働く人の意識調査 ( 平成 30 年 2 月期 ) 調査結果の概要 職場愛着度 の平均は 10 点満点中 6.3 点 仕事内容満足度 の平均は 10 点満点中 6.2 点 働き方改革については労使間に認識の差 ~ 世代別の特徴 ~ 29 歳以下は体が疲れ気味 もっと体を休めたい 30 歳代は もっと家族と過ごしたい 40 歳代は働き盛りが故に 労働時間が長すぎる 50 歳代は仕事と家庭を上手く両立だが 自分のことは後回し? 60 歳代は休みも予定びっしり 休んでいる暇はない 調査要領 1. 調査方法 岐阜 愛知県下の十六銀行本支店預金窓口来店者 760 名に対し アンケートを実施 2. 調査内容 企業等で働く上での状況や考え方等 3. 調査期間 平成 30 年 2 月 7 日 ~14 日 4. 回答状況 有効回答 712 名回答者の内訳は図表 1のとおり 図表 1 回答者の内訳 年齢別 ( 人,%) 地域別 ( 人,%) 男性割合女性割合計割合男性割合女性割合計割合 29 歳以下 36 28.6 90 71.4 126 17.7 岐阜地区 61 26.0 174 74.0 235 33.0 30 歳代 40 25.3 118 74.7 158 22.2 西濃地区 24 26.7 66 73.3 90 12.6 40 歳代 60 25.3 177 74.7 237 33.3 中濃地区 10 16.4 51 83.6 61 8.6 50 歳代 33 22.4 114 77.6 147 20.6 東濃地区 11 21.6 40 78.4 51 7.2 60 歳以上 17 38.6 27 61.4 44 6.2 飛騨地区 2 8.3 22 91.7 24 3.4 合計 186 26.1 526 73.9 712 100.0 岐阜県 108 23.4 353 76.6 461 64.7 既婚 未婚の別 ( 人,%) 名古屋地区 38 33.3 76 66.7 114 16.0 男性 割合 女性 割合 計 割合 尾張地区 30 28.8 74 71.2 104 14.6 既婚 132 24.9 398 75.1 530 74.4 三河地区 10 30.3 23 69.7 33 4.6 未婚 54 29.7 128 70.3 182 25.6 愛知県 78 31.1 173 68.9 251 35.3 合計 186 26.1 526 73.9 712 100.0 合計 186 26.1 526 73.9 712 100.0 職業別 ( 人,%) 男性割合女性割合計割合 会社員 158 39.1 246 60.9 404 56.7 公務員 22 73.3 8 26.7 30 4.2 パート アルバイト 6 2.2 272 97.8 278 39.0 合計 186 26.1 526 73.9 712 100.0 60 歳以上 6.2% 50 歳代 20.6% 40 歳代 33.3% 29 歳以下 17.7% 30 歳代 22.2% 尾張地区 14.6% 名古屋地区 16.0% 三河地区 4.6% ( 注 ) 端数を四捨五入しているため 内訳の合計等が合致しない場合がある 岐阜地区 33.0% 西濃地区 12.6% 飛騨地区東濃地区中濃地区 3.4% 7.2% 8.6% 公務員 4.2% パート アルバイト 39.0% 会社員 56.7% 十六総合研究所 1
1. 職場愛着度 現在働いている勤務先にどの程度愛着を感じているかについて とても愛着がある を 10 点 どちらでもない を 5 点 まったく愛着がない を 0 点とすると 何点くらいになるか尋ねた 回答の分布は 5 点 ( どちらでもない ) と回答した人が 26.9% で最も多かった 次いで 8 点 が 19.0% 7 点 が 18.8% と続いた 0 点 ~4 点 ( 愛着なし ) と回答した人は 11.4% 6 点 ~10 点 ( 愛着あり ) は 61.6% と 6 割以上の人が勤務先に愛着を感じている結果となった 職場愛着度の平均は 6.3 点であった 性別や年齢階層などの属性別にみると 最も平均点が高かったのは年齢階層別にみた 60 歳以上で 7.2 点であった 年齢が高くなるほど愛着度の平均は高くなった 2. 仕事内容満足度 現在の仕事内容にどの程度満足しているかについて とても満足 を 10 点 どちらでもない を 5 点 とても不満 を 0 点とすると 何点くらいになるか尋ねた 回答の分布は 5 点 ( どちらでもない ) と回答した人が 27.7% で最も多かった 次いで 8 点 が 19.0% 7 点 が 17.5% と続いた 0 点 ~4 点 ( 不満 ) と回答した人は 14.9% 6 点 ~10 点 ( 満足 ) は 57.4% と 6 割近くの人が仕事内容に満足していた 仕事内容満足度の平均は 6.2 点であった 性別や年齢階層などの属性別にみると 最も平均点が高かったのは 60 歳以上で 7.3 点であった 年齢が高くなるほど満足度の平均は高くなった 十六総合研究所 2
3. 賃金満足度 現在の自身の賃金について 満足 を 1 点 概ね満足 を 0.5 点 やや不満 を 0.5 点 不満 を 1 点とウエイト付けし 各項目の選択割合を乗じて賃金満足度 DI を算出した 全体では 7.5 となり 満足している人より不満がある人の割合の方が高くなった 選択肢の割合では やや不満 が 30.8% で最も高くなった 年齢階層別にみると 29 歳以下の層で DI が 18.0 と最も小さく 賃金に不満を感じている 不満 は 15.2% やや不満 は 36.0% で ともにどの世代よりも高かった 職業別では 会社員の満足度が最も低く 公務 員では DI がプラスとなり 比較的満足度が高かっ た 4. 仕事とプライベートの優先順位 仕事 家庭生活 地域 個人の生活 ( 地域活動 学習 趣味 付き合い等 ) のそれぞれの優先度について尋ねた 最も多かったのは 仕事と家庭を優先 で 36.5% であった 次に多かったのは 家庭優先 で 30.7% であった 男性は 仕事と家庭を優先 が 38.6% で最多 2 位は 仕事優先 で 16.5% であった 女性は 36.2% が 家庭優先 で最も多かった 仕事と家庭では 男性が仕事を優先しているのに対し 女性は家庭を優先している 回答者の 7 割以上が女性であるため 全体の結果も家庭を優先する人の方が多くなった 年齢階層別にみると 29 歳以下では 仕事優先 が比較的多く 17.7% 50 歳代では 仕事と家庭を優先 を選んだ人の割合が最も高く 45.5% であった 地域 個人の生活優先 (0.7%) や 仕事と地域 個人を優先 (3.4%) との回答は他世代と比較して低く 自分のことは後回しにしている様子がうかがえる 十六総合研究所 3
5. 副業 副業について 現在副業をしていると回答したのは全体の 2.7% と少数であった 現在は副業をしていないが 興味があると回答したのは 29.5% と約 3 割であった また 現在の勤務先で副業が認められているか否かについて 63.5% が 禁止されている と回答した 認められている は 6.6% 条件付きで認められている は 5.4% であった 6. 労働時間 現在の仕事での労働時間の長さについてどのように感じているか尋ねた 最も多かったのは ちょうどよい で 70.1% であった 次に やや長い が 20.7% やや短い が 5.0% 長すぎる が 3.8% であった 約 7 割の人がちょうどよいと感じている一方で 約 4 人に 1 人 ( 長すぎる と やや長い の合計 24.5%) が 自分の望む労働時間よりは 長い と感じている 年齢階層別 男女別にみると 労働時間を 長すぎる または やや長い と感じている人が最も多かったのは 40 歳代の男性で 長すぎる が 15.3% やや長い が 42.4% であった 30 歳代の男性も比較的長いと感じている割合が高かったが 反対に やや短い が 10.0% 短すぎる が 2.5% と 短いと感じている人も他の階層より多く 二極化している 職業別 男女別にみると 会社員の男性で 長すぎる が 10.8% やや長い が 33.8% と 他と比較して長く感じている結果となった パート アルバイトは男女とも 8 割以上が ちょうどよい と感じていた 十六総合研究所 4
7. 働き方改革 勤務する職場で 現在働き方改革が進められているか否か尋ねたところ 半数以上の 51.6% が 進められている と回答した 進められていない は 21.2% わからない は 27.1% であった 当社が 2016 年 12 月に実施した企業に対する調査 1では 9 割以上の企業が何らかの働き方改革を進めていると回答していたが その結果と比較すると少なく 経営側が 働き方改革 として実施している取組みの意図が 従業員には伝わっていない可能性がある 働き方改革の必要があるか否かについては 57.9% が 必要がある と回答し 6 割近くの人が働き方改革の必要性を感じていた しかし 28.1% が わからない と回答しており 特にパート アルバイトの人は 45.7% が わからない としている 働き方改革の実現には 制度やシステムの導入だけでなく 従業員の意識改革も欠かせない 従業員と対話を進め パート アルバイトを含めた全員に考え方が浸透することが必要だ 8. 働き方改革が必要な理由 働き方改革の必要があると回答した人に その理由を複数回答で尋ねた 1 位は 時代の流れだから で 38.3% であった この選択肢は 29 歳以下の若い世代で選択した人が多く 49.4% と 約半数であった 2 位は 時間外労働が多すぎるから で 26.1% であった これは 労働時間が長い と感じている人が多い 40 歳代で選んだ人が多く その割合は 36.2% であった 3 位は 子育てや介護との両立が難しいから で 21.7% であった これは 30 歳代の子育て世代において選んだ人が多かった また 女性の 27.2% が選択しているのに対し男性は 10.9% で 子育て 介護と仕事との両立については 男女の意識の違いが明らかになった 29 歳以下では 休息時間が欲しいから が 26.6% で他の世代と比較して多かった 1 十六総合研究所 働き方改革に関する特別調査 (2016 年 12 月実施 ) 十六総合研究所 5
9. 取り組むべきこと 今の職場で働き方の見直しをする場合 どのような取組みが必要だと思うかを複数回答で尋ねた 最も多かったのは 業務内容見直し (37.5%) 2 位は 賃金体系 処遇の見直し (37.4%) でほぼ同率であった 3 位は 有給休暇の取得促進 で 35.4% だった 業務内容見直し は 男性と公務員で選んだ人が多かった 賃金体系 処遇の見直し は パート アルバイトで選んだ人が多かった 前述の賃金満足度の設問では 会社員と比較して満足度 DI は高かったが 賃金体系や処遇については改善を望んでいるのかもしれない 有給休暇の取得促進 は 29 歳以下の若い世代で多くなった この内容を 2016 年に企業向けに行った調査結果と比較すると 表のようになった 1 位はともに 業務内容見直し で一致していた 2 位は 働く人は 賃金体系 処遇の見直し であったが 企業は 時間外労働削減 3 位は働く人が 有給休暇の取得促進 企業は 賃金体系 処遇の見直し であった 働く人は 同じ労働時間の削減でも 時間外労働の削減より 有給休暇の取得促進をすべきと考えている また 働く人は 多様な働き方の推進 をすべきだと考えているが 取組みたい企業は 13.6% にとどまり 労使間で考え方に違いがみられる 今後取り組みたい 取り組むべき内容 企業 (2016 年 12 月 ) 働く人 ( 今回 ) 1 位 業務内容見直し 24.3% 業務内容見直し 37.5% 2 位 時間外労働削減 23.4% 賃金体系 処遇の見直し 37.4% 3 位 賃金体系 処遇の見直し 23.4% 有給休暇の取得促進 35.4% 4 位 省力化目的の機械等の導入 18.3% 時間外労働削減 25.0% 5 位 有給休暇の取得促進 16.6% 多様な働き方の推進 22.8% 6 位 健康 メンタルヘルス対策 16.2% 健康 メンタルヘルス対策 14.2% 7 位 多様な働き方の推進 13.6% 育児 介護支援 14.2% 十六総合研究所 6
10. 余暇が増えたら何をしたいか 現在の勤務先で働く時間以外の時間が増えたら何をしたいか 択一で尋ねた 1 位は 趣味 スポーツ で 37.6% 2 位は 休息 で 28.3% 3 位は 家庭サービス で 16.6% であった 年齢階層別にみると 年齢層が若いほど 休息 の割合が高くなり 29 歳以下では 40.6% と約 4 割の人が 余暇が増えたら休息に充てたいと回答した 30 歳代では 家庭サービス が 29.6% となり 他の階層よりも多くなった 反対に 趣味 スポーツ は 17.8% と少なかった 30 歳代は 家庭をもってから年数が浅かったり 子どもが小さかったりする人が多く 自分のことより家庭に時間を割きたいと思う人が多いのだろう 50 歳以上 60 歳以上は 休息 が減り 趣味 スポーツ が半数以上を占めている 60 歳以上では 家庭サービス が減る代わりに 自己啓発 が増えている 現在の労働時間を ちょうどよい と感じている人が多いからか 余暇が増えてもアクティブに過ごしたいと考えているようだ ( 研究員早川博美 ) 十六総合研究所 7