特定健康診査等実施計画書 ( 第 3 期 ) JXTG グループ健康保険組合 平成 20 年 4 月 1 日制定平成 22 年 4 月 1 日改訂平成 25 年 4 月 1 日改正平成 30 年 4 月 1 日改正 - 1 -
1. 背景および趣旨我が国は国民皆保険のもと 世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかしながら 既に世界トップ水準となっている高齢化はさらに急速に進展し 世界のどの国も経験したことのない超高齢化社会に突入すると予測されている これに伴い 日本人の死因の約 60% 国民医療費の約 3 分の1を占める生活習慣病も増加していくことから 生活習慣病対策は極めて重要かつ急務である この生活習慣病対策にあたっては 運動 食事 喫煙などに関する不適切な生活習慣に起因する生活習慣病の発症 重症化の過程でメタボリックシンドロームが大きく影響していることから そのメタボリックシンドロームの概念を踏まえ 自らの健康状態を自覚 理解したうえで適度な運動やバランスのとれた食事の定着などを実践し生活習慣を改善することにより糖尿病 高脂血症 高血圧等の生活習慣病の予防対策を進め メタボリックシンドローム該当者および予備群者を低減させることが求められている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律 に基づいて 保険者 ( 健保組合 ) には 被保険者および被扶養者に対し 糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査 ( 特定健康診査 ) およびその結果により健康の保持 増進に努める必要がある者に対する保健指導 ( 特定保健指導 ) を実施することが義務づけられている 本計画は 当健保組合の特定健康診査 ( 以下 特定健診 という ) および特定保健指導の実施方法に関する基本的な事項 特定健診および特定保健指導の実施ならびにその成果に係る目標に関する基本的事項について定めるものである なお 特定健診等実施計画は 第一期および第二期は5 年を1 期としていたが 高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療費適正化計画が6 年を1 期に見直されたことから 第三期から6 年ごとに定めることとなっている 2. 当健保組合の現状当健保組合は 統合持株会社である JXTGホールディングス株式会社 のもと 石油精製販売事業会社 (JXTGエネルギー株式会社) 石油開発事業会社(JX 石油開発株式会社 ) および金属事業会社 (JX 金属株式会社 ) を3 大中核事業会社とした JXTGグループに属する127の事業所が加入している その加入事業所の規模も多岐にわたり 中核事業会社であるJXTGエネルギー株式会社のように被保険者が約 1 万 2 千人の事業所もあれば 被保険者が20 人未満の事業所も約 30% 存在する 1 事業所あたりの平均被保険者数は 約 267 人となっている 当健保組合に加入している被保険者約 34,000 人の人員構成は 平均年齢が42.9 歳で 男性が全体の約 85% を占めている 特定健診については 被保険者は労働安全衛生法 ( 以下 安衛法 という ) の規定に則った事業主健診からのデータ提供を受けることで 受診率 100% を目指している 一方 被扶養者については 配偶者と19 歳以上の者を対象に 全国に約 500 箇所の健診機関と契約体制を構築 さらに全国巡回健診会場も約 150 会場設定して 家族健康診断を毎年実施している 受診率は約 40% となっている - 2 -
特定健診等の実施方法に関する基本的な事項 1. 特定健診等の基本的考え方第三期においても第二期同様に日本内科学会等内科系 8 学会が合同で示したメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を維持している その上で科学的知見の整理および安衛法に基づく定期健康診断の見直しを踏まえ 特定健診の一部項目や特定保健指導の実施方法が一部見直しが行われているが 内臓脂肪型に起因する糖尿病 高脂血症 高血圧は予防可能であり 発症した後でも血糖 血圧をコントロールすることにより重病化を予防することが可能であるという考え方の基本にかわりはない メタボリックシンドロームの概念に基づき 内臓脂肪の蓄積や 体重増加等が様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため 特定健診受診者にとって生活習慣の改善に向けての明確な動機付けが可能となっている 2. 特定健診等の実施に係る留意事項現行の家族健康診断の契約医療機関との間で 特定健診に関する契約体制を継続していくことになるが より家族健康診断を充実させるための方策として これまでの一般健診に加え人間ドックを制度上明定することとした また 特定健診を含む家族健康診断から特定保健指導 およびデータ作成までを一元管理できるような体制についても継続的に検討する 3. 事業主等が行う健康診断および保健指導との関係当健保組合は事業主が実施する安衛法に基づく健康診断のうち 特定健診に関する健診結果を受領し 当健保組合の基幹システムで階層化を行ったうえで特定保健指導を実施する 特定保健指導の費用は その全額を当健保組合が負担する 4. 特定保健指導の基本的な考え方生活習慣病予備群の特定保健指導の第一の目的は 生活習慣病に移行させないことであり 対象者自身が健診結果をもとに自らの健康状態を自覚し 生活習慣改善の必要性を理解してその実践につなげらるよう支援することにある - 3 -
Ⅰ 達成目標 1. 特定健診の実施に係る目標 平成 35 年度における特定健診の実施率を 90.0% とする この目標を達成するために 平成 30 年度以降の実施率 ( 目標 ) を以下のように定める 目標実施率 (%) 国の目標基準 被保険者 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 被扶養者 75.0 75.0 75.0 75.0 75.0 75.0 被保険者 + 被扶養者 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 2. 特定保健指導の実施に係る目標 平成 35 年度における特定保健指導の実施率を 60.0% とする この目標を達成するために 平成 30 年度以降の実施率 ( 目標 ) を以下のように定める 目標実施率 ( 被保険者 + 被扶養者 ) ( 人 ) 国の目標基準 40 歳以上対象者 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 特定保健指導対象者数 3,245 ( 推計 ) 3,245 3,245 3,245 3,245 3,245 実施率 (%) 10.0 10.0 20.0 30.0 40.0 60.0 55.0(%) 実施者数 325 325 349 974 1,298 1,947 1 第 3 期の最終年度 ( 平成 35 年度 ) に国が定める目標基準を達成するように実施する 2 第 3 期においては 第 2 期の実施率を踏まえ メタボリックシンドローム対象者への意識づけに改めて注力するための施策を並行実施することとし 特定保健指導については 事業所と連携して 特定保健指導実施率を地道かつ着実に向上させ 目標達成を目指す 3. 特定健診等の実施の成果に係る目標 平成 35 年度において 平成 30 年度と比較したメタボリックシンドロームの該当者お よび予備群の減少率 25% 以上を目標とする - 4 -
Ⅱ 特定健診等の対象者数 1. 対象者数 (1) 特定健診 被保険者 ( 人 ) 40 歳以上対象者 ( 推計値 ) 20,650 20,650 20,650 20,650 20,650 20,650 目標実施率 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 目標実施者数 20,650 20,650 20,650 20,650 20,650 20,650 被扶養者 ( 人 ) 40 歳以上対象者 ( 推計値 ) 11,658 11,658 11,658 11,658 11,658 11,658 目標実施率 (%) 75.0 75.0 75.0 75.0 75.0 75.0 目標実施者数 8,744 8,744 8,744 8,744 8,744 8,744 被保険者 + 被扶養者 ( 人 ) 40 歳以上対象者 ( 推計値 ) 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 目標実施率 (%) 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 目標実施者数 29,394 29,394 29,394 29,394 29,394 29,394 ( 注 )40 歳以上の対象者には 当健保組合で特定健診を実施せず 事業主からデータを受領する 対象者数を含む (2) 特定保健指導の対象者数 被保険者 + 被扶養者 ( 人 ) 40 歳以上対象者 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 32,308 動機付支援 被保険者 1,239 1,239 1,239 1,239 1,239 1,239 対象者 被扶養者 290 290 290 290 290 290 実施率 (%) 10.0 10.0 20.0 30.0 40.0 60.0 実施者数 153 153 306 459 612 917 積極的支援 対象者 被保険者 1,611 1,611 1,611 1,611 1,611 1,611 被扶養者 105 105 105 105 105 105 実施率 (%) 10.0 10.0 20.0 30.0 40.0 60.0 実施者数 172 172 343 515 686 1,030 被保険者 2,850 2,850 2,850 2,850 2,850 2,850 保健指導被扶養者 395 395 395 395 395 395 対象者計計 3,245 3,245 3,245 3,245 3,245 3,245 実施率 (%) 10.0 10.0 20.0 30.0 40.0 60.0 実施者数 325 325 649 974 1,298 1,947 ( 注 )40 歳以上対象者 : 特定健康診査目標実施者数 - 5 -
Ⅲ 特定健診等の実施方法 1. 特定健診等の実施方法 (1) 特定健診 1 被保険者事業主または事業主から委託を受けた健診機関が実施し 安衛法に基づく健康診断のうちの特定健診に該当する検査項目について その健診結果の提供を受ける 2 被扶養者当健保組合と契約関係にある健診機関にて家族健康診断 ( 人間ドックを含む ) を受診した場合 その健診機関から特定健診に該当する検査項目について その健診結果の提供を受ける また 契約外の健診機関で家族健康診断 ( 人間ドックを含む ) を受診した場合は 健診費用の還付請求を行う際に 受診者から特定健診に該当する検査項目について その健診結果の提供を受ける 3 任意継続者上記 2の被扶養者に準ずる (2) 特定保健指導特定保健指導については 特定保健指導を実施できる外部専門機関に委託する なお 委託先の選出にあたっては 各事業所の事情等を十分に勘案して行なうこととする 2. 周知 案内方法 各事業所に通知するとともに 当健保組合のホームページに掲載する 3. データの受領方法契約健診機関から事業主を経由して提供されるデータは 原則として電子データにより受領することとし 当健保組合でこれを保管する なお 契約外の健診機関で受診した場合等 受診者から直接当健保組合にデータの提出を受ける場合は 電子データ以外の媒体も可能とする 4. 保管年数 保管年数は 5 年とする Ⅳ 特定保健指導の取り組みについて 1. 特定保健指導対象者の選出方法特定保健指導の対象者の選出については 平成 25 年度から平成 29 年度までの第 2 期 5 年間の特定健診の結果 ( 種々分析結果を含む ) を踏まえて 各事業所の産業医をはじめ 各関係先と相談したうえで決めていくこととする - 6 -
なお 選出方法としては 効果の面から比較的若年層 (40~50 歳代 ) から優先して選出する方法や 中核事業会社等対象者の多い事業所から優先的に選出する等種々考えられるが 第 2 期における実施状況も十分に考慮したうえで効果的な選出方法を検討していくこととする 2. 特定保健指導の取組みについて 1 特定健診等の義務化 の目的は 最終的にメタボリックシンドローム該当者および予備群の減少を図ることが最も重要であることから 引き続き 被保険者 被扶養者全ての者が生活習慣病に罹らないよう また特定保健指導対象者は 自己変容により生活習慣の改善 ( 食事 運動 禁煙等 ) を図ることを第一義として取組むこととする ついては 自己変容の一助として生活習慣改善等のためのテキストツールを配付や機関誌への関連記事の掲載等にとり継続的に取り組んでいくこととする 2 特定保健指導対象者の選出方法に基づいて 特定保健指導を効果的に実施していくこととする 3 被扶養者については 健診受診率の向上を優先的に対応することとする 従来からの家族健診契約医療機関のさらなる増加に加え 家族健康診断としての人間ドックの制度化や全国巡回健診会場の設定数増加等 受診しやすい環境づくりを引き続き検討することとする Ⅴ 個人情報の保護当健保組合は JXTGグループ健康保険組合個人情報保護管理規程を遵守する 当健保組合および特定健診 特定保健指導の委託機関は 業務によって知り得た情報を外部に漏らしてはならない 当健保組合のデータ管理者は 常務理事とする また データの利用者は当健保組合の保健事業担当職員に限る 外部委託する場合は データ利用の範囲 利用者等を契約書に明記することとする Ⅵ 特定健康診査等実施計画の公表 周知 本計画の周知は 各事業所への通知 機関誌での紹介を行うとともに 当健保組合のホ ームページに掲載する Ⅶ 特定健康診査等実施計画の評価および見直し 本計画については 平成 32 年度に 3 年間の評価を行い 目標と大きくかけ離れた場合 やその他必要に応じて 理事会において見直しを検討することとする 以上 - 7 -