授業の一例 高校生版 薬の正しい使い方 監修 : 法政大学スポーツ健康学部教授鬼頭英明先生
薬〇 クイズ 〇か で答えてください 第 1 問風邪をひいた時 薬をのまなくても治ることがある 第 2 問薬は少量の水でのむ方がよく効く 第 3 問薬ののみ方は自分の判断で変えても良い
病気やけがを乗り切るために 本来人間が 持っている力です 病気やけがから回復する 時に働きます 自然治癒力 暖かくして早く寝ていたら良くなった! 自然治癒力ってすごいんだね
薬〇 クイズ 第 1 問風邪をひいた時 薬をのまなくても治ることがある 答え
薬の正しいのみ方 3 つのルール! のみ薬は 原則として 1コップ1 杯の量の 2 水かぬるま湯で 3そのまま ( 錠剤を噛んだりカプセルを外したりしないで ) のみましょう!
薬〇 クイズ 第 2 問薬は少量の水でのむ方がよく効く 答え
薬の血中濃度 高い 危険な範囲 薬の血中濃度 効き目が現れる範囲 効き目が現れない範囲 時間 朝のむ昼のむ夜のむ
薬の血中濃度 ( 正しくないのみ方 ) 高い 危険な範囲 薬の血中濃度 効き目が現れる範囲 効き目が現れない範囲 時間 朝のむ 夜 2 回分のむ 昼のみ忘れて夜 2 回分のむのはダメ!!
薬の説明書をきちんと読んで 使用回数 使用時間 使用量 ( 用法 用量 ) を守ろう!
薬〇 クイズ 第 3 問薬ののみ方は自分の判断で変えても良い 答え
さて 高校では
この授業で学ぶこと 1 医薬品には 医療用医薬品と一般用医薬品がある 2 承認制度により有効性や安全性が審査されている 3 販売に規制がある 4 疾病からの回復や悪化の防止には 個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り 正しく使うことが必要である 5 副作用については 予期できるものと 予期することが困難なものがある
質問 薬はどこで売っていますか?
この授業で学ぶこと 1 医薬品には 医療用医薬品と一般用医薬品がある 2 承認制度により有効性や安全性が審査されている 3 販売に規制がある 4 疾病からの回復や悪化の防止には 個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り 正しく使うことが必要である 5 副作用については 予期できるものと 予期することが困難なものがある
医療用医薬品と一般用医薬品 医薬品には 大きく分けて 医療用医薬品 と 一般用医薬品 があります 医療用医薬品 医薬品 一般用医薬品 (OTC 医薬品 )
医療用医薬品 ( 処方 1 薬 ) 医師が患者さんの症状にあわせて出す 処方薬のこと 医師 歯科医師の診断の上発行された処方せん 2 が必要 保険薬局にて薬剤師が調剤 処方された薬は指示通り最後まで飲むことが原則 自己判断で止めたりしてはダメ 1 処方 : 医師が特定の患者の疾病に対して 治療に必要な医薬品を選定し その分量および用法 用量ならびに使用期間を定めた内容 2 処方せん : 処方を記載したもの また 薬剤師に対して その処方に従って医薬品を整えることを要求するための文書
医療用医薬品と一般用医薬品 医薬品には 大きく分けて 医療用医薬品 と 一般用医薬品 があります 医療用医薬品 医薬品 一般用医薬品 (OTC 医薬品 )
一般用医薬品 (OTC * 医薬品 ) 処方せんがなくても自分の判断で購入できる薬のこと 消費者の判断で購入できる ( 処方せん不要 ) 薬局やドラッグストアなどで購入できる 効果や副作用 使用方法などにより3つに分類される * Over The Counter の略
セルフメディケーション 自分自身の健康に責任を持ち 軽度な身体の不調は自分で手当てすること (WHO の定義より ) 出典 :DVD 医薬品とは - 高等学校医薬品教育用教材 -
一般用医薬品の 3 つの分類 医薬品 医療用医薬品 要指導医薬品 新薬 ( 先発医薬品 ) ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) 第一類医薬品 一般用医薬品 (OTC 医薬品 ) 第二類医薬品 第三類医薬品
一般用医薬品の分類 医薬品分類 一般用医薬品 第 1 類医薬品第 2 類医薬品第 3 類医薬品 該当するもの OTC 医薬品としての使用実績が少ないものや副作用などで安全性上とくに注意を要するもの 副作用などで安全性上 注意を要するもの 副作用などで安全性上 多少の注意を要するもの 医薬品の例 H2 ブロッカー含有胃腸薬 一部の毛髪用剤など 主なかぜ薬 解熱鎮痛剤 胃腸鎮痛鎮痙剤など 一部のビタミン剤 主な整腸剤 消化剤など 対応する専門家 薬剤師 薬剤師または登録販売者 情報提供 書面での情報提供 ( 義務 ) 努力義務 法律上の規定無し 相談対応義務 インターネット販売 可
一般用医薬品の分類 医薬品分類 該当するもの該当するもの 医薬品の例医薬品の例 一般用医薬品一般用医薬品要指導医薬品第 1 類医薬品第 1 類医薬品第 2 類医薬品第 2 類医薬品第 3 類医薬品第 3 類医薬品 OTC 医薬品としての使用実績が少ないものや副作用などで安全性上とく 医療用医薬品 のに注意を要するもの成分から転用され現在 約 20 品目が指定されている H2ブロッカー含有胃腸薬 一部の毛髪用剤など 対応する薬剤師対応する専門家薬剤師薬剤師 情報提供情報提供 書面での情報提供 ( 義務 ) 書面での情報提供 ( 義務 ) 副作用などで安全性上 注意を要するもの OTC 医薬品としての使副作用などで安全性用実績が少ないものや上 注意を要するも副作用などで安全性上のとくに注意を要するもの 主なかぜ薬 解熱鎮痛剤 胃腸鎮痛鎮痙剤など H2ブロッカー含有胃腸薬 一部の毛髪用剤など 書面での情報提供努力義務 ( 義務 ) 相談対応義務相談対応義務インターネット可販売 インターネット販売不可 ( 対面販売のみ ) 主なかぜ薬 解熱鎮痛剤 胃腸鎮痛鎮痙剤など 副作用などで安全性上 多少の注意を要するもの 副作用などで安全性上 多少の注意を要するもの 一部のビタミン剤 主な整腸剤 消化剤など 一部のビタミン剤 主な整腸剤 消化剤など 薬剤師または登録販売者薬剤師または登録販売者 努力義務法律上の規定無し法律上の規定無し 義務 可
薬剤師と登録販売者 薬剤師 : 薬学部を卒業し 国家試験に合格 薬剤師 登録販売者 協力 : ツカハラ薬局 登録販売者 : 実務経験を経て 都道府県で行われる資格試験に合格
この授業で学ぶこと 1 医薬品には 医療用医薬品と一般用医薬品がある 2 承認制度により有効性や安全性が審査されている 3 販売に規制がある 4 疾病からの回復や悪化の防止には 個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り 正しく使うことが必要である 5 副作用については 予期できるものと 予期することが困難なものがある
グループワーク 医薬品は有効性と安全性をいろいろな方法で 確認して作られます 開発される順に並び替えてみよう 薬の候補となる物質の 人を対象とした有効性と安全性の試験 発売後の安全性や使用法の確認 厚生労働省による承認 厚生労働省への承認申請と専門家による審査 実験室での薬の候補の有効性と安全性の確認 薬のもととなる物質の発見
有効性や安全性の審査 / 動画再生 (4 分 ) DVD 医薬品とは - 高等学校医薬品教育用教材 - 本編 Chapter3 医薬品ができるまで 0:38~4:38 を再生又は以下にアクセス http://www.rad-are.com/textbook/highschool/index.html
薬ができるまで 製造販売後調査 試験 発売後の安全性や使用法の確認 承認と発売 厚生労働省による承認 承認申請と審査 1~2 年 厚生労働省への承認申請と専門家による審査 臨床試験 3~7 年 薬の候補となる物質の 人を対象とした有効性と安全性の試験 基礎研究 2~3 年 非臨床試験 3~5 年 実験室での薬の候補の有効性と安全性の確認 薬のもととなる物質の発見 研究開発期間 :9~17 年成功確率 :1/ 約 30,000 * 図表 数値 : 日本製薬工業協会 明日をになう新薬 てきすとぶっく 2012 より改変 医薬品は有効性と安全性をいろいろな方法で確認して作られます
医療用医薬品 ( 新薬とジェネリック医薬品 ) 新薬 発売新しい成分の開発 新薬だけの期間 ジェネリック 製品化 発売 新薬とジェネリックを選択できる期間 新薬 ( 先発医薬品 ) ジェネリック ( 後発医薬品 ) 新しい成分を開発し 初めて発売する医薬品 成分は新薬と同じで その開発費が不要のため 低価格
この授業で学ぶこと 1 医薬品には 医療用医薬品と一般用医薬品がある 2 承認制度により有効性や安全性が審査されている 3 販売に規制がある 4 疾病からの回復や悪化の防止には 個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り 正しく使うことが必要である 5 副作用については 予期できるものと 予期することが困難なものがある
医薬品の種類 ( 剤形 ) 薬の効果や安全性を考えて 薬の剤形が考えられています 内用剤口から飲む薬 外用剤皮膚 目 鼻などの粘膜に使用する薬 軟膏 貼付剤 注射剤皮膚や筋肉 あるいは血管内に直接入れる薬 カプセル 錠剤 トローチ 点眼剤 散剤 ( 粉ぐすり ) シロップ剤 消毒薬
薬の説明書 医療用医薬品 一般用医薬品
主作用と副作用 すべての医薬品は 主作用 と 副作用 を併せ持っています 主作用 薬本来の目的である病気を治したり症状を軽くする働き 薬を服用 効いた 副作用 薬本来の目的以外の好ましくない働き 主作用 副作用
主作用と副作用 ( 抗アレルギー剤 ) 主作用 ヒスタミン受容体をブロックし 鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状をやわらげる 鼻 脳 副作用 ヒスタミン受容体をブロックし 眠気が起こる ヒスタミンは脳内では覚醒を維持
主作用と副作用 ( 解熱鎮痛剤 ) 主作用 炎症や痛みに関与するプロスタグランジン の生成を抑制し 炎症や痛みを抑える 歯 胃 副作用 胃粘膜保護作用のあるプロスタグランジン の生成が抑制され 胃腸障害が起こる 歯 胃 プロスタグランジン :20 個の炭素鎖からなる生理活性物質で痛みの増強や発熱 胃粘液分泌促進作用等をもつ
副作用が起こる原因 薬の性質によるもの 例 : 患部以外のところに作用した 薬の使い方によるもの 例 : 多くのんでしまった 副作用 使う人の体質 体調によるもの 予期できないもの 例 : アレルギー体質 飲み合わせによるもの 例 : 他の薬と一緒に飲んだ 例 : 新しい副作用
副作用への対処 副作用かな? と思ったら ( いつもと異なる症状が現れた場合 ) すぐに医師または薬剤師に相談しましょう すぐに 薬を処方した医師や薬剤師に対応方法を聞きましょう この薬をのむと お腹の調子が 良くないのですが それでは 別の薬に変えて みましょう 医師 薬剤師の対応方法としては 様子を見る 服薬を減量したり 中止したり 同じ効き目の薬に変更するなどの方法が考えられます 自己判断せず相談することが大切です
まとめ 1 医薬品には 医療用医薬品と一般用医薬品がある 2 承認制度により有効性や安全性が審査されている 3 販売に規制がある 4 疾病からの回復や悪化の防止には 個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り 正しく使うことが必要である 5 副作用については 予期できるものと 予期することが困難なものがある