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企業経営動向調査0908

質問1

(2) 直接的な被害 影響の内容第 図および第 表は 直接的な被害 影響を受けた事業所の具体的な被害 影響の内容を示したものである 全体では 支店 営業店 倉庫 工場等の損壊 が 51.8% で最も多く 商品 仕掛品 原材料等の損壊 が 23.5% となっている 産業分類別で

42

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )


中小企業の海外進出に対する意識調査

第 70 回経営 経済動向調査 公益社団法人関西経済連合会 大阪商工会議所 < 目次 > 1. 国内景気 2 2. 自社業況総合判断 3 3. 自社業況個別判断 4 4. 現在の製 商品およびサービスの販売価格について 8 参考 (BSI 値の推移 ) 11 参考 ( 国内景気判断と自社業況判断の推

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平成 29 年度下期新潟市景況調査 ( 本報告 ) Ⅳ テーマ別調査結果 93

平成 24 年 5 月 1 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長長瀨裕太代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 24 年 3 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査は

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平成10年7月8日

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ニュースリリース 中小企業の雇用 賃金に関する調査結果 ( 全国中小企業動向調査 2013 年 月期特別調査 ) 年 4 月 8 日株式会社日本政策金融公庫総合研究所 3 割の企業で正社員は増加 3 社に 1 社で給与水準は上昇 従業員数 2013 年 12 月において

1. 調査目的 東日本大震災の影響に関するアンケート調査結果 3 月 11 日に発生した東日本大震災により 東北経済連合会会員企業も大きな影響を受けまし た 会員企業の被災状況を把握し 今後の経済活動の展望 および支援活動に資するためアンケ ート調査を行ないました 2. 調査期間平成 23 年 7

【調査要領】

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

日本の国際競争力調査

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2. 景気後退の影響 (2) 2008 年 10 月以降の世界的な景気後退の影響 ( 業種別 ) 大きなマイナス若干のマイナス影響なし 若干のプラス 大きなプラス 製造業 印刷 出版 (n=14) ゴム製品 (n=35) 金属製品 ( メッキ加工を含む

中小企業の雇用・賃金に関する調査結果(全国中小企業動向調査(中小企業編)2015年10-12月期特別調査)

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目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

1 教育研修費用総額と従業員 1 人当たりの教育研修費用 (1)1 社当たりの教育研修費用総額 1 社当たりの教育研修費用総額は 2014 年度は予算額 5,458 万円 ( 前回調査 5,410 万円 ) 同実績額 4,533 万円 ( 同 4,566 万円 ) であり 2015 年度は予算額 5

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1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

日本企業による国外での環境への取り組みに係る

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滋賀県内企業動向調査 2018 年 月期特別項目結果 2019 年 1 月 滋賀銀行のシンクタンクである しがぎん経済文化センター ( 大津市 取締役社長中川浩 ) は 滋賀県内企業動向調査 (2018 年 月期 ) のなかで 特別項目 : 働き方改革 ~ 年次有給休暇の取得

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世帯収入 DI 大幅な改善現在の 世帯収入 DI ( 増えた やや増えた ) と回答した割合から 減った やや減った と回答した割合を引いた値 ) は で前回 (11 年 6 月 :-24.6) から +6.8 ポイント上昇した 震災後に混乱していた企業のサプライチェーンが回復し生産体制

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未曾有の被害をもたらした東日本大震災は 安全 安心な生活と それを守るための平素からの防災 減災への取り組みや投資の大切さを あらためて認識する機会となりました 東日本大震災から間もなく2 年が経とうとしています そこで 経済広報センターは 全国の様々な職種 世代により構成されている当センターの 社

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

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アンケートの概要 平成 23 年度 平成 24 年度及び平成 25 年度グループ補助金の東北地域の交付先 7,927 に対しアンケートを実施し 5,809(73.3%) から回答があった ( アンケート調査は第 1 次 ( 平成 23 年 8 月 )~ 第 10 次 ( 平成 26 年 3 月 )

Ⅲ.2019 年 10 月の消費増税に伴う資金需要について 2019 年 10 月の消費増税に伴う資金需要については 増加する が 2 割台半ば (26. 4%) 資金需要の中身は 消費増税後の需要減退 ( 売上減少 ) への備え 消費税の納税資金の増加 がともに半数超 (50.6%) で最多 消費

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マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

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目 次 1 事業継続計画 (BCP) と位置づけ 2 東日本大震災の教訓 3 東日本大震災被災企業現地ヒアリング 4 防災の民間協力 2

自ら変化し続ける自律的な組織をつくる

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

(2) 原発事故の影響 (2)-1 原発事故後 約 1 年間の影響原発事故後 約 1 年の間の影響は 第 1 位では 自粛ムードで客数が減少した 顧客からの問合せ業務が増えた が約 2 割である 第 2 位では 東北産地からの食材入手先を 全て 或いは一部 西日本に変更した 東北にある工場が操業停止

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Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 30 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 30 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 30 年 1~3 月期 来期平成

News Release 2018 年 8 月 1 日 香川県内民間企業の 2018 年夏季ボーナス支給見込み アンケート調査結果について 百十四銀行 ( 頭取綾田裕次郎 ) では 香川県内に本社または主工場をもつ民間企業 640 社を対象として 2018 年夏季ボーナスの支給予想について アンケー

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最終デジタル化への意識調査速報

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年齢別では 10 才代では 知っている人は 40.0% であるのに対し 30 才代以上では 7 割以上の人が 知っていると回答しています 図表 3 おおきな地震が起きると考えられていることを知っているか ( 年齢別 ) 10 才代 (N=10) 40.0% 50.0% 10.0% 20 才代 (N=

イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

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調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

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2016 年 12 月 28 日日本政策金融公庫総合研究所 新規開業パネル調査 ~ アンケート結果の概要 ~ Ⅰ 調査の目的と実施要領 調査目的 実

目次 1. 貿易への取り組み 7 ~ 輸出拡大意欲は引き続き高水準を継続 ~ 2. 海外進出への取り組み 今後の国内事業展開 12 ~ 海外進出拡大意欲が増加 国内事業拡大の割合が過去最大に~ 3. 海外進出への取り組み ( 国 地域別 機能別 ) 17 ~ベトナムは事業拡大意欲が2 年連続で増加

< 要約 > < 質問 1> あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか? トップは圧倒的に 地震 約 8 割の方が 最も備えが必要な災害 と回答 北海道 東北では 大雪 雪崩 中国 四国 九州は 台風 大雨 洪水 を警戒 < 質問 2> ご家庭の防災対策は 100 点満点で採点すると何点で

2. 中途採用をしたことがあるか 中途採用をしたことがある企業は 全体の 95% で あった 調査対象を 右表の 7 つの業種グループに 分類してそれぞれの傾向を分析すると 建設業 運 輸業 サービス業ではすべての企業が中途採用をし たことがあると回答した その他の業種グループで も 9 割前後の企

警備員指導教育責任者の選任の基準 ( 警備員規模別 ) 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 9 人以下 (n=65) 26.2% 9.2% 6.2% 6.2% 49.2% 3.1% 2.6% 10~29 人 (n=116) 30.2% 13.8% 5.2% 8.6

平成 22 年 5 月 7 日 問い合わせ先 国土交通省土地 水資源局土地市場課課長補佐小酒井淑乃 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214, ) 直通 : 土地取引動向調査 (*) ( 平成 22 年 3 月調査 ) の結果について

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

(3) 設備復旧対策事例 ~ 基地局及びエントランス回線通信事業者各社で取り組んだ主な基地局あるいはネットワーク設備復旧対策としては 光ファイバー 衛星回線 無線 ( マイクロ ) 回線の活用による伝送路の復旧や 山頂などへの大ゾーン方式 ( 複数の基地局によるサービスエリアを1つの大きなゾーンとし

2011年7月4日

米国鉄鋼輸入制限の米国外向け輸出への影響

Transcription:

第 3 編企業行動に関する意識調査 64

Ⅰ. 調査要領 特別アンケート企業行動に関する意識調査結果 2011 年 7 月 調査時期 :2011 年 7 月 1 日 ( 金 ) を期日として実施 調査対象 :2010 2011 2012 年度設備投資計画調査の対象企業 調査名 対象 回答状況 ( 回答率 ) 製造業非製造業 企業行動に関する意識調査 大企業 ( 資本金 10 億円以上 ) 3,302 社 1,464 社 (44.3%) 624 社 840 社 1. 主調査 2011 年度設備投資計画額未回答企業 (31 社 ) を含む 2.1 問でも有効回答があった企業を全て含むため 各設問の回答社数は上記よりも少ない 調査項目 :1. 東日本大震災の影響 2. 国内設備投資と海外設備投資の関係 3. 研究開発活動 65

Ⅱ. 調査結果 1. 東日本大震災の影響 東日本大震災が事業活動に与える影響と考えるものにつき 各影響の有無を現在までと今後に分けてそれぞれ回答を求めた 現在までのところ サプライチェーン混乱 の影響があると答えた企業の割合が最も高い 消費マインド悪化 自粛 物流 交通網 が次ぐ 今後に関しては サプライチェーン混乱 物流 交通網 の影響が少なくなっていくものの 電力不足 が影響すると考える企業が増加する 図表 1-1-1 東日本大震災の影響のうち 自社の事業活動への影響の有無 ( 全産業 ) 66

製造業では 現在までのところ サプライチェーン混乱 の影響があると答えた企業の割合が最も高い 被災地向け需要減少 の影響が次ぐ 今後に関しては サプライチェーン混乱 物流 交通網 の影響が薄れていくものの 電力不足 が影響すると考える企業が増加する 復旧需要等自社製品需要増 というプラスの影響も一部で拡大する 図表 1-1-2 東日本大震災の影響のうち 自社の事業活動への影響の有無 ( 製造業 ) 67

非製造業では 現在まで 今後 ともに 消費マインド悪化 自粛 の影響が最多となっている 今後に関しては サプライチェーン混乱 物流 交通網 の影響が少なくなっていくものの 電力不足 の影響がすると考えられている いずれの影響も製造業ほど顕著ではない 多くの場合 非製造業の営業エリアは地域が限定されていることが要因と考えられる 図表 1-1-3 東日本大震災の影響のうち 自社の事業活動への影響の有無 ( 非製造業 ) 68

東日本大震災の影響と考えられるもののうち 現在までと今後に分け それぞれについて最も影響の大きいもの 2 つの回答を求めた 最も影響の大きいものとしては 現在までのところ サプライチェーン混乱 が最多で 消費マインド悪化 自粛 電力不足 が次ぐ 今後最も影響の大きくなるものは 電力不足 であり 消費マインド悪化 自粛 が 2 番目となる サプライチェーン混乱 は大きく低下する また 復旧需要等自社製品需要増 というプラスの影響も高まってくる 図表 1-1-4 東日本大震災の自社の事業活動への影響のうち 最も影響の大きいもの ( 全産業 ) ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 69

製造業では 現在までのところ 半数超が サプライチェーン混乱 が最大の影響と回答している 今後は サプライチェーン混乱 の割合は下がり 半数超が 電力不足 が最大の影響となると回答している 復旧需要等自社製品需要増 の影響も今後に向けて高まっていく 図表 1-1-5 東日本大震災の自社の事業活動への影響のうち 最も影響の大きいもの ( 製造業 ) ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 70

非製造業では 現在まで 今後とも 消費マインド悪化 自粛 が最も影響が大きい 次に サプライチェーン混乱 電力不足 が多いが 製造業ほどの割合ではない サプライチェーン混乱 は今後に向けて低下するのに対し 電力不足 は今後に向けて割合が高まる 図表 1-1-6 東日本大震災の自社の事業活動への影響のうち 最も影響の大きいもの ( 非製造業 ) ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 71

現状の設備の復旧程度は 平均で震災前の約 90% 程度であり 60% 以上の企業が震災前の水準を回復している 一方で 全く回復していない企業が約 5% 復旧程度が 50% 未満の企業が約 3% 存在する 売上の回復は設備の回復より遅れている 最終的に見込んでいる設備の復旧程度は 平均でほぼ 100% であり 80% 以上の企業が震災前の水準を見込んでいる 一方で 未定の企業が 10% 全く復旧しない企業が約 1% 存在する 設備の復旧目処は 約 30% が未定 それ以外では 平均 5.4 ヵ月で復旧すると見込んでいる 売上の回復目処は 設備に比べ遅れるとみられる 図表 1-2-1 現状の設備の復旧 売上の回復程度 図表 1-2-2 最終的に見込んでいる設備の復旧 売上の回復程度 図表 1-2-3 設備の復旧目処 売上の回復目処 72

震災後の長期的な生産 事業体制の見直しとしては 調達先変更 多様化 が最も多く 耐震強化 自家発電設備導入 強化 が次いで多い 被災有りの企業に限ってみると 耐震強化 が最も多い 被災企業の方が 被災の影響のない企業よりも事業体制見直しに対する意識が高い 震災を機に 拠点移転 を考えている企業は 全産業で国内 10% 海外 3.5% 製造業で国内 13% 海外 7% の回答があった これは今後サプライチェーン再編により増加の可能性がある 電力不足への当面の対応としては 全産業では 節電 が最も多く 省エネ機器導入 操業時間シフト 自家発電設備活用 が次ぐ 製造業では 節電 操業時間シフト 自家発電設備活用 の順となっている 非製造業では 省エネ機器 が 2 番目に多くなっている 図表 1-3 東日本大震災後の長期的な生産 事業体制の見直し ( 注 ) 最大 4 つまでの複数回答 被災有りは 図表 1-1-1 で設備損傷の影響 有 と回答した企業 図表 1-4 電力不足への当面の対応 ( 注 ) 最大 4 つまでの複数回答 73

震災の前後では シェアを維持している企業が大多数を占めている 一時的にシェアは低下したが 回復は可能 とする企業が 15% 程度あり シェアは低下し 回復も難しい 企業はほとんどない 要因としては 被災の程度が軽微に済んでいることが考えられるほか 取引先との関係性 品質 技術水準 が支えとなっていることがわかる 図表 1-51 震災前後の自社製品 サービスのシェア変化 図表 1-52 1 の要因 74

大部分の企業では海外取引先企業との関係の変化はみられないが 製造業では 放射線検査の要請 安定供給体制の要請 があった 活用している災害情報としては 緊急地震速報 が 70% 前後で最も多く 次いで ライフラインの被害情報 人的被害 建物被害情報 の順となっている 図表 1-6 震災後の海外取引先企業の反応 ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 図表 1-7 活用している災害情報 ( 注 ) 最大 3 つまでの複数回答 75

2. 国内設備投資と海外設備投資の関係 国内設備投資額と海外設備投資額の関係をみると 全産業では国内設備投資額の方が大きい企業が圧倒的に多いが 製造業では 海外設備投資額が国内設備投資額を上回る企業の割合が比較的高く 特に輸送用機械において顕著である 生産 サービスの供給能力については 海外で増加させる企業の割合が国内で増加させる企業の割合より高く この傾向は製造業においてより顕著である 製造業の中期的な供給能力は 海外で増加させる企業の方が国内で増加させる企業より多いが 現在のところそれが必ずしも国内能力の縮小をもたらすものではない 図表 2-1 国内設備投資額と海外設備投資額 図表 2-2 国内 海外の生産 サービス供給能力 76

海外設備投資をするにあたって最も重視する地域は 全産業 製造業ともに 中国 が最も多く その他アジア ( 中越印除く ) が次ぐ 業種によって ベトナム や インド を重視するものもあるなど違いはある 海外設備投資の主な目的としては いずれの国 地域においても 消費地生産のための生産拠点 が最も多くなっており 現地需要の取り込みが目的であることがわかる 全体では 販売拠点 第三国輸出のための生産拠点 の順で多くなっている アジア ( 中国除く ) では 第三国輸出のための生産拠点 や 日本への逆輸入のための生産拠点 が相対的に多く 生産基地としての意味合いが強い 図表 2-3 海外設備投資をするにあたって今後中期的に最も重視する地域 図表 2-4 海外設備投資の主な目的 77

海外で設備投資を行うインセンティブとしては どの地域においても 現地需要への対応 が圧倒的に多い 中国 アジアでは 人件費の安さ 拠点分散 が次いで多い 一方 米国 EU では 為替リスク回避 が相対的に多く 製造業では二番目に多い 海外投資の増加は長期的な趨勢であるが 円高や電力不足問題によりさらに加速する可能性はあるといえる 国内投資を維持する理由としては 国内需要対応 国内雇用維持 既存設備の存在 が多く この他 サプライチェーンが国内に存在 人材が国内に存在 も多く挙げられている 国内生産拠点を維持するためには サプライチェーンと人材の国内維持が必要である 図表 2-5 海外設備投資を行うインセンティブ ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 図表 2-6 国内投資を維持する理由 ( 注 ) 最大 2 つまでの複数回答 78

海外市場における中韓台メーカーとの関係については 全産業では 40% 以上の企業が中韓台メーカーいずれに対しても競合関係または補完関係がある 製造業では 70% 以上の企業が中国 韓国メーカーとの間に競合または補完関係がある 台湾は中国 韓国メーカーに比べ競合関係にあるとする企業は少ないものの 補完関係にある企業 または補完関係 競合関係いずれもあるとの回答は中国 韓国メーカーと同程度となっている 特に電気機械や輸送用機械における韓国メーカーとの競合は際立っている 図表 2-7 海外市場における中韓台メーカーとの関係 79

3. 研究開発活動 研究開発は国内 海外とも 強化 が 縮小 を上回っている 強化 の割合は国内の方が高く 設備投資と対照的に研究開発は国内重視 製造業では 国内を 強化 し海外を 現状維持 縮小 とする企業が海外を 強化 し国内を 現状維持 縮小 とする企業よりも多い 一方 海外を相対的に重視する企業も 9% 程度存在する 研究開発として重視する地域は 全産業 製造業ともに 中国 が最も多く アジア ( 中国除く ) が次ぐ 海外設備投資との関連を確認すると 海外設備投資で中国 アジアを重視する企業は 研究開発も同一地域を重視する傾向が強い 図表 3-1 国内 海外の研究開発活動 図表 3-2 海外で研究開発活動をするにあたって最も重視する地域 80

研究開発の分野では 国内 海外とも コア分野 の研究が最も多いが 新規分野 の研究については比較的国内で行う傾向にある 研究開発のフェーズとしては 国内や米国 EU で 基礎研究 を行い 中国 アジアで 商品改良 現地仕様化 を行う傾向にある 海外で研究開発を行うインセンティブとしては 現地需要への対応 が最も多く 中国で顕著 次いで多い 生産拠点との近さ はアジアで目立っている 海外設備投資の増加が 生産に近い部分の研究開発の海外移転を促す可能性を示している 米国 EU では 優れた大学 研究機関の存在 人材の存在 が比較的多い 図表 3-3 研究開発の主なターゲット 図表 3-4 海外研究開発活動を行うインセンティブ 81