少ない生徒たちに, 本題材を通して, 尺八の音色に親しみ, 様々な奏法による音色の変化を感じ取り, 尺八の魅力を味わわせたい 一方, 尺八の表現活動においては, 塩ビ尺八 を使用し, 実際に尺八の音出しの難しさを体験させ, 練習を重ね音が出た時の喜びと, 夕焼け小焼け 等の簡単な旋律が吹けるようにな

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< 実用例 >2 3 年下 年間授業時数 35 時間 ユッニット A 題材名 教材 参考教材 オリエンテーションまたは < 追加教材 > オリエンテーション : ガイダンス及び 2 年生の復習校歌他 歌詞の内容や曲想の変化を味わって 花 p.4 荒城の月 p.14 荒城の月 ( 山田耕筰補作編曲 )

7 題材の評価規準ア音楽への関心 意欲 態度 イ音楽的な感受や表現の工夫 ウ表現の技能 エ鑑賞の能力 題 材 の 評 価 規 準 日本の伝統的な音楽や和楽器に興味 関心をもち, 聴いたり表現したりする学習に, 主体的に取り組もうとしている 日本の旋律の特徴や歌詞の情景を感じとり, それらを生かした表

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本時では, 鑑賞する際に着目する [ 共通事項 ] を4つ示し, 強弱 を必ず手がかりとすることに加え, 音色 リズム 旋律 のいずれかを生徒自らが選択し着目することとした そうすることで, 個々の生徒のレベルに応じた学習となり, 努力を要する 状況と判断した生徒にも無理のない学習活動となると考える

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ジャンルの音楽やそのしくみに関心を持つこと, そして, 音楽を形づくっている要素である リズム 旋律 構成 の理解を深める学習を目指したい (3) 学びの自覚化について本校音楽科では, 感性を豊かにし, 主体的に表現 鑑賞する生徒の育成 を研究主題としている 音楽科の目標に示されている 音楽に対する

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Taro-s10音楽 「浜辺の歌 音楽

4 題材の目標 (1) 歌詞の内容や曲想に関心をもち 音楽表現を工夫して歌う学習に主体的に取り組む ( 音楽への関心 意欲 態度 ) (2) 声部の役割や全体の響きを感じ取って音楽表現を工夫し どのように合わせて歌うかについて思いや意図をもっている ( 音楽表現の創意工夫 ) (3) 歌詞の内容や曲

し, 音楽の味わいをより一層深めていけるようにする このような活動を通して, 音楽のよさや美しさを味わって聴く力が身につくと考える 4 教材オペラ アイーダ から第 1 幕第 1 場 可愛い娘よこちらへ, 勝ちて帰れ! ジュゼッペ ヴェルディ作曲 5 題材の評価規準 ア音楽への関心 意欲 態度エ鑑賞

3 題材の目標と言語活動について (1) 題材の目標 1 ブルタバ の音楽を形作っている旋律 音色 強弱 速度等を知覚し それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら 曲の誕生した背景となる歴史と関連づけて 作曲者の思いを感じながら聴くことができる [ 鑑賞の能力 ] (2) 本校における音楽科

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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4 分の3 拍子 ) ア(123) 終わりの部分 ( コーダ ) という三部形式である アの3つの旋律は, ホルンが中心となって奏でられており, 全体的に華やかな印象である また, イでは, 弦楽器が中心となって, 主な旋律が繰り返し演奏されており, 繰り返されながら楽器が増えていくことで, 重厚で

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ICTを軸にした小中連携

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3 研究課題と研究の手だて (1) 研究課題 音楽から感じ取ったことや表現したい思いを伝え合う活動の充実 研究主題 児童一人ひとりが生き生きと学ぶ授業の創造 ~ 主体的な言語活動の工夫 ~に基づき 児童一人ひとりが楽曲を聴いて 感じ取ったことや表現したい思いを伝え合うことにより 音楽に対する自分の思

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< 児童のアンケートより > 音楽の学習について 好きな領域 鑑賞器楽歌唱 好きな領域 (3) 指導観本題材の流れのように 楽曲に出会う 楽曲を理解する 自分なりに感じる めあてに向かって鑑賞 表現するという一連の活動は 自分の思いと友達の感じ方や思いを共感したり 比較したりすること

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音楽科学習指導案題材名 いろいろな音色を感じ取ろう 学年 : 第 4 学年 13 名 ( 男子 8 名 女子 5 名 ) 日時 : 平成 26 年 10 月 15 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者 : 安芸高田市立根野小学校大野裕子 1 題材について 題材の目標 いろいろな音の特徴や音色の違いを感

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

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○年○組 □□科学習指導略案

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

3 題材の目標 (1) 拍子やリズムの特徴を感じ取りながら 拍を感じて歌ったりリズム唱したりして 拍やリズムについて理解する 知識及び技能 (2) なかなかほい でリズムを感じて歌い遊ぶことを通して 音楽の構造を理解し 反復や変化などの音楽の仕組みを生かして まとまりのあるリズムをつくる 思考力 判

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(2) 授業との関連 共通事項 の各項目の中から音色 リズム 旋律 強弱を中心に, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら場面を想像する学習をする 自の思い浮かべた場面は音楽のどのようなところから想像したのかを言葉で説明したり友達の考えと比較したりしながら, よさや美しさを味わう学習によっ

歌詞の表す様子や気持ちを想像して, 歌い方を工夫することができるようにする 本題材で位置付ける 共通事項 共通事項 本題材における学習内容 ( ア ) 曲の構成鑑賞曲 人形のゆめとめざめ から感じる場面や様子の変化は, 曲の構成や拍子の変化によることを知る 強弱速度歌唱曲 海とおひさま の歌詞は,

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(3) 指導について 本校生徒の鑑賞の学習における意欲は, 表現活動と比較すると低く, 鑑賞の授業を充実させることは, 以前から大きな課題であった 楽曲において感受した曲想が, 音楽を形づくっている要素のどの部分の働きによるものかなどを具体的に知覚 感受することが十分でないために, 学習した内容が具

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3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

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指導観指導にあたっては 基本となる回転技に取り組み 自己の能力に適した技が安定してできるようにするとともに 発展技にも挑戦できるようにする その際には 友達の動きを見て技のポイントに気づき 伝えあったりしながら意識して練習できるようにする 運動は 柔軟性が要求される運動であり 体を痛めたりうまく回れ

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(3) 本題材における指導本題材は 音を出す素材を発見したり音の出し方を工夫したりする自由な音づくりから 自分たちの思いや意図に合った音づくりや音の組合わせを工夫していく さらに 音の特徴や音色の違いを感じ取って 想像豊かに聴いたり表現したりすることができるようにすることをねらいとしている 音楽を構

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書いたものを発表し合い 表現の仕方に着目して助言し合うこと 本単元では 経験したことや想像したことを基に俳句をつくり 互いに読み合う言語活動を行う 身近な情景や生活の中での出来事を捉え 俳句の特徴を生かした創作を行うことによって 言葉の調子やリズムに親しみ 凝縮した表現で捉える面白さや楽しさを味わわ

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

20情報【授業】

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

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4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

表 2 家庭にミシンがあり, 家族 ( 自分を含む ) が使用している 37% 家庭にミシンはあるが, ほとんど使用していない 26% 家庭にミシンがない 37% 指導観 1 年生にとって, 中学校に入学して初めての被服製作題材である 小学校の家庭科でも布を用いた製作を行ってきているが, 授業後,

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5 主体的 対話的で深い学びの視点 (1) 主体的な学びとしての視点主体的な学びとして 本単元ではプレゼンテーションを作成する段階で 聞き手の関心を最大限ひきつけることができるようなテーマの設定を生徒たち自身に行わせたい このことにより 教師から与えられたテーマではなく 自分たち自身もより興味 関心

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

のイ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り 楽曲の構造に気をつけて聴くこと ウ 楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして 楽曲の特徴や演奏のよさに気づくこと に関るものである ここでは 声や楽器の音 身近に聴くことのできる様々な音に関心をもって耳を傾けるとともに 表現

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英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

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Transcription:

音楽第 1 学年呉市立広南中学校指導者荒木真由子 題材名 日本の伝統音楽 楽器に親しもう ~ 挑戦問題 尺八に挑戦しよう ~ 校内指導教員福田眞二 本題材で育成する資質 能力 情報収集力, 思考力 表現力, 責任感 使命感 習得 鑑賞 楽器の構造や奏法を知り, その楽器固有の音色や響きを知覚 感受することができる 器楽 楽器の特徴に関心をもち, 基礎的な奏法 ( 楽器の初歩的な演奏 ) を身に付けている 活用 鑑賞 楽器の音色や奏法の特徴を言葉で説明するなどして, 音楽のよさや美しさを味わって聴くことができる 器楽 尺八の独特な奏法を習得したり, 簡単な旋律を吹いたりすることができる 挑戦 探究 鑑賞 西洋やアジアの音楽等, 多様な音楽のよさや美しさを味わい, 幅広く主体的に鑑賞できる 器楽 自分の演奏を他者に披露し, 楽器演奏の楽しさや達成感を味わう 1 題材名日本の伝統音楽 楽器に親しもう 尺八曲 巣鶴鈴慕 の鑑賞と尺八演奏に挑戦 (1) 生徒観本学級の生徒は 1 学期鑑賞の授業で, 春 と 魔王 を学習している 事前調査では, 生徒の普段聴いている音楽は,JPOP や洋楽といったジャンルが多く, クラシック音楽を普段から聴いている生徒はおらず, 興味がないという意見があったが, 授業後には, 振り返りシートなどで楽曲についてのよさを書くなど, クラシック音楽に親しみをもつ生徒がでてきた 今回の題材である 日本の伝統音楽 について, 事前アンケートを行ったところ, 日本の伝統音楽に興味がありますか という質問について,84% の生徒が ない と答えた また, これまでに, 見たり聴いたりしたことがある生徒は,39% と少なかった しかし, 興味がないという生徒が多い中, 日本の伝統音楽を知りたいですか という質問に対しては, 知りたい という生徒が 70% という結果であった その理由として, 日本人として自分の国のことは知っておきたい, 日本のことなのに知らないから という意見が多かった 興味は低いものの, 日本人として知っておくべきという意識は高い 一方, 和楽器の表現活動においては, 郷土の伝統芸能で, 横笛の演奏経験をもつ生徒は 100% であったが, 尺八の経験がある生徒は一人もいなかった このような実態から, グローバル化する社会の中で, 異なる文化や歴史に敬意を払い, 自らの国の伝統や文化について理解を深め, 尊重する態度を身につけること, またそのよさを継承 発展させるための教育を充実する必要があると考える (2) 題材観本題材の鑑賞おいては, 中学校学習指導要領の第 1 学年の内容 (2)B 鑑賞の指導事項ウ 我が国の伝統音楽の特徴から音楽の多様性を感じ取り, 鑑賞すること とその基となる能力,[ 共通事項 ] のアの 音色, 速度, 旋律, 強弱等, 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受すること を受けて設定した また, 和楽器の表現活動においては, 第 4 章の 内容の取扱いと指導上の配慮事項 において, 和楽器の指導については,3 学年間を通じて 1 種類以上の楽器の表現活動を通して, 生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わうことができるよう工夫すること を受けて設定した さらに, 和楽器を表現活動における器楽の指導に用いることはもちろんであるが, 歌唱や創作, 鑑賞との関連も図りながら, 実際に和楽器に触れ, 体験することで, 我が国や郷土の伝統音楽の学習効果を更に高めることが期待できる 生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさなどを味わい, 我が国の音楽文化を尊重する態度を養うことが, 和楽器を用いる本来の意義であり, そのために一層の指導の工夫が求められる とある このことを受け, 我が国の伝統音楽の鑑賞に関連付け, 和楽器の表現活動を取り入れた本題材を設定した 本題材で扱う尺八曲 巣鶴鈴慕 は,18 世紀半ばごろに広く親しまれており, 雛の誕生から, 子を育てる親鳥の献身的な姿, そして, 雛鳥の巣立ちの後に親鳥は力尽きて死んでしまうという, 親子の情愛と別れの様子を描写しているとも伝えられている 曲は, 全十二段から構成されており, 短い初段だけからでも, 様々な奏法による音色の変化を聴くことができる 日本という国に生まれながら, 日本の伝統音楽 に触れる機会が

少ない生徒たちに, 本題材を通して, 尺八の音色に親しみ, 様々な奏法による音色の変化を感じ取り, 尺八の魅力を味わわせたい 一方, 尺八の表現活動においては, 塩ビ尺八 を使用し, 実際に尺八の音出しの難しさを体験させ, 練習を重ね音が出た時の喜びと, 夕焼け小焼け 等の簡単な旋律が吹けるようになった時の達成感を味わわせたい (3) 指導観導入では, 塩ビ尺八の音出しに挑戦することで, 鑑賞における興味づけを図りたい 次に, 尺八の生まれた時代背景を知るとともに, 楽曲を聴き知覚 感受したことを, より深い学びにするために, 個人思考から集団思考の場を設定し, さらに, 表現する学習活動を通して, 独特な旋律や音色の美しさ, 様々な奏法の特徴を味わわせたい 初段全体は 3 つの部分に分けて考えることができ, その最初の部分では スリ, 第 2 の部分では コロコロ, 第 3 の部分では タマ音 といった奏法が取り入られている 尺八の独特な奏法や音色の変化に気付かせるために, ワークシートに, 生徒自身が線や記号などを使い, 自由に表現できるよう工夫したものを使用する また,ICT を活用し, 実際の演奏の映像を使用して奏法の理解を深めるとともに, 尺八の歴史や構造, 楽曲の説明などを効果的, 効率的に行い, 生徒自身が考える時間を確保したい 一方, 尺八の表現活動においては, 自らが試行錯誤して音出しのコツを発見させ, 音が出る喜びを味わわせたり, 地域の尺八奏者を招聘し, より豊かな響きや音階の習得をさせたりするなど, 鑑賞と器楽を関連付けた本題材を通して, 我が国の伝統音楽のよさを味わい, 我が国の音楽文化を尊重する態度を養いたい 2 題材の目標 日本の伝統的な楽器である尺八に関心をもち, さまざまな奏法による音色の変化に着目しながら楽曲を味わって聴く 尺八の音出しの難しさを体験させ, 音が出た時の喜びを味わわせるとともに, 簡単な旋律が吹けるようになる 日本の伝統音楽のよさを味わい, 日本の音楽文化を尊重する態度を養う 3 評価規準 音楽への関心 意欲 態度音楽表現の創意工夫音楽表現の技能鑑賞の能力 尺八の音色や奏法による表現の特徴に関心をもち, 鑑賞する学習に主体的に取り組もうとしている 楽器の特徴 ( 楽器の構造や奏法, その楽器固有の音色や響き, よさなど ) に関心をもち, 基礎的な奏法 ( 楽器の初歩的な演奏方法など ) で演奏する学習に主体的に取り組もうとしている 音楽を形づくっている要素を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら, 楽器の特徴をとらえた音楽表現を工夫し, どのように演奏するかについて思いや意図をもっている 楽器の特徴をとらえた音楽表現をするために必要な, 音楽の特徴を感じ取り, 言葉で説明するなどして, 楽曲や尺八のよさや美しさを味わって聴いている 4 本学園で育成しようとする資質 能力及び態度 資質 能力及び態度 1 情報収集力 2 思考力 表現力 3 挑戦心 探究心 4 協働的な態度 評価規準問題解決に向けて課題を設定し, 課題解決へ向けて必要な情報を収集することができる 情報を整理 分析し, 導き出した自分の考えを工夫して表現することができる どんな問題にも前向きに粘り強く挑戦 探究しようとする意欲をもっている 自他を尊重し, コミュニケーションを図りながら協力して課題解決を図ろうとしている 5 感謝 貢献 6 責任感 使命感 自分がまわりに生かされていることを自覚し, 家族 地域 社会に感謝 貢献しようと考えている 社会の一員として優れた伝統文化と精神を継承し, よりよい未来の担い手としての自覚と高い志を持っている 本題材では, 鑑賞の基になる尺八の歴史, 構造, 種類及び尺八の特徴や奏法を理解することを通して 情報収集力 を, 尺八の独特な奏法や音色を知覚 感受し, 集団思考することや, 尺八の指導から学んだことを自分なりに

( ) 工夫して表現することを通して 思考 表現力 を, 鑑賞や器楽の振り返りを通して 使命感 の育成を図る 取組に当たって, 次のルーブリックで行うことを事前に示すとともに, 事後に自己評価及び教師の他者評価を行うことで, 資質 能力及び態度の向上を確認する 本題材で生徒と共有するルーブリック 資質 能力及び態度 1 情報収集力 2 思考力 表現力 6 責任感 使命感 評価基準 A ワークシートに課題解決に向けて必要な情報について整理し, より詳しく情報を収集でき, 記述できる B ワークシートに課題解決に向けて必要な情報を記述できる C ワークシートに課題解決に向けて必要な情報の一部の記述をすることができる A 楽器の奏法や音色を感受したり, 情報収集で得たりしたことを整理 分析し, 自分なりに工夫して表現できる B 楽器の奏法や音色を感受したり, 情報収集で得たりしたことを自分なりに工夫して表現できる C 楽器の奏法や音色を感受したり, 情報収集で得たりしたことを表現している A 振り返りシートに日本文化の良さについて十分な記述をすることができる B 振り返りシートに日本文化の良さについての記述ができる C 振り返りシートに日本文化についての記述ができる A のうち, 特に優れている場合は S とする C に満たないものは D とする 5 指導と評価の計画 ( 全 5 時間 ) 時 1 本時 2 主な学習活動 挑戦問題の設定 尺八に挑戦しよう 情報の収集 分析 尺八の歴史, 構造, 種類について知る 尺八の特徴や奏法, 音色などについて, 知覚 感受する 整理 分析 尺八の奏法について知る 独特な旋律の特徴を聴き取る 楽曲に使われる演奏の工夫を見つける まとめ 創造 表現 巣鶴鈴慕 の演奏場面を視聴し, 前時の感受をもとに紹介文を書く 関表技鑑 評 価 評価規準 ( 評価方法 ) 尺八の特徴や奏法, 音色に関心を持って主体的に聴いている ( 観察 ワークシート ) 尺八の独特な奏法による表現の特徴を知覚し, その美しさや豊かさを感じ取っている 尺八の音色と奏法の関係に関心をもち, 主体的に視聴している 尺八の美しい音色や奏法による表現の特徴を感じ取り, 楽曲全体を聴き取っている ( 観察 紹介文 ) 資質 能力の 評価 ( 評価方法 ) ルーブリックを提示する 1 情報収集力 実行 紹介文を発表し合い, 他の生徒の考えから学び, 自分の考えを再度見直す 振り返り 6 使命感 ( 振り返りシート )

3 情報の収集 分析 尺八の音出し練習をする 今まで学習した奏法を一つ選び練習する 夕やけこやけ のデモ演奏を鑑賞し, 練習する 楽器の特徴に関心をもち, 基礎的な奏法で演奏する学習に主体的に取り組もうとしている ( 観察 ) 音楽を形づくっている要素を知覚し, それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら, 楽器の特徴をとらえた音楽表現を工夫し, どのように演奏するかについて思いや意図をもっている ( 観察 ) 4 創造 表現 講師による指導を受ける 夕やけこやけ を練習する 自分で選んだ奏法を練習する 楽器の特徴をとらえた音楽表現をするために必要な, ( 観察 ) まとめ 創造 表現 夕やけこやけ を発表する 自分で選んだ奏法を発表する 実行 他の生徒の発表を聴き, その良さや課題を見出し, 自分の演奏を再度見直す 楽器の特徴をとらえた音楽表現をするために必要な, ( ワークシート 実技評価 観察 ) 2 思考 表現力 5 振り返り 尺八の鑑賞と表現活動を通して, 学んだことを書き, 意見交流をする 6 使命感 ( 振り返りシート ) 126 ルーブリックでの自己評価をする 6 本時の目標 尺八の歴史, 構造, 種類について知る 尺八の音色や奏法の特徴を知覚 感受する 7 本時の評価規準 尺八の特徴や奏法, 音色に関心を持って意欲的に聴いている 尺八の独特な奏法による表現の特徴を知覚し, その美しさや豊かさを感じ取っている

8 学習の流れ (1 時間目 / 全 5 時間 ) 学習活動 1 課題意識をもつ 尺八との出会い 指導上の留意点 ( ) 努力 を要する状況と判断した生徒への指導の手立て 生徒全員に塩ビ尺八を配付する これが何なのかを自由に発表させ, 題材への意欲の高揚を図る 評価規準教科の指導事項 ( )( 評価方法 ) 資質 能力 ( ) 挑戦問題 : 尺八に挑戦しよう の提示 塩ビ尺八 を吹く ( グループ活動 )(7 分 ) 2 本時のめあてを確認し, シートへ記入する (2 分 ) どうすれば音が出るのか, グループで活動させる ( 簡単には音が出ないことを理解させる また, 音が出た生徒を評価し, そのコツを他生徒に教授させる ) グループ活動で, どうやって吹くのかを発見させる めあて : 尺八の音色や奏法の特徴を感じ取ろう 3 尺八の歴史, 構造, 種類について知る (10 分 ) 楽器の歴史や特徴について映像や資料を用いて説明する ICT を活用し, 視覚支援をする 大事な点はワークシートにメモするよう生徒に指示をする 尺八の特徴や奏法, 音色に関心を持って主体的に聴いている ( 観察 ワークシート ) 1 4 奏法の工夫について予想する 巣鶴鈴慕 初段を聴きワークシートへ記入する 個人 集団 発表 ( 演奏 6 分 )( 活動 15 分 ) どのような独特な音の響き ( 音の変化 ) があったかを線や記号で書き出し, 見つけ出す どのようにしてその音を出しているか予想を立てる 塩ビ尺八やリコーダーを用いて, 奏法を発見できるよう指示をする 一度の演奏では聴き取りが難しいので, 適宜演奏を流す 尺八の独特な奏法による表現の特徴を知覚し, その美しさや豊かさを感じ取っている 5 本時のまとめ (5 分 ) 本時の学習から, 学んだことや気付いたことを自分なりにまとめ, 発表させる 生徒のまとめ例 : 単純な作りに見える尺八であるが, 奏法の工夫により, 様々な音色が作り出されていることが発見できた 6 本時を振り返り, 次時につなげる (5 分 ) 復習課題を提示する 次時では, 予想した奏法が, 実際にどのように演奏されているのか知り, 巣鶴鈴慕 ではどんな奏法が使われているのか発見させる 本時で学習した内容 ( 尺八の歴史や構造について ) を自分なりにまとめてくる 振り返りシート