意思能力 行為能力 胎児の権利能力 法人 意思無能力者 意思の不存在 ( 意思の欠缺 ) 心裡留保 通謀虚偽表示 錯誤 瑕疵ある意思表示 詐欺 強迫 制限行為能力者 行為無能力者 未成年者 成年被後見人 被保佐人 63