経管栄養法 2015.4.9 W-8 岩本美咲
研修の目的 経管栄養法の目的が理解できる 経管栄養を管理できる 経管栄養法を実践できる
経管栄養とは? 経管栄養とは 経口摂取が困難になった時に鼻腔内あるいは腹壁から胃や空腸等に管を留置 その管を通して栄養補給を行う方法
経管栄養の目的 経管栄養法は 食事や水分を経口的に摂取できない場合 また活動に必要な量の食事が摂取できない場合に栄養チューフ を介して積極的に栄養を管理する目的で行われる
投与経路 1 経鼻栄養 : 鼻腔内より胃内まで挿入した管 ( マーケ ンチューフ ) から栄養補給を行う方法 2 胃瘻 : 内視鏡下で腹壁と胃に穴を開け 胃瘻 (PEG) を増設し直接胃内に栄養を送る方法 3 腸瘻 : チューフ 先端を腸内に留置し 胃を介さず腸内へ直接栄養を送る方法
メリットとテ メリットメリット 経鼻栄養 胃瘻 腸瘻 チューフ の挿入が容易 非侵襲的 長期栄養管理に適している チューフ による違和感や苦痛がない チューフ 誤挿入による肺炎や窒息がない 口から食べるリハヒ リや言語訓練が行いやすい 自己抜去が少ない 在宅管理が容易 胃瘻と比較し胃内要物が逆流しづらい テ メリット チューフ 留置による違和感や苦痛が大きい チューフ 誤挿入による肺炎や窒息のリスク 自己抜去後のリスク 注入前に胃内にチューフ が留置されていることを必ず確認する必要がある 内視鏡下で PEG を造設する必要があるため Pt にとって侵襲的な処置となる PEG 増設後は一定期間 安静度が制限される PEG が腹部の皮膚と擦れ皮膚トラフ ルが生じる可能性がある 腸に直接栄養が送られるため下痢をしやすくなる傾向 チューフ が細いため閉塞しやすい 在宅での管理が困難
栄養剤の種類 ラコール エレンタール テルミール リーナレン メイハ ランス エンシュア K 2 S などがあります
ラコール半固形 食事の形態により近い性状次のような患者さんに適している 液体の栄養剤でむせる 注入後の嘔吐が多い 下痢を繰り返す 栄養剤が漏れる 自宅介護などで投与時間を短縮したい しかし PEG( 胃瘻 ) が必要 ( 経口 経鼻使用不可 ) 胃 腸の働きが十分にあること
簡易懸濁法とは? ( 薬を溶かす方法 ) 簡易懸濁法とは 錠剤やカプセルを粉砕 開封せず そのまま温湯に入れ崩壊懸濁させたあと経管投与する方法粉砕にすることで起こる 正しい薬剤量が投与できない 配合変化の危険性の減少などメリットが多い ( しかしすべての薬が簡易懸濁できるわけではない ) 方法 55 のお湯で 5~10 分かけて溶かす ケイキサレートト ライシロッフ など固まりやすい薬は 投与直前に混ぜる
鼻腔栄養 ( マーケ ンチューフ ) の必要 物品 Pt の指示された栄養剤 栄養ハ ック 専用カテーテル 50cc カテチッフ 内服薬 薬杯 聴診器
鼻腔栄養 ( マーケ ンチューフ ): 手順 1. 対象者へ説明と同意 患者の一般状態を観察 経管栄養が開始できるかどうか判断する 患者に経管栄養を開始することを説明する 2. 必要物品の準備 経管栄養量を Dr のヒ ンク指示書で確認する 栄養ハ ック に病室 患者名 栄養剤 ( 白湯等 ) 栄養量 ( 特別指示があれば投与速度 投与開始時間 ) を記入する ( タ フ ルチェック ) 聴診器 カテチッフ 経管栄養剤 点滴台 ( 必要時注入ホ ンフ ) を準備する
鼻腔栄養 ( マーケ ンチューフ ): 手順 2 3. 経管栄養投与 患者のヘ ット サイト 周辺の環境整備を行う マーケ ンチューフ の固定を確認する ( 抜去されてないか 固定テーフ ライン整理等 ) 誤嚥予防のためヘ ット の頭側を 30 度程度キ ャッシ アッフ する 聴診器 カテチッフ を用いて胃内気泡音を確認する 胃内気泡音確認後 少しカテチッフ を引いて胃液の逆流を確認する 内服薬がある場合 栄養剤の前に薬を注入する 内服薬注入後 50ml 程度の白湯を注入する ( フラッシュする ) マーケ ンチューフ と栄養ハ ック をチューフ で接続する ( 接続部は優肌絆等で補強する ) クレンメを解放し 注入を開始する (100~200ml/ 時程度が目安 )
鼻腔栄養 ( マーケ ンチューフ ): 手順 2 続き 注入中はムセ 嘔気 嘔吐 下痢 腹部膨満感 腹痛等の消化器症状の有無を確認する 注入終了後 50ml 程度の白湯を注入する 注入終了後も嘔気 嘔吐 下痢 腹部膨満感 腹痛等の消化器症状の有無を確認する 個人に応じてマーケ ンチューフ を病衣に固定する カテチッフ は 1 日 1 回の交換 続けて使用する場合は洗って患者のオーハ ーテーフ ル等に整理しておく 注入後 30 分程度は誤嚥予防のためにキ ャッシ アッフ したままにしておく
マーケ ンチューフ 固定方法 マーケ ンチューフ のテーフ は鼻と頬 2 箇所に貼付し固定する 張り替える際は皮膚トラフ ルの有無を観察 皮脂や汗でテーフ 剥がれしやすいので 張り替える際は綺麗に清拭し汚れを落としてからにする
鼻腔栄養 ( マーケ ンチューフ ) 注入中の 注意点 注入前に必ず胃内気泡音及び胃液逆流を確認!! 誤挿入による肺炎や窒息の予防のため 自己抜去に注意!! 容易に抜去できるので自己抜去のリスクが胃瘻より高い 自己抜去予防のため チューフ 類は視界に入らないように病衣に固定する等 工夫をする
マーケ ンチューフ の種類と交換時期 セイラムサンフ チューフ 交換時期 :2 週間以内 フィーテ ィンク チューフ 細いため 患者さんへの負担が小さい カ イト ワイヤーを用いて挿入交換時期 :2 週間以内 サフィート チューフ エックス線不透過性あり
胃瘻の必要物品 Pt の指示された栄養剤 栄養ハ ック 専用カテーテル 50cc カテチッフ 内服薬 薬杯 PEG 接続カテーテル 写真にはありませんが PEG 接続のカテーテル必要 腸瘻の場合 準備物品は胃瘻とほぼ一緒ですが 注入ポンプ 忘れず!!
胃瘻の手順 1. 対象者へ説明と同意 患者の一般状態を観察 経管栄養が開始できるかどうか判断する 患者に経管栄養を開始することを説明する 2. 必要物品の準備 経管栄養量を Dr のヒ ンク指示書で確認する 栄養ハ ック に病室 患者名 栄養剤 ( 白湯等 ) 栄養量 ( 特別指示があれば投与速度 投与開始時間 ) を記入する ( タ フ ルチェック ) PEG の接続チューフ カテチッフ 経管栄養剤 点滴台 ( 必要時注入ホ ンフ ) を準備する
胃瘻の手順 2 3. 経管栄養投与 患者のヘ ット サイト 周辺の環境整備を行う PEG と皮膚状態を確認する PEG のハ ンハ ーを支えながらチューフ を接続する ( 接続する前にクランフ を確認 ) 接続部を合わせて 2 か所ほど優肌絆で固定する 内服薬がある場合 栄養剤の前に薬を注入する 内服薬注入後 50ml 程度の白湯を注入する ( フラッシュする ) クレンメを解放し 注入を開始する (100~200ml/ 時程度が目安 ) 注入中はムセ 嘔気 嘔吐 下痢 腹部膨満感 腹痛等の消化器症状の有無を確認する 注入終了後 50ml 程度の白湯を注入する
胃瘻の手順 2 続き 注入終了後も嘔気 嘔吐 下痢 腹部膨満感 腹痛等の消化器症状の有無を確認する カテチッフ は 1 日 1 回の交換 続けて使用する場合は洗って PEG の接続チューフ と一緒にミルトンで消毒する 注入後 30 分程度は誤嚥予防のためにキ ャッシ アッフ したままにしておく
胃瘻注入時の注意点 PEG 増設部の皮膚トラブルの有無 PEG は腹部と擦れることで皮膚トラブルが起きやすいので皮膚状態の観察を忘れない!! きちんと固定できているか!! PEG と専用カテーテルの接続部は優肌絆で必ず固定する
腸ろうの手順 腸ろうの手順は胃ろうとほぼ同じであるが 必ず 注入ポンプ を使用すること!! 胃のように栄養を溜めておくことができず下痢になりやすい 1. 対象者へ説明と同意 患者の一般状態を観察 経管栄養が開始できるかどうか判断する 患者に経管栄養を開始することを説明する 2. 必要物品の準備 経管栄養量を Dr のヒ ンク指示書で確認する 栄養ハ ック に病室 患者名 栄養剤 ( 白湯等 ) 栄養量 ( 特別指示があれば投与速度 投与開始時間 ) を記入する ( タ フ ルチェック ) 専用の接続チューフ カテチッフ 経管栄養剤 点滴台 ( 必要時注入ホ ンフ ) を準備する
腸ろうの手順 2 3. 経管栄養投与 患者のヘ ット サイト 周辺の環境整備を行う 腸ろう刺入部及び皮膚状態を確認する 腸ろうのカテーテルとチューフ を接続する 接続部を優肌絆で固定する 内服薬がある場合 栄養剤の前に薬を注入する 内服薬注入後 50ml 程度の白湯を注入する ( フラッシュする ) カテーテルを注入ホ ンフ に接続する ( クレンメはクランフ したまま ) 滴下速度を Dr の指示通り設定する クレンメを開放し 注入を開始する ( 初期は 20ml/ 時程度 ) 注入中はムセ 嘔気 嘔吐 下痢 腹部膨満感 腹痛等の消化器症状の有無を確認する 注入終了後 50ml 程度の白湯を注入する 腸ろうはカテーテルが細く閉塞しやすいので フラッシュは確実に行う!!
腸ろう注入時の注意点 腸ろうカテーテルの閉塞の有無 腸ろうの場合 24 時間持続注入の場合が多い 三方角栓から内服薬注入時等 フラッシュは確実に!! 腸ろう刺入部の消毒は週に 1 回必ず行う 腸ろう刺入部の消毒は毎週金曜日に実施 マスキン消毒後 IV3000 を張り替える 事故抜去とならないように注意!! 注入滴下速度は正確か 点滴と同様 滴下速度の確認を忘れず!! ホ ンフ の正常可動を確認!!
半固形 ( ニプロ加圧バッグ ) ラコール ( 半固形 ) 手動でもできるが 時間がかかる 漏れることがある ニプロ加圧バッグ α
二プロ加圧バッグ使用方法
ご清聴ありがとうございました