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b 特定管理職員 勤勉手当の支給割合を1.05 月分 ( 再任用職員にあっては 0.5 月分 ) とすること c 指定職俸給表の適用を受ける職員 ( 再任用職員を除く ) 勤勉手当の支給割合を0.9 月分とすること ( イ ) 平成 28 年 6 月期以降の支給割合 a b 及び指定職俸給表の適用を

Microsoft Word - 国家公務員給与減額閣議決定全文

別紙第 1 職員の給与 ( 海事職給料表の導入等 ) に関する報告 本委員会は 船舶に乗り組む職員 ( 以下 船舶乗組員 という ) の給与について 昨年 10 月 9 日の職員の給与に関する報告でも言及したとおり 勤務の特殊性から見直す必要があると考え 検討を重ねてきた その結果は 次のとおりであ

岩美町の給与 定員管理等について 1 総括 (1) 人件費の状況 ( 普通会計決算 ) 区分住民基本台帳人口 ( 27 年 1 月 1 日 ) 26 年度人 1 2, 歳出額 A 千円 6, 6 8 1, 実質収支人件費 B 千円千円 8 8, , 1 6 7,

4 共済組合 共済組合は 組合員及びその家族の相互救済を目的とした社会保障制度です 病気 負傷 出産などに対する 短期給付事業 退職 障害または死亡に対する 長期給付事業 及び組合員の健康管理 福利厚生 診療所の運営 または貯金 貸付等を行う 福祉事業 の三つの主な事業を行っています 特許庁の職員と

百分の一 五七五) を 勤勉手当減額基礎額に の下に 六月に支給する場合においては を 百分の九十五) の下に 十二月に支給する場合においては百分の八十五(特定管理職員にあつては 百分の百五) を加える 別表第一から別表第十一までを次のように改める


平成17年8月24日市長交渉想定質問

資料2:再任用制度と「雇用と年金の接続」の概要

1 9( 沖縄の復帰に伴う等の適用の特別措置等 ) 1 12( 日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員を採用する場合の任用 給与等の特例等 ) 沖縄の復帰に伴う等の適用の特別措置等について規定 日本国有鉄道退職希望職員等を採用する場合の任用 給与等の特例等について規定,, 国家公務員

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

Taro-H26勧告・報告の説明

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2 役員の報酬等の支給状況平成 29 年度年間報酬等の総額就任 退任の状況役名報酬 ( 給与 ) 賞与その他 ( 内容 ) 就任退任法人の長 2,164 17,994 10,824 4, A 理事 B 理事 A 監事 16,722 9,816 4,762 1, ,12


扶養手当制度の概要 1 支給要件 扶養親族 ( 他に生計の途がなく主として職員の扶養を受けているもの ) を有する職員に対して支給 年額 130 万円以上の恒常的な所得があると見込まれる者は対象外 2 支給月額 配偶者 : 13,000 円子など : 1 人につき 6,500 円 ( 配偶者のない場

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1 260

05【特区連】行政系人事制度の改正について(最終案)

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女性が働きやすい制度等への見直しについて

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2 役員の報酬等の支給状況平成 29 年度年間報酬等の総額就任 退任の状況役名報酬 ( 給与 ) 賞与その他 ( 内容 ) 就任退任千円千円千円千円 法人の長 理事 ( 寒地土木研究所長 ) 理事 監事 監事 ( 非常勤 ) 16,840 11,580 3,407 1,853 ( 役員特別調整手当

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N0.252

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

平成 20 年 (2008 年 )3 月 札幌市総務局職員部

日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について 平成28年度

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2 役員の報酬等の支給状況平成 29 年度年間報酬等の総額就任 退任の状況役名報酬 ( 給与 ) 賞与その他 ( 内容 ) 就任退任千円千円千円千円 法人の長 15,153 10,740 4, ( 通勤手当 ) * 前職 A 監事 千円千円千円千円 9,801 7,020 2,757

災害補償事務請求書等様式集

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

2 役員の報酬等の支給状況平成 29 年度年間報酬等の総額就任 退任の状況役名報酬 ( 給与 ) 賞与その他 ( 内容 ) 就任退任 理事長 1,418 ( 地域手当 ) 18,451 11,820 5, ( 通勤手当 ) 3 月 31 日 副理事長 1,315 ( 地域手当 ) * 1

平成27年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

資料9

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

目 次 平成 0 年職員給与等実態調査の要領 平成 0 年職員給与等実態調査の概要 () 職員数 第 表 給料表別職員数対前年比較 第 表 給料表別 部局別職員構成 第 図 給料表別職員構成 第 図 部局別職員構成 第 表 給料表別平均年齢対前年比較 第 図 年齢別職員構成 6 第 表 給料表別 学

人事行政の運営等の状況の公表について

別紙 3 吉賀町給与 定員管理等について 1 総括 (1) 人件費の状況 ( 普通会計決算 ) 住民基本台帳人口歳出額実質収支人件費人件費率 ( 参考 ) 区分 (H28 年 1 月 1 日 ) A B B/A H26 年度の人件費率人千円千円千円 % % H27 年度 6,516 7,168,97

議第 18 号 ( 趣旨 ) 三島市職員の公益的法人等への派遣等に関する条例案 第 1 条 この条例は 公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律 ( 平成 12 年法律第 50 号 以下 法 という ) 第 2 条第 1 項及び第 3 項 第 5 条第 1 項 第 6 条第 2 項 第

02 大学入試センター

の他の臨時又は緊急の必要により週休日等以外の日の午前零時から午前 5 時までの間であって正規の勤務時間以外の時間に勤務した場合は 当該職員には 管理職員特別勤務手当を支給する 第 16 条の2 第 3 項中 前 2 項 を 前 3 項 に改め 同項を同条第 4 項とし 同条第 2 項の次に次の1 項

スライド 1

隊員の退職、休職及び復職手続等について(通達)

m07 北見工業大学 Ⅰガイドライン_様式1_180614_2最終版

っては地公法第 17 条第 3 項の規定に基づき原則として競争試験により 人事委員会又は競争試験等を行う公平委員会を置かない地方公共団体にあっては同条第 4 項の規定に基づき競争試験又は選考によるものとすること なお これらの場合において 地公法第 22 条第 1 項に規定する条件附採用が適用される

職員組合の要求事項に対する県の回答 職員組合の要求事項 1 賃金及び諸手当の改善について本県の長年の労使交渉経過を尊重し 以下のとおり賃金及び諸手当の改善を行うこと (1) 基本賃金については 組合員の生活実態から一律 13,400 円以上の引上げを行うこと 県の回答 人事委員会勧告制度は 労働基本

A) であり かつ 他の全体評語が上位又は中位の段階 (B 以上 ) であること 2 段階以上の昇任により 本省部長級以上のポストに就けようとする場合 ( 本省課長級から本省局長級への昇任など ) にあっては 直近の連続した3 回の能力評価の全体評語がいずれも上位の段階 (S 又はA) であること

1 人事委員会勧告の対象職員 人事委員会の勧告の対象となるのは 給与条例の適用を受ける一般職の職員です その給料表ごとの内訳は以下のとおりです 職員数は 20,859 人であり 昨年より 130 人の減 ( 行政職については 4,681 人で 31 人の減 ) 職員の平均年齢は 43 歳 10 月で

ハ昇任させようとする日以前 2 年以内に懲戒処分等を受けていないこと ( ただし 減給は 1 年 6 月以内 戒告は 1 年以内とする ) 施行 3 年後 ( 平成 24 年 4 月 1 日 ) から適用 1 本省課長級未満の官職への昇任の場合イ直近の連続した2 回の能力評価のうち 1 回の全体評語

目次 1 給与勧告の仕組みと本年の給与改定 2 給与制度の総合的見直しの概要 9 1 給与勧告の対象職員 1 2 給与勧告の手順 2 3 高齢層職員の能力及び経験の活用 10 3 民間給与との比較 4 民間給与との比較方法 ( ラスパイレス比較 ) 民間給与との較差に基づく給与改定 5

公表表紙

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●11-1再雇用教職員の就業に関する規程31.4.1

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

内部統制ガイドラインについて 資料

資料 1 平成 27 年人事院勧告の概要

第 2 章職階および等級 ( 職 階 ) 第 7 条 職階は 職務遂行に要求される能力の範囲と程度に基づき 一般職 監督職 管理職およ ( 等級 ) 第 8 条等級は 各々の職階における職務遂行能力の成熟度の差に応じ 次の9 等級に区分するものとする 2. 前項の職階および等級の職能資格基準は 別表

第 12 回委員会資料

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

役員の報酬等の支給状況平成 8 年度年間報酬等の総額就任 退任の状況役名報酬 ( 給与 ) 賞与その他 ( 内容 ) 就任退任 法人の長 A ( 非常勤 ), ,789 0,944 4,653 4,907 9,3 4, ( 特別地域手当 ) ( 通勤手当 ) 4 月

いう (派遣除外職員)第三条福島復興再生特別措置法第四十八条の二第一項の人事院規則で定める職員は 次に掲げる職員とする 一条件付採用期間中の職員二勤務延長職員三休職者四停職者五派遣法第二条第一項の規定により派遣されている職員六官民人事交流法第八条第二項に規定する交流派遣職員七法科大学院派遣法第四条第

平成16年規程第02号_役員給与規程

目 次 再任用制度とは 1 再任用制度の対象者 4 採用 任期 勤務形態 5 休暇 6 給与 7 その他の諸制度 8 表 1 再任用職員の俸給月額 9 表 2 再任用職員の医療 年金保険 11 表 3 再任用職員の雇用保険 12 参考 1 再任用職員の給与モデル例 13 参考 2 再任用職員の年金額

1 総括 (1) 人件費の状況 ( 普通会計決算 ) 遊佐町の給与 定員管理等について 区 分 住民基本台帳人口歳 出 額 実質収支 人件費 人件費率 ( 参考 ) (26 年度末 ) A B B/A 25 年度の人件費率 平 成 人 千円 千円 千円 % % 26 年度 14,800 7,199,

2 対象職員 (1) 特別職特別職の職員の給与に関する条例 ( 平成 26 年大阪市条例第 9 号 ) 第 1 条第 1 号から第 4 号及び第 6 号に規定する職員のうち本市から給与が支払われている者 (2) 一般職地方公務員法 ( 昭和 25 年法律 261 号 ( 以下 法 という )) 第

白川村給与 定員管理等について 1 総括 (1) 人件費の状況 ( 普通会計決算 ) 区分 住民基本台帳人口 ( 平成 29 年 1 月 1 日 ) 歳出額 A 実質収支 人件費 B 人件費率 ( 参考 ) B/A 27 年度の人件費率 28 年度 1,672 人 3,311,519 千円 296,


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h23_Ⅰ給与公表ガイドライン(様式1)300619

30 お茶の水女子大学

一般行政職給料表の状況 ( 平成 3 年 4 月 1 日現在 ) 1 号給の給料月額 最高号給の給料月額 1 級 135,6 15,,9 61,9 9, 3,6 43,7 39, ( 単位 : ) 級 3 級 4 級 5 級 6 級 356,4 39,1 4,5 44,6 3 職員の平均給与月額 初

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3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

Taro-役員報酬規程( 改正)【機1完2可2】機構内限り

( 別冊 ) 職員の給与等の支給の基準 日本放送協会は 放送法第 61 条の規定に基づき 日本放送協会の職員の給与および退職金 ( 以下 給与等 という ) の支給基準を 次のとおり定める 1 基本的な考え方 給与等の支給基準を定めるにあたっては 以下の点を基本的な考え方とする 職員の給与等は 各処

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1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

福利厚生基本計画

本院の給与勧告は 国家公務員に対し 社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものであり 国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること ( 民間準拠 ) を基本としている 民間準拠を基本とするのは 国家公務員も勤労者であり 勤務の対価として適正な給与を支給することが必

める手当の月額に育児短時間換算率を乗じて得た額 (50 円未満の端数がある場合はこれを切り捨て 50 円以上 100 円未満の端数がある場合はこれを 100 円に切り上げる ) とする ( 初任給調整手当 ) 第 5 条育児短時間勤務をしている教職員の初任給調整手当の額は 給与規程第 13 条第 3

均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

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基本情報 () 非常勤職員の総数 調査対象に該当する非常勤職員の総数は 期間業務職員が 30,429 人 (54%) 期間業務職員以外の非常勤職員が 25,590 人 (46%) 合計で 56,09 人 ( うち女性 42,456 人 76%) だった (2) 非常勤職員が所属する機関 非常勤職員が

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() 給与改定の状況 身延町は人事委員会を設置していないので記載なし 1 例給人事委員会の勧告 年度 民間給与 A 円 公務員給与 B 較差 A B 勧告 ( 改定率 ) 円円 % ( %) 給与改定率 ( 参考 ) の改定率 % % 民間給与 公務員給与 は 人事委員会勧告において公民の 分の給与

1 総括 大木町の給与 定員管理等について (1) 人件費の状況 ( 普通会計決算 ) 区分住民基本台帳人口 歳出額 実質収支人件費 人件費率 ( 参考 ) ( 27 年 1 月 1 日 ) A B B / A 25 年度の人件費率 26 年度人 千円 千円 千円 % % 14, ,

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給与定員管理公表様式H27

理事 役員報酬基準は 独立行政法人国立公文書館役員報酬規程に則り 俸給 (81 8,000 円 ) 地域手当 ( 俸給に 100 分の 20 を乗じて得た額 ) 通勤手当及び期末手当としている 期末手当についても 独立行政法人国立公文書館役員報酬規程に則り 基礎額 ( それぞれの基準日現在において当

Transcription:

(8) 幹部と曹士自衛官の別建て俸給表の構築等 1 別建て俸給表の趣旨ゲリラ 特殊部隊対処 大規模災害派遣における小部隊での行動の増加 服務面の規律維持の徹底の観点から 曹クラスにおけるリーダーの重要性が増大している 本来 幹部とは異なる役割を有する准曹に対し 自衛隊の任務の多様化に当たり 求められる役割の重要性を自覚させ 勤務意欲を向上させていくためには 曹士自衛官の目標となる階級を新設 ( 項目 (10) 参照 ) することに加え 幹部と准曹士を分けた別建て俸給表とし 昇任インセンティブが働きやすい俸給表を構築することが必要である 2 現行の自衛官俸給表の問題点現行の自衛官俸給表には 解決が必要な以下の問題点がある ア本来 幹部と准曹の役割は異なり 別の任用体系となっているにもかかわらず C 幹部の存在により 准曹から幹部に昇任する前提で一つの俸給表により管理しているため 俸給表上 幹部と准曹の役割の相違等が明確化されていない イ現行の自衛官俸給表は職務内容の比較的類似する行政職俸給表 ( 一 ) と公安職俸給表 ( 一 ) を基準とし 俸給表の水準を決定している 自衛官の階級が将から3 士までの17 区分に対し 行政職俸給表 ( 一 ) の職務の級では10 区分 公安職俸給表 ( 一 ) の職務の級では11 区分と異なっており 一般職の俸給表の一つの職務の級に対応する複数の階級が混在し 特に公安職俸給表 ( 一 )3 級には2 尉から2 曹の6 階級が対応する構造である さらに 上記アで述べた理由により 准曹の俸給水準を3 尉より高い水準に設定することができない これらの要因により 昇任しても僅かな俸給額の増加に留まり 上位階級への昇任のインセンティブが働きにくい状況にある -29-

参考 1: 自衛官俸給表の算定上の対応関係 参考 1 自衛官俸給表の算定上の対応関係 自衛官 ( 階級 ) 一般職の基準俸給表級等 将将補 ( 一 ) 指定職 8 号俸 ~1 号俸 4 号俸 ~1 号俸 将補 ( 二 ) 10 級 9 級 1 佐 ( 一 ) 9 級行政職 ( 一 ) 1 佐 ( 二 ) 8 級 1 佐 ( 三 ) 7 級 2 佐 7 級 6 級 3 佐 6 級 5 級 1 尉 5 級 4 級 2 尉 3 尉准尉 4 級 3 級 曹長公安職 ( 一 ) 1 曹 3 級 2 曹 3 曹 2 級 士長 1 士 2 士 1 級 3 士 の級については 構造上 その階級の低位号俸に一部使用 6 コ階級が 2 つの級に対応 昇任間差の乏しい俸給構造 ウ将補及び1 佐は 編成上それぞれ一つの階級として捉えているにもかかわらず 自衛官俸給表においては将補 ( 一 )( 二 ) 1 佐 ( 一 ) ( 二 )( 三 ) といった職務給の考え方による区分が設けられており その結果 階級内に階級があるような取扱いとなっている 3 問題解決の具体策上記問題点を解決するために 以下の具体策が必要である ア幹部と准曹を別建てとした俸給表を構築する イ各階級の職階差に見合う給与格差のある俸給表とする ウ上級曹長 ( 仮称 ) 等の高位号俸の者には 上位階級の最高号俸の者を上回る額の俸給を支給する エ上級曹長等の特定の者には 特例的な俸給月額を支給する オ将補 ( 一 )( 二 ) 及び1 佐 ( 一 )( 二 )( 三 ) の区分を廃止し 階級俸の考え方に統一する -30-

参考 2: 新自衛官俸給表のイメージ案 4 具体化に当たっての留意点別建て俸給表の具体化に当たって 上記問題点の一因と考えられる一般職の俸給表を基準としている点については 一般職の俸給表に立脚しないとの観点で検討するとともに 本検討会で検討されている階級新設 A B 幹部の拡大など他の関連施策と連携しつつ検討を行っていく必要がある 具体化に当たっての留意点は以下のとおりである ア一般職の俸給表を基準としないこととするメリットとして 一般的には ( ア ) 自衛官の特殊性を反映した独自のメリハリのある俸給表の構築が可能 ( イ ) 一般職の職務段階区分によらないことにより 現行の将補 1 佐のような階級内の職務給区分を解消することも可能 ( ウ ) 一般職公務員給与についての勧告によることなく主体的な施策が可能となることが挙げられるが その場合の具体的な俸給表の決定方法については 更に検討を進める必要がある イ具体的な俸給水準の設定に当たっては 各階級の職階差に見合う給与格差を設けることに配意しつつ 各階級の職務 職責の整 -31-

理を行った上でこれに相応しい処遇とする ウ新たな ワン スター ジェネラル と 上級曹長 ( 仮称 ) の階級創設については その職務 職責を適切に評価した俸給水準を設定するための検討を進めていく 特に 上級曹長 については 別建て俸給表における上位階級の最高号俸を上回る額の俸給水準の検討と併せ 更に検討を深化させる エ任務の多様化 国際化 装備の高度化に対応するためA B 幹部の拡大とC 幹部の抑制を検討しているが これと連携しつつ その人事管理に見合った適切な俸給表への反映を行うことが必要となる オ将補 ( 一 )( 二 ) 1 佐 ( 一 )( 二 )( 三 ) の区分については 将補と1 佐の職責の幅が広い現状の考え方を整理し これらを廃止した場合の影響を踏まえつつ 階級俸の考え方に統一することの検討を深化させる 参考 3: 新自衛官俸給表構築に当たっての細部検討事項 新自衛官俸給表構築に当たっての細部検討事項 参考 3 1 俸給表別建てに関する人事制度等の検討 幹部と曹士の人事管理の切り分け C 幹部の取扱いの整理 下位階級( 准尉又は上級曹長 ) の俸給の一部が 上位階級 (3 尉 ) の最高号俸による俸給を上回ることに係る職責評価の考え方を整理 ( 例えば 従前幹部が行っていた職責を新たに上級曹長に付与することなど ) 2 新設階級 1 佐職の俸給水準等の検討 新設階級( ワン スター ジェネラル ) の職責評価と 将補 1 佐とのバランスを考慮した俸給水準の考え方 昭和 60 年改定時の1 佐 ( 一 )( 二 )( 三 ) 新設時との変化要因と再統合の考え方の整理 准尉と上級曹長の位置付けの整理( 准尉の存続の是非 ) 3 俸給表作成においての技術的事項 C 幹部を廃止した場合の経過措置の検討 昇給方法の検討 B 幹部についての初任給等の検討 4 財源確保の具体的方法 切替えの具体的要領 ( 経過措置 ) の検討 財源とする具体的階級 号俸の整理と当該号俸の在職者に係る現給保障措置の検討( 現給保障に要する財源についても要検討 ) 現在進行中である給与構造改革に係る俸給の経過措置との整合性の検討 上記の点に留意することに加え 一般職の俸給を基準としない場合には 自衛官俸給表の合理性等につき 国民の理解 納得を得る新たな手段が必要となることや独自調査の人員 経費に係る予算等 -32-

の必要性などを踏まえ 更に具体化への検討を進める 5 検討スケジュール各階級の職階差に見合う給与格差のある別建て俸給表への移行時期については 俸給表に関連する各種検討と連携するとともに 平成 22 年度まで逐次実施が図られている給与構造改革の進捗状況も念頭に置きつつ具体化するものする また 平成 20 年度より 人事教育局に新たな自衛官俸給表の構築に係る検討を本格化させるための組織を立ち上げる等の方向で検討する 参考 4: 別建て俸給表に関する全体ロードマップ -33-

参考 5: 検討を本格化させるための組織新設 検討を本格化させるための組織新設参考 5 19 年度改編 20 年度 ( 現段階において検討中の案 ) 人事教育局長 人事教育局長 人事計画 補任課 服務管理官 再就職審査室 人事計画 補任課 服務管理官 再就職審査室 人事制度課制度企画班研究班給与室 人事制度課男女共同参画推進企画室階級制度企画室制度企画班給与課 給与調査官 : 新設 陸上幕僚監部においては 人事制度と給与制度の連携を高めるため 20 年度に給与室を厚生課から人事計画課に移管する組織改編を行うことを検討 海上幕僚監部においては 男女共同参画の推進を図るため 20 年度に増員を行うことを検討 航空幕僚監部においては 人事 給与それぞれの検討体制を強化すため 20 年度に増員を行うことを検討 -34-

(9) 自衛官の諸手当の再整理 1 問題意識 ア防衛省職員に対して支給される諸手当については 基本的には一般職公務員との均衡を考慮して定めているが 自衛官については その任務の特殊性を評価した独自の手当も存在している これら独自の手当 ( いわゆる 配置手当 及び一部の特殊勤務手当 ) については 制度創設以来抜本的な見直しが行われていないものがある ( 注 ) いわゆる 配置手当 とは : 他の自衛官の勤務態様に比し 格段と危険 困難 不快等の度が異なる自衛官に対して支給する俸給の調整的意味をもつもの 航空手当 乗組手当 落下傘隊員手当 特別警備隊員手当 特殊作戦隊員手当の5 種類 参考 1: 防衛省職員に支給される諸手当について 防衛省職員に支給される諸手当について参考 1 諸手当については 基本的には一般職の国家公務員との均衡を考慮して定めているが 自衛官については その任務の特殊性を評価した独自の手当が存在 いわゆる 配置手当 他の自衛官の勤務態様に比し 格段と危険 困難 苦痛 不快の度が異なる自衛官に対して支給する俸給の調整的意味をもつもの 航空手当 乗組手当 落下傘隊員手当 特別警備隊員手当 特殊作戦隊員手当 特殊勤務手当著しく危険 不快 不健康又は困難な勤務その他著しく特殊な勤務で給与上特別な考慮を必要とし かつ その特殊性を俸給で考慮することが適当でないと認める隊員には その勤務の特殊性に応じて支給 爆発物取扱作業手当 航空作業手当 災害派遣等手当等 18 種類 その他の手当 海外に派遣される隊員に支給される手当国際平和協力手当 イラク人道復興支援等手当 特殊勤務手当 ( 特別協力支援活動等手当 国際緊急援助等手当 ) 航海手当艦船に乗り組んでいる自衛官に対し その者が乗り組む艦船が航海を行った日について 旅費に代えて支給 -35-

自衛官に支給される諸手当 一般職の国家公務員の例により又は準じて支給される手当防衛省独自の手当備考 平成 19 年 4 月現在 俸給の特別調整額 特殊勤務手当 ( 注 1) 航空手当 ( 注 2) 国際平和協力業務に従事する者には 国際平和協力法に基づく国際 扶養手当 爆発物取扱作業等手当 乗組手当 ( 注 3) 平和協力手当が支給される 初任給調整手当 航空作業手当 落下傘隊員手当 地域手当 異常圧力内作業等手当 特別警備隊員手当 ( 注 4) イラク特措法に基づく対応措置に従事する者には 同法に基づくイ 広域異動手当 駐留軍関係業務手当 特殊作戦隊員手当 ラク人道復興支援等手当が支給される 住居手当 南極手当 航海手当 ( 注 5) 通勤手当 夜間看護等手当 営外手当 注 1: 一般職の特殊勤務手当と見合い 単身赴任手当 除雪手当 特殊勤務手当 機関部作業手当 : 手当廃止に伴う経過措置 (20.3.31まで支給) 管理職員特別勤務手当 死体処理手当 落下傘降下作業手当 特地勤務手当 災害派遣等手当 特別協力支援活動等手当 注 2: 一般職の俸給の調整額 ( 航空機乗員 )+ 航空手当と見合い 寒冷地手当 移動警戒作業手当 期末手当 夜間特殊業務手当 注 3: 一般職の俸給の調整額 ( 船舶乗組員 ) と見合い 勤勉手当 航空管制手当 期末特別手当 国際緊急援助等手当 注 4: 一般職の俸給の調整額 ( 特殊警備隊 ) と見合い 船舶検査等手当小笠原手当 注 5: 一般職の航海日当と見合い 機関部作業手当 ( 参考 ) 区分支給率 ( 例 ) 対象者数予算額 操縦士等 : ジェット機 初号俸の75% 航 空 手 当 : ジェット機以外 初号俸の60% 約 0.7 万人 約 126 億円 : 管理操縦士 初号俸の37.5% 潜水艦乗組員 : 俸給月額の 4 5. 5 % 乗 組 手 当 護衛艦等乗組員 : 俸給月額の33% 約 1.7 万人 約 194 億円 輸送艇乗組員 : 初号俸の 2 6. 4 % 支援船等乗組員 : 初号俸の16.5% 落下傘隊員手当初号俸の 33% 約 0.2 万人約 14 億円 特別警備隊員手当初号俸の33% - 約 0.6 億円 特殊作戦隊員手当初号俸の33% - 約 2 億円 注 :1 対象者数及び予算額は 19 年度予算ベース 2 管理操縦士 とは 操縦に関する技能の維持向上のため防衛大臣の定める基準に従い飛行を行うことを命ぜられている自衛官をいう 3 一般職の操縦士 乗組員には 俸給の調整額 が俸給として支給される イ一方 以下のとおり 防衛省 自衛隊を取り巻く状況の大きな変化や政府部内外の指摘等に応えるとともに 隊員が安んじて勤務できる環境の醸成を図る観点から隊員に支給される手当を再整理することが必要である ( ア ) 自衛隊の任務の多様化 国際平和協力活動の本来任務化 少子化問題の生起や 装備品 勤務態様 社会経済情勢など 自衛隊を取り巻く状況の大きな変化 ( イ ) 複数の手当があってわかりにくい 魅力ある給与体系をつくるべき 実際に乗り組まなくても支給 他の行政機関との比較や手当存置の根拠及び手当相互の関係の合理性等の観点から見直すべき等 手当の在り方等についての政府部内外から指摘 ( ウ ) 本検討会で検討している俸給の在り方の見直しへの対応及び政府全体で取り組んでいる総人件費改革への対応 -36-

参考 2: 防衛省の諸手当に関し指摘されている論点 防衛省の諸手当に関し指摘されている論点 参考 2 17.10.21 衆 安保委渡辺周議員 ( 民 ) 防衛庁独自の手当は幾つもあって 非常にわかりにくいというより 一般的に解せない部分がある 18.12.8 衆 安保委前田雄吉議員 ( 民 ) 配置手当が間違っているというのではなく 本当に危険な任務であるので 魅力ある給与体系を作るべき 18.11.25 東京新聞 配置手当は 対象部署に在籍していれば 実際の勤務がない責任者などにも支払われる 18.11.17 毎日新聞 配置手当は 実際に航空機や艦船に乗り込まなかったり 落下傘降下をしなくても 支給対象の部隊に所属していれば毎月支給される また 現役パイロットでない空自幹部も部隊に所属してるだけで月給の 37.5% の手当が付く 18.11.22 財政制度等審議会 国民の理解を得て歳出 歳入一体改革に取り組むには まず政府自らが公務員人件費の改革を実行することが不可欠 パイロットの航空手当や艦船乗員の乗組手当等の自衛官に特有の手当についても 国の行政機関 ( 一般職公務員 ) との比較や 手当存置の根拠及び手当相互の関係の合理性等の観点から 必要な見直しを行っていくべきである 自衛官に特有の手当を始めとする諸手当についても 支給実績が極めて乏しいもの 技術の進歩 社会情勢の変化により特殊性が薄れているものを中心に 見直しを進める必要がある 注 : 配置手当 は 航空機や艦船に乗り組んでいる自衛官や落下傘降下作業を行うことを本務とする自衛官 操縦に関する技能を維持向上させるため飛行を行うことを命ぜられている等の自衛官に支給される 2 諸手当の再整理の観点 配置手当 及び特殊勤務手当の種類 支給範囲 支給水準等を精査し 再整理する際には 安んじて職務に専念でき かつ 国民の理解を得られるよう 以下の観点から検討を行う ア諸情勢の変化への対応 ( ア ) 自衛隊の業務の特殊性を反映しているか ( イ ) 人材確保のための真に必要な手当となっているか ( ウ ) 手当制定時の趣旨 情勢に変化はないか イ 特殊性や専門性の高い業務に対する処遇の確保真に苦労した者に報いる手当体系となっているか ウ政府部内外からの指摘等への対応 ( ア ) 俸給と手当で2 重に評価していないことが 誤解なく理解されるか ( イ ) 手当額の水準は 適正に業務の特殊性 実績を評価しているといえるか -37-

エ俸給の見直しへの対応 ( ア ) 俸給で評価されていない部分が適正に評価されているか ( イ ) 俸給と手当の配分比は適正かオ総人件費改革への対応人件費増とならないよう配慮 3 問題解決の具体策の例ア具体的な いわゆる配置手当 の再整理の方策は 例えば以下のようなものがが考られる ( ア ) 現行制度を維持した上で再整理業務の特殊性の精査による支給割合や支給範囲の再整理又は航空機や艦船の種類による支給率区分等の再整理 論点 : 業務の特殊性の評価がより適正化される一方 一般職の操縦士 船舶従事者 医師等の恒常的な業務の特殊性は俸給の一部 ( 俸給の調整額 ) として評価されているところ 防衛省においては 引き続き手当として支給されることとなる ( イ ) 実績評価を導入現行の制度そのものは残すものの 実績に応じて評価する部分や減額規定の導入 論点 : 実績に応じた評価が可能となる一方 実績の評価方法 ( 回数 時間等 ) や単価の設定の在り方に検討が必要 ( ウ ) 俸給の調整額化恒常的に特殊性のある業務に対する評価については 一般職と同様に 俸給の調整額 により評価することとし いわゆる配置手当 は廃止する 論点 : 一般職と同様の制度になるためわかりやすくなる一方 地域手当等の基礎になる ( 配置手当 はならない ) ため 適正な支給水準の検討が必要 ( 注 ) 俸給の調整額 とは: 官職の職務の複雑 困難及び -38-

責任の度又は勤労の強度 勤務時間 勤労環境等が 一般的に俸給表で考慮されている限度を著しく超え かつ それらの特殊性が勤務時間の全般にわたり 恒常的 安定的に観られる場合に支給されるもの 俸給の調整額は 俸給の一部であり 俸給を基礎とする地域手当等の基礎にも含まれる 調整基本額 ( 職務の級に応じた定額 ) 調整数 ( 職務の特殊性に応じ 1~6) イ特殊勤務手当の再整理は 以下によることが考られる ( ア ) 業務の特殊性等を精査の上 再整理 ( イ ) いわゆる配置手当 の再整理と連動するものの手当額の再整理 ( ウ ) 一般職の同種手当の見直しに伴う支給範囲の変更等 4 今後の検討 本検討会の検討項目となっている 別建て俸給表 の中で行うこととしている俸給の見直しが いわゆる配置手当 及び特殊勤務手当の水準決定等に大きな影響を及ぼすため 同見直しの方向性を注視しつつ 本検討を深化させる ただし 早期結論が可能なもの等については 逐次措置していく -39-

(10) 新たな階級の創設 1 問題意識 新たな安全保障環境の下 防衛省 自衛隊には 任務の多様化への対応や更なる高い即応性等が求められており これらに見合った適正な階級構成とすることが必要である -40-2 検討の方向性アワン スタ- ジェネラルの創設国際平和協力活動及び防衛交流の拡大に伴い 諸外国と協同して任務を遂行する機会が増加しているが 自衛隊には ワン スタ- ジェネラル がないように 必ずしも諸外国の軍隊と階級上の均衡がとれていない面がある ワン スタ- ジェネラルの創設検討に当たっては まず諸外国軍隊における将官階級の調査研究を詳細に実施するとともに 我が国自衛隊における将官及び1 佐の職務 職責を整理する その上で 我が国の編制上の特殊性等を考慮しつつ 今後付与すべき職務 職責 階級呼称等を検討し ワン スタ- ジェネラルを創設する必要がある 参考 1: 諸外国陸軍と陸上自衛隊の将官階級比較 区分米国陸軍英国陸軍陸上自衛隊 General General ( 大将 ) ( 大将 ) Lieutenant General Lieutenant General ( 中将 ) ( 中将 ) 陸 将 Major General Major General ( 少将 ) ( 少将 ) 陸 将 補 Brigadier General Brigadier ( 准将 ) ( 准将 ) - 参考 2: 将官及び1 佐 ( 一 ) の主な官職 ( 10) 資料編 P44 参照 )

イ上級曹長の創設等ゲリラ 特殊部隊対処 大規模災害派遣等において 小部隊における行動の必要性が増し また 服務面における規律維持のより一層の徹底という観点からも 曹クラスのリ-ダ-の重要性が増大していることから 曹士自衛官の更なる活性化を図るための明確な目標となり得る階級 上級曹長( 仮称 ) を創設する必要がある 上級曹長の創設に当たっては 以下の2つの論点を整理することが必要となる ( ア ) 准尉の位置付けの整理現行の曹士における目標階級の一つとなっている准尉は 高い専門性を有する技術職配置 と 准曹士最高位としての総括的配置 という二面性を有しており その性格が不明確なことから 上級曹長創設の検討に併せてその位置付けを整理することが必要となる 具体的には 海上自衛隊における准尉は全て専門的技術職であり 幹部を補佐する準幹部として配置されているが 陸上自衛隊にあっては専門的技術職の配置にある者は約 1/3 航空自衛隊にあっては約 4 割であり これら三自衛隊の実態を勘案した上で その整理を行う必要がある 参考 3: 准尉の概要 -41-

-42- ( イ ) 上級曹長の職務 職責の整理上級曹長の創設検討に当たっては 諸外国軍隊における准 下士官階級の調査研究を詳細に実施するとともに 各自衛隊における曹士の活性化施策である陸自上級曹長制度 ( 検証中 ) 海自先任伍長制度及び空自准曹士先任制度 ( 試行中 ) の職務 職責を詳細に分析した上で 上級曹長の職務 職責を整理することが必要となる 参考 4: 各自衛隊の曹士の活性化に関する施策の概要 ウ階級新設の時期等新設する階級については 今後付与すべき職務 職責を適切に評価し これに見合う処遇を確保した俸給水準を設定する必要があることから その創設は現在検討を進めている 幹部と曹士自衛官の別建て俸給表 の導入に併せて行う また 新設階級に係る定年年齢 相応しい叙位 叙勲等についても併せて検討を進める

3 当面の措置 階級新設等の検討を本格化させるため 平成 20 年度より 人事教育局に当該検討を専属的に担う組織を立ち上げるとともに 諸外国軍隊の階級制度等の調査を行う方向で検討する -43-

( 10) 資料編 参考 2: 将官及び1 佐 ( 一 ) の主な官職 -44-