化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イオンと陰イオンの静電気的な引力による結合を 1 1 という ⑵ 2 個の水素原子は, それぞれ1 個の価電子を出し合い, それらを共有する このとき, どち らの水素原子もヘリウム原子 He に似た安定な電子配置となり, 水素分子 H2 が形成される この ように原子どうしが価電子を出し合い, 互いに電子を共有してつくられる結合を 2 2 という ⑶ 金属元素の原子は, 一般にイオン化エネルギーが小さく, 価電子を放出しやすい 金属では, 隣接した金属原子の最外殻が重なり合い, 価電子はこれを伝って, 金属内を自由に動くことがで きる このような電子を自由電子といい, 自由電子による金属原子どうしの結合を 3 3 とい う また, 金属を融解し, 他の金属と混合して凝固させたものを合金という 4 問 1 1 ~ 3 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つずつ 選べ ただし, 同じものを繰り返し選んでもよい 1 ~ 3 の解答群 ア二重結合イ金属結合ウ共有結合エ配位結合オイオン結合 問 2 次の ~ の物質は下線部 1 の結合を含む化合物である これらの中で白色の固体で, 水 蒸気を吸収して水溶液になる性質が強く, 乾燥剤に用いられている物質は 4 である 4 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ選べ NaHCO3 Na2CO3 CaCO3 CaSO4 CaCl2 4 の解答群 ア a イ b ウ c エ d オ e 177
問 3 次の ~ の分子は下線部 2の結合によって形成されている これらの中で三重結合を有する分子は 5 である また, 極性分子は 6 である 5 および 6 に入れるのに最も適当なものを, 下の解答群のア~オのうちからそれぞれ一つずつ選べ ただし, 同じものを繰り返し選んでもよい Cl2 N2 CO2 NH3 CH4 5, 6 の解答群ア a イ b ウ c エ d オ e 問 4 下線部 3の結合をもつ物質が, 一般的に示す性質に関する記述として誤っているものを, 次の解答群のア~オのうちから一つ選べ 7 7 の解答群ア展性や延性に富み, 電気の良導体である イ自由電子はその物質を構成しているすべての原子に共有される ウ自由電子の運動が電気伝導性を生じさせる エ強い力を加えると結晶の特定な面に沿って割れやすい オその固体は, 金属光沢をもつ 問 5 下線部 4 の合金の中には Cu-Zn からなる 8 がある 8 はさびにくく, 展性に富 むため加工性がよく硬貨や楽器などに使用されている 8 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ選べ 8 の解答群 ア青銅イ黄銅 ( 真ちゅう ) ウ白銅 エステンレス鋼オはんだ 178
Ⅱ 次の問い ( 問 1~4) に答えよ ただし, 原子量は Cl=35.5 とする また, 標準状態における 気体のモル体積は 22.4 L/mol とする 問 1 自然界に存在する塩素には相対質量 35.0 の 35 Cl と相対質量 37.0 の 37 Cl が一定の割合で 1 存在し, これらの塩素原子を互いに 9 という 塩素の原子量が 35.5 であるとき, 下線部 1の塩素は 10 % 存在する 9 および 10 に入れるのに最も適当なものを, 次のそれぞれの解答群のア~オのうちから一つずつ選べ 9 の解答群 ア価電子イ中性子ウ同位体エ同素体オ同族元素 10 の解答群 ア 25.0 イ 30.0 ウ 50.0 エ 70.0 オ 75.0 問 2 塩素は 17 族元素で 11 といい,7 個の価電子があり, 一価の陰イオンになりやすい 11 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ選べ 11 の解答群 アアルカリ金属元素イアルカリ土類金属元素ウハロゲン元素 エ希ガス元素オ遷移元素 問 3 標準状態 (0,1.013 10 5 Pa) で塩素 Cl2( 気体 ) の質量が 14.2 g のとき物質量は 12 mol であり, 体積は 13 Lである また, このときの塩素 Cl2 の密度は 14 g/l である 12 ~ 14 に入れるのに最も適当なものを, 次のそれぞれの解答群のア~オのうちから一つずつ選べ 12 の解答群 ア 0.200 イ 0.400 ウ 1.00 エ 2.00 オ 4.00 13 の解答群 ア 2.24 イ 4.48 ウ 10.0 エ 22.4 オ 44.8 14 の解答群 ア 0.790 イ 1.00 ウ 1.58 エ 3.17 オ 4.75 179
問 4 塩素 Cl2( 気体 ) は常温常圧で特有の臭いを持つ 15 色の気体で毒性と腐食性を持つ 15 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ選べ 15 の解答群 ア白イ黒ウ赤紫エ赤橙オ黄緑 180
Ⅲ 次の文章を読み, 下の問い ( 問 1~6) に答えよ 硫酸で酸性にした過酸化水素 (H2O2) 水にヨウ化カリウム (KI) 水溶液を加えると, 以下の反応 が進行する H2O2 + 2H + + 2e - 2H2O 1 2I - I2 + 2e - 2 このとき H2O2 は, 16 としてはたらく また,H2O2 水に硫酸で酸性にした過マンガン酸カリウム (KMnO4) 水溶液を加えると, 以下の 反応が進行する MnO4 - + 8H + + 5e - Mn 2+ + 4H2O 3 H2O2 2H + + O2 + 2e - 4 このとき H2O2 は, 17 としてはたらく 従って, 酸素の酸化数は 1 式においては 18 から 19 に減少し,4 式では, 18 から 20 に増加する 一方,3 式においてマンガンの酸化数は 21 から 22 に減少する 問 1 16 および 17 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ ずつ選べ ただし, 同じものを繰り返し選んでもよい 16, 17 の解答群 ア中和剤イ酸化剤ウ還元剤エ緩衝溶液オ乾燥剤 問 2 18 ~ 22 に入れるのに最も適当な数値を, 次の解答群のア ~ コのうちから一つずつ 選べ ただし, 同じものを繰り返し選んでもよい 18 ~ 22 の解答群 ア -2 イ -1 ウ 0 エ +1 オ + 2 カ + 3 キ + 4 ク + 5 ケ + 6 コ +7 181
問 3 H2O2,I 2,KMnO4 の酸化力 ( 他の物質から電子を奪う力 ) の強さは 23 の順に小さくなる 23 に入れるのに最も適当なものを, 次の解答群のア ~ カのうちから一つ選べ 23 の解答群 ア H2O2 > I2 > KMnO4 イ H2O2 > KMnO4 > I2 ウ I2 > H2O2 > KMnO4 エ I2 > KMnO4 > H2O2 オ KMnO4 > H2O2 > I2 カ KMnO4 > I2 > H2O2 問 4 過酸化水素水 10.0 ml をコニカルビーカーにとり, 硫酸を加えて酸性にし, この溶液をモル濃度 2.50 10-2 mol/l の過マンガン酸カリウム水溶液で滴定した 過マンガン酸カリウム水溶液を 16.0 ml 滴下し, コニカルビーカー内の溶液の 24 色が消えなくなったときを, 終点とした この酸化還元滴定のイオン反応式は3 式と4 式から, 25 H2O2 + 26 MnO4 - + 6H + 25 O2 + 26 Mn 2+ + 8H2O となる また, この過酸化水素水のモル濃度は 27 mol/l であった 24 ~ 27 に入れ るのに最も適当なものを, 次のそれぞれの解答群から一つずつ選べ 24 の解答群 ア黄緑イ青ウ黄エ赤紫オ緑 25, 26 の解答群 ア 1 イ 2 ウ 3 エ 4 オ 5 カ 6 キ 7 ク 8 ケ 9 27 の解答群 ア 1.60 10-2 イ 5.00 10-2 ウ 1.00 10-1 エ 1.20 10-1 オ 1.60 10-1 182
問 5 過マンガン酸カリウムを用いた酸化還元滴定について正しいものを次の解答群のア ~ オの うちから一つ選べ 28 28 の解答群ア指示薬としてフェノールフタレイン溶液を使う イ終点付近ではマンガンの単体が沈殿物として析出する ウシュウ酸を過マンガン酸カリウムで滴定するとき, 過マンガン酸カリウムは還元剤としてはたらく エマンガン (Ⅱ) イオン Mn 2+ は赤紫色のイオンである オ過マンガン酸カリウム水溶液は光に対して不安定なため褐色のビュレットを用いる 問 6 硫酸で酸性にしたモル濃度 5.00 10-2 mol/l の過酸化水素水 100 ml を過不足なく酸化還 元反応をさせるのに必要なヨウ化カリウムの物質量は 29 mol であった 29 に入れるの に最も適当なものを, 次の解答群のア ~ オのうちから一つ選べ 29 の解答群 ア 5.00 10-3 イ 1.00 10-2 ウ 1.50 10-2 エ 1.00 10-1 オ 5.00 10-1 183