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(別添様式)

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耐性菌届出基準

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2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

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プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬①」(2016年4月27日)

Ⅲ-1-7 ( 別添様式 1) 未承認薬 適応外薬の要望 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 日本小児救急医学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 4 位 ( 全 4 要望中 ) 成 分 名 ( 一般名

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資料 4-2a 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 循環器 WG> 目次 < 循環器器官用薬分野 > 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における未承認薬イロプロスト ( 要望番号 ;50) 1 トレプロスチニル ( 要望番

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資料 3-3 資料 3-7 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 ( 案 ) < 小児 WG> 目次 < > 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 本邦における適応外薬アモキシシリン水和物 ( 要望番号 ;34) 1 アンピシリンナトリウム ( 要望番号 ;43) 7

医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議 医療上の必要性に係る基準 への該当性の評価 1. 要望内容の概略 1) 要望者名要望番号 社団法人日本化学療法学会 34 2) 要望された医薬品 一般名アモキシシリン水和物 販売名サワシリン細粒 パセトシン細粒 会 社 名 アステラス製薬株式会社協和発酵キリン株式会社 3) 要望内容 効能 効果 本剤感性菌による表在性皮膚感染症 深在性皮膚感染所 リンパ管 リンパ節炎 慢性膿皮症 外傷 熱傷及び手術創等の二次感染 びらん 潰瘍の二次感染 乳腺炎 骨髄炎 咽頭 喉頭炎 扁頭炎 急性気管支炎 肺炎 慢性呼吸器病変の二次感染 膀胱炎 腎盂腎炎 前立腺炎 ( 急性症 慢性症 ) 精巣上体炎 ( 副睾丸炎 ) 淋菌感染症 梅毒 子宮内感染 子宮付属器炎 子宮旁結合織炎 涙膿炎 麦粒腫 中耳炎 歯周組織炎 歯冠周囲炎 顎炎 猩紅熱 胃潰瘍 十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター ピロリ感染症 用法 用量 [ ヘリコバクター ピロリ感染症を除く感染症 ] アモキシシリン水和物として 通常成人 1 回 250mg ( 力価 ) を 1 日 3~4 回経口投与する 小児は 1 日 20~40mg( 力価 )/kg を 3~4 回に分割経口投与する なお 年齢 症状により適宜増減する なお PRSPによる小児の感染症に対しては 1 日 90mg( 力価 )/kgを分 3~4 回に分割経口投与する [ 胃潰瘍 十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター ピロリ感染症 ] 通常 成人にはアモキシシリン水和物として 1 回 750mg( 力価 ) クラリスロマイシンとして 1 回 250mg( 力価 ) 及びランソプラゾールとして 1 回 30mg( 力価 ) の 3 剤を同時に 1 日 2 7 日間経口投与する 小児は 1 日 20~40mg( 力価 )/kg を 3~4 回に分割経口投与する なお 年齢 症状により適 1

宜増減する なお クラリスロマイシンは 必要に応じて適宜増減することができる ただし 1 回 400mg( 力価 )1 日 2 回を上限とする 下線部 : 要望に該当する部分 要望の分類 ( 該当するものにチェッ 未承認薬適応外薬 ( 剤形追加も含む ) 4) 医療上の必要性に係る基準 への該当性ついての要望者の意見 クする ) (1) 適応疾病の重篤性ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) および β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌 (BLNAR) の増加に伴い 中耳炎等の小児感染症で難治化が大きな問題になっている (2) 医療上の有用性 PK/PD の観点から病原菌の MIC に対し必要な十分量の抗菌薬投与は治療効果を確保すると共に耐性菌の発現を防止することも期待できる 5) 備考 2. 海外での承認等の状況 6) 海外での承認状況 ( 該当国にチェックする ) 米国英国独国仏国 7) 海外での公的保険適応状況 ( 適応外薬についてのみ 該当国にチェック 米国英国独国仏国 する ) 3. 国内での開発等の状況及び企業側の意見 8) 医療上の <アステラス製薬株式会社 > 必要性に係 (1) 適応疾病の重篤性る基準 へ PRSP による小児の感染症は中耳炎が多く 生命に重大な影響があの該当性にる致死的な疾患 あるいは病気の進行が不可逆的で日常生活に著し関する企業側の意見い影響を及ぼす疾患とは言い難い 2

(2) 医療上の有用性 CVA/AMPC やトスフロキサシン テビペネムなど 既に PRSP に対する承認を取得している治療法が本邦においても存在している また海外では一部でより高用量の使用が認められているものの, AMPC 90mg/kg/ 日単剤での有効性 安全性についての臨床試験データは充分とは言えない < 協和発酵キリン株式会社 > 以下の理由により 医療上の必要性に係る基準には該当しないと考えます (1) 疾病の重篤性 ; 該当せず PRSP は主に小児急性中耳炎の原因菌の 1 つであり その重篤性についてはア イ ウの何れも該当しない (2) 医療上の有用性 ; ウに該当国内外のガイドラインに記述されていることからウに該当すると考えられるが 用法 用量の設定に十分なエビデンスがベースにある訳ではなく 耐性菌の発現を抑えるには高用量の抗菌剤を短期間に投与すべきという認識に基づいている 既にクラバモックス (CVA/AMPC 配合剤 ) が PRSP に対する適応を取得していることか 9) 国内開発の状況 ( 該当するものにチェックする ) 10) 企業の開発の意思 ( 該当するものにチェックする ) ら 本剤においては医療上その必要性が高いと考えられない 治験開始前 治験実施中 承認審査中 承認済み 国内開発 国内開発中止 あり ( 開発が困難とする場合は その理由 ) <アステラス製薬株式会社 > 以下の理由から 基本的に開発の意思はない AMPC 90mg/kg/ 日については 本邦において有効性ならびに安全 性について臨床試験によって検証された報告がみあたらないこと から 公知申請に該当する可能性は低い 本邦における小児における投与量は 1 日 20~40mg( 力価 )/kg を 3~4 回に分割投与 年齢 症状により適宜増減 とされてお り 現在の用法 用量によってもある程度の高用量投与は可能と 3

も考えられる サワシリンは 10% 細粒であるので 90mg/kg/ 日を服用するためには小児がおよそ 1 日に 9~10gの製剤を服用することになり 服用上の不都合がある 近年ではトスフロキサシン テビペネムなど PRSP に対して有効性の高い薬剤が小児に対しても承認されている しかし一方 病原菌の MIC に対して十分量の抗菌薬を投与することによる耐性菌の発現防止という観点での要望についても理解はできることから 社会貢献としての立場に立ち 開発に着手することについて検討する余地はある < 協和発酵キリン株式会社 > 公知申請の実施はエビデンス ( 比較試験の結果 ) がないことから困難であり 臨床試験を実施についても 以下の点から実施は困難と考える PRSPの小児対象患者が少ない 低年齢の小児患者が対象となる 急性中耳炎が PRSPによるもの ( 他の起因菌は除外する ) 11) 備考 と確定後の実施となるため登録が難しい 4. 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班(WG) の評価 12) 医療上の (1) 適応疾病の重篤性についての該当性 必要性に係る基準 への該当性に アイウ 生命に重大な影響がある疾患 ( 致死的な疾患 ) 病気の進行が不可逆的で 日常生活に著しい影響を及ぼす疾患その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患 関する WG エ上記の基準に該当しない の評価 ( 該当するものにチェック する ) (2) 医療上の有用性についての該当性ア既存の療法が国内にない イ欧米の臨床試験において有効性 安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れている ウ 欧米において標準的療法に位置づけられている エ上記の基準に該当しない 4

13) 備 考 ペニシリン系薬として古典的標準的薬剤であり 現在までの使用経験から安全性に特別の懸念はないと考えられる 一方で 用法 用量について PK-PD から本剤の有効性が十分に発揮されるべく見直しを行うことは重要と考えられる 本剤は経口投与に際して類薬であるアンピシリンに比べ胃酸への安定性に優れ より高い安定した吸収が得られる薬剤と考えられる 5

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医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議 医療上の必要性に係る基準 への該当性の評価 1. 要望内容の概略 1) 要望者名要望番号 社団法人日本感染症学会 43 2) 要望された医薬品 一般名アンピシリンナトリウム 販売名注射用ビクシリン 会 社 名 明治製菓株式会社 3) 要望内容 効能 効果 適応菌種 アンピシリンに感性のブドウ球菌属, レンサ球菌属, 肺炎球菌, 腸球菌属, 淋菌, 髄膜炎菌, 炭疽菌, 放線菌, 大腸菌, 赤痢菌, プロテウス ミラビリス, インフルエンザ菌 適応症 敗血症, 感染性心内膜炎, 表在性皮膚感染症, 深在性皮膚感染症, リンパ管 リンパ節炎, 慢性膿皮症, 外傷 熱傷および手術創等の二次感染, 乳腺炎, 骨髄炎, 咽頭 喉頭炎, 扁桃炎, 急性気管支炎, 肺炎, 肺膿瘍, 膿胸, 慢性呼吸器病変の二次感染, 膀胱炎, 腎盂腎炎, 淋菌感染症, 腹膜炎, 肝膿瘍, 感染性腸炎, 子宮内感染, 化膿性髄膜炎, 眼瞼膿瘍, 角膜炎 ( 角膜潰瘍を含む ), 中耳炎, 副鼻腔炎, 歯周組織炎, 歯冠周囲炎, 顎炎, 抜歯創 口腔手術創の二次感染, 猩紅熱, 炭疽, 放線菌症 用法 用量 新生児 : 1 日 50~200mg/kg を 2~4 回に分けて静注小児 : 1 日 200mg/kg を 4 回に分けて静注重症には 1 日 200~400mg/kg を 4 回に分けて静注 要望の分類 ( 該当するものにチェックする ) 未承認薬適応外薬 ( 剤形追加も含む ) 7

4) 医療上の必要性に係る基準 への該当性ついての要望者の意見 (1) 適応疾病の重篤性アンピシリンは新生児 小児領域において敗血症 髄膜炎 気道感染症 呼吸器感染症 皮膚軟部組織感染症等に幅広く使用されている抗菌薬であり その臨床的価値は高い (2) 医療上の有用性 本邦および海外における推奨用量および使用実態を反映した小児用量を明記することは 抗菌薬適正使用の観点から重要である 5) 備考 2. 海外での承認等の状況 6) 海外での承認状況 ( 該当国にチェックする ) 米国英国独国仏国 7) 海外での公的保険適応状況 ( 適応外薬についてのみ 該当国にチェック 米国英国独国仏国 する ) 3. 国内での開発等の状況及び企業側の意見 8) 医療上の (1) 適応疾患の重篤性必要性に係 特に重篤性の高い疾患である敗血症 細菌性髄膜炎は ア. 生命る基準 への重大な影響のある疾患 と考える の該当性に 小児呼吸器感染症( 特に肺炎 ) は 疾患の重篤性は髄膜炎より低関する企業側の意見いが発症頻度は高い (2) 医療上の有用性以下の観点より ウ. 欧米において標準的療法に位置づけられている に該当すると考える 敗血症 細菌性髄膜炎において サンフォード感染症治療ガイド (2009) の中で 新生児あるいは1ヶ月未満の小児においてアンピシリン+セフォタキシムが 第一選択薬に推奨されている ( 新生児敗血症 25mg/kg) 国内の細菌性髄膜炎診療ガイドライン(2007 年 ) の中で 4 ヶ月未満の小児においてはアンピシリン+( セフォタキシムまたはセ 8

9) 国内開発の状況 ( 該当するものにチェックする ) 10) 企業の開発の意思 ( 該当するものにチェックする ) 11) 備考 フトリアキソン ) が 第一選択薬に推奨されている 敗血症 細菌性髄膜炎で使用される理由として 頻度は稀であるが起炎菌のひとつであるリステリア菌に対してアンピシリンが高い抗菌活性を有することが挙げられる しかしながら より頻度の高いインフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎では耐性菌の割合が顕著に増加しており カルバペネム処方が推奨されている ( 細菌性髄膜炎ガイドライン ) 肺炎では サンフォード感染症治療ガイド(2009) においても 入院あるいは肺炎球菌と特定された際に使用を推奨している 小児肺炎において 起炎菌として肺炎球菌とインフルエンザ菌が挙げられるが 小児呼吸器感染症ガイドラインにおいて感受性菌であればアンピシリンが第一選択薬とされている ただし 耐性菌が増加している現状では empiric 治療には使用しにくいものと考えられる 治験開始前治験実施中承認審査中承認済み国内開発国内開発中止あり ( 開発が困難とする場合は その理由 ) 4. 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班(WG) の評価 12) 医療上の (1) 適応疾病の重篤性についての該当性 必要性に係る基準 への該当性に アイウ 生命に重大な影響がある疾患 ( 致死的な疾患 ) 病気の進行が不可逆的で 日常生活に著しい影響を及ぼす疾患その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患 関する WG エ上記の基準に該当しない の評価 ( 該当するものにチェックする ) (2) 医療上の有用性についての該当性ア既存の療法が国内にない 9

イ欧米の臨床試験において有効性 安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れている ウ 欧米において標準的療法に位置づけられている エ上記の基準に該当しない 13) 備考 10