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圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

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平成16年度農作物有害動植物発生予察情報

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中晩柑の病害虫

仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

作業別の留意事項 ここに紹介します留意事項は りんごを栽培する際に特に留意すべき内容を列記したものです また 栽培方法によっては該当しない内容も含まれます 実際の栽培にあたっては 地域の普及指導センターや JA 等に問い合わせいただき 園地条件や品種に適した施肥設計 栽培方法等に基づき栽培してくださ

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展示圃要領1

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

キノンドー顆粒水和剤 2 年目 継続 1. 目的製剤変更による効果確認 樹齢 20 年生栽植密度 m 20 本 /10a (6) 試験内容試験面積 40 a 試験区 20 a 対照区 20 a 7/2 キノンドー顆粒水和剤 1,000 倍 500 リットル 7/2 キノンドーフロアブ

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

平成22年度農作物有害動植物発生予察情報

本年 10 月 11 日 ~11 月 10 日の間に登録登録されたされた新農薬 ( 適用拡大を含む は 次の通りですりです 下線部が適用拡大適用拡大になりましたになりました 登録日 薬剤名 10/24 テルスタ - フロアブル 登録内容 ( 適用拡大を含む のあらまし 対象作物内容 もも 対象害虫の

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

白紋羽病の病徴 果樹の地上部にこんな症状が出ていたら要注意 春先の発芽が遅れ 花芽分化が多く 開花時期が早まる 徒長枝の本数が少ない または伸長が悪い 梅雨明け後期に 葉が萎れたようになる 秋期に葉の黄化や 落葉が早くなる 果実の肥大が悪く 熟期が早まる 徒長枝の伸長が悪い 菌 糸 束 秋期の葉の早

今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉か

ネギ 防除法

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Ⅱ 生産情報 1 生育概況五戸 ( りんご研究所県南果樹部 ) では おうとうの 佐藤錦 ももの あかつき が平年より4 日早く開花日となった 黒石 ( りんご研究所 ) では おうとうの 佐藤錦 が平年より6 日早く開花日となった 生育ステージ (5 月 2 日現在 りんご研究所県南果樹部 ) 樹

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北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 20 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発

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水稲いもち病当面の対策                   

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農業における豪雨被害に対する総合的な産地再生対策について 豪雨被害鳥獣害防止施設復旧事業 鳥獣被害防止総合対策事業 (43,379 千円 ) 予定 被災した侵入防止柵の再整備に要する経費 [ 補助率 : 国定額 ( 資材費相当 ) 又は国 1/2 県 1/4 ( 市町 1/4)] 鳥獣害防止施設復旧

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取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

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スライド 1

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平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

令和元年度 (2019 年度 ) 病害虫発生予察情報第 5 号 6 月予報北海道病害虫防除所令和元年 (2019 年 )5 月 29 日 Tel:0123(89)2080 Fax:0123(89)2082 季節予報 ( 付記 )

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2. 摘花の実施早期の摘花 摘果は 良好な果実肥大や翌年の花芽確保のために また 適正樹勢の維持のために重要な作業となる 仕上げ摘果を満開 30 日後までに終了することを目標に作業計画を立てる そのために摘花を積極的に行い 落花後の摘果作業の時間短縮を図る 腋芽花の他 生育不良の花そう 枝の直上直下

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スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

元高虫防第 139 号令和元年 7 月 4 日 各関係機関長様 高知県病害虫防除所長 病害虫発生予察情報について 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報及び令和元年度予報 4 号 (7 月 ) を送付します 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報 Ⅰ. 気象概況半旬 (6 月 ) 平均気温最高気温最低気

ぐに花粉の飛散シーズンに入らなかったのは 暖冬の影響で休眠打破が遅れたことが影響していると考えられます ( スギの雄花は寒さを経験することにより 休眠を終えて花粉飛散の準備に入ると言われています ) その後 暖かい日や風が強い日を中心にスギ花粉が多く飛びましたが 3 月中旬には関東を中心に寒い日が続

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また 被害拡大の速度も速く 防除を怠ると くり園周辺の広葉樹林にも容易に被害が広がる (2) 発生消長平成 24 年 岩手県一関市で行った粘着板による調査では 1 齢幼虫の発生は 7 月 10 月の年 2 化であった (3) 防除試験マシン油乳剤やDMTP 乳剤による防除が知られているが 平成 24

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3 三保松原の新たな管理体制平成 26 年 12 月の三保松原の松林保全技術会議から提言された三保松原保全センター ( 仮称 ) の設置に関し 本年 6 月 16 日の第 7 回三保松原保全実行委員会で提案された三保松原保全の主体となる新組織については 羽衣の松周辺の老齢大木や松枯れ対策についてのこ

Ⅱ 生産情報 1 生育概況各樹種の生育は平年より遅れている 五戸 ( りんご研究所県南果樹部 ) では 開花日が西洋なしのゼネラル レクラークで4 日 ももで6 日 展葉日が日本なしで5 日 西洋なしのラ フランスで 3 日 満開日がおうとうの佐藤錦で4 日 落花日がうめで5 日 それぞれ平年より遅

隔年結果

各都道府県知事 宛 25 消安第 175 号環水大土発第 号平成 25 年 4 月 26 日 農林水産省消費 安全局長 環境省水 大気環境局長 住宅地等における農薬使用について 農薬は 適正に使用されない場合 人畜及び周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある 特に 学校 保育所 病

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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ブドウ 1. 黒とう病 Elsinoe ampelina < 生態と防除のねらい > 病原菌は結果母枝や巻ひげ等の病斑部で越冬し 4 ~ 5 月から降雨のたびに胞子を作り 新梢や新葉 巻ひげ等に感染し発病する この新病斑が二次伝染源となり 次々に伝染を繰り返す 発病は 4 月下旬頃から認められるが

資料6 (気象庁提出資料)

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どうして GAP を導入するの? 産地や農家が安定した経営を続けるためには 次のような取組が必要です 産地の信頼を守るための体制を作りましょう 安全な農産物の生産は農家の責務です また 産地の農家のうち 1 人でも問題を起こせば 産地全体で出荷停止や商品回収を行わなければならず その後の取引にも影響

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参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

エチレンを特定農薬に指定することについてのこれまでの検討状況 1 エチレンについて (1) 検討対象の情報 エチレン濃度 98.0% 以上の液化ガスをボンベに充填した製品 (2) 用途ばれいしょの萌芽抑制のほか バナナやキウイフルーツ等の果実の追熟促進を目的とする 2 検討状況 (1) 農林水産省及

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平成 28 年度農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 平成 29 年 1 月版 コムギなまぐさ黒穂病 Q & A 北海道農政部生産振興局技術普及課 北海道病害虫防除所 北海道立総合研究機構農業研究本部

資料 2 農業データ連携基盤の構築について 農業データ連携基盤 (WAGRI) WAGRI とは 農業データプラットフォームが 様々なデータやサービスを連環させる 輪 となり 様々なコミュニティのさらなる調和を促す 和 となることで 農業分野にイノベーションを引き起こすことへの期待から生まれた造語

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植栽にあたって

本剤の使用に当たっては 使用量 使用時期 使用方法を誤らないように注意し 特に初めて使用する場合には病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをおすすめします 安全使用上の注意事項 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意してください 眼に入った場合には直ちに水洗し 眼科医の手当を受けてく

アマミノクロウサギ保護増殖事業計画 平成 27 年 4 月 21 日 文部科学省 農林水産省 環境省

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

土木工事共通仕様書(その2)

Transcription:

りんご生産情報第 1 号 平成 30 年 4 月 11 日発表 (4 月 12 日 ~4 月 25 日 ) 青森県 攻めの農林水産業 推進本部 黒星病撲滅に向け 黒星病対策の徹底を! ふじの発芽 7~9 日早まる!! 霜害防止対策を万全に!!! 第 1 回目の薬剤散布は 4 月 22~23 日頃!!!! Ⅰ 要約 3 月の気温が高めに推移したことから 生育が大幅に早まり ふじの発芽日は 黒石 ( りんご研究所 ) で平年より 7 日早い 4 月 2 日 五戸 ( 県南果樹部 ) で平年より 8 日早い 4 月 1 日であった 4 月 5 日仙台管区気象台発表の東北地方 1 か月予報によると 4 月下旬以降 気温が高めに推移すると予想されていることから 黒石におけるふじの開花日は 5 月 4 日頃と見込まれる 黒星病の菌密度は 本年も前年と同様 高いことから 薬剤防除のみで防ぐことは難しいので できるだけ早く越冬落葉を除去するかすき込む 生育が早まり 霜害を受けやすくなっているので 気象情報に注意し 霜害防止対策に万全を期す ふじの展葉 1 週間後頃 の散布時期は 黒石 弘前 三戸で 4 月 22~23 日頃と見込まれる 剪定や枝片づけが遅れている園地では 薬剤散布などの支障とならないように作業を急ぎ できるだけ早めに終える - 1 -

Ⅱ りんご生産情報 1 生育 作業の進み 病害虫の動き (1) 生育ステージ 3 月の気温が高めに推移したため 生育が大幅に早まり ふじの発芽日は 黒石 ( りんご研究所 ) で平年より7 日早い4 月 2 日 五戸 ( 県南果樹部 ) で平年より8 日早い4 月 1 日であった 4 月 5 日仙台管区気象台発表の東北地方 1か月予報によると 4 月下旬以降 気温が高めに推移すると予想されていることから 黒石におけるふじの開花日は 5 月 4 日頃と見込まれる 発芽日 ( 月 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王林ふじ 黒 石 本 年 4. 1 3.30 4. 1 4. 2 ( りんご研 ) 平 年 4. 8 4. 6 4. 8 4. 9 前 年 4. 6 4. 6 4. 6 4. 7 五 戸 本 年 4. 3 3.30 3.31 4. 1 ( 県南果樹部 ) 平 年 4. 9 4. 7 4. 8 4. 9 前 年 4. 8 4. 6 4. 7 4. 8 弘前市独狐 本 年 3.30 3.29 3.29 3.30 ( 中南地域県民局 ) 平 年 4. 8 4. 5 4. 5 4. 8 前 年 4. 6 4. 5 4. 5 4. 6 板柳町高増 本 年 4. 2 3.30 3.31 4. 2 ( 西北地域県民局 ) 平 年 4. 8 4. 6 4. 6 4. 9 前 年 4. 6 4. 5 4. 6 4. 7 三戸町梅内 本 年 4. 1 3.30-4. 1 ( 三八地域県民局 ) 平 年 4. 7 4. 6-4. 8 前 年 4. 6 4. 6-4. 7 注 1) 発芽日 : 頂芽の頂部が破れ 青味の現れたものが 3 個以上認められたとき注 2) 各県民局のデータは農業普及振興室の生育観測ほ調査データ 展葉日 (4 月 11 日現在 ) ( 月 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王林ふじ 黒 石 本 年 - - - - ( りんご研 ) 平 年 4.20 4.16 4.18 4.19 前 年 4.17 4.11 4.13 4.16 五 戸 本 年 - - - - ( 県南果樹部 ) 平 年 4.22 4.19 4.19 4.20 前 年 4.20 4.16 4.16 4.18 注 ) 展葉日 : 正しい葉形が一枚でも認められたとき - 2 -

< 参考 >りんご開花予測 ( りんご研究所 黒石 ) ( 月. 日 ) 予測開花日平年の前年の品種発芽日 -2-1 0 +1 +2 開花日開花日ふじ 4. 2 5.13 5. 9 5. 6 5. 4 5. 2 5. 8 5. 6 注 ) 予測日 :4 月 10 日 (4 月 9 日までの気象データ ) (2) 作業等の進み (4 月 9 日現在 ) 剪定はほぼ終了 枝片付けは終盤を迎え 作業は概ね順調に進んでいる (3) 病害虫の動き (4 月 9 日現在りんご研究所 ) モニリア病 腐らん病 キノコの発育段階は棍棒状 まもなくパイプ状 ( キノコの初発 ) となり 子のう胞子の飛散が始まる ( 子実体の初発 平年 :4 月 16 日 ) 病斑の伸展 胞子の飛散とも継続中 黒星病子のう胞子飛散始まる (4 月 7 日 ) キンモンホソガギンモンハモグリガミダレカクモンハマキリンゴハダニ 4 月下旬頃に越冬世代成虫の羽化が始まる見込み ( 誘引初発 平年 :4 月 26 日 ) 展葉後 越冬世代成虫が葉に産卵する 4 月下旬頃に越冬卵からのふ化が始まる見込み ( ふ化初発 平年 :4 月 23 日 ) 5 月上旬頃に越冬卵からのふ化が始まる見込み ( ふ化初発 平年 :5 月 1 日 ) - 3 -

2 作業の重点 (1) 黒星病対策 ( 越冬落葉処理 ) 本年も前年と同様 菌密度が高いことから 薬剤防除のみで黒星病を防ぐことは難しいので 越冬落葉を除去するかすき込む (2) 霜害防止対策本年は生育が早まっているため 霜害を受ける危険が例年以上に高い 花芽の耐凍性は 発芽とともに低下し 展葉期から花蕾着色期までは約 -2 になると花芽に障害が出始めるので 気象情報に十分注意し 対策を必ず行う ( 単位 : ) 資料 : 福島県農業総合センター果樹研究所 ア防霜ファンによる防止温度検知器は 地上 1.5mに設置し 防霜ファンの始動温度を2 に設定する 寒気を伴ったときや著しく低温になったときは 防止効果が小さいので燃焼法を併用する イ燃焼法による防止燃焼法を利用する場合は 火災と紛らわしい煙または火災を発する恐れがある行為の届出書 などを所轄の消防署に提出する 燃焼資材はあらかじめ園地内に配置しておき 気温が0 になったら点火する 1 霜カット ( おがくず : 灯油の容量比 =2:1) 霜カット2kgを缶または袋に入れ 10a 当たり40~60 個配置する 2A 重油 4l 缶を利用する場合 10a 当たり30 缶以上を配置する なお 灯油等の保管については 保管量が200l 以上 ~1000l 未満の場合は 少量危険物貯蔵届出書 の提出 1000l 以上の場合は 危険物取扱者 の資格が必要である - 4 -

(3) 剪定 枝片づけ剪定や枝片づけが遅れている園地では 施肥や薬剤散布などの支障とならないように作業を急ぎ できるだけ早めに終える どうしても間に合わない場合は 剪定枝を木の根元によせてスピードスプレーヤの走路を確保する ただし 剪定枝を園内に放置したり積んでおくと 腐らん病 リンゴハダニ ハマキムシ類の発生源となるので 早めに処置する (4) 第 1 回目の薬剤散布 ふじの展葉 1 週間後頃 ふじの展葉 1 週間後頃 の散布時期は 黒石 弘前 三戸で 4 月 22~23 日頃と見込まれる 地域や天候によっては散布時期が異なるので 展葉日や気象情報を参考にして適期に散布する モニリア病の葉腐れの防除上最も重要な時期なので 確実に行う 第 1 回目 : ふじの展葉 1 週間後頃 地域散布時期基準薬剤散布量 /10a 黒石マシン油乳剤 200 倍 4 月 22~23 日頃弘前ダーズバン DF 3,000 倍 300l 三戸ベフラン液剤 25 1,000 倍 キンモンホソガ ギンモンハモグリガの発生が多い場合は デミリン水和剤 4,000 倍またはノーモルト乳剤 4,000 倍も使用する 前年に果実被害が見られた園地では アプロードフロアブル 1,000 倍も使用する (5) マメコバチの放飼と管理 ふじの展葉 1 週間後頃 の薬剤散布の2~3 日後にマメコバチの巣を冷蔵庫から出して放飼する 放飼時期が遅れると りんごの開花に間に合わなくなるので注意する マメコバチの増殖のため 防鳥網を設置し 十分深い土取り場を確保する 防鳥網の内側に大きさ30cm 60cm 深さ40cm 程度の穴を掘り 土取り場とする 穴の土が乾燥したら 穴の底部に水を入れて湿らせる 筒を何年も利用し 筒内に古い繭が溜まるようになると天敵による被害が多くなるので 筒は3~5 年に一度は更新する 古い巣箱は 次の手順で積極的に更新する 1 古い巣箱に並べて新しい巣箱を設置する 2 古い巣箱の前面を黒いポリ袋等で覆い 蜂が通れるだけの小穴を2~3か所あける 3 落花直後頃に古い巣箱を撤去し 処分する - 5 -

(6) 野ネズミ対策ア被害樹の処置地際付近の樹皮を完全に一周して食害された場合は 盛土を行い カルスの形成を促すと同時に 可能なものは寄接ぎを行う 地際以外では 食害の程度に応じて バッチレートを塗布するか テープを巻いてカルスの形成を促す 根部等の食害が甚だしいものは植え替えを行う イ野ネズミの駆除野ネズミの密度が高い園地では 融雪後も根の食害を中心に被害が継続するので 早めに駆除対策を徹底する 殺そ剤を使用する場合は 農薬使用基準を遵守する (7) 施肥できるだけ早く行い 遅くとも 4 月 20 日頃までに終える (8) 土壌改良土壌改良は 5 月上旬頃までに 土壌の酸性化防止と土づくりのため 10a 当たり樹冠下に堆きゅう肥 600kg 程度と苦土を含む石灰質肥料 100kg 程度を施用し 軽く耕うんする 苦土を含む石灰質肥料の施用は 三要素肥料を施用した後に行うが 施肥した後で降雨があった場合は 2~3 日後に 降雨がない場合は 2 週間くらい後に行う 酸性土壌を改良する場合は 必ず土壌分析を行い 必要な量の改良資材を施用する ( 分析の依頼先 :JA 全農あおもり土壌分析センターか最寄りの JA 等 ) (9) 腐らん病対策枝腐らんは見つけ次第 切り取って処分する 胴腐らんは再発病斑を含め見つけ次第 次のいずれかの処置を行う ア泥巻きを行う場合は 周辺健全部を含めて病患部に厚く泥を張り付ける イバッチレートまたはフランカットスプレーを使う場合は 周辺健全部を含めて病患部を紡錘形に削ってから塗る ウトップジンMオイルペーストを使う場合は 病患部を削り取り さらに浸透性を高めるために周辺の健全表皮 ( 上下約 5cm 左右 2~3cm) を薄く削ってから塗る エ胴腐らんの発病が著しい樹は 病原菌の伝染源になるので積極的に伐採する - 6 -

(10) 輪紋病対策枝幹上のいぼ皮病斑が伝染源となるので 主幹や主枝などの大枝のいぼ状の病患部とその下の褐変組織は削り取ってトップジン M ペーストを塗布する また 削り取りができない細い枝は切り取る 正しい処置方法 悪い削り方 1 削り取り前 2 削り取り完了 3 塗布完了後削り取り不足削り過ぎ (11) 粗皮削り粗皮削りは 胴腐らんの早期発見やハダニ類 クワコナカイガラムシの防除に役立つので必ず実施する また 粗皮削りの際に高圧洗浄機を利用すると短時間で簡易に処理することができる 高圧洗浄機を利用してりんごの粗皮を適度に削ることができる作業圧力と樹体との距離は表のとおりである なお 作業の際は 高圧で水を噴射するため 水や削れた粗皮の跳ね返りが多いので 長靴 手袋 合羽及び保護めがね等を着用する 表 高圧洗浄機の作業圧力とりんご樹幹との距離 作業圧力 樹幹との距離 ( cm ) (MPa) 15 20 25 30 35 8 - - 10 - - 15 - 注 ) : 粗皮が適度に削れる : 粗皮の削り方がやや不十分 : 樹皮も 削れる : 樹皮が深く削れて 木質部が露出 -: 試験なし (12) 苗木の植え付け苗木は 紋羽病や根頭がんしゅ病の被害のない健全なものを選び 植え付けに当たっては 堆肥 苦土炭カル等の土壌改良資材を施用する 植え付け前には根部をよく洗浄し 土を取り除いてから苗木消毒を行う 消毒後は 根部が乾かないうちに速やかに植え付ける - 7 -

ア紋羽病対策白紋羽病の場合は 植付け前に 苗木の根部をベンレート水和剤 1,000 倍またはトップジンM 水和剤 500 倍液に10 分間浸漬するか フロンサイドSC500 倍液に20 分間浸漬する 紫紋羽病対策では ベフラン液剤 25の250 倍またはフロンサイドSC500 倍液に20 分間浸漬する ベフラン液剤 25は 発芽後の苗木に処理すると展葉が遅れるおそれがあるので 必ず発芽前に行う 白紋羽病と紫紋羽病の併発樹または両者を区別できない場合は フロンサイドSCを使用する イ根頭がんしゅ病対策苗木の根部をバクテローズ20 倍液に60 分間浸漬する なお 紋羽病対策の苗木消毒剤と併用する場合は バクテローズ処理を先に行う 3 一般作業 (1) 雪害を受けた樹の処置 (2) わい化園の管理 ( 側枝の誘引 主幹結束 樹冠下の除草 ) (3) 接ぎ木 4 今後の作業予定 (4 月 26 日 ~5 月 10 日 ) (1) 薬剤散布 ( ふじの開花直前 ふじの落花直後 ) (2) 霜害防止対策 (3) 人手授粉 (4) 摘花 (5) 腐らん病対策 (6) 草刈り 農薬使用基準の遵守 農薬を使用する場合は 必ず最新の農薬登録内容を確認する また 短期暴露評価の導入により使用方法が変更される農薬は 登録内容の変更前であっても 変更後の使用方法で使用する必要があるため 変更の有無を次の Web サイトで確認してから使用する 農林水産省 農薬情報 http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_info/ ( 独 ) 農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm 青森県農業情報サービスネットワーク アップルネット 農薬情報 http://www.applenet.jp/ 農薬の使用にあたっては 事前に周辺住民に対し 農薬の散布日時や使用者の連絡先等を十分な時間的余裕を持って知らせる また 農薬の飛散により 周辺作物や近隣の住宅等に被害を及ぼすことのないように 農薬飛散低減対策に留意して散布する - 8 -

黒星病徹底防除推進期間中 (4 月 ~6 月 ) りんご黒星病の撲滅に向け 適期適量散布による薬剤防除に加え 菌密度を下げるための落葉処理等の耕種的防除にも取り組みましょう ポジティブリスト制への対応 農薬の飛散により 周辺住民及び作物に被害を及ぼすことのないように 散布情報の提供 交換等地域が連携し 農薬飛散低減対策に留意して散布を行う りんご共済や農業経営収入保険に加入しましょう! りんご共済 りんご共済 は 風 ひょう 霜などの自然災害等により損害が生じた場合に共済金が支払われる制度です 農業経営収入保険平成 31 年から新たに始まる 農業経営収入保険 は 農業者が自ら生産した農産物の販売収入全体を対象とし 自然災害に加え 価格低下などにより収入が一定割合以上減少した場合に補填金が支払われる制度です 加入には 青色申告が条件となっており 平成 31 年分の申請は 30 年 10 月から 11 月となっています 詳しくは 地域の農業共済組合にお問い合わせください 融雪水による園地浸水や土砂災害に注意しましょう! 霜害対策を万全に! 山火事など火災の発生防止に努めましょう! 次回の発行は平成 30 年 4 月 25 日 ( 水 ) の予定です 連絡先 : りんご果樹課生産振興グループ 電話番号 : 017-722-1111 代表 内線 5092,5094 017-734-9492 直通 - 9 -