環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会第2回

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第 2 意見調査計画書は おおむね 2020 年東京オリンピック パラリンピック環境アセスメント指針 ( 実施段階環境アセスメント及びフォローアップ編 ) に従って作成されたものであると認められる なお 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案 を作成するに当たっ

別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

計画書

山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

スライド

1 見出し1

区域の整備 開発及び保全に関する方針地建築区物等整に関備する計事項画地区計画ガイド八日市出町地区 八日市出町地区 地区計画の内容 名称八日市出町地区地区計画 位 置 金沢市八日市出町の一部 面積地区計画の目標土地利用の方針建築物等の整備方針 約 10.7 ha 本地区は 市中心部の南西約 4kmに位


1 見出し1

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区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設の整備の方針 地区の立地特性を踏まえ 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため 土地利用の方針を以下に定める 1 国際化に対応した業務 商業 宿泊等の多様な機能に加え 氷川神社と連携した江戸文化や赤坂地域の魅力を伝える歴史

区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

1 吾妻町 平成18年3月27日に東村と合併し東吾妻町になりました 2 六合村 平成22年3月28日に中之条町に編入しました 5.2-2

地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

(8) 住民等住宅等の居住者又は管理者をいう 説明 このガイドラインで使われている用語のうち 明確にしておかなければならない用語について定義づけしたものです (1) 風力発電設備 とは 風が持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置の総体をいいます (2) このガイドラインの対象となる発

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第1号様式(第9条第1項関係)

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金沢都市計画地区計画の変更

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つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という


鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

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都市計画図 平河町二丁目東部地区(PDF)

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再販入札⇒先着順物件調書

区域の整備 開発及び保全に関する方針公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 1 道路の整備方針 (1) 地区周辺の交通円滑化に資する道路ネットワークの形成及び 東西の主要な道路軸の形成を図るため 地区幹線道路を拡幅整備する (2) 開発に伴い発生する交通を円滑に処理するとともに 新駅整備に伴う

Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

別紙 第 1 対象事業 1 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事務所の所在地名称 :JFE スチール株式会社代表者 : 代表取締役社長柿木厚司所在地 : 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 2 対象事業の名称 JFE 扇島火力発電所更新計画 3 対象事業実施区域神奈川県川崎市川崎区扇島 1

3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨


(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

茨木市では 緑あふれる魅力あるまちづくりを進めるため 民有地での緑化について その費用の一部を補助しています 生垣を設置 壁面を緑化 道路に面して新たに生垣を設置する 道路にはみ出している生垣を改良する [ 生垣緑化 ] 道路 壁面 擁壁 フェンス 市街化区域で 道路から眺望できる建築物や擁壁の壁面

目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

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第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構


土地利用計画 土地利用計画面積表 土地利用の区分区分面積 ( m2 ) 比率 (%) 備考 発電施設用地パネル 19, パワーコンディショナー 緑地 5, 計画地面積 24, 太陽光パネル配置図 発電施設計画 発電施設の概要 発電設備規格

速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

資料 2 3 平成 29 年 1 月 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 月 四国電力株式会社 - 1 -

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平成 26 年度公共事業事後評価調書 1. 事業説明シート (1) ( 区分 ) 国補 県単 事業名道路事業 [ 国道橋りょう改築事業 ( 国補 )] 事業箇所南巨摩郡身延町波高島 ~ 下山地区名国道 300 号 ( 波高島バイパス ) 事業主体山梨県 (1) 事業着手年度 H12 年度 (2) 事


( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため


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平方・中野久木物流施設地区

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都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 ( 平成十二年東京都条例第二百十五号 ) 新旧対照表 ( 抄 ) 改正案現行目次 ( 現行のとおり ) 目次 ( 略 ) 第一条から第百十二条まで ( 現行のとおり ) 第一条から第百十二条まで ( 略 ) ( 土壌汚染対策指針の作成等 ) 第百十三条知事

第 5 地区拠点地区計画の区域には 次に掲げる区域及び地域は含まないものとする (1) 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 以下 農振法 という ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域 (2) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229 号 ) による農

Ⅳ 騒音・振動の状況

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東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

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( 案 ) 土地区画整理事業の施行に伴い設置される 公共施設の管理及び帰属等に関する協議書 埼玉県 ( 以下 甲 という ) と ( 土地区画事業施行 ( 予定 ) 者 ) ( 以下 乙 と いう ) とは 土地区画整理法に基づく土地区画整理事業の施行により設置される公共 施設の管理及び帰属等につい

別表第 1 大気の汚染に係る環境上の基準 物質基準値対象地域 二酸化硫黄 1 時間値の1 日平均値が0.04pp m 以下であり かつ 1 時間値が0.1ppm 以下であること 一酸化炭素浮遊粒子状物質二酸化窒素光化学オキシダント 1 時間値の1 日平均値が10ppm 以下であり かつ 1 時間値の

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28 環総政第 492 号 平成 28 年 8 月 10 日 意見書 JFE 扇島火力発電所更新計画 に係る環境影響評価準備書に関する環境影響評価法 ( 平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 ) 第 20 条第 1 項及び東京都環境影響評価条例 ( 昭和 55 年東京都条例第 96 号 )

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

種別 名称 幅員等 延長又は面積 摘要 道路 区画道路 1 号区画道路 2 号区画道路 3 号区画道路 4 号区画道路 5 号区画道路 6 号区画道路 7 号 12.0m 12.0m 0.8~5.0m 2.6~8.3m 2.25m 1.65m 1.65m 約 790m 約 220m 約 700m 約

資料 2 立川市景観計画の一部改定 ( 案 ) ( 現計画 ) P25 表 一般地域 景観形成地区の届出の対象となる行為の規模 P26 (4) 大規模建築物等にかかる事前協議の部分 ( 改定案 ) P25 表 一般地域 景観形成地区の届出の対象となる行為の規模 P26 (4)

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この

稲毛海岸5丁目地区

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NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

東京都市計画高度地区変更(練馬区決定) 【原案(案)】

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資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)


市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

市街化調整区域内における地区計画について

中央区建築物の解体工事の事前周知に関する指導要綱

神宮外苑地区計画

Transcription:

資料 3-3 東京都における計画段階環境影響評価制度の概要 1 計画段階環境影響評価制度の導入の経緯 平成 5 年 2 月 : 総合環境アセスメント制度検討委員会を設置 平成 9 年 4 月 : 同検討委員会 東京都における新たな環境配慮制度のあり方 について報告 平成 10 年 10 月 : 東京都総合環境アセスメント試行審査会を設置 平成 12 年 3 月 ~ 平成 13 年 4 月 : 総合環境アセスメント制度の試行 ( 東京都市計画道路幹線街路放射第 5 号線及び三鷹都市計画道路 3 2 2 号線 ) 既定の都市計画 ( 道路幅員 ) 玉川上水の保全方法 沿道環境の保全等の組み合わせで複数案を提案 平成 13 年 10 月 : 東京都総合環境アセスメント試行審査会から答申 平成 14 年 4 月 : 東京都環境影響評価審議会から 計画段階アセスメント制度の導入等について 答申 環境影響評価の結果を事業計画に適切に反映 計画の早い段階での住民への情報提供 複数の事業による複合的 累積的な環境影響への対応 平成 14 年 7 月 : 東京都環境影響評価条例を改定 ( 計画段階アセスメント制度の導入等 ) 2 計画段階環境影響評価制度の対象計画 (1) 計画段階環境影響評価の対象となる計画 個別計画 ( 原則として事業段階アセス対象規模の 2 倍以上 ) 実施場所 規模 ( 事業計画区域の面積 道路幅員 建築物の高さ及び床面積等 ) 設置する施設の構造又は配置など 広域複合開発計画 (30ha 以上 ) 対象地域 規模 計画人口 土地利用計画など (2) 事業計画の早い段階から 複数案を環境面から比較評価 (3) 制度の適用東京都の策定する計画に適用

環境配慮査意見3 計画段階環境影響評価手続き 公示 縦聴民の業く覧意聴者会事書都見をく会審事業段階アセス後調評査価書事計画書計画段階アセス 見をの意価書案書調画策定評査計画書計4 計画段階環境影響評価 (1) 対象計画社会的要素及び経済的な要素並びに技術面からみて 実施可能な複数の対象計画の案を策定 (2) 予測 評価項目別の評価対象計画の案の予測 評価項目別の評価は 2つの評価軸 を採用ア環境影響の程度事業段階環境影響評価と同様に 評価の指標に照らしてどの程度の環境影響かを明らかにする 可能な限り定量的に予測 評価 イ環境配慮目標の達成の程度及び良好な環境の創出に対する配慮の程度 東京都環境基本計画 都市づくりに関する配慮の指針 等の視点から 対象計画で設定した環境配慮目標をどの程度達成することができるかを明らかにする ( 定性的に評価 ) (3) 複数案に対する総合評価上記の 2つの評価軸に基づき 社会的 経済的な側面も含めて 総合的な複数案を評価 ( 社会 経済的な側面による評価は任意 )

1. 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事業所の所在地名称 : 東京都代表者 : 東京都知事石原慎太郎所在地 : 東京都新宿区西新宿二丁目 8 番 1 号 2. 対象計画の案の名称及び種類 名称 :( 仮称 ) 東京港臨港道路南北線建設計画種類 : 道路の新設 ( 約 2.5km~ 約 4.2km) 3. 対象計画の案の内容の概略本計画は 10 号地その 1 埋立地又は 10 号地その 2 埋立地を起点とし 中央防波堤内側埋立地又は中央防波堤外側埋立地を終点とする区間において 往復 4 車線の臨港道路 ( 1 以下 計画道路 という ) を整備するものである 本環境配慮書における複数の対象計画案は 計画道路の配置及び構造等の基本的な事項を定める前の早い段階から環境保全について適正な配慮を行うため 東京都環境影響評価条例 ( 昭和 55 年 10 月東京都条例第 96 号 ) 第 11 条の規定に基づき策定した なお 起終点は 中央防波堤内側埋立地の北側に近接して存在する 3 つの埋立地のうち既に第二航路海底トンネルで結ばれている 13 号地を除いた前記 2 つの埋立地を起点として選定できること及び起終点間に海域があるため構造を橋梁かトンネルの 2 つを選択できることから設定した 対象計画の案の概要は表 3.1 計画道路の位置は図 3.1 策定した 4 案の計画平面図は図 3.2 に示すとおりである 表 3.1 対象計画の案の概要 項目対象計画の案の概要 計画道路名称 ( 仮称 ) 東京港臨港道路南北線 複数の計画案 A 案 B 案 C 案 D 案 1 経路 起点 10 号地その 2 埋立地 10 号地その 1 埋立地 終点 中央防波堤内側埋立地中央防波堤外側埋立地中央防波堤内側埋立地中央防波堤外側埋立地 構造トンネル橋梁トンネル橋梁 延 2 長 約 2.5km 約 3.5km 約 3.5km 約 4.2km 車 線 数 往復 4 車線 備 考 第二航路を横断する 注 ) 1 : 計画道路が既計画道路に接続するまでの区間とした 2 : 延長は 設計前であるため概略値である 1 臨港道路 : 港湾法 ( 昭和 25 年 5 月法律第 218 号 ) 第 2 条第 5 項に規定される 港湾施設 のうち同条同項第 4 号に規定される 臨港交通施設 として東京港港湾計画において位置付けられる - 1 -

4. 環境に及ぼす影響の評価の結論 4.1 予測 評価項目別の評価計画の内容及び地域の概況を考慮し 9 環境影響評価の項目 で選定した項目について 10 環境に及ぼす影響の予測及び評価 において対象計画の実施が及ぼす環境への影響について予測及び評価を行った 予測 評価項目ごとの評価結果を基に 複数の対象計画の案について評価結果を相互に比較検討し 各対象計画の案の環境面から見た特性を整理した 比較検討に当たっては まず 環境影響の程度 を評価軸として整理した また 6.3 対象計画の案の策定にあたり環境上配慮する目標及び方針 で設定した環境配慮目標に対し その達成の程度を明らかにする 環境配慮目標の達成の程度 を評価軸として整理した 環境影響の程度についての結果は表 4.1(1) 環境配慮目標の達成の程度についての結果は表 4.1(2) に示すとおりである なお 予測及び評価については 計画道路の配置及び構造等の基本的な事項を定める前であるため定性的に整理した また 対象時点を工事の完了後とした 表 4.1(1) 各対象計画の案の環境面から見た影響の程度 環境影響評価の項目 評価軸 計画案 注 ) 1 環境影響の程度 予測事項 A 案 B 案 C 案 D 案 1. 大気汚染 自動車の走行に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質排出量等 2. 騒音 振動自動車の走行に伴う騒音及び振動等 3. 地盤道路の存在に伴う地盤の変形の範囲 変形の程度 4. 水循環 道路の存在に伴う地下水の水位の変化の程度 道路の存在に伴う潮流の変化の程度 5. 日影道路の存在に伴う日影の状況の変化の程度 6. 電波障害道路の存在に伴う遮へい障害の程度 7. 風環境道路の存在に伴う風環境に及ぼす影響の程度 道路の存在に伴う地域景観の特性の変化の程度 8. 景観 道路の存在に伴う代表的な眺望地点からの眺望の変化の程度 注 ) : 他の計画案に比べて最も優れているか同等である : 他の計画案と比べ 2 番目に優れている : 他の計画案に比べて 3 番目に優れている : 他の計画案に比べて劣っている - 5 -

表 4.1(2) 各対象計画の案の環境基本計画等から見た環境配慮目標の達成の程度 環境影響評価の項目 評価軸 計画案 注 ) 2 目標の達成の程度 環境配慮目標 A 案 B 案 C 案 D 案 1. 大気汚染 2. 騒音 振動 3. 地盤 道路のルートや構造を選定する際には 走行に伴う周辺地域への大気汚染に十分配慮する 自動車の走行に伴う大気汚染の低減に努める 道路の地下化を選択する際には 排出される NOx SPM 等の低減対策の導入に努める 道路のルートや構造を選定する際には 走行に伴う周辺地域への騒音 振動の防止に十分配慮する 道路の整備に当たっては 可能な限り 低騒音舗装の実施 遮音壁の設置等を行う 地下水位が安定し 地盤沈下が抑制されている状態を継続する 4. 水循環 トンネル等 地下構造物の建設に当たっては 地下水脈への影響に配慮する 橋梁の建設に当たっては 潮流への影響に配慮する 5. 日影 高架や建築物等を建設する場合は 周辺地域に日照障害を及ぼさないよう配慮する 6. 電波障害 高架や建築物等により 周辺地域に電波障害が生じる場合には対策を講じる 7. 風環境 高架や建築物等を建設する場合は 周辺地域に風害を及ぼさないよう配慮する 8. 景観 東京都景観計画に基づき 景観基本軸 景観形成特別地区はもとより 一般地域においても 地域の特性に応じて景観形成に努める 注 ) : 他の計画案に比べて最も優れているか同等である : 他の計画案と比べ 2 番目に優れている : 他の計画案に比べて 3 番目に優れている : 他の計画案に比べて劣っている - 6 -

4.2 各対象計画の案の総合評価 4.1 予測 評価項目別の評価 による対象計画の案ごとに 環境面から見た特性を明らかにし評価した さらに 社会的側面についても表 4.2 に整理した なお 本対象計画では 道路の新設という性格上 環境影響としては自動車の走行による要因が大きいと考えられる よって 大気汚染 騒音 振動の各項目に重点をおいた評価を行った 4.2.1 A 案 (10 号地その 2 埋立地を結ぶトンネル案 ) 大気汚染については 大気汚染物質の総排出量が最も少なく 近接して病院等の立地もない さらに トンネル構造であるため 換気設備により大気汚染物質の拡散を制御 抑制することができることから 最も環境への影響の少ない案である 騒音 振動については 沿道に物流施設等が立地しており居住者及び従業者 ( 以下 居住者等 という ) が少ない上に トンネル構造であり開口部 ( 堀割部 ) が限定されることから 最も環境への影響の少ない案である 従って 対象計画の案の中で最も環境への影響の少ない案であると考える 4.2.2 B 案 (10 号地その 2 埋立地を結ぶ橋梁案 ) 大気汚染については 大気汚染物質の総排出量が 2 番目に少なく 近接して病院等の立地もないが 橋梁構造であるため 全線から大気汚染物質が拡散することから A 案 C 案に次いで 3 番目に環境への影響の少ない案である 騒音 振動については 沿道に物流施設等が立地しており居住者等が少ないが 橋梁構造であり開口部 ( アプローチ高架橋 ) の延長が最も長いため 最も環境への影響に配慮を要する案である 従って 対象計画の案の中で D 案と並んで環境への影響に配慮を要する案であると考える 4.2.3 C 案 (10 号地その 1 埋立地を結ぶトンネル案 ) 大気汚染については 大気汚染物質の総排出量が 2 番目に少ないが 近接して病床数 700 の病院が立地している ただし トンネル構造であるため 換気設備により大気汚染物質の拡散を制御 抑制することができることから A 案に次いで 2 番目に環境への影響の少ない案である 騒音 振動については 沿道に物流施設等が立地しており居住者等が少ない上に トンネル構造であり開口部 ( 堀割部 ) が限定されることから 最も環境への影響の少ない案である 従って 対象計画の案の中で A 案に次いで 2 番目に環境への影響の少ない案であると考える 4.2.4 D 案 (10 号地その 1 埋立地を結ぶ橋梁案 ) 大気汚染については 大気汚染物質の総排出量が最も多く 近接して病床数 700 の病院が立地している さらに 橋梁構造であるため 全線から大気汚染物質が拡散することから 最も環境への影響に配慮を要する案である 騒音 振動については 沿道に物流施設等が立地しており居住者等が少なく 橋梁構造であり開口部 ( アプローチ高架橋 ) の延長が B 案に比べ短いことから A 案 C 案に次いで 3 番目に環境への影響の少ない案である 従って 対象計画の案の中で B 案と並んで環境への影響に配慮を要する案であると考える - 7 -

評価軸 利用者の視点 計画案 道路の利便性安全性 快適性 事業者の視点事業費 ( 用地費及び工事費 ) 港湾管理者の視点 表 4.2 社会的側面からの評価 A 案 B 案 C 案 D 案 新たな南北道路の整備により 第二航路海底トンネルへの交通集中による渋滞が回避され 交通が円滑化する これにより 利便性 安全性 快適性が向上する 用地買収等は特段必要としない 同じトンネル構造の C 案と比較して延長が短いため 工事費は C 案と比較して安くなる 特段の支障物件は存在しない 構造上の課題特になし 港湾物流機能の強化 用地買収等は特段必要としない 同じ橋梁構造の D 案と比較して延長が短いため 工事費は D 案と比較して安くなる 特段の支障物件は存在しない 第二航路部における桁下空間の確保の必要性 から 中央防波堤内側埋立地へのアクセスがトンネル案と比較して困難となる 10 号地その1 鉄鋼ふ頭 ( 民有地 ) の買収等が必要となるため 用地費がかかる 同じトンネル構造の A 案と比較して延長が長いため 工事費は A 案と比較して高くなる 10 号地その 1 における既設共同溝の移設が必要であるため 工事費が増大する 特になし 10 号地その1 鉄鋼ふ頭 ( 民有地 ) の買収等が必要となるため 用地費がかかる 同じ橋梁構造の B 案と比較して延長が長いため 工事費は B 案と比較して高くなる 10 号地その 1 における既設共同溝の移設が必要であるため 工事費が増大する 第二航路部における桁下空間の確保の必要性 から 中央防波堤内側埋立地へのアクセスがトンネル案と比較して困難となる 中央防波堤内側 外側 新海面処分場埋立地のふ頭と内陸部とを結ぶ道路ネットワークが充実し 東京港の物流機能が強化される 10 号地その 2 と中央防波堤内側 10 号地その 1 には主要な公共埠埋立地のふ頭が直接結ばれ ふ頭頭が存在しないことから 埠頭間間の連携が強化される の直接的な連携強化にはつながらない 緑とのふれあい海の森公園へのアクセス性が向上する 船舶航行 ふ頭 特になし 橋脚の存在が 特になし 利用への影響 船舶の航行安 全やふ頭の利 用に影響を与 えるおそれが ある 橋脚の存在が船舶の航行安全やふ頭の利用に影響を与えるおそれがある : 想定される航行船舶の最高高さに一定の余裕高と潮位を加味し決定され 隣接する臨海大橋 ( 仮称 ) の桁下高 A.P.+54.6m と同 程度となると想定される - 8 -