携帯電話ワンセグ放送サービス に関する調査 2008 年 11 月 25 日 株式会社八千代統計 http://www.yachiyot.co.jp
A) 調査企画 Ⅰ. 調査のテーマ 携帯電話による ワンセグ放送サービスの将来性を探る
A) 調査企画 Ⅰ-1. 将来性を探る為に... 1. ワンセグにとっての前提 ( 外的要因 ) 出荷状況 使用状況
ワンセグ携帯の推移 ワンセグ対応機種の累積出荷台数 ( 万台 ) 3500 3000 2005 年 10 月 au ワンセグ機種発売 2007 年秋冬モデル発売開始 2,883 2500 2000 1500 1000 500 2006 年 3 月ドコモと SoftBank ワンセグ機種発売 2006 年 4 月ワンセグ放送サービス開始 2006 年 10 月番号ポータビリティサービス (MNP) 開始 119 150 174 205 236 283 341 384 2007 年度 MNP によるキャリア移動 au が 59 万 7500 件の増加 SoftBank が 31 万 8200 件の増加ドコモが 91 万 6400 件の減少 シェアを 50% を割り込む 496 657 766 844 991 1,324 1,399 1,478 1,177 1,784 2,047 2,292 2,587 0 2006 年 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 2007 年 2 月 4 月 6 月 8 月 10 月 12 月 2008 年 2 月 社団法人電子情報技術産業協会より作成 ワンセグ対応累積機種数ドコモ 1 機種 au 6 機種 SoftBank 2 機種 8 機種 21 機種 7 機種 21 機種 27 機種 15 機種 4
ワンセグ携帯の利用頻度 ほぼ毎日の利用 週に 4~5 日利用 =14.8% 2007 年 8 月 web 調査調査対象 : 全国 15~79 歳の男女個人携帯電話保有者 (N=1485) 対象 : ワンセグ携帯所有者 250 人 (16.8%) 毎日 8.8% 週 4~5 日 6.0% 利用しない 34.7% 週 2~3 日 17.2% 月 1 日 6.8% 月 2~3 日 10.8% 週 1 日 15.6% 調査機関 : 株式会社野村総合研究所
A) 調査企画 既存データの注目点 1. ワンセグ携帯の出荷台数は伸びていく傾向にある 2. 通常商品の早期採用者の使用割合と比べ ワンセグ携帯早期採用者の視聴頻度が高くない ワンセグ視聴の妨げになっているものは何か?
A) 調査企画 Ⅰ-1. 将来性を探る為に... 2. ワンセグにとっての内的要因 プラス評価要因 マイナス評価要因
ワンセグ携帯視聴までのプロセス 概念図 携帯電話所有者 ワンセグ放送視聴意向あり ワンセグ放送視聴意向なし ワンセグ放送視聴者 ワンセグ放送非視聴者 注目点 1 視聴意向にかかわるプラス マイナス要因 注目点 2 視聴の有無に関わるプラス マイナス要因
A) 調査企画 Ⅱ. 調査目的の設定 ワンセグ携帯利用実態と利用意向の把握 ワンセグ放送サービスの評価と利用可能性を探る
A) 調査企画 Ⅲ. 調査項目の設定 ワンセグ携帯利用実態と利用意向の把握 ワンセグ放送サービスの評価と利用可能性を探る 利用状況利用意向度 サービスメリットの認知 不満事項利用意向度
A) 調査企画 Ⅳ. 仮説の設定 ワンセグ携帯所有 ワンセグ放送視聴意向あり ワンセグ放送視聴意向なし 注目点 1 仮説 1 ワンセグ放送のメリットを知るほど ワンセグ視聴意向が高くなる
A) 調査企画 Ⅳ. 仮説の設定 ワンセグ放送視聴意向あり ワンセグ放送視聴者 ワンセグ放送非視聴者 注目点 2 仮説 2 ワンセグ放送の視聴 非視聴と相関がより高いのはコンテンツより視聴環境である
B) 調査表作成 Ⅰ. 調査項目と仮説の関係 サービスメリットの認知 無料, データ放送, ロケーションフリーなどメリットの認知 利用意向度 利用意向のスケール化 仮説 1
B) 調査表作成 Ⅰ. 調査項目と仮説の関係 利用状況 ワンセグ放送視聴 ワンセグ携帯所有の有無 不満事項 視聴環境要因 番組コンテンツ要因 仮説 2
Ⅰ. 調査概要 C) 実査 調査対象 : 全国 15~79 歳の男女個人指令標本数 : 2000 人 ( 有効回収数 :1200 人 ) 抽出方法 : 住宅地図による世帯抽出 個人割り当て 地点数 : 200 地点 調査方法 : 個別訪問調査 ( 調査員 200 名 ) 調査時期 : 2007 年 11 月 28 日 ~12 月 10 日 調査機関 : 株式会社日本リサーチセンター
調査結果 問 1 あなたは 携帯電話でワンセグ放送サービスをご覧になりますか 8.3% 1. 携帯電話でワンセグ放送サービスを見ている 8.1% 2. ワンセグ機能つきの携帯電話を持っているが見ていない 45.1% 3. ワンセグ機能つきの携帯電話ではないので見られない 10.0% 4. 携帯電話を持っていない 28.0% 5. ワンセグ放送サービス自体を知らない
調査結果 問 2 ワンセグ放送サービスについて あなたが知っていることをすべてお知らせ下さい 29.9% 1. 無料で見られる 22.8% 2. ニュースや番組関連の情報などのデータ放送が利用できる 37.3% 3. 電波が届けば 屋内 外 移動中でも見られる 11.3% 4. 普通のテレビ放送より 音質 画質が良い 4.9% 5. 双方向のサービスが利用できる 44.8% 6. この中に知っていることはない
調査結果 問 3 ワンセグ放送サービスについて あなたの感じていることをすべてお知らせ下さい 10.5% 1. 周囲の人の目が気になる 22.7% 2. 電波が入りにくい 33.8% 3. 画面が小さすぎる 34.8% 4. 見ていると目が疲れる 3.4% 5. 見たい時間に見たい番組がない 10.6% 6. 地上波と同じ番組なので興味がわかない 26.8% 7. テレビをあまり見ないので分からない
調査結果 問 4 あなたは 今後ワンセグ放送サービスを携帯電話で見たいですか 9.3% 1. ぜひ見たいと思う 19.1% 2. やや見たいと思う 33.6% 3. あまり見たいと思わない 36.0% 4. まったく見たいと思わない
Ⅰ. 仮説検証 1 D) 集計 分析 仮説 1 ワンセグ放送のメリットを知るほど ワンセグ視聴意向が高くなる 2. 検証方法 ワンセグ認知項目ごとの視聴意向率比較
ワンセグ放送メリット認知項目数と視聴意向の割合全体 n = 738( 携帯所有者 ) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 (%) ワンセグ放送視聴意向率 16.5 78.7 0 ワンセグ認知項目数 0 項目 1 項目 ワンセグ認知項目数が増えるほど 視聴意向の割合が高くなっている 2 項目 3 項目 4 項目以上
Ⅰ. 仮説検証 1 D) 集計 分析 仮説 1 ワンセグ放送のメリットを知るほど ワンセグ視聴意向が高くなる 3. 検証結果 認知項目が増えるほど視聴意向が高くなる 仮説 1 が検証された
Ⅰ. 仮説検証 2 D) 集計 分析 仮説 2 ワンセグ放送の視聴 非視聴と相関がより高いのはコンテンツより視聴環境である 1. 検証項目 : 問 1. ワンセグ放送サービス利用状況問 3. ワンセグ放送サービス評価 2. 検証方法 : ワンセグ放送視聴の有無と環境要因および コンテンツ要因の不満項目数との相関係数を比較
視聴の有無 と 視聴環境不満項目の回答数 との相関を算出 クラメールの連関係数を用いて検証 不満項目の回答数 ( 環境要因 ) 1 項目 2 項目 3 項目 4 項目 視聴者 49 29 10 4 非視聴者 32 28 7 4 1.467 χ 2 =1.467 C= = 0.095 163(2-1) (0 C 1) 視聴有無 と 視聴環境の不満 は互いに独立しており 関連性はない
視聴の有無 と コンテンツ不満項目の回答数 との相関を算出 クラメールの連関係数を用いて検証 不満項目の回答数 ( コンテンツ要因 ) 1 項目 2 項目 視聴者 11 3 非視聴者 15 3 0.064 2 χ =0.064 C= = 0.002 32(2-1) (0 C 1) 視聴有無 と コンテンツの不満 は互いに独立しており 関連性はない
Ⅰ. 仮説検証 2 3. 検証結果 D) 集計 分析 仮説 2 ワンセグ放送の視聴 非視聴と相関がより高いのはコンテンツより視聴環境である 視聴の有無と視聴環境およびコンテンツとの関係はそれぞれ無相関 仮説 2 の反証
Ⅱ. ここまでの成果 D) 集計 分析 仮説 1 ワンセグ放送のメリットを知るほど ワンセグ視聴意向が高くなる が検証された 仮説 2 ワンセグ放送の視聴 非視聴と相関がより高いのはコンテンツより視聴環境である が反証されたことによる新しい視点
D) 集計 分析 Ⅲ. 新たな視点からの検証 1. 検証方法 : 不満項目ごとに視聴の有無との相関を見る ユールの連関係数を用いて検証連関係数 (-1 Y 1) 0.194 1. 周囲の人の目が気になる 0.375 2. 電波が入りにくい -0.006 3. 画面が小さすぎる -0.003 4. 見ていると目が疲れる -0.016 5. 見たい時間に見たい番組がない -0.205 6. 地上波と同じ番組なので興味がわかない
ワンセグ放送視聴者と非視聴者の不満事項の比較 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 52.0% 33.0% 43.0% 43.3% 38.0% 38.1% (n=197) 視聴者非視聴者 20.0% 10.0% 20.0% 14.4% 7.0% 7.2% 10.0% 14.4% 0.0% 周囲の目が気になる 電波が入りにくい 画面が小さすぎる 見ていると目が疲れる 見たい時間に見たい番組がない 地上波と同じ番組で興味がわかない 環境要因 コンテンツ要因 ワンセグ放送視聴者は非視聴者に比べ 電波が入りにくい の値が高い 視聴しているからこそ強く出る不満
D) 集計 分析 Ⅲ. 新たな視点からの検証 1. 検証方法 : 環境要因 回答者と コンテンツ要因 回答者の視聴の有無に関わる相関を見る ユールの連関係数を用いて検証 連関係数 (-1 Y 1) 0.616 環境要因 -0.167 コンテンツ要因
D) 集計 分析 Ⅲ. 新たな視点からの検証 2. 検証結果 環境要因 回答者であるほどワンセグ視聴者である傾向が強い 環境不満要因 と 非視聴 との相関を想定 but, 視聴 との相関が検証された
D) 集計 分析 Ⅳ. 新たな視点からの検証 ワンセグ放送の新たな展開 画面の大きさの改善 ワンセグからフルセグへの移行 2008 年 8 月から ワンセグ放送の非サイマル化 販促的なワンセグ番組の放送 新たなワンセグ放送の進展に符合する結果を今回の調査から導き出せた