【3~5】(地震)第1章第1節 組織動員

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( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

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第 2 項交通応急対策 災害時には 道路 橋梁等の道路施設が被災するとともに 倒壊建物 がれき等による障害物や 緊急車両 一般車両による交通渋滞が発生し 緊急輸送等に支障をきたすおそれがある 町民等の避難 災害応急対策員の輸送および救助 救護のための資材 物資の輸送を確実に行うため 迅速かつ適切に交

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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自衛隊の原子力災害派遣に関する達

○福岡県警察交通管制要綱の制定について(通達)

(3) 宮城交通株式会社の役割 県及び沿岸市町からの要請により緊急輸送を行う場合には 宮城交通 本社を対策 本部とし 運行課から各支配人室を経由して各営業所に指示する (4) ( 社 ) 宮城県トラック協会の役割津波災害発生に際し 宮城県トラック協会が 全日本トラック協会内に設置された災害対策中央本

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

第6章  特殊災害対策計画

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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安全管理規程

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

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二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画について 1. 具体計画の位置づけ 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 ) 第 4 条に規定する 南海トラフ地震防災対策推進基本計画 に基づき 南海トラフ地震の発生時の災害応急対策活動の具

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イ留意事項 ( ア ) 対処基本方針が廃止された場合は 救援の継続や復帰のための措置について 何らかの措置により行います ( イ ) 復帰のための措置 a 誘導以外の措置 b 市長 知事による誘導 (2) 別紙第 1 情報計画 参照 2 構想 (1) 活動方針市 ( 環境防災課ほか各課 ) は 県

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

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東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

第3編 災害応急対策

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H30雑踏事故防止通達(公表用)

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2


平成24年

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防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

2. 大規模津波防災総合訓練実行委員会設立準備会 日 場 時 : 平成 29 年 12 月 19 日 ( 火 ) 午後 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 所 : 四日市市役所 6F 本部員会議室 準備会参加機関 : 中部管区警察局 陸上自衛隊第 10 師団海上自衛隊横須賀地方総監部 航空自衛隊中部

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

できない場合は 代表消防機関代行の倉敷市消防局又は津山圏域消防組合消防本部の職員をもって充てるものとする 4 岡山県大隊に 消火 救助 救急等の任務単位毎に中隊を設けることとし 各中隊を 消火中隊等 と呼称するものとする なお 中隊長は 岡山県大隊長が指定するものとする 5 各中隊に 各車両又は付加

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「犯罪被害者等の安全・安心の確保」への取組状況及び今後の方針

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- 1 - 港湾法施行令(昭和二十六年政令第四号)(抄)(第一条関係)(傍線の部分は改正部分)改正案現行(緊急確保航路)(緊急確保航路)第十七条の十法第五十五条の三の五第一項に規定する緊急確保航路の第十七条の十法第五十五条の三の四第一項に規定する緊急確保航路の区域は 別表第五のとおりとする 区域は


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○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

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汚染の除去が行われた場合には 指定を解除その他 区域の指定等 1 要措置区域 ( 法第 6 条 ) 土壌汚染の摂取経路があり 健康被害が生ずるおそれがあるため 汚染の除去等の措置が必要な区域 汚染の除去等の措置を都道府県知事等が指示 ( 法第 7 条 ) 土地の形質の変更の原則禁止 ( 法第 9 条

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風水害+第ï¼fi編第ï¼flç«€é†fi路熽害;.xdw

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令に規定する国土交通大臣が告示で定める方法 ( 平成十八年三月十七日国土交通省告示第三百五十号 ) (10 15モード燃費値及びJC08モード燃費値の算定方法) 第一条自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令 ( 昭和 54 年通商産業省 運輸省令第

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

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大津市避難所運営マニュアル

町田市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

ア建築物の部材等が落下し 飛散するおそれのある状態イ建築物の老朽化又は台風等の自然災害により 倒壊又は損傷するおそれのある状態ウ建築物の外壁 窓等が剥落し 建築物の外部から内部が見通せる状態エ竹木その他の土地の定着物が 道路との境界線を越え通行の妨げになっている状態オ物が大量に堆積されている状態カね

1青森県防災ヘリコプター運航管理要綱

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時間災害状況等の推移関係機関関係機関の活動内容道府県 ( 防災本部 ) の留意事項 ( 評価の視点 ) 1 日目 3.1 地震に基因する標準災害シナリオ 9:00 (0:00) 地震発生 ( 震度 6 強 ) 特定事業所 施設等の緊急停止措置 災害拡大防止上必要な施設の手動停止操作 地震発生後 速や

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ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

防災業務計画 株式会社ローソン

スライド 1

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(6) 八丈町役場 青ヶ島村役場 八丈町災害対策本部 青ヶ島村災害対策本部の設置 7 訓練の様子 (1) 八丈町避難誘導訓練地震時における総合的な避難訓練と火山噴火時における避難訓練を併せて行い 八丈町及び防災関係機関並びに住民がとるべき防災処置を実践し 地震災害 火山噴火災害に対応した防災対策の習

6 河川室河川環境 環境整備グループ 株式会社はちけんや安積正彦 川の駅 はちけんや運営 維持管理業務委託契約の締結に要する経費 ,507,500 本施設は 設計 建設 運営維持管理を包括的に実施する事業として 大阪府と 八軒家浜賑わい施設 ( 仮称 ) 整備等

調査の目的 概要 1. 調査の目的 南海トラフ巨大地震の発生時にも円滑に支援物資輸送を行うため 中国 四国 九州地域における広域連携を通じ 鉄道 海運 ( 船舶 ) トラックなど多様な輸送モードの活用による支援物資物流システムの構築を目的として行ったもの 国 ( 中国 四国 九州の各運輸局 ) が主

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(6) 行方不明者の捜索 (7) 治安の維持 (8) 被災者等への情報伝達 (9) 前各号に掲げるもののほか 派遣先都道府県警察の長が特に指示する活動一部改正 平成 25 年第 15 号 ( 即応部隊の活動 ) 第 4 条即応部隊は 大規模災害発生時に直ちに被災地等へ赴き それぞれ次に掲げる活動を行

1 はじめに


訓令・通達一覧

地方公共団体等による土地の先買い制度について 公有地の拡大の推進に関する法律とは県や市町村等が公共事業を円滑に進めていくためには 事業に必要な用地を前もって取得し 安定的に確保しておく必要があります このため 公有地の拡大の推進に関する法律 ( 以下公拡法と表記 ) に基づく土地の先買い制度がありま

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

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資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

( 案 ) 土地区画整理事業の施行に伴い設置される 公共施設の管理及び帰属等に関する協議書 埼玉県 ( 以下 甲 という ) と ( 土地区画事業施行 ( 予定 ) 者 ) ( 以下 乙 と いう ) とは 土地区画整理法に基づく土地区画整理事業の施行により設置される公共 施設の管理及び帰属等につい

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目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

ETC 路線バス割引利用規約 ( 目的 ) 第 1 条本規約は 阪神高速道路株式会社 ( 以下 当社 といいます ) がETCシステム (ETCシステム利用規程第 2 条に規定するETCシステムをいいます 以下同じです ) を使用する路線バス ( 乗車定員 30 人以上の自動車のうち 道路運送法 (

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

Transcription:

災害応急対策 第 5 章 交通対策 緊急輸送活動 - 219 -

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災害応急対策 第 5 章交通対策 緊急輸送活動 第 1 節交通規制 緊急輸送活動 府 市町村をはじめ防災関係機関は 救助 救急 水防 医療並びに緊急物資の供給を迅速かつ的確に実施するための緊急輸送活動に努める 府警察 道路管理者及び第五管区海上保安本部は 災害が発生した場合 又は災害がまさに発生しようとする場合において 災害応急活動に必要な交通規制を実施する 第 1 陸上輸送 1 緊急交通路の確保及び交通規制の実施 (1) 被害情報等の収集及び緊急交通路の指定府 市町村 府警察及び道路管理者は 連携して災害の規模 道路の損壊状況 交通状況等について 迅速かつ正確な情報収集に努め その結果を相互に連絡する 特に 緊急交通路に選定されている 重点 14 路線 及び高速自動車国道等に対しては 緊急交通路の指定に向けた道路状況の確認を行うとともに 府警察は 交通規制の実施に伴う道路管理者との連絡 調整を行う (2) 緊急交通路の指定に係る各関係機関の役割府警察は 災害応急対策を迅速かつ的確に行うため 前記重点 14 路線以外の路線において緊急交通路を指定する必要がある場合には 府 市町村 道路管理者と協議し 被災地の状況 道路の状況 緊急輸送活動等を考慮して 緊急通行車両等の通行を確保すべき緊急交通路を選定する 府 市町村 府警察及び道路管理者は 当該緊急交通路について必要な措置を講じ その結果を相互に連絡する ア府 市町村 道路管理者 ( ア ) 点検使用可能な緊急交通路を把握するため 道路施設の被害状況及び安全性の点検を行い その結果を府及び府警察に連絡する ( イ ) 通行規制道路の破損 欠損等により交通が危険であると認められる場合 あるいは被災道路の応急復旧等の措置を講ずる必要がある場合には 府警察と協議し 区間を定めて 道路の通行を禁止し または制限する ( ウ ) 道路啓開道路上の倒壊障害物の除去 移動や 放置車両の移動を 民間建設業者等の協力を得て実施し 早期の道路啓開に努める 作業にあたっては 府警察 他の道路管理者と相互に協力する イ府警察 ( ア ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う - 221 -

( イ ) 緊急交通路における交通規制の実施 重点 14 路線 及び高速自動車国道等に対する緊急交通路の指定を実施し 緊急通行車両等以外の車両に対する通行禁止の交通規制を実施する (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両等の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは 車両その他の物件の所有者等に対して緊急通行車両等の円滑な通行を確保するため必要な措置を命ずる 災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官及び消防吏員は 警察官がその場にいない場合に限り 自衛隊用緊急通行車両等及び消防用緊急車両の通行のため 同様の措置を講ずる (4) 交通規制の標識等の設置府警察及び道路管理者は 車両の通行を禁止し 又は制限する措置を講じた場合は 緊急の場合を除き 規制の対象 期間等を表示した標識等を設置する (5) 一般社団法人大阪府警備業協会との連携府は 必要に応じて 社団法人大阪府警備業協会に対し 災害時における交通の確保等の業務に関する協定 に基づき出動要請を行う 府警察は 災害時における交通の確保等の業務に関する細目協定 に基づき 派遣された警備員の運用を行う 2 緊急交通路の周知府 市町村 府警察及び道路管理者は 報道機関等を通じて 消防機関 医療機関 自衛隊 交通関係事業者 ライフライン事業者など緊急輸送活動に係る関係機関等に対して 交通規制の状況を連絡するとともに 緊急交通路への一般車両の進入を防止し 緊急交通路の機能を十分に発揮させるため 住民への周知を行う 3 緊急通行車両等の確認府公安委員会が災害対策基本法第 76 条第 1 項に基づく通行の禁止又は制限を行った場合は 府及び府公安委員会は 同法施行令第 33 条の規定により 緊急通行車両等であることの確認を行い 当該車両の使用者に対して標章及び証明書を交付する 4 輸送手段の確保 府は 府警察 自衛隊 並びに日本通運株式会社 一般社団法人大阪府トラック協会及 び赤帽大阪府軽自動車運送協同組合などの運送事業者の協力を得て 緊急輸送活動を行う 5 輸送基地の確保 (1) 陸上輸送基地に選定された施設の管理者は 施設及びその周辺の被害状況や施設の利用可能状況を把握し 府に報告する (2) 施設管理者は 輸送活動の支障となる障害物の除去に努める (3) 府は 被災地の状況 道路の状況 緊急輸送活動等を考慮して 利用する陸上輸送基 - 222 -

地を指定し 施設の管理者 府警察 自衛隊 一般社団法人大阪府トラック協会 赤帽 大阪府軽自動車運送協同組合及び社団法人大阪バス協会など運送業者に連絡する 6 高速道路等が緊急交通路等に指定された場合の措置災害対策基本法又はその他の関係法令の規定に基づき 高速道路が関係機関から緊急交通路に指定されたときは 西日本高速道路株式会社 阪神高速道路株式会社又は大阪府道路公社はこれに対処すべき必要な措置を行い 道路交通の確保に協力するものとする この場合において 料金を徴収しない車両の取扱い等 料金収受業務に関し 適切な措置を講ずるものとする 7 緊急交通路の補完的機能の確保府は 必要があると認める場合 河川管理者 ( 国土交通大臣 ) を通じ 河川 ( 淀川 ) における船着場と一体的に機能し 緊急交通路の補完的機能を果たす緊急用河川敷道路の通行可能状況を把握し 利用について河川管理者と協議するなど 緊急交通路の補完的機能の確保に努める 第 2 水上輸送 1 輸送基地の確保 (1) 海上輸送基地に選定された港湾及び漁港の管理者は 港内及びその周辺の被害状況や港湾等の施設の利用可能状況を把握し 府に報告する (2) 府は 河川管理者を通じて 船着場の利用可能状況や航路の通行可能状況を把握する (3) 港湾及び漁港管理者 河川管理者は 輸送活動の支障となる障害物の除去に努める (4) 府は 府警察 第五管区海上保安本部 自衛隊に 利用可能な海上輸送基地 船着場を連絡する 2 海上交通の制限等第五管区海上保安本部は 海上交通の安全を確保するために必要な交通の制限等を行う (1) 港内及び港の周辺海域における船舶交通の安全を確保する必要があると認める場合は 船舶交通を制限し又は禁止する (2) 海上交通の制限等を行う場合は 必要に応じ 応急標識の設置 巡視船艇の配置等の措置を講ずる (3) 海上交通の制限等の措置を講じた場合は 直ちに航行警報 ラジオ テレビ放送 巡視船艇等により周知する 3 輸送手段の確保府及び市町村は 府警察 第五管区海上保安本部 自衛隊及び近畿旅客船協会の協力を得て 緊急輸送活動を行う また 知事は 必要に応じて 近畿運輸局に輸送力確保を要請する 第 3 航空輸送 - 223 -

状況に応じ 陸上輸送を補完する活動として 航空輸送を行う 1 輸送基地の確保 (1) 府は 大阪市消防局 府警察 第五管区海上保安本部 大阪航空局 新関西国際空港株式会社 自衛隊の協力を得て 空港及び航空機の利用可能状況を把握する (2) 市町村は 災害時用臨時ヘリポートにおける障害物の有無等 利用可能状況を把握し 府に報告する (3) 府及び市町村は 大阪市消防局 府警察 第五管区海上保安本部 自衛隊と協議し 開設するヘリポートを指定する 2 輸送手段の確保 府及び市町村は 大阪市消防局 府警察 第五管区海上保安本部 自衛隊 大阪航空局 新関西国際空港株式会社の協力を得て 緊急輸送活動を行う - 224 -

災害応急対策 第 5 章交通対策 緊急輸送活動 第 2 節交通の維持復旧 鉄軌道 道路 港湾 漁港 空港施設の管理者は 迅速な初動対応と利用者の安全確保のための対 策を講ずるとともに 都市機能を確保するために 速やかに交通機能の維持 回復に努める 第 1 交通の安全確保 1 被害状況の報告 各施設管理者は 速やかに施設の被害状況を調査し 被害が生じた場合は その状況を 府に報告する 2 各施設管理者における対応 (1) 鉄軌道施設 ( 西日本旅客鉄道株式会社 日本貨物鉄道株式会社 阪神電気鉄道株式会社 阪急電鉄株式会社 京阪電気鉄道株式会社 近畿日本鉄道株式会社 南海電気鉄道株式会社 大阪府都市開発株式会社 ( 泉北高速鉄道 ) 北大阪急行電鉄株式会社 大阪高速鉄道株式会社 阪堺電気軌道株式会社 水間鉄道株式会社 大阪市交通局 能勢電鉄株式会社 ) ア地震の場合は 予め定めた基準により 列車の緊急停止 運転の見合わせ若しくは速度制限を行う イ負傷者には 応急救護の措置を講ずるとともに 必要に応じて 消防署 警察署 海上保安監部署及び海上保安航空基地に通報し 出動の要請を行う ウ乗客の混乱を防止するため 適切な車内放送及び駅構内放送を行うとともに 状況に応じて 安全な場所への避難誘導を行う (2) 道路施設 ( 府 市町村 近畿地方整備局 西日本高速道路株式会社 阪神高速道路株式会社 大阪府道路公社 ) ア地震の場合は 予め定めた基準により 通行の禁止又は制限を実施する イ負傷者には 応急救護の措置を講ずるとともに 必要に応じて消防署 警察署に通報し 出動の要請を行う ウ交通の混乱を防止するため 通行車両の迂回路への誘導等適切な措置を講ずる (3) 港湾施設 漁港施設 ( 府 大阪市 ) ア港湾施設 漁港施設に被害が生じたときは 供用の一時停止等の措置を講ずる イ負傷者には 応急救護の措置を講ずるとともに 必要に応じて消防署 警察署 海上保安監部署及び海上保安航空基地に通報し 出動の要請を行う ウ利用者の混乱を防止するため 適切な案内放送を行うとともに 状況に応じて 安全な場所への避難誘導を行う (4) 空港施設 ( 大阪航空局 新関西国際空港株式会社 ) ア滑走路 エプロンその他の空港土木基本施設及び管制施設等に被害が生じたときは 供用の一時停止等の措置を講ずる イ負傷者には 応急救護の措置を講ずるとともに 必要に応じて消防署 警察署 海上 - 225 -

保安監部署及び海上保安航空基地に通報し 出動の要請を行う ウ利用者の混乱を防止するため 適切な案内放送を行うとともに 状況に応じて 安全 な場所への避難誘導を行う 第 2 交通の機能確保 1 障害物の除去 各管理者は交通の支障となる障害物を除去し 除去した障害物については 各管理者が責 任をもって廃棄又は保管の措置をとる 2 各施設管理者における復旧 (1) 鉄軌道施設ア線路 保安施設 通信施設など列車運行上重要な施設を優先して応急復旧を行うとともに 被害状況 緊急性 復旧の難易度などを考慮し 段階的な応急復旧を行う イ被害状況によっては 他の鉄軌道管理者からの応援を受ける ウ運行状況 復旧状況 今後の見通しを関係機関に連絡するとともに 報道機関を通じ広報する (2) 道路施設ア被害状況 緊急性 復旧の難易度などを考慮し 緊急交通路を優先して応急復旧を行うとともに 順次その他の道路の応急復旧を行う なお 橋梁 トンネルなど復旧に時間を要する箇所を含む道路は 代替道路の確保に努める 自動車専用道路は 速やかに復旧させるよう部分開通するための段階的な応急復旧を行う イ被害状況によっては 他の道路管理者からの応援を受ける ウ通行状況 復旧状況 今後の見通しを関係機関に連絡するとともに 報道機関を通じ広報する (3) 港湾施設 漁港施設ア係留施設 臨港交通施設 外郭施設などの応急復旧を行う イ近畿地方整備局は 国有港湾施設等の応急工事を実施するとともに 港湾管理者からの要請により 必要に応じて 応急復旧工事の技術指導を行う ウ使用状況 復旧状況 今後の見通しを関係機関 報道機関を通じ広報する (4) 空港施設 ( 大阪航空局 新関西国際空港株式会社 ) ア空港管理者は 滑走路 航空管制施設などの航空機の離発着に不可欠な施設を優先して応急復旧を行い 併せてエプロンなどの応急復旧に努める 被害が大きい場合には 部分再開するための空港施設の応急復旧に努める イ被害状況によっては 他の空港管理者からの応援を受ける ウ運行状況 復旧状況 今後の見通しを関係機関に連絡するとともに 報道機関を通じ広報する - 226 -