耐震診断 耐震改修に関する設計に係る業務報酬基準案について寄せられたご意見と国土交通省の考え方 20 名の個人 団体から合計 66 件の意見をいただきました とりまとめの都合上 内容を適宜要約させていただいております 本業務報酬基準案と直接の関係がないため掲載しなかったご意見についても 今後の施策の

Similar documents
<4D F736F F D BC696B195F18F568AEE8F808CA992BC82B582C982C282A282C42E646F63>

スライド 1

<4D F736F F D BC696B195F18F568AEE8F E CC89F1939A8D9E82DD816A8F4390B32E646F63>

( 参考 ) 業務報酬基準の概要について ( 告示 15 号の構成 ) 建築士事務所の開設者が業務に関して請求することのできる報酬の基準を示しており 第一 ~ 第三の実費加算方法に関する項と第四の略算方法に関する項で構成されている 実費加算方法 ( 第一 第二 第三 ) 実費加算方法 : 各経費等に

表紙1_4

耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

Microsoft Word - 所有者周知用(全体).doc

明治時代の建築法規

<4D F736F F D F E968D8090E096BE82CC837C B4C8F7193E CC93C782DD91D682A62E646F63>

標準業務内容 建築主と耐震診断の実施者 耐震改修の設計者などの役割分担 耐震診断 耐震改修に係る設計等の業務報酬基準とは 設計 工事監理等に係る契約を締結しようとする者は 建築士法第 25 条に規定する報 酬の基準 ( 業務報酬基準 ) に準拠した委託代金で契約を締結するように努めなければなら ない

業務報酬基準について 参考 1 業務報酬基準は 建築士法第 25 条に基づき 建築士事務所による設計等の業務の適切かつ円滑な実施を推進するため 国土交通大臣が 中央建築士審査会の同意を得て 告示で制定するもの 設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとする者は 業務報酬基準に準拠した委託代金で契

様式 2-2 平成 27 年度耐震対策緊急促進事業補助金交付 申請 決定 額表 事業主体名 ( 単位 : 千 ) 都道府県名 市町村名 耐震診断 補強設計 耐震改修対象建築物の名称 補助金額 摘要 ( 備考 ) 1 本表は別に 2 部作成し 提出すること 2 本表は 事業ごとに作成すること


BIM/CIM 活用における 段階モデル確認書 作成マニュアル 試行版 ( 案 ) 平成 31 年 3 月 国土交通省 大臣官房技術調査課

Ⅲ 診断判定モデル住宅事例 建物概要 2 階建て木造住宅延べ床面積 53 m2 1 昭和 56 年 6 月以降 2 地盤は普通か良い 3 鉄筋コンクリート基礎 4 屋根は軽い 5 健全である 6 壁量多い 7 筋かいあり 8 壁のバランスが良い 9 建物形状はほぼ整形 10 金物あり 老朽度 診断結

年次業務報告書記載に関する留意点

耐震設計提出書類 札幌市申請 ( 詳細は札幌市に確認のこと ) 協会設計精査確認札幌市完了報告 ( 詳細は札幌市に確認のこと ) 69 木造住宅耐震改修等補助金交付申請書 ( 様式 1) 木造住宅耐震設計事業計画書 ( 協会様式 5) 木造住宅耐震改修工事等完了報告書 ( 様式 9) 住民票 ( 法

<4D F736F F F696E74202D F8AF991B B8A EA8EAE816A816990E096BE89EF8E5189C18ED C5816A>

山形県県土整備部資材単価及び歩掛等決定要領

様式第 1 号 ( 第 6 条関係 ) 御殿場市プロジェクト TOUKAI-0 総合支援事業費補助金交付申請書 年月日 御殿場市長様 郵便番号 住所 ( 所在地 ) 申請者 ( フリガナ ) 氏名 ( 名称並びに代表者の役職及び氏名 ) 印 電話番号 御殿場市プロジェクト TOUKAI-0 総合支援

住宅の省エネエネ改修改修に伴う固定資産税固定資産税の減額制度減額制度について 平成 20 年 1 月 1 日以前に建てられた住宅 ( 賃貸住宅を除く ) について 平成 20 年 4 月 1 日から平成 32 年 3 月 31 日までの間に 一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合 120 m2

< F2D D8791CC817995D28F578CE B38CEB94BD8966>

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施


<4D F736F F D208E9197BF315F B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B925F E646F63>

砥部町木造住宅耐震診断技術者派遣事業実施要綱

<4D F736F F D B5A8F708E6D8BC696B195F18F5692B28DB882DC82C682DF8A4F95948CFC82AF2888C >

基本方針

公共建築改善プロジェクト(仮)

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

<4D F736F F D C9A927A8E6D8E918A698EE693BE90A FC91508BA493AF D8F912E646F6378>

向日市木造住宅耐震診断士派遣事業実施要綱

0720_最終_耐震性能検証法チラシ案3種サンプル

横浜市のマンション 耐震化補助制度について

198 第 3 章 減価償却資産の取得価額 キーワード ソフトウエアに係る取得価額購入したソフトウエアの取得価額は 1 当該資産の購入の代価と 2 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用との合計額とされています 引取運賃 荷役費 運送保険料 購入手数料 関税 その他の当該資産の購入のために要

平成 27 年 9 月 14 日 情報通信審議会答申 加入光ファイバに係る接続制度の在り方について の中で ~ 略 ~ NTT 東西において 1 光配線区画を分割 縮小する事例を類型化した上で 公表することが適当である また NTT 東西においては 事後的に分割 縮小される光配線区画等について 接続

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

特定個人情報の取扱いの対応について

Microsoft Word - 暱京髟裆 平拒16年(衄ㇳ)32.docx

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

SBIAQ確認検査業務手数料規定

PowerPoint プレゼンテーション

地域経済分析システム () の表示内容 ヒートマップでは 表示する種類を指定する で選択している取引価格 ( 取引面積 mあたり ) が高い地域ほど濃い色で表示されます 全国を表示する を選択すると 日本全国の地図が表示されます 都道府県単位で表示する を選択すると 指定地域 で選択している都道府県

図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

<4D F736F F D CF906B C98AD682B782E982B182C A2E646F63>

第四直接人件費等に関する略算方法による算定鉄骨造 鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物又は戸建木造住宅に係る設計等の業務を行う場合にあっては 業務経費のうち直接人件費並びに直接経費及び間接経費の合計額の算定については 第二のイ ニ又はホにかかわらず 次のイ又はロに定める算定方法を

11総法不審第120号

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

Microsoft PowerPoint  税-1(平成28年度補てん状況把握)

PowerPoint プレゼンテーション

事務連絡 平成 31 年 2 月 28 日 ( 一社 ) 住宅リフォーム推進協議会ご担当者様 国土交通省住宅局住宅政策課 住宅企画官付 住宅生産課 建築指導課 税制特例に係る証明書における建築士等の個人の住所欄の削除について 平素より住宅行政の推進にご協力をいただき 誠に有難うございます 先般 パブ

アネストの調査報告書について 調査報告書は住まいのまいの大切大切な記録記録 だからこそだからこそ記録記録されるされる内容内容にはこだわりがありますにはこだわりがあります 調査報告書は購入される住宅 もしくは既に居住されている住宅の大切な記録となるものです だからこそ アネストでは報告書を商品だと考え

土木工事書類スリム化ガイドの発行にあたり 関東地方整備局では 平成 20 年度の 土木工事書類作成マニュアル 策定を契機に 工事書類の簡素化に努めています また 平成 27 年度より 工事書類の提出方法を事前協議で明確にすることで 紙媒体の提出に加えて電子データを提出する二重提出の防止に向けて取り組

2012.indb

名古屋市民間木造住宅耐震診断実施要綱 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 旧基準木造住宅の所有者が耐震診断を実施するにあたり 名古屋市が予算の範囲内において耐震診断員を派遣することにより 住宅の安全に対する意識の啓発及び耐震改修の促進を図ることを目的とする ( 用語の定義 ) 第 2 条この要綱にお

11総法不審第120号

Microsoft Word - H30 市税のしおり最終版

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

資料 1 SAMPLE

資料 5 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 論点 3 CM 賠償責任保険制度のあり方 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 建築事業をベースに CMR の各段階に応じた業務内容 目的ならびに善管注意義務のポイントを整理 CM 契約における債務不履行責任において 善管注

財団法人 神奈川県建築安全協会

非木造住宅 耐震化支援事業のご案内


財団法人新潟県建築住宅センター

Q7: 判定様式には80% を超えるサービスのみ記載するのですか? それとも 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスはすべて記載するのですか? A7: 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスについて すべて記載してください Q8:

平成27年度事業計画書

Taro-町耐震改修助成要綱 j

目次 ( )

2

<4D F736F F D2093B998488E7B90DD8AEE967B B835E8DEC90AC977697CC2E646F63>

発注者支援業務(工事監督支援業務)のポイント

日本基準基礎講座 収益

わが国は世界有数の地震大国です 日本周辺では世界の 10 分の 1 の地震が起こると言われています 東日本大震災では 被害は甚大なものとなってしまいました 阪神 淡路大震災では犠牲者の大半が 建物の倒壊 や 火災 により亡くなっています 今までの悲劇を繰り返さないためにも 建築物の耐震化は喫緊の課題

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

<4D F736F F D C888DD9817A CE899E95FB906A955C81698CF6955C A>

基金通信

PowerPoint プレゼンテーション

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

目次構成

これだけは知っておきたい地震保険

許可及び認定申請等

エネルギーの使用の合理化等に関する法律 ( 昭和 54 年法律第 49 号 ) 第 73 条第 1 項に規定する建築物の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止及び建築物に設ける空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用のための判断に係る業務 建築物総合環境性能評価システム (CASBEE) による評価に

杉並区木造以外の建築物に関する耐震化支援事業実施要綱

<4D F736F F D A6D92E8817A89BF8A CC8CF08FC28C8B89CA81698A C5816A>

第 1 章要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果の報告 1 要緊急安全確認大規模建築物について平成 25 年 11 月 25 日の耐震改修促進法の改正により 不特定多数の者が利用する建築物及び避難弱者が利用する建築物のうち大規模なもの等が要緊急安全確認大規模建築物として規定され 平成 27 年 1

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

( 選定提案 ) は 利用者に貸与しようと福祉用具の種目の候補が決まった後で 具体的な提案品目 ( 商品名 ) を検討する際に用いる つまり ( 選定提案 ) に記載されるのは 候補となる福祉用具を利用者に対して提案 説明を行う内容である 平成 30 年度の制度改正では 提案する種目 ( 付属品含む

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

平成 27 年 9 月 14 日 情報通信審議会答申 加入光ファイバに係る接続制度の在り方について の中で ~ 略 ~ NTT 東西において 1 光配線区画を分割 縮小する事例を類型化した上で 公表することが適当である また NTT 東西においては 事後的に分割 縮小される光配線区画等について 接続

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

<93CD8F6F976C8EAE81698B4C8DDA97E1816A2E786C7378>

< D92E8955C81698D488E968AC4979D816A2E786C73>

<81A68CF6955C D C A819A976C8EAE2D345F DA95575F8CF6955C977093E096F3976C8EAE81798EE688B5928D88D3817A81698BC696B195D2816A2E786C7378>

<4D F736F F F696E74202D C834A B28DB882C D81698BE095A88D BA68B6389EF816A B8CDD8AB B83685D>

許可及び認定申請等

文部科学省公共事業コスト構造改善プログラム取組事例集(平成20~24年度)(その2)

札幌市総合設計制度許可取扱要綱

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

公共施設の設計業務等積算要領

<4D F736F F D CF6955C A8E528C608CA78CA AE94F595948E918DDE925089BF8B7982D195E08A7C93998C8892E CC2E646F6378>

Transcription:

平 成 2 7 年 5 月 2 9 日 < 問 い 合 わ せ 先 > 住 宅 局 建 築 指 導 課 代 表 0 3-5 2 5 3-8 1 1 1 耐震診断 耐震改修に関する設計に係る業務報酬基準案に関する パブリックコメントの募集の結果について 国土交通省では 平成 27 年 3 月 3 日 ( 火 ) から平成 27 年 4 月 2 日 ( 木 ) までの期間において 標記意見募集を行いました 寄せられたご意見の概要及びそれに対する考え方を以下のとおりとりまとめましたので 公表いたします 皆様のご協力に深く感謝申し上げるとともに 今後とも国土交通行政の推進にご協力頂きますよう よろしくお願いいたします 1

耐震診断 耐震改修に関する設計に係る業務報酬基準案について寄せられたご意見と国土交通省の考え方 20 名の個人 団体から合計 66 件の意見をいただきました とりまとめの都合上 内容を適宜要約させていただいております 本業務報酬基準案と直接の関係がないため掲載しなかったご意見についても 今後の施策の推進に当たって 参考にさせて頂きます パブリックコメントにおける主なご意見国土交通省の考え方耐震診断や耐震改修に関する設計では 同様の規模であっても建物の構造や形本業務報酬基準では 実費加算方法により業務量を算定することを標準とするこ状 採用する耐震診断方法 補強量 補強方法などにより その業務量は大きととしています そのうえで 個々の業務ごとに経費を算出することが煩雑あるく変動する そのため 業務量の算出はこれらを反映できる実費加算方法を選いは困難な場合の簡便な方法として略算方法を選択することが可能です 択する方が妥当であるとすべき ご指摘のとおり 特殊な構造方法の建築物に係る設計等の業務を行う場合その他免震や制震など 特殊な補強工法を採用する場合は対象外であることを明記すの特別の場合については対象外といたしました べき 耐震診断を行った者と異なる設計者が改修設計を行う場合 設計責任の観点から診断のやり直しが必要な場合がある 略算方法の適用の条件として 耐震診断と改修設計を同一の設計者が行う場合であるということを明記すべき 耐震改修設計の標準業務のうち 工事施工段階で設計者が行う業務が多すぎるのではないか 耐震改修設計の標準業務のうち 設計意図が正確に反映されていることを確認するために必要な施工図等の確認 は 設計図書に定められている事項のみとすべき 耐震改修設計の標準業務のうち 工事施工段階での耐震補強工法に関する設計意図の観点からの検討 助言等 について 施工段階で耐震補強工法が変更になることはあり得ないのではないか 標準業務から他の建築士事務所が行った耐震診断の結果を用いて行う耐震改修の業務を除くこととし ご指摘のとおり 耐震診断と耐震改修設計を同一の建築士事務所が行う場合を対象とすることといたしました 標準業務は 一般的な耐震診断又は耐震改修に係る設計等の契約に基づいて行われると想定される業務であり 個別の事案においては行われない業務もあるものと考えます ご指摘を踏まえ 施工図等の確認については 設計図書の定めにより 行うことといたしました 工事施工段階での耐震補強工法に関する設計意図の観点からの検討 助言等 については 施工段階で耐震補強工法が変更になることを想定したものではなく 設計図書等に定められている耐震改修工法を施工段階でより具体化することを想定しております 2

耐震診断調査で発見できなかった場合や 改修に必要な与条件の変更が生じた場合のリスクの考え方を明記してほしい 施工段階での設計条件の変更は 再設計であり 標準外業務とすべきではないか 耐震改修における 撤去 復旧工事に係る設計は 標準外業務と考えるべきではないか 今回の標準報酬基準は実施設計を対象にしていると考えるが 基本設計の報酬基準も盛り込んだ体系にしてほしい 略算表の耐震改修設計の 構造 の業務量の対象となる業務内容について明示してほしい 住宅 建築物の耐震化を促進するためには 建築物の所有者が安心して耐震診断 耐震改修を依頼できるようにすることが重要であり 様々な名目で標準外業務を行ったとして追加料金を徴収されないようにすべき したがって 耐震診断 耐震改修に関して行われる業務は なるべく標準業務に当たるものとして規定し 耐震診断 耐震改修の標準外業務は 必要最小限のものに限定して規定するべき 略算表の業務量について 面積だけでなく 建築物の構造種別 階数 用途によっても業務量が異なるため これらの区分別に業務量を示してほしい 耐震改修においては 改修設計時や施工段階で設計条件を変更する必要が生じることが想定されるため ご指摘を踏まえ その場合に委託者と協議することを標準業務として位置づけることとしました 耐震改修においては 設計段階で建築物の現況調査を行ったにもかかわらず 施工段階で現況と設計図書等が整合しないことが判明するなど 設計条件の変更が必要になる場合が通常想定されることから 設計条件の変更について委託者と協議することを標準業務とすることが適当と考えております そのうえで 協議の結果 再設計を行うことに係る業務については標準業務の対象外とすることとしました 耐震改修設計において 耐震改修を行うにあたって必要となる仕上げ部分や構造部材 設備を撤去 復旧する工事に係る設計についても通常行われる業務と考えられますので 標準業務に位置づけておりますが 個々の業務において当該標準業務を必ず行う必要はありません 耐震改修設計においては 新築とは異なり 基本設計と実施設計が明確に区分されていないことも多いため 業務報酬基準においては 基本設計と実施設計を区分していませんが 業務内容に基本設計も含めたものとなっております 耐震改修設計の 構造 の対象となる業務は 耐震改修設計の標準業務のうち 構造設計の成果図書に係るものとし 標準となる成果図書について示すこととしました 耐震診断 耐震改修において標準的に行われる業務を標準業務に位置づけているが 個々の業務において当該標準業務を行う必要はありません 標準業務に位置づけられた場合 略算方法という簡便な方法により報酬を算出することができることとなりますが 標準外業務について実費加算方法により報酬を算出する場合であっても 本業務報酬基準に基づき適切に算出されるものと考えております 略算表の標準業務量は実態調査に基づき定めることとしていますが 実態調査の結果 サンプルデータの偏りや数値のばらつきがあり ご指摘の構造種別等による区分では有意な数値が得られなかったため 業務量を示すことは困難です 3

耐震診断 耐震改修設計の業務量について 建築物の構造種別や形状 診断次数 補強方法 補強量等による区分が無く 面積だけで決めるのは合理性に欠けると思われる 略算表の業務量の前提となる条件を解説等で示すべき 略算表に示す業務人 時間について 耐震診断により得られた Is 値の大小や建物の構造 形状など難易度により 建物の補強設計の手間が変わるため 面積のみで 構造設計の業務人 時間数を決めるのは無理がある Is 値が小さい場合や複雑な構造 形状の建物などは 難易度等による割増係数を考慮してほしい 分割して発注される場合について 回数による業務量の割増等を示してほしい 略算表の標準業務量は実態調査に基き定めることとしていますが 実態調査の結果 サンプルデータの偏りや数値のばらつきがあり ご指摘の構造種別等による区分では有意な数値が得られなかったため 業務量を示すことは困難です 略算表の数値は あくまで目安として標準的な業務量を示すものです また ご指摘のとおり個々の建物の状況により業務量が増減することから 必要に応じて適宜業務量を加算することができることといたしました 分割発注により生じる標準業務以外の追加的な業務については 標準外業務として適宜加算するものと考えます エキスパンションジョイント等で構造上分離されている場合は 建築物の各部 分ごとに診断や設計が必要であるため 部分ごとの床面積に応じて業務量を算 出できるように 注釈を入れてほしい 略算表の標準業務量については エキスパンションジョイント等で構造上分離さ れている建築物の部分ごとに適用することが可能です 耐震診断を実施した建築士事務所と異なる建築士事務所が耐震改修設計を実施 する場合の業務量も示してほしい 標準業務は 耐震診断を実施した建築士事務所と同一の事務所が耐震改修設計を行う場合を対象としており 耐震診断を行った者と異なる建築士事務所が改修設計を行う場合については 設計責任の観点から診断のやり直しが必要な場合があるため 略算方法の対象外とすることが適切であると考えます 耐震診断において 既存の建築物の設計図書が現存しない場合に復元する業務は 新しく設計する場合に比べ相当量の作業を伴うことを明記してほしい 別添 2の略算表で業務人 時間数が示されている床面積の範囲外の大規模な建築物についても標準業務量を示してほしい 既存の建築物の設計図書が現存しない場合に必要な設計図書の復元に係る業務については標準外業務としており 別途業務量を加算できることとしています ただし どの程度の業務量になるかは実態調査を行っていないので業務量を示すことは困難です 略算表の標準業務量は実態調査に基づいて定めることとしていますが 略算表に示されていない規模の建築物についてはサンプル数が十分でなかったため 示すことは困難です 4

略算表に示されている面積の間の規模の建築物に適用する場合は 例えば直線補間とするなど 表の具体的な活用方法を明示すべき コンクリートブロック造の耐震診断 耐震改修に関する基準も併せて定めていただきたい 戸建木造住宅以外の木造建築物についても業務量を示してほしい 略算表のS 造 RC 造 SRC 造の耐震改修設計について 構造 のみの業務量では活用が図れない 統括 意匠 設備 についても略算表で業務量を示すべき ご指摘をふまえ 略算表に示されている面積の間の規模の建築物に適用する場合の算定方法を示すことについて検討いたします 略算表の標準業務量は実態調査に基づき定めることとしていますが コンクリートブロック造についてはサンプル数が非常に少なかったため 標準業務量を示すことは困難です 略算表の標準業務量は実態調査に基づき定めることとしていますが 戸建木造住宅以外の木造建築物についてはサンプル数が非常に少なかったため 標準業務量を示すことは困難です 略算表の標準業務量は実態調査に基づき定めることとしていますが 実態調査によるサンプルデータのばらつき等から 構造 以外は有意な数値が得られなかったため 構造 以外について標準業務量を示すことは困難です 耐震補強工事に関する工事監理業務の標準業務量についても示してほしい 耐震診断時のコンクリート圧縮強度検査費 第三者評価 評定を考慮した業務量も示してほしい 別添 2の略算表のS 造 RC 造 SRC 造の建築物の耐震診断の業務人 時間数のうち 床面積 300 m2の数値は その前後の床面積に応じる人 時間の増分から考えると少なすぎ 600 人 時間程度が適切ではないか 耐震診断の業務量が少ないのではないか 略算表の標準業務量は実態調査に基づき定めることとしていますが 工事監理については 実態調査のサンプルデータのばらつき等から有意な数値を得られなかったため 標準業務量を示すことは困難です コンクリート圧縮強度検査等は通常 建築士事務所が直接行うのではなく 専門の調査会社等へ外部委託するものであるため 検査費として実費を積み上げることが適切であると考えております 第三者評価 評定を取得するための業務については標準外業務とすることが適切であると考えており この場合標準外業務として別途業務量を加算することとしています ご指摘の通り 当該数値は記載間違いであり 正しくは600 人 時間でしたので 修正いたしました 標準業務量は 標準業務を行った場合の目安として 実態調査を統計処理したものを採用しています 個別の全てのケースで この業務量が適切に対応するものではなく これを参考に適宜補正を行うことが望ましいと考えます 5

木造戸建て住宅の耐震改修の標準業務量は 意匠 設備を含めるものであるとすると少ないのではないか 略算表の値について 実態調査に基づく平均値であるのか 最大値であるのか 或いはバラツキを考慮して一部を除いて大多数の建物の診断が可能な値であるのか 値の持つ意味合いを解説すべき 建築士が耐震診断等の業務を行う場合の基準案が示されているが 本来耐震診断は建築士の業務独占の範囲ではない 業務報酬基準の適用を受ける者と受けない者が存在することで 適用を受けない者により安価で業務が受託されることにより 耐震診断の質が確保されなくなるおそれがあるのではないか 耐震診断 改修における報酬算定について 詳細な模式図で説明した資料を提示してほしい 略算表の標準業務量については 適宜見直すべきではないか 標準業務量は 標準業務を行った場合の目安として 実態調査を統計処理したものを採用しています 個別の全てのケースで この業務量が適切に対応するものではなく これを参考に適宜補正を行うことが望ましいと考えます 実態調査による業務量のサンプルデータについて 異常値処理を行った上で 回帰式等により標準的な業務量を算出したものです 業務量の最大値を示しているわけではなく 個別の全てのケースでこの業務量が適切に対応するものではありません 本業務報酬基準は建築士事務所の開設者が請求できる報酬の基準として定めることとしていますが 建築士事務所以外の事業者が本基準を参考にすることを妨げるものではなく 一定の活用が図られるものと考えています また 業務報酬基準自体 報酬算定の際の目安であり 報酬について当事者間で適切に定めることを妨げるものではありません ご指摘を踏まえ 算定方法の例等を示すことについて 検討いたします 略算表の標準業務量は実態調査に基づくものであり 今後 耐震診断や耐震改修の実績がさらに蓄積されるなど社会経済状況の変化等を踏まえて 適宜見直して いく必要があると考えています 6