コントロール不良の中等症から重症の喘息を有する成人および思春期患者の維持療法に追加する治療薬としてのデュピクセント は 現在米国 日本 欧州連合 (EU) などの各国で審査中で その安全性および有効性に関する各国の規制当局の評価は完了しておりません 米国での審査期日は 2018 年 10 月 20

Similar documents
日本内科学会雑誌第98巻第12号

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

アトピー性皮膚炎の治療目標 アトピー性皮膚炎の治療では 以下のような状態になることを目指します 1 症状がない状態 あるいはあっても日常生活に支障がなく 薬物療法もあまり必要としない状態 2 軽い症状はあっても 急に悪化することはなく 悪化してもそれが続かない状態 2 3

中医協総 最適使用推進ガイドラインデュピルマブ ( 遺伝子組換え ) ( 販売名 : デュピクセント皮下注 300 mg シリンジ ) ~ 気管支喘息 ~ 平成 31 年 3 月 厚生労働省

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

DRAFT#9 2011

(別添様式)

DRAFT#9 2011

目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴 作用機序 P3 3. 臨床成績 P4 4. 施設について P10 5. 投与対象となる患者 P11 6. 投与に際して留意すべき事項 P12 1


試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

患者向医薬品ガイド 2019 年 5 月改訂 デュピクセント皮下注 300mg シリンジ この薬は? 販売名一般名含有量 (1 製剤中 ) デュピクセント皮下注 300mg シリンジ Dupixent 300mg Syringe for S.C. Injection デュピルマブ ( 遺伝子組換え

Microsoft Word - jpn PhRMAPrinciplesForResponsibleClinicalTrialDataSharing-R

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

医師のためのTUE申請ガイドブック2013_本文.indd

デュピクセントを使用される患者さんへ

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

第 1 四半期は好調なスタートとなり 通年でも好調を維持する見通しです 主要製品の販売量を高水準で維持しながら 他の主な指標すべてにおいても 非常に好調であった前年同期からさらに大幅に向上しました と コベストロのチーフ コマーシャル オフィサー (CCO) であり 次期最高経営責任者 (CEO)

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

(別添様式1)

緒言

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

<4D F736F F D DC58F4994C5817A53544C2094E789BA928D5F8AB38ED28CFC834B F94CC94848CB392C78B4C C5292E646F63>

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

バイオ医薬品は生物を用いて製造されます 通常 細菌や動物細胞などの生体の中で目的とするタンパク質を産生させます バイオ医薬品の特性は製造プロセスの状態に依存するところが大きく しばしば プロセスが製品 と喩えられます 事実 製造プロセスにおける小さな変更でも 最終製品の違いにつながる可能性があります


要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

スライド 1

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日

<4D F736F F D20838A838A815B83588E9197BF B ED0416E616D6F72656C696E815E4F4E4F BD82C88C8B89CA9

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

本調査では アトピー性皮膚炎治療における 医師 - 患者間コミュニケーションの改善が治療継続のモチベーションを上げ 治療の満足度向上に寄与することが示唆されています サノフィジェンザイムは アトピー性皮膚炎患者さんの QOL 向上に取り組むため アレルギーに関する情報サイト アレルギー i において

95_財団ニュース.indd

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

薬生薬審発 0326 第 7 号平成 31 年 3 月 26 日 都道府県各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課長 ( 公印省略 ) デュピルマブ ( 遺伝子組換え ) 製剤の 最適使用推進ガイドライン ( 気管支喘息 ) について 経済財政運営

スライド 1

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

Microsoft Word - …gŠÕ‘°ŒÚ”�.doc

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

(事務連絡)300417デュピルマブ最適GL留意事項通知

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを


10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん

<4D F736F F D DC58F4994C5817A54524D5F8AB38ED28CFC88E396F B CF8945C8CF889CA92C789C1816A5F3294C52E646

My DIARY ベンリスタをご使用の患者さんへ

saisyuu2-1

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条


2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

レクタブル 2 mg 注腸フォーム 14 回に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 レクタブル 2 mg 注腸フ 有効成分 ブデソニド ォーム14 回 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 29 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

テイカ製薬株式会社 社内資料

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

医療法人原土井病院治験審査委員会

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

ICHシンポジウム2013 E14

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

会社名

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

Microsoft Word - H _概要_.doc

<4D F736F F D20838A838A815B83588E9197BF D B837B89A295C D815B837D905C90BF E646F637

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

PT51_p69_77.indd

01-02(先-1)(別紙1-1)血清TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464>

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

確認試験に対し 追加的な試験を実施する必要がないことを意味する この投票結果は PSC が FluBlok の Accelerated Approval ではなく Regular Approval あるいは Traditional Approval を得ることを意味する これは PSC にとって大成

がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2

バイエルのダロルタミド+アンドロゲン遮断療法(ADT)、非転移性去勢抵抗性前立腺癌においてプラセボ+ADT と比較して無転移生存期間を有意に延長し安全性プロファイルも良好

現在にいたっております その結果 現在 HPVワクチンは定期接種でありながら 接種対象となる12 歳から16 歳の女子に対する接種がほとんど行われていないのが現状です このような状況は先進国では日本だけで見られていることであり 将来 子宮頸がんの発症が他国に比べて著しく高くなるというような事態が起き

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

減量・コース投与期間短縮の基準

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

Transcription:

Press Release Source: Sanofi (EURONEXT: SAN) (NYSE: SNY) 本資料は サノフィ ( フランス パリ ) および Regeneron 社 ( ニューヨーク州タリータウン ) が 2018 年 5 月 21 日 ( 現地時間 ) に発表したプレスリリースを日本語に翻訳 編集し 5 月 30 日に配信するものです 本資料の正式言語はフランス語 英語であり その内容および解釈については両言語が優先します 日本語で承認されている主な製品名および一般名についてはカタカナ表記をしています デュピルマブの喘息については日本でも承認申請を行っています The New England Journal of Medicine デュピクセント ( デュピルマブ ) の 2 つの第 Ⅲ 相試験で中等症から重症の喘息の改善を示す肯定的な結果を掲載 コントロール不良の喘息患者を対象とした 2 つの第 Ⅲ 相臨床試験で検討した喘息の複数の評価項目において ベースラインにおける好酸球数などの 2 型炎症 (Type2 炎症 ) のバイオマーカーに関係なく有意な改善がみられました 好酸球数や呼気中の一酸化窒素濃度などの 2 型炎症 (Type2 炎症 ) マーカーが高値の患者ほど高い有用性がみられました ステロイドの減量効果を検討した VENTURE 試験では デュピクセント 投与群はプラセボ群に比べ経口ステロイド剤の減量 喘息増悪発現率の低下や肺機能の改善がみられました 両試験 (QUEST 試験 VENTURE 試験 ) とも デュピクセント 投与群では 初回投与の 2 週後から肺機能の改善がみられ 改善効果は 52 週間にわたって持続しました フランス パリおよびニューヨーク州タリータウン - 2018 年 5 月 21 日 -The New England Journal of Medicine(NEJM) は本日 中等症から重症の喘息に対するデュピクセント ( デュピルマブ ) の 2 つの第 Ⅲ 相試験の詳細な結果を掲載しました 試験結果は デュピクセント が重度の喘息発作 ( 増悪 ) のリスクを有意に低減し 肺機能を改善し 経口ステロイド剤への依存度を低減することを示しています これら 2 試験 (QUEST 試験および VENTURE 試験 ) は コントロール不良の喘息患者を対象としたデュピクセント のピボタル臨床試験プログラムの一環として行われました これらのデータは NEJM での掲載と同時に American Thoracic Society(ATS: 米国胸部学会議 ) 2018 にて発表されました QUEST 試験 VENTURE 試験ともに デュピクセント は全患者集団で主要評価項目と副次評価項目で有意の改善をもたらし 治療の有用性は重度の 2 型炎症 (Type2 炎症 ) がみられる患者さん すなわち好酸球数が高い もしくは呼気中の一酸化窒素濃度が高い患者さんで特に優れているとの結果が得られました 2 型炎症 (Type2 炎症 ) を示すパラメータには 免疫グロブリン E(IgE) の上昇などもあります デュピクセント は 喘息に加え 他のアレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎における 2 型アレルギー性炎症を促進する主なシグナル伝達経路である IL-4/IL-13 経路を遮断します

コントロール不良の中等症から重症の喘息を有する成人および思春期患者の維持療法に追加する治療薬としてのデュピクセント は 現在米国 日本 欧州連合 (EU) などの各国で審査中で その安全性および有効性に関する各国の規制当局の評価は完了しておりません 米国での審査期日は 2018 年 10 月 20 日とされています デュピクセント は現在 中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者に対する治療薬として多数の国々で承認されています デュピクセント は サノフィと Regeneron 社とのグローバル提携契約の下で共同開発を行っています LIBERTY ASTHMA QUEST について第 Ⅲ 相 QUEST 試験は 中等症から重症の喘息を有する成人および思春期患者を幅広く対象した試験で ( ベースライン時点の好酸球数やその他のバイオマーカー値に制限なし ) 標準治療にデュピクセント を追加投与することの有用性が示されました デュピクセント 投与群ではプラセボ群に比べ 重度の喘息発作の発現率が低く 肺機能も良好でした 肺機能の改善は デュピクセント 投与開始後第 1 回の測定時点である 2 週後から認められ 改善効果は 52 週間の試験期間を通じて認められました 5 項目からなる喘息コントロール質問票 (ACQ-5) と喘息 QOL 質問票 (AQLQ) を用いた患者評価では 喘息のコントロールと生活の質 (QOL) の改善が明らかにされました セントルイスの Mario Castro, M.D.(Alan A. and Edith L. Wolff Professor of Pulmonary and Critical Care Medicine at Washington University School of Medicine) は 次のように述べています 喘息患者さんの約 20% には 現在ある治療を受けても中等症から重症の喘息症状が現れます NEJM に本日掲載された研究結果は 生物学的製剤を標準治療に追加すると幅広い患者さんで喘息治療の治療目標を数多く達成できる可能性を示す第 Ⅲ 相試験の結果です デュピクセント は 中等症から重症の喘息患者さんの多くにみられるコントロール不良の症状をもたらしている Type 2 炎症に関与する 2 つの重要なタンパク質 (IL-4 と IL-13) からの作用を遮断するよう開発された医薬品です QUEST 試験には 世界各地の 1,902 名の患者さんが参加し 1,795 名は成人 107 名は思春期の患者さんでした 患者さんは デュピクセント 200mg の隔週投与 ( 初回投与は 400mg) を行う群と 300mg の隔週投与 ( 初回投与は 600mg) を行う群と それぞれに対するプラセボ群の計 4 群としました 試験参加者の全員が試験期間を通じて中用量または高用量でのステロイド吸入療法と最大 2 剤の長期管理薬 ( コントローラー ) の投与を続行しました NEJM の掲載論文では 下表を含む 主な評価項目に関するデータを示しています QUEST データの要約 52 週間の投与期間中の重度喘息発作の年間発現率の低下 ( プラセボ群との比較 ) 患者全体 デュピクセント 200 mg 群 (n=63 vs プラセボ群 (n=317) 48%(p<0.00 デュピクセント 200 mg 群 (n=264) vs プラセボ群 (n=148) (n=633) vs プラセボ群 (n=32 46%(p<0.00 (n=277) vs プラセボ群 (n=142) 66%( 名目上の p<0.00 67%(p<0.00 ベースラインから 12 週後までの 1 秒量 (FEV の絶対変化 (%)( プラセボ群との比較 ) 2) デュピクセント 200 mg 群 (n=61 vs プラセボ群 (n=307) (n=610) vs プラセボ群 (n=313)

患者全体 共主要評価項目 2) 第 12 週に FEV1 を測定した患者の数 140 ml(p<0.00 (9%) デュピクセント 200 mg 群 (n=256) vs プラセボ群 (n=144) 210 ml( 名目上の p<0.00 (13%) 130 ml(p<0.00 (9%) (n=266) vs プラセボ群 (n=139) 240 ml(p<0.00 (18%) 52 週間の投与期間中 有害事象の発現率に特段の群間差はありませんでした ( デュピクセント 投与の両群で 81% プラセボ投与の両群で 83%) 重篤な有害事象の発現率はデュピクセント 投与の両群では 8% プラセボ投与の両群では 8% でした デュピクセント 投与群の方がプラセボ群に比べて高率で認められた主な有害事象は 注射部位反応 ( デュピクセント 投与群 16.8% プラセボ群 7.9%) 背部痛 ( デュピクセント 投与群 4.4% プラセボ群 3.6%) 好酸球増加症 ( デュピクセント 投与群 4.1% プラセボ群 0.6%) でした LIBERTY ASTHMA VENTURE について第 Ⅲ 相 VENTURE 試験も 参加時のバイオマーカー値に制限を設けず患者を登録しました 試験では ステロイド依存性重症喘息を有する成人および思春期患者において 標準治療に追加してデュピクセント を投与すると プラセボ群に比べ 24 週後時点の経口ステロイド剤の減量が認められ 喘息のコントロールが向上することが明らかにされました デュピクセント 投与群では 経口ステロイド剤の投与量が全体で 70% の減量 ( プラセボ群では 42% 減量 ) ベースライン時点での好酸球数が 300/μL では 80% の減量 ( プラセボ群では 43% 減量 ) が認められました デュピクセント 投与群では 経口ステロイド剤を減量した状態で重度の喘息発作発現率の低下と 肺機能の改善がみられました ドイツ キールの Klaus Rabe, MD.(Director of the Department of Pneumology at LungenClinic Grosshansdorf and Professor of Medicine at Christian Albrechts University) は次のように述べています 重症の喘息患者さんの最大 45% が症状のコントロールにステロイドの全身投与を必要としていますが 副作用に留意すべきことは世界的な喘息治療ガイドラインで指摘されています 第 Ⅲ 相 VENTURE 試験では 標準治療に追加してデュピクセント の投与を受けた患者さんの大部分で経口ステロイド剤の使用量が減少し ほぼ半数の患者さんが経口ステロイド剤の投与を完全に中止しながら喘息の改善が得られました 24 週間の VENTURE 試験では 重度の喘息がみられ 試験開始前の 24 カ月間に経口ステロイド剤による維持療法を定期的に受けていた 210 名の患者さん ( デュピクセント 投与群 103 名 プラセボ群 107 名 ) が参加しました 両群の患者さんは デュピクセント 300mg の隔週投与 ( 初回用量は 600mg) またはプラセボの投与を受けました 試験参加者の全員が試験期間を通じて高用量でのステロイド吸入療法と最大 2 剤の長期管理薬 ( コントローラー ) の投与を続行しました 試験で処方された経口ステロイド剤は プレドニゾンまたはプレドニゾロンでした NEJM の掲載論文では 下表を含む 主な評価項目に関するデータを示しています 24 週時点での経口ステロイド剤の減量率 VENTURE 試験のデータ (n=103) プラセボ群 (n=107)

患者全体 70%(p<0.001 対プラセボ群 ) 42% (n=48) 経口ステロイド剤を 50% 以上減量できた患者の割合 プラセボ群 (n=4 80%(p<0.001 対プラセボ群 ) 43% 患者全体 80%(p<0.001 対プラセボ群 ) 50% 経口ステロイド剤の 1 日量を 5 mg/ 日未満まで減量できた患者の割合 患者全体 69%(p<0.001 対プラセボ群 ) 33% 共主要評価項目 重度喘息発作の年間発現率の変化 (24 週間の検討 ) ベースラインから第 24 週時点までの FEV 1 の絶対変化 (%) *NJEM の論文に掲載していないデータ VENTURE 試験のデータ ( 続き ) デュピクセント 300mg 群 (n=103) とプラセボ群 (n=107) との差 ( 患者全体 ) 59% 低下 220 ml(15%*) 改善 デュピクセント 300mg 群 (n=48) とプラセボ群 (n=4 との差 ( 好酸球数 300/μL ) 71% 低下 ( 名目上の p<0.005 対プラセボ群 ) 320 ml(25%*) 改善 24 週間の治療期間中の有害事象の発現率は デュピクセント 投与群 62% プラセボ群 64.5% と差はありませんでした 重篤な有害事象の発現率は デュピクセント 投与群 9% プラセボ群 6% でした デュピクセント 投与群の方がプラセボ投与群に比べて高率で認められた主な有害事象は 注射部位反応 ( デュピクセント 投与群 9% プラセボ群 4%) 気管支炎 ( デュピクセント 投与群 7% プラセボ群 6%) 副鼻腔炎 ( デュピクセント 投与群 7% プラセボ群 4%) 好酸球増加症 ( デュピクセント 投与群 14% プラセボ群 1%) でした 以上 サノフィについて サノフィは 健康上の課題に立ち向かう人々を支えます 私たちは 人々の健康にフォーカスしたグローバルなバイオ医薬品企業として ワクチンで人々を守り 革新的な医薬品で痛みや苦しみを和らげます 希少疾患をもつ少数の人々から 慢性疾患をもつ何百万もの人々まで 寄り添い支え続けます サノフィでは 100 カ国において 10 万人以上の社員が 革新的な医科学研究に基づいたヘルスケア ソリューションの創出に 世界中で取り組んでいます サノフィは Empowering Life のスローガンの下 ヘルスジャーニー パートナーとして人々を支えます

Regeneron 社について Regeneron 社 (NASDAQ:REGN) は 重篤な疾患に対する治療薬の創薬を行うバイオ医薬品企業です 医科学者が創設し 約 30 年間にわたり率いてきた企業として 科学を医療ソリューションとして実現する力を発揮し続けています 自社研究により FDA 承認に至った新薬は 6 品目 現在開発中の治療薬候補は数十品目にのぼります 当社の医薬品とパイプライン品目は 眼疾患 心疾患 アレルギー 炎症性疾患 疼痛 がん 感染症および希少疾患の患者さんのニーズに応えることを目的としています Regeneron 社は 最適化した完全ヒト抗体が得られる VelocImmune を含む独自の VelociSuite 技術や 世界最大級の遺伝子解析施設である Regeneron Genetics Center をはじめとする様々な野心的プロジェクトを通じ 従来の医薬品開発プロセスの加速と改善に取り組んでいます 詳細は www.regeneron.com にてご覧いただけます サノフィ今後の見通しに関する記述当プレスリリースには 1995 年民間有価証券訴訟改正法 ( 修正を含む ) でいう 今後の見通しに関する記述 が含まれています 今後の見通しに関する記述とは 歴史的事実を述べるものではない記述です これらの記述には 計画と予測ならびにそれらの根拠となる前提 将来の財務結果 事象 事業 サービス 製品の開発および可能性に関する計画 目標 意向および期待に関する記述 ならびに 将来の実績に関する記述が含まれます 一般的に 今後の見通しに関する記述は 予想 期待 見込み 予定 予測 計画 などの表現によって識別されます サノフィの経営陣はそのような今後の見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えますが 投資家は今後の見通しに関する情報と記述がさまざまなリスクと不確実性の影響を受けやすく それらの多くが予測困難であり 通常サノフィが制御できず そのために実際の結果と進展が 今後の見通しに関する情報と記述の中で表現された 暗示された または予測されたものとは実質的に異なる場合があることに注意してください そのようなリスクと不確実性には 研究開発 市販後を含む今後の臨床データおよび解析 薬剤 機器 生物学的製剤などの製品候補について提出される申請の承認の是非および時期に関する FDA や EMA などの規制当局の決定 ならびにそのような製品候補の利用可能性や商業的可能性に影響を及ぼすラベリングその他の問題に関する当局の決定に付随する不確実性 製品候補が承認された場合に商業的に成功するという保証の欠如 代替治療薬の将来的な承認および商業的成功とサノフィが外部成長の機会から利益を得る可能性および / または規制当局の承認を得る能力 知的財産に関連するリスクおよび知的財産に関する現在係争中または将来に生じる訴訟 当該の訴訟の最終結果に付随する不確実性 為替レートと実勢金利のトレンド コスト削減イニシアチブとその後の変更の影響 期中平均発行済み株式数 ならびにサノフィの 2016 年 12 月 31 日終了事業年度フォーム 20-F 年次報告書の リスク要因 および 今後の見通しに関する記述 項目を含む サノフィが作成した SEC および AMF に対する公の届け出の中で議論されているかまたは特定されているものが含まれます サノフィは 適用法によって義務付けられている場合を除き 今後の見通しに関する情報または記述の更新または見直しを行う義務を負うものではありません