はじめに スノーリゾート地域の活性化は 国内外の旅行者がともに減少する冬期の観光振興を進める上で極めて重要であり 観光庁では平成 27 年から スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 を開催し スノーリゾート地域を取り巻く状況の調査 分析等を通じて 本年 4 月に今後の取組の方向性等について最終報

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Ⅰ 観光振興計画制定の背景 1 観光による地域振興 観光立国推進基本法 に基づき策定された 観光立国推進基本計画 の中で 観光立国の実現は地域経済の活性化 雇用機会の増大 国民の健康の増進 潤いのある豊かな生活環境の創造 国際相互理解の増進等の意義を有するものである と位置づけられています また 東

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国内観光復興に向けた取組 3. 来てもらう ( 観光業における風評の払拭 )(4)1 県外からの旅行者の回復に向けた施策 (a) 福島県ならではのコンテンツを発信する これまでの取組内容 日本酒ツーリズム増進事業全国新酒鑑評会で 金賞受賞数が5 年連続で日本一に輝いた 福島県の酒蔵について スタンプ

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要地域の核となる観光資源のブラッシュアップ等の取組と, その観光資源の魅力を伝える戦略的なプロモーション, 観光客のニーズに応える受入態勢の整備を連動させることにより, 観光客の誘致と周遊促進が一層図るとともに, 観光客の興味を刺激する 広島県の魅力

を更新したオフィシャルブックを使用している このオフィシャルブックの 2019 年版では インバウンドを意識した内容を組み込みたいと考えており 北海道大学遠藤先生の協力のもと内容を検討している 研修会を通して全国に行き渡るので かなり効果的にインバウンド対策ができると考えている 東京都スキー連盟には

別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

昇龍道フ ロシ ェクト 資料 3 昇龍道プロジェクトの 平成 31 年度活動方針 ( 案 ) 2019 年 3 月 8 日第 10 回昇龍道プロジェクト推進協議会

平成 31 年度 (4 年目 ) 平成 32 年度 (5 年目 ) KPI 増加分の 累計 100,000 人 112,000 人 52,200 人 4,500 千人 4,700 千人 1,250 千人 1,928 億円 1,997 億円 601 億円 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体

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目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

数値目標 KPI 山口ゆめ花博の山口きらら博記念公園県外からの入場者数の年間利用者数 年月 申請時 - 57 万人 平成 28 年 12 月 初年度 - 57 万人 平成 30 年 3 月 2 年目 6 万人 87 万人 平成 31 年 3 月 3 年目 - 67 万人 平成 32 年 3 月 対象

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 チャリ旅!~ 栃木県北サイクルツーリズム事業 ~ 2 地域再生計画の作成主体の名称大田原市及び矢板市並びに栃木県那須郡那須町 3 地域再生計画の区域大田原市及び矢板市並びに栃木県那須郡那須町の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 地方創生の実現における構造的な課

北海道ドライブ観光促進社会実験 実施結果 1 例N 3を表示凡アプリ利用者の属性 実験期間中 1,211 人の外国人観光客が北海道内でアプリ Drive Hokkaido! を利用 ( 実験期間中の全道の外国人レンタカー貸渡台数 19,543 台の約 6% に相当 ) 国 地域別では香港 シンガポー


スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 最終報告概要 概要 目的スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 構成: 有識者 15 名 ( 座長 : 原田宗彦早稲田大学教授 ) 目的: スノーリゾート地域の活性化に向けて スノーリゾート地域やスノースポーツの現状及び課題を整理し スノーリゾート地域の今

マートシティ2020 年に向けた政策展開のポイント 訪都外国人旅行者の更なる誘致を目指し 東京 2020 大会とその先を見据えた戦略的な観光プロモーションを展開 多様な旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるよう 観光案内機能の充実や多言語対応の強化等 受入環境の整備を推進 ナイトライフ観光の取組や地域

6光産業振興に向けた現状と課題 ( 東京の魅力の発信と多様な旅行者誘致の展開 ) 東京の旅行地としての魅力を効果の高い手法で海外に発信し その浸透を図ることが重要となっている そのため 国や地域ごとに旅行者の特性に応じた東京の魅力のPRと多様な形での旅行者誘致活動 ( プロモーション ) を進めるこ

2 おもてなしの推進 本県を訪れた旅行者がやすらぎと感動を覚え 再び訪れたくなる魅力ある地域づくりを進めるため 地域への誇りと愛着に基づくおもてなしを県民総参加により推進します 1 満足度 ( アンケート調査で非常に満足と答えた観光客の割合 ) 45% 以上 2 リピーター率 67% 以上 おもてな

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

今後の観光振興策に関する意見 ~ 新たな観光ビジョン 策定への期待 ~ 平成 28 年 2 月 18 日日本商工会議所 1. 基本的考え方 観光は 地方創生 デフレ脱却 成長戦略の切り札となるものであり 特にインバウンドにかかる期待は大きい 円安 訪日ビザ発給要件の緩和などを背景に 中間層の所得が増

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

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Ⅱ. 日本遺産 事業の方向性日本遺産事業の設計に先立ち 既に文化財を活用した地域振興を行っている地方自治体の先行事例 10 件について実態調査を行った その際得られた課題を踏まえ 文化財を活用 発信して地域の活性化につなげていくために 以下のような方向性が有効と考えられる (1) 地域に点在する文化

1 地域再生計画の名称 りんくうタウン活性化プロジェクト 地域再生計画 2 地域再生計画の作成主体の名称泉佐野市 3 地域再生計画の区域泉佐野市の区域の一部 ( りんくうタウン インターナショナルビジネス地区 ) 4 地域再生計画の目標 4-1 地域の現状 課題平成 6 年に開港した関西国際空港の地

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数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

2 事業の名称及び内容 : 秋田犬 活用による観光地域づくり推進事業 秋田県 1. 秋田犬の里魅力アップ促進事業 (1) 交通機関や施設の受入体制整備 秋田犬の里 の空の玄関である大館能代空港や大館能代空港リムジンバス アクセス鉄道である秋田内陸線等について 案内の多言語化や秋田犬の車両ラッピング

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待される 交流人口の拡大 に向けた観光地域づくりの推進に取り組むこととしている また みやぎ第 3 期みやぎ観光戦略プラン では みやぎの観光が抱える課題に対応する取組の柱として 沿岸部の観光資源の再生と積極的な誘客 観光消費効果の高い県外等からの誘客強化 観光資源の魅力の向上と観光客受入態勢の整備

し環境の整備や 大会 合宿等の誘致 グッズや特産品の物販 体験型観光など スポーツを生かしたにぎわいの創出を進めることにより 交流人口の増加を図るとともに 将来的な市への移住 定住の促進を目指す 事業 スポーツを生かした交流によるにぎわい創設事業 KPI 観光交流客数 地域ブランド調査魅力度全国ラン

観光で稼ぐ! ための手引書 観光消費の拡大と域内経済への波及をめざして ~ データに基づき観光施策を作り上げる 7 つのステップ ~ 北海道経済部観光局 平成 31 年 4 月

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要地域全体が観光で 稼ぐ 仕組みを構築していくため, 県域 DMOに必要な人材の育成 確保 活用 観光地ブランド化や宿泊施設の充実など魅力ある観光地域づくり 県産品の知名度向上や販路拡大による稼げる観光産業の振興 旅行博や訪日旅行商談会におけるPRな

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

独立行政法人国際観光振興機構第四期中期目標 平成 30 年 2 月 28 日 国土交通省

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目次 第 1 章計画の基本方針 1 1 策定の趣旨 1 2 東京 2020 大会ビジョンの共有 1 3 基本コンセプト 2 4 基本目標 ( 創出するレガシー ) 2 5 計画の期間 2 第 2 章アクション 3 1 共通の取り組み 3 2 基本目標スポーツ振興 4 3 基本目標観光振興 5 4 基

北海道MICE戦略(仮称)

2. 本市の上期観光入込客数について平成 27 年度上期観光入込客数は 総数 377,300 人で 前年の 351,600 人より 25,700 人 7.3% の増となった その内訳として 道内客が 84,900 人で 前年の 94,200 人より 9,300 人 9.9% の減 道外客が 292,

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

ラグビーワールドカップ2019及び 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた 掛川市の取組基本方針


な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

観光立国の実現に向けた政府の取組 26 年 12 月 観光立国推進基本法を制定 28 年 1 月 観光庁設置 212 年 3 月 観光立国推進基本計画を閣議決定 213 年 6 月 観光立国実現に向けたアクション プログラム策定 7 月 タイ マレーシア向けビザ免除 213 年 12 月 訪日外国人

剣淵_巻頭_00.01


Microsoft Word - 東京文化資源区構想最終報告書 docx


Microsoft PowerPoint - REP01_04.ppt

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た取組を進めることで 国際的評価の獲得と 国内外での知名度及びイメージ向上を図り 交流人口の増加につなげる さらには 自動車で2 3 時間圏内となる関西圏そして首都圏で効果的なシティプロモーションを実施して交流人口の掘り起こしも行い こうした 美星の星空 の磨き上げにより 観光形態を 日帰り 通過型

資料 5-2 クールジャパンの推進 平成 27 年 1 月 26 日 総務省

4-(1)-ウ①

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

17日南市277_0324

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平成 29 年 1 月 25 日 北海道ドライブ観光パス社会実験 ( 仮称 ) のパートナーを募集! ~ 民間アプリを活用し外国人レンタカー利用者のデータを収集 ~ 北海道開発局では 平成 29 年度に 北海道ドライブ観光パス社会実験 ( 仮称 ) を実施する予定です 今般 スマートフォンのアプリケ

スライド 1

1 外国人傷病者対応 資料 1

Microsoft Word - 基本方針案ver.3.33

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)

平成 30 年度上期観光入込客数状況について Ⅰ. 本市の上期観光入込客数の概要について 平成 30 年度上期観光入込客数は 総数 380,100 人で 前年の 399,700 人より 19,600 人 4.9% の 減となった (1) 道内客 道外客の状況 道内客が 98,200 人で 前年の 9

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

事業の目的 ( 新 ) 長崎空港 24 時間化推進事業費 長崎空港の利用拡大を図るため 時間化を推進 新幹線 総合交通対策課予算額 58,784 千円 これまでフライト時間の制約により実現できなかった国際定期便等の誘致を図るため 空港の運用時間を拡大し 24 時間いつでも運航が可能な空港

平成 25 年 2013 年 2013 加賀市観光 加賀市観光統計 統計 長期推移 大聖寺川 流し舟 舟 片山津温泉 花火大会 山中温泉 鶴仙渓川床 川床 加佐の岬 岬 山代温泉 大田楽 =========================== 目 次 ========================

宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

Microsoft Word - H180119コンパクトシティ説明用_仙台市_.doc

ながら 官民が連携してスノーリゾート地域の活性化に向けて取り組んでまいりたいと思う 3 議事 (1) スノーリゾート地域の活性化推進会議 の設置について観光庁より 資料 1-1 及び 1-2 に基づき説明 (2) スノーリゾート地域の活性化に関する事例紹介 日本のスキー人口はピーク時の 1800 万

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

P.1 平成 28 年度タイ市場調査結果 北海道観光成 市場誘客促進事業 ( タイ市場 ) 概要編 公益社団法 北海道観光振興機構

東京都江戸東京博物館

数値目標 H29 年 3 月末 H30 年 3 月末 H31 年 3 月末 観光客入込客数 ( 単位 : 千人 ) 大鰐温泉もやし生産者数 ( 単位 : 人 ) 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要本事業は大鰐温泉もやし増産プロジェ

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

化することが課題である 4-2 地方創生として目指す将来像錦町では 市場ニーズに応じて農産物を安定的に供給するための生産者の活動を支援することに加え 観光誘客による物産振興を図り 本町の基幹産業である農業を稼げる魅力的な産業に変えることによって 人口減少の抑制及び新たな雇用創出による活力に満ちたまち

市内の旧家で発見されるなど 歌麿ゆかりのまちであることも知られるようになってきた これらの本市に残る江戸文化の風情や歴史文化資源については これまで展示 公開することを中心に利活用を行ってきたが 今後は 分かりやすいテーマでブランディングし 直接体感できる新たな体験メニューとしての転換を図り 視覚だ

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アドベンチャーツーリズム (AT) の市場獲得を 指して 北海道で初めての地域 AT マーケティング戦略を策定します 平成 29 年 6 20 経済産業省北海道経済産業局 ( 本発表資料のお問い合わせ先 ) 経済産業省北海道経済産業局地域経済部情報 サービス政策課担当者 : 髙橋 宮崎 島 岡﨑電話

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) ,500 5, 観光客入込数 ( 人 ) 742,000 14,800 14,800 14,800 平成 31 年度 (4

アイヌ政策に関する世論調査 の概要 平成 3 0 年 8 月内閣府政府広報室 調査対象 全国 18 歳以上の日本国籍を有する者 3,000 人 有効回収数 1,710 人 ( 回収率 57.0%) 調査時期平成 30 年 6 月 28 日 ~7 月 8 日 ( 調査員による個別面接聴取 ) 調査目的

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山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

観光立国の実現に向けた文化行政の展開について 現在 文化芸術活動 文化財についての振興や保護 古いものを そのまま 保存するのみ 訪日外国人向けのエンターテイメントの不足 日本文化の戦略的な発信の不足 観光立国実現に向けた観光基盤の整備 強化 これから (1) 日本文化の PR がもっと必要 (2)

Index 1. 東北の現状 2. 業界や企業のこれまでの取組み 3. 観光振興への課題と対応策 4. 結びに 1

での滞在になっている その一方 姫路市での宿泊者数は 633 人と極端に少ない状況である ( 観光庁宿泊統計 ) 旅行業者 教育機関 自転車愛好家など民間では インドネシアとの交流の取り組みが既に始まっているところである それに加え本市の強みである 1インドネシア人が興味を示す写真のスポットとしての

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 の開催について 1 平成 26 年より 総務大臣の懇談会として 2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 を開催 アクションプランに基づき 2020 年以降のレガシーを視野に入れつつ ICT 化に向けた施策を進めてきた

Taro-全員協議会【高エネ研南】

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スノーリゾート地域の活性化に向けた アクションプログラム 2017 平成 29 年 11 月 29 日 スノーリゾート地域の活性化推進会議

はじめに スノーリゾート地域の活性化は 国内外の旅行者がともに減少する冬期の観光振興を進める上で極めて重要であり 観光庁では平成 27 年から スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 を開催し スノーリゾート地域を取り巻く状況の調査 分析等を通じて 本年 4 月に今後の取組の方向性等について最終報告としてとりまとめたところである また 政府は 明日の日本を支える観光ビジョン ( 平成 28 年 3 月 30 日明日の日本を支える観光ビジョン構想会議 ) において 2020 年までに訪日外国人旅行者数 4,000 万人 訪日外国人旅行消費額 8 兆円 地方部での外国人宿泊者数 7,000 万人泊とする高い目標を掲げており これら目標の実現に向け 訪日外国人から高い評価を得ている上質なパウダースノー 温泉 アクセスの良さ等 世界でも有数の我が国のスノーリゾート地域を観光資源として十分に活用することが期待されている さらに 2018 年に平昌 2022 年に北京で冬季オリンピックが開催されることに伴い 今後 アジアにおけるスノースポーツ人口の急激な拡大が見込まれることから これを千載一遇のチャンスとして捉え 日本のスノーリゾートへの更なる誘客に確実につなげていくことが求められる 本アクションプログラムは このような状況を踏まえ 我が国のスノーリゾート地域の活性化に向けた具体的な施策を掲げるものである 官民が連携してこれらの施策を推進することにより スノーリゾート地域への国内外からの誘客やスキー場が抱える課題解決が進み さらには グリーンシーズンを含めた通年でのマウンテンリゾートの形成へとつながる契機となることが望まれる なお 当該アクションプログラムに掲げた施策の取組状況については 来年度のスノーリゾート地域の活性化推進会議において フォローアップを行い その結果を踏まえ 来年度のアクションプログラムの策定につなげていくものとする - 1 -

1. 国内外からのスノーリゾートへの誘客に向けた取組日本人のスノースポーツ人口は ピーク時の 1,800 万人 (1998 年 ) から 740 万人 (2015 年 ) と 4 割程度にまで減少しており 日本人のスノースポーツ人口の拡大が求められている また 上質なパウダースノーを求める欧米豪からの来訪や今後冬季オリンピックが開催されるアジア圏からの来訪を広く日本のスノーリゾートへ取り込んでいく施策が求められている このため国内外からのスノーリゾートへの誘客に向け モデル事業を実施するとともに並行して誘客に係る取組を進める (1) モデル事業における取組スノーリゾートへの誘客に向け 日本人のスノースポーツ人口の拡大 海外からスノーリゾートへの来訪増加に係る施策についてモデル事業を実施し 当該事業の成果の検証 とりまとめを行い 全国への展開を図る 今年度においては 公募 ( 実施期間 :10 月 23 日 ~11 月 17 日 ) 審査 評価の結果 次の2 事業を実施することとする なお 来年度においても 予算の状況に応じ必要な事業について引き続き取り組むことを検討する 1 スキーインバウンド裾野拡大事業 団体名 : 一般社団法人大雪カムイミンタラDMO 対象地域: 北海道旭川市 鷹栖町 東神楽町 当麻町 比布町 愛別町 上川町 東川町 事業概要: スキー人口の裾野拡大を図るため 今後増加が見込まれるアジアを中心としたスキー観光客をターゲットに 本圏域に訪れる海外ファミリー層への初心者向けスキーレッスンを充実させるための環境の構築や 圏域内を手ぶらで楽しめる仕組みづくり等を行い 都市型スノーリゾート の新たな滞在コンテンツとしての地域の魅力を向上させる 主な取組: 日本人指導者向け海外スキー客対応セミナーの開催 留学生を対象としたスキーアシスタント育成 手ぶらスキーの環境構築 モニターツアーの実施等 2 バックカントリーの聖地 八甲田 への道青森スノーランド推進事業 団体名 : 青森スノーアクティビティ活性化協議会 ( 仮 ) 対象地域: 青森県青森市 平内町 鰺ヶ沢町 事業概要: バックカントリースキーの聖地 八甲田 で滑ることができるようになることを最終目標 ( あこがれ ) に掲げ 青森で初めて雪に触れる外国人観光客に 雪遊びやゲレンデスキー そして独特の文化をはぐくむ青森でしか体験できないコンテンツ等 幅広い冬の楽しみを体験させながら 青森リピーター獲得を目指す 主な取組: スノーアクティビティの開発 受け入れ体制の整備 留学生へのスキー スノーアクティビティ講習の実施 青森特有の地域文化等を活かした滞在コンテンツ環境整備 モニターツアーの実施等 - 2 -

(2) モデル事業以外の取組モデル事業の実施と並行し スノーリゾートへの誘客に向け 行政や関係団体等による観光資源の磨き上げや情報収集 情報発信等について取組を進める 具体的な施策 1 地域の伝統芸能や日本遺産 温泉等の各地の地域文化を活用した滞在コンテンツの充実 新しいスポーツ 文化プログラムによる賑わいの創出を図る 2 上陸許可基準の見直し後の外国人スキーインストラクターの活動状況について情報収集し 当該見直しの効果について検証する 3 パウダースノーや鉄道駅 空港からのアクセスの良さ等の日本のスノーリゾートの魅力について広く周知すべく効果的なプロモーション手法について検討する 4 小中学生 高校生によるスキー体験の場の創出に向けて 関係機関において必要な検討を行う 5 スノーリゾート地域における地域スポーツコミッションやDMOによるスノーリゾート活性化にかかる取組の推進を図る 6 宿泊者やスキー場利用者 インバウンドの受入状況等のスノーリゾート地域の活性化にかかるKPIの検討を行う 2. スキー場の経営に関する課題への対応スキー場の経営に係る次の事項について 具体的な課題の洗い出しを行うとともに スノーリゾート地域における課題への取組状況や好事例をとりまとめ スノーリゾート間での共有を図る また スキー場の経営に関する課題に関しては経営に携わる者が主体的に取り組むことが基本であるが 関係省庁 関係団体は その取組を促すべく 各事項に掲げる具体的な施策の実現に向けた必要な検討を行う (1) 索道等の施設の老朽化への対応スノーリゾートへの来訪者が安心して安全にスノースポーツを楽しむためには 索道等の施設を安全 健全な状態に維持管理することが極めて重要であり 老朽化が進んでいる施設が多数存在していることを踏まえ 当該施設の安全性確保のための適切な対応を進める 具体的な施策 1 索道施設の維持管理に関する知見等を索道事業関係者で共有する 2 索道施設の維持管理に関する技術継承を踏まえたマニュアルの作成を行う (2) スキー場内外の安全確保コースの安全管理や事故 病気 災害発生時における体制がきちんと整備されていること等 来訪者への安心 安全の提供を図り 特にスノースポーツ初心者や海外からのスノーリゾートへの誘客につなげる - 3 -

また 現在訪日外国人を中心にバックカントリースキー ( コース外滑走 ) 需要が高まっていることから その需要を取り込み誘客につなげる一方で コース内滑走の場合よりもさらに厳格な安全への配慮の推進を図る 具体的な施策 1 関係機関の連絡体制や情報提供方法の確立に向け 各地域の取組を収集し 現在生じている課題の抽出及び課題解決に向けた検討を行う 2 バックカントリースキーの状況について把握するとともに スキー場管理区域との境界線等 海外からの利用者も想定した視覚的にも分かりやすい情報提供のあり方について検討する 3 国内外における先行事例の収集を行うとともに バックカントリースキーに関するルールやその展開に向けた検討を行う 4 スキー上級者のニーズに対応するため スキーヤーの自己責任 自己負担を基本としつつ バックカントリースキーの安全確保とさらなる需要創出のためにスキーガイドの充実に向けた検討を行う (3) 年間を通した事業継続通年での雇用 年間を通した事業継続性という点からは 特にグリーンシーズンの誘客が重要であり 今後 森林レクリエーションをはじめとして 海外の富裕層等のニーズも踏まえつつグリーンシーズンの滞在コンテンツの発掘 磨き上げ 情報発信等を行う 具体的な施策 1 スノーリゾート地域におけるグリーンシーズンまで含めたアウトドアスポーツの魅力について プロモーションを展開する 2 十和田八幡平国立公園をはじめとしたスノーリゾートが所在する国立公園において 多言語対応や自然や文化を体験できるプログラムのコンテンツの開発に向けた支援を行う また 外国人によるモニターツアーやFAMトリップを実施し コンテンツの充実を図る 3 森林空間を活用した森林浴や自然観察 トレッキング等のアウトドアアクティビティーのコンテンツづくりに向けた情報収集 情報発信に取り組む 4 日本ならではの伝統的な生活体験と農村地域の人々との交流を楽しむ滞在である 農泊 の推進として グリーンシーズンにおけるゲレンデを活用した体験プログラムの情報発信等に取り組む 5 地域の伝統芸能や日本遺産 温泉等の各地の地域文化を活かした滞在コンテンツの充実 新しいスポーツ 文化プログラムを活用した賑わいの創出を図る 再掲 6 スノーリゾート地域における地域スポーツコミッションやDMOによるスノーリゾート活性化にかかる取組の推進を図る 再掲 - 4 -

(4) スキー場の経営悪化に伴う事業の再生または廃業 撤退スキー場の経営が悪化し 再生に向けた取組を行うケースがある一方で 事業継続が困難との判断により廃業 撤退を行うケースが多く存在しているものと想定されるところ その実態について把握 分析するとともに それぞれのケースにおける課題抽出 課題解決に向けた方策について検討を行う 具体的な施策 1 経営困難に陥ったスキー場が集客に向けた取組や仕組みづくり等により安定的な事業経営が可能となった再生事例について収集し 参考とすべき事項について広く展開する 2 スキー場撤退にかかる事例について収集するとともに 経営困難となった理由 分析 原状回復に伴う課題の整理を行い 課題解決に向けた検討を行う - 5 -