児童の実態に応じた取り組みであり, 学ぶ意欲や思考力を高める上からも意義深い (4) これまでの研究の経過から本校は平成 23 年度から, 算数科を研究領域とした研究に取り組み, 子どもの主体的な学びと算数的活動を重視した学び合いを通して, わかる できる 喜びを味わう子どもの育成に取り組んできた

Similar documents
1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

ICTを軸にした小中連携

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4


実践 報告書テンプレート

1

第5学年  算数科学習指導案

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

今年度の校内研究について.HP

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

Taro-研究集録H25.jtd

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

国語科学習指導案様式(案)

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

○数学科 2年 連立方程式

解答類型

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

(Microsoft Word -

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

file:///D:/Dreamweaber/学状Web/H24_WebReport/sho_san/index.htm

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

2、協同的探究学習について

第4学年算数科学習指導案

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

平成 年度言語活動の充実促進モデル校事業の研究より 豊かな表現力を培う 各教科等における言語活動の充実 伝え合う力 の育成

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

「標準的な研修プログラム《

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

愛媛県学力向上5か年計画

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

H30全国HP

Microsoft Word - 研究の概要他(西小) 最終

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

H26研究レポート一覧(6年研)変更2017.3.22

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

3/3 研究推進委員会

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

平成 25 年度校内研修 ( 究 ) 計画書 十和田市立北園小学校 1 学校の教育課題 (1) 教育目標三本木開拓の精神に学び, 郷土の発展に寄与する人間の育成 <かしこく> 創造力があり, 未知を切り開く子ども <やさしく> 情操豊かで, 意志の強い子ども <たくましく> 体が健康で, たくましい

15-miyazakiken

平成 30 年度なごや小学校努力点推進計画 1 研究主題なかまとともに感性輝くなごやっ子 (1 年次 ) 2 研究主題について本校では 昨年度までの努力点研究において 道徳や特別活動の時間を中心に 子ども一人一人の成長と互いの認め合いをめざすことで 子ども自らが なごや小でよかった と感じられるよう

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

平成25~27年度間

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

gggggggggggggggggggggggggggggggggggggkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

H

1 研究主題 学校課題研究計画 ひとりひとりが輝く授業づくり ~ どの子にも分かりやすい支援の工夫を通して ~ 2 主題設定の理由本校では 教育基本法改正等による教育の理念 生きる力 をはぐくむために また本校の学校教育目標 確かな学力を身に付け 心豊かにたくましく生きる旭の子 を受けて 学校課題の

(Microsoft Word - \217\254_\216Z_5_\216O\214\264\216s\227\247\216O\214\264\217\254.doc)

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

(Taro-\202o\202R\202X\201`\202o\202S\202R.jtd)

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

別紙様式 平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果と考察及び対策について 東松島市立宮野森小学校 1 国語科 (1) 国語 A 平均正答率 ( 宮城県 全国との比較 ) 話す 聞く能力 書く能力 読む能力 言語についての知識 理解 技能 全体 県比較

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Microsoft Word - 【提言2】④新聞70(最終).doc

H27 国語

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

Taro-自立活動とは

PowerPoint プレゼンテーション

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

<4D F736F F D208FAC5F8E5A5F315F8FAF8CB48E7397A794C28BB48FAC2E646F63>

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

[2007版] 平成23年度 全国学力・学習状況調査の結果概要(01 小・・

< F2D37398CA48B868EE591E881698C6F896388C A >

Transcription:

研究課題 活用する力を高める算数科学習指導 副題 ~ 学び合い活動を活かした授業づくりを通して ~ キーワード 学校名 学び合い活動,ICT 機器活用 大牟田市立高取小学校 所在地 837-0924 福岡県大牟田市大字歴木 1807-58 ホームページアドレス http:// www.e-net21.city.omuta.fukuoka.jp/takatori-es/ 1. 研究の背景 (1) 社会の要請から学習指導要領の中で強調されているキーワードの一つに 活用 が挙げられる 小学校学習指導要領解説 算数編 によると, 算数科の目標において, ~について理解し, それらを用いることができるようにする や 進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる という表現が多く見られる つまり, 算数の学習では, その内容を理解し, 問題を解けるようになるだけではなく, 生活や学習の中で適切に活用することが求められているのである 今後の教育では, 既習の知識 技能が使えるかを判断し, 活用しながら表現して筋道立てて考える力を育て, 高めていくことが重要であると考える このような教育の動向から考えると, 活用する力を高めることを目指した本研究は意義深い (2) 学校教育目標から本校の学校教育目標は, 自他を大切にして学び合い, 心豊かで, たくましい児童の育成 であり, 本年度の重点目標を 確かな学力を身につけ, 学び合い高め合う児童の育成 としている これを受け, 各教科等において, 学び合いを通して互いの考えを出し合い, 高め合うことにより, 考える力を育てる授業づくりを行うようにしている その単元で身に付けさせ向上させる, 関心 意欲 態度, 数学的な見方 考え方, 技能, 知識 理解を位置付けた単元計画を立て, 毎時間の学習過程に算数的活動を軸とした学び合い活動を位置付けることで, 活用する力を高めるための学習指導の研究を推進していくことは, 学校教育目標達成の一役を担う価値ある取組であると考える (3) 児童の実態から本校の子どもたちは, 自分が興味をもった学習対象に積極的に関わることができる また, 課題に対して意欲的に追求したり, 自らよりよい方法を生み出したり, 友達と互いの考えを交流し合い, 高め合ったりすることができるようになるよさや可能性ももっている 児童の自己評価においては, どの学年においても算数の学習が楽しく, 理解できていると感じている児童の割合が増えてきてはいるが, 算数科学習に対する自信の高まりや数学的な考え方が伸びるまでには至っていない これらのことから, 算数科において, 学び合い高め合うことを通して, 活用する力を高めることは,

児童の実態に応じた取り組みであり, 学ぶ意欲や思考力を高める上からも意義深い (4) これまでの研究の経過から本校は平成 23 年度から, 算数科を研究領域とした研究に取り組み, 子どもの主体的な学びと算数的活動を重視した学び合いを通して, わかる できる 喜びを味わう子どもの育成に取り組んできた その結果, 基礎的 基本的な知識と技能を身に付けるとともに, 粘り強く問題解決に取り組んだり, 友達に自分の考えを伝えたりする姿が見られるようになってきたが, 数学的な考え方や活用する力には課題があった そこで, 平成 26 年度からは 活用する力を高める算数科学習指導 を研究主題に掲げ, 相手に分かりやすく説明することができるための学び方育成資料を作成し, 子どもの理解を深め, 活用する力を高めるための説明活動や交流活動の在り方を実践的に究明することに取り組んできた そのことで, 既習を使って自分の考えをしっかりともつことや, 相手に分かりやすく説明することができる子どもが育ってきた 本年度は, これらの研究の成果をもとに, 友達と共に学び合うことで, さらに考える力や活用する力を高めた子どもを育成することを目ざして, 数学的な見方 考え方に着目した単元構成や学び合い活動を位置付けた指導過程の研究に取り組むこととした 2. 研究の目的活用する力が高まった子どもを育てるために, 算数科の学習において, 学び合い活動の重点化を図り, その活動を位置づけた学習過程の工夫とICT 機器の効果的な活用の在り方を究明する 3. 研究の経過 4/19 校内研修会 研究授業計画及び研究構想 5/19 事前研究会 第 4 学年 1 組算数科 小数 6/ 1 事前研究会 第 5 学年 1 組算数科 同じものに目をつけて 6/ 2 ふくおか学力 第 4 学年年 1 組算数科 小数 6/ 8 事前研究会 第 2 学年 1 組算数科 1000までの数 6/15 全校授業研究会 第 5 学年 1 組算数科 同じものに目をつけて 6/21 全校授業研究会 第 2 学年 1 組算数科 1000までの数 6/22 事前研究会 ひまわり学級生活単元 たなばた会をしよう 6/23 近接授業研究会 第 6 学年 1 組算数科 分数 分数 6/24 近接授業研究会 第 3 学年 2 組算数科 かくれた数はいくつ1 6/25 近接授業研究会 第 3 学年 1 組算数科 たし算とひき算 6/29 近接授業研究会 第 1 学年 1 組算数科 ひきざん (1) 7/ 6 近接授業研究会 第 2 学年 2 組算数科 かさ 7/ 7 全校授業研究会 ひまわり学級生活単元 たなばた会をしよう 9/14 校内研修会 研究発表会について 9/26 校内研修会 ドリルタイムの充実について 10/12 全校授業研究会 第 2 学年 1 組英語活動 体をつかってあそぼう 10/13 全校授業研究会 第 4 学年 1 組学級活動 学級の歌の歌詞を決めよう 11/18 研究発表会 全学級公開授業 ( 算数科 生活単元 )

団的思考によって新たな数理を獲得でた学び合12/ 6 校内研修会 研究のまとめについて 12/13 全校授業研究会 第 3 学年 2 組道徳 まどガラスと魚 1/25 ふくおか学力 全学級公開授業 2/ 9 校内研修会 研究まとめの会 4. 代表的な実践 1 単位時間の学習過程において, 見つけ合い活動 つくり合い活動 高め合い活動 確かめ合い活動 を設定する 見つけ合い活動 は, 全体で問題解決への見通しをもつ活動 つくり合い活動 は, ペアやグループなど, 少人数の中で各自の考えを出し合った後に, 全体での説明を行う活動 高め合い活動 は, 簡潔 明瞭 的確 統合 一般 有用の観点で, それぞれの考えのよさを比べながら, よりよい考えに高めていくことができるようにするとともに, その考えを追事象として構成が類似した問題に当てはめてみることで, よさを確認したり共有したりするようにもする活動 確かめ合い活動 においては, 適用問題を通して, 獲得した数理を定着 強化する活動として,1 単位時間に位置づけを行う また, 児童の発達段階や実態を考慮して, 学び合い活動を重点化し, 段階的に高めていくことで, 自他の考えを認め合ったり, 深め合ったりすることができ, 活用する力を高めることができると考える つかむ見通すつくる高める活かす 体き験確をい集な伴う算数的活動を通しい明るび合学び合い見通しを持って自力解決できる学低学年中学年高学年 児童の発達段階に応じた学び合い活動の重点化

(1) 実践例 1 第 1 学年 ひきざん (2) ア学び合い活動の重点化 ( 見つけ合い活動 ) 低学年においては, 問題場面の把握に重点をおいた 挿絵を活用し, 問題にストーリー性を取り入れた活動を仕組むことで, 子どもたちの学習への意欲の向上を図った イ ICT 機器の活用問題提示の場面で, モニターに問題文と挿絵を掲示し, ノートにも同じ挿絵と問題文を貼ったので, 視覚的に問題場面を把握することできた どんな場面でどんな問題なのかを挿絵を見て話し合ったり, 栗を食べる動作化をしたりしながら,10のまとまりから食べたのかばらから食べたのかを話し合うことで, 全ての子どもたちの意欲を高めることができた ICT 機器を用いてモニターに映しながら説明活動を行っていった ICT 機器 ぼうけんくん は, 自分の考えをかいたノートをそのまま写すことができるので時間の短縮につながった また, 大きな画面で見やすく効果的であった さらに, ライブで動画になり, 数図ブロックを操作しながら説明をすることができるので, 視覚的にも分かりやすく, 大変有効であった (2) 実践例 2 第 4 学年 小数 ア学び合い活動の重点化 ( つくり合い活動 ) 中学年のおいては, 自分のつくった考えを説明する場面に重点をおいた 考えを友達に伝える活動を仕組むことで考えを確かなものにしていけるようにした イ ICT 機器の活用児童の学習ノートをICT 機器 ぼうけんくん を用いてモニターに映し出し, 説明活動を行っていった 児童の学習ノートをそのままモニターに映し出すことができるとともに, 大事なポイントについては描画機能を使って朱書きしたり, 線を引いたりすることができるので, 児童にとって理解しやすく, 大変有効であった 友達の考えを確かめ合うことにおいて, ICT 機器を活用することは効果的であると考える また, 板書の時間を省略することができ, 発表に対する質問や他の児童による補足の説明などに, 従来以上の時間をかけて取り組ませることができた

(3) 実践例 3 第 6 学年 割合を使って ア学び合いの重点化 ( 高め合い, 確かめ合い活動 ) 高学年においては, 考えを練り上げる活動に重点をおいた グループで話し合ったことを, さらに全体で交流する活動を仕組むことで, よりよい考えへ高めるようにした イ ICT 機器の活用グループで話し合ったことをICT 機器 ぼうけんくん を用いてモニターに映し出し, 交流活動を行っていった 自分たちグループと他のグループの考えの共通点や相違点を見比べながら, グループ内で再検討する姿が見られた グループ交流の中で確かめ合うことで, 気づいたことを伝えたり, 友だちの考えを聞いたりして, 自分の考えを確かなものにし, 自信を持たせることが, 高め合いの交流を活発にする上で, 大変有効であった 5. 研究の成果 (1) 児童の学力の面から市販テストの結果を平成 27 年度と比較すると, どの学年においても, 全ての観点について伸びが見られた, 特に 数学的な考え方 に関しては, 伸びが著しく, 考える力が高まってきていると考える また, 基礎基本を含む活用力診断テストの結果は,4,5 年生は1,2 学期とも福岡県の平均を上回った 6 年生は1 学期は福岡県の平均に近づき,2 学期は上回る結果となった 本校がめざす 活用する力 が高まっていると考える これらの結果は, 本年度の校内研修における, 以下のような取組が効果的であったと考える 基本的事項と基礎的事項を明確にした単元の構成を行ったこと 教師主導でなく, 子どもたちの学び合いを中心に学習活動を仕組んだこと 4つの学び合い活動( 見つけ合い, つくり合い, 高め合い, 確かめ合い ) を発達段階に応じて意図的 計画的に位置づけたこと 1 単位時間の中に複数の問題を設定し, 子どもの理解を図ったこと 考えの説明や交流の時に,ICT 機器 ( ぼうけんくん ) を活用したこと (2) ICT 機器の活用から 1 単位時間の学習の中に,ICT 機器 ぼうけんくん を活用し, 学習を進めてきたことで, 子どもたちの言語活動が活性化し, 時間の効率化を図ることにつながった 子どものノートを直接写し出すことで, 子どものノートをもとにした説明, 交流ができた 友だちの考えを見ることが増え, 自分のノートづくりの向上につながった 画面を写し替えることで, 考えの比較が簡単にできるようになった 交流をさせたい内容の把握が簡単にできるようになった

6. 今後の課題 展望本研究を通して, 児童の算数科の学習に対する意識や学び合う姿に高まりが見られるようになってくるとともに, 学力にも伸びが見られるようになってきた 今後, 児童の学習意欲や学力をさらに向上させ, 児童の登校意欲や自尊感情を高めるために, 次のことが課題であると考える 算数科の学習において,45 分の授業時間で, 子どもたちが目的意識や相手意識をもった学び合い活動を行い, 学び合うことのよさや達成感を感じさせるために, 学び合い活動の重点化をさらに推進する ICTを活用した学習を積極的に推進する 算数科で研究してきた学び合い活動の基本的な考え方や方策を他教科に広げ, 教育活動全体で学び合う学習活動を推進する 7. おわりに今回, 研究助成を受けたことで, 算数科だけでなく, 日々の学習の中で積極的にICT 機器 ( ぼうけんくん ) を活用するようになりました 算数の時間に意欲的に取り組む子どもや考えをノートにかけるようになってきた子ども, 自分の考えを進んで発信する子ども等, 子ども達の姿として, 高まりが見られるようになってきました また, 大牟田市教育委員会指定 委嘱校としての研究発表会においても, 他の学校の先生方から ぼうけんくんは, いいね うちの学校でも使っていきたい との声があり,ICT 機器が学習効果をあげる上で, 大変有効であることを示すことができたと思います 今後も研究を継続し,1 つ1つ課題を解決していきたいと考えます 8. 参考文献 小学校学習指導学習指導要領解説 算数編 ( 文部科学省平成 20 年 )