4 拠点校による授業公開及び研究成果の発表会の実施さらに, 教育委員会としては, 大原小学校での公開研究授業に向けて, 市教育委員会主任指導主事が指導案作成 検討の段階から参加し, 主に若手教員の授業づくりに関する指導に取り組む また, 毎月の定期訪問の際にはユニバーサルデザインを生かした授業づくり

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学力向上のための取り組み

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第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

施策吊

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

tokusyu.pdf

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

平成25~27年度間

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(2) 大阪府の委託事業 通常の学級における発達障がい等支援事業 実施期間 : 平成 25 年 4 月 ~ 平成 27 年 3 月概要 : 大阪狭山市立第三中学校区で, 幼稚園 1 園 小学校 1 校 中学校 1 校がモデルとなり, アドバイザリスタッフ ( 大阪大谷大学教授小田浩伸先生 ) や,

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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①H28公表資料p.1~2

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

010国語の観点

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年度 JSPS 科研費 多層指導モデルによる学習困難への地域ワイドな予防的支援に関する汎用性と効果持続性 研究代表 : 海津亜希子 ( 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 ) 地域ワイドで MIM の取組を実施している自治体に対する調査の内容 地域ワイドで MIM の取組を実

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2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

45 宮崎県

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■ 第一章 発達障害児に対する適切な指導 ■

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2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

3. 分析と結果 公表に対する配慮事項 公表に際しては 文部科学省が定めた平成 29 年度全国学力 学習状況調査実施要領に基づき 次の点に配慮して実施します 1) 本調査は 太子町の子どもたちの学力や学習状況を把握し分析することにより 全国 大阪府の状況との関係において教育及び教育施策の成果と課題を

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

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2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

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町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

 

北見市特別支援教育の指針 平成 25 年 11 月

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

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平成24年5月17日

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02-01 ビジョンの基本的考え方

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2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

資料 1 ~ ケース会議会議に向けて ~ 児童生徒生徒を理解理解しよう!! ケース会議を開催する前に 児童生徒の情報を整理することはとても大切です 情報を整理する中で 児童生徒に対して あるいは支援の在り方について 新たな発見や可能性を見出すことにつながります アセスメントシートアセスメントシート

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1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

スライド 1

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

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37 香川県

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はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

H30全国HP

2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

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領域別レーダーチャート 教科の領域別に全国を 100 とした場合の全道及び根室市の状況をレーダーチャートで示したもの 小学校 : 国語 小学校 : 算数 国語 A( 話すこと 国語 B( 読むこと ) 聞くこと ) 国語 A( 書くこと

平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

Transcription:

千葉県いすみ市における MIM の取り組み Ⅰ いすみ市における教育環境 状況 1 いすみ市における基礎情報 ( 平成 26 年度 5 月 1 日現在, 人口を除く ) (1) 人口 40,579 名 (2) 学校数 市立小学校 11 校, 市立中学校 3 校 (3) 児童 生徒数 小学校 1,592 名, 中学校 952 名 (4) 通級指導教室及び特別支援学級の設置状況 1 小学校 通級指導教室 言語 1 校, 3 教室, 53 名 LD 等 1 校, 2 教室, 32 名 日本語指導 1 校, 1 教室, 4 名 特別支援学級 知的障害 10 校, 10 学級, 21 名 自閉症 情緒 8 校, 8 学級, 11 名 言語 2 校, 2 学級, 2 名 2 中学校 通級指導教室 日本語指導 1 校, 1 教室, 1 名 特別支援学級 知的障害 3 校, 3 学級, 7 名 自閉症 情緒 3 校, 4 学級, 11 名 (5) 特別支援学校設置状況 千葉県立の特別支援学校 1 校 県立夷隅特別支援学校( 知的障害の小 中学部 高等部 ) Ⅱ いすみ市における発達障害関連の施策名 (1) 文部科学省の委託事業 発達障害の可能性のある児童生徒に対する早期支援 教職員の専門性向上事業 ( 発達障害理解推進拠点事業 ) 実施期間 : 平成 25 年度 ~26 年度 ) 概要 : 平成 25 年度, 大原中学校区 (4 小学校 1 中学校 ) を理解推進地域として, 医療 福祉 学校 行政等の有識者の意見を聞きながら研究をスタートさせる 平成 26 年度は, 市内全域 (11 小学校 3 中学校 ) が理解推進地域となり, 全校が協力校として研究に参加した 2 年間の研究推進の核となる主な事業としては次のとおり 1 燦々会議( 発達障害専門性向上検討会議 ) 全 7 回 ) の実施 2 教職員向け発達障害に関する外部専門家による研修会; 全 6 回 の実施 3 燦シャイン( 地域向け発達障害理解推進セミナー ) 全 4 回 の実施

4 拠点校による授業公開及び研究成果の発表会の実施さらに, 教育委員会としては, 大原小学校での公開研究授業に向けて, 市教育委員会主任指導主事が指導案作成 検討の段階から参加し, 主に若手教員の授業づくりに関する指導に取り組む また, 毎月の定期訪問の際にはユニバーサルデザインを生かした授業づくりについて指導し, 本研究の推進に関わる (2) 県の委託事業 : なし (3) 市独自の事業 : なし 3 いすみ市における学力向上関連の施策 (1) 文部科学省の委託事業 : なし (2) 県の委託事業 : なし (3) いすみ市独自の事業 1 たけのこ塾概要 : 市内各小学校の3 4 学年児童の希望者を対象に, 放課後の時間を使って週 1 回算数と国語の補充 発展学習を実施している 講師は各校に4~8 名程度,1 教室に2 人以上が指導に当たることができるように配置している この事業は, 平成 17 年度 オープンスタディ 事業として3 4 学年算数の補充学習を目的としてスタートした 平成 26 年度より たけのこ塾 と改名し指導内容に国語を加えた 講師は, 教員退職者, 元保育士, 近隣市町に住む大学生などに募集をかけて市で採用 資格等は特に問わない 2 市指導主事による学校訪問 教員指導概要 : いすみ市教育委員会の指導主事が, 市内各小中学校を月に2 回程度の学校訪問を行い, 主に 20 代 30 代の若手教員への授業力 指導力向上のための実践指導を行っている 4 発達障害のあるこども等への支援のリソース (1) 支援員や巡回相談等の人的支援 1 特別支援教育支援員概要 : 市内にある全 14 校 ( 小学校 11 校, 中学校 3 校 ) に対して, 学校の実情に応じて特別支援教育支援員を配置している ( 年間約 200 日, 週 5 日,1 日 7 時間 45 分以内の勤務 )20 名を雇用し, 各校の必要性を考慮して配置を決定する 特別支援教育支援員は, 児童生徒の日常生活及び学習活動の介助を中心とした支援を目的としているため, 資格は特に問わない 採用については市教育委員会で書類及び面接による選考を行って決定する 学校は, 自校での当該児童生徒の学校生活の困難さ, 支援の必要性について 派遣申請書 を作成し市教育委員会に提出する 市教育委員会は, 市の教育支援委員会 ( 就学指導委員会 ) での情報交換や指導主事の学校訪問による実態の把握を行い, 各校の支援員の必要性の大きさを検討 考慮し配置

校を決める 2 スクールカウンセラーを中学校全校に配置概要 : 県のスクールカウンセラー 1 名ずつを配置 そのため巡回相談は公には実施していない 3 登校サポーターとして担当指導主事を派遣概要 : 登校しぶりがある児童 生徒に対し, 重篤な不登校になる前に登校を習慣づけることをねらいとして, 市の指導主事が担当 (2) 教材等の提供といった物的支援特記事項なし (3) 公的な相談 指導機関 1 こあらくらぶ : 集団療育教室 ( いすみ市健康高齢者支援課 ) 概要 : 発育や発達に不安があるお子さんと, その保護者の方のための教室 2 かるがも相談 : 乳幼児の発達相談 ( いすみ市健康高齢者支援課 ) 概要 : 乳幼児の発達 育児に関する心配事や悩みに臨床心理士や心理相談員, 言語聴覚士が応じる 3 なのはな相談 遊ぼう会 ( 県立夷隅特別支援学校 ) 概要 : 集団遊び 自由遊び, 教育相談 就学相談 4 就学相談 ( いすみ市教育委員会 ) (4) その他市では平成 26 年度より, 療育体制の強化や就学前の支援を充実させることを目的に5 歳児検診をスタートさせた 本市においては初めての取り組みでもあるため, 先進地区の実践例を参考にするとともに, 医師, 臨床心理士, 特別支援学校 ( コーディネーター ), 保健師, 保育士, 家庭教育指導員, 歯科衛生士, 栄養士, 看護師等, 各方面の専門性を活かしながら取り組んでいるところである ( 文責 : いすみ市教育委員会学校教育課 主幹髙梨久幸 ) Ⅱ 自治体における MIM の取組 1 MIM に取り組むことになった経緯いすみ市では, 平成 25,26 年度と2 年間に渡り, 文部科学省より 発達障害の可能性のある児童生徒に対する早期支援 教職員の専門性向上事業 ( 発達障害理解推進拠点事業 ) の研究指定を受け, 教職員への研修会を実施してきた 平成 26 年度は, 教職員の専門性を高めるための第 3 回教職員等の専門性に関する研修会として, 国立特別支援教育総合研究所, 主任研究員の海津亜希子先生を講師に招聘し, ご指導を頂いた テーマは, 通常学級において学習面につまずきのある子どもの理解と支援 ~ 早期把握 早期発見を目的とした多層指導モデル MIM の実践から~ で, 多くの教職員が参加し研修を受けることができた この研修が契機となり, 市としてもまずは拠点校を中心に MIM に取り組むことになった

2 MIM に関する実施計画 ( 研修 ) 市内の教職員, 支援員, その他, 近隣の特別支援学校 2 校及び近隣の県立高等学校 3 校に参加を呼びかけを対象に, 平成 26 年 8 月 22 日 ( 金 ) に研修会を実施 会場は拠点校である大原小学校 当日は, 夷隅地区特別支援連携協議会との共催開催であったが, 参加者は計 147 名であった 3 MIM に関する事業について現時点での成果拠点校において研修会後の2 学期より,MIM を取り入れた言葉の指導に取り組んでいる 以下に実践例を示した < 実践例 1> 1 年生の国語の授業の中での指導 1 年生では, 国語の特殊音節の指導の際に MIM の動作化の指導を取り入れる 拗音や促音など発音や表記の仕方を動作化を交えて学習することにより, 多くの児童が興味 関心を持って取り組むことができ, 習得することができた 学習障害等により言葉の習得が遅れがちな児童に対しても全体指導の後, 個別に動作化を交えながら指導することにより, 読みの定着につながった < 実践例 2> MIM-PM めざせよみめいじん を使用した取組 ( ことばの教室での指導 ) テスト1 絵に合うことばさがし とテスト2 3つのことばさがし を読みが苦手な2 年生と4 年生を対象に実態把握として使用した 特殊音節, 中でも拗音の中のどの文字が苦手なのかが把握でき, 有効だった ( 図 1) < 実践例 3> はやくちことばしゅう を使用した取組 ( 全校での取り組み )( 図 2) 本校児童全体的なの課題として発表の際の滑舌の悪さがあったため, 息育 に効果的だと提唱されている あいうべ体操 とともに, 全学級の背面黒板に MIM のはやくちことばしゅう を掲示し, 朝の会 のプログラムの中に位置づけて, 毎朝 3 回唱えるようにした 週替わりで掲示する文を変更し, 意欲が持続するようにした 全校一斉の取り組みであるので, 休み時間に低学年の児童と高学年の児童が声を合わせて唱えたり, 自然に誰かが口ずさむと便乗したりという姿が見られた 相手にわかりやすく話そうとする気持ちが育まれてきている

図 1 MIM の特殊音節の読みの掲示 ( 特別支援学級の学習コーナー ) 図 2 MIM のことば遊びの掲示物 ( 全学年で教室後方黒板に掲示 ) 4 MIM に関する事業についての現時点での課題 研修会後, 多くの学校で MIM の取組を実践したいという声が聞かれたが,MIM の指導パッケージの調達が予算的に難しかった 5 MIM に関する事業を進めるにあたって期待すること書店等で購入できる MIM の指導法や指導実践集などが発行されるとよい ( 文責 : いすみ市立大原小学校 研究主任末吉重雄 )