4. 特許状況 5. 海外における使用状況 評価資料イ-1,2 本薬のカプセル剤は 1999 年 9 月にスイスで A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症の治療を適応として世界で初めて承認された その後, 米国, カナダ, スイス, 欧州連合を始め, 南アメリカ, 東南アジア, 中近東, 南

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4. 特許状況 5. 海外における使用状況 評価資料イ-1,2 本薬のカプセル剤は 1999 年 9 月にスイスで A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症の治療を適応として世界で初めて承認された その後, 米国, カナダ, スイス, 欧州連合を始め, 南アメリカ, 東南アジア, 中近東, 南半球のオセアニア, 南アフリカなど世界各国において, 治療又は予防の適応で承認されている 2004 年 3 月 2 日現在, 治療適応で 76 ヵ国, 治療及び予防適応では 50 ヵ国において承認されている また, 本薬のドライシロップ剤は 31 ヵ国において承認されている 海外における承認状況を表イ -3 に示す 参考として海外の予防適応の用法 用量, 対象年齢, 投与期間の概略を表イ-4 に示した また, 米国及び欧州連合の添付文書の概要をそれぞれ表イ-5, 表イ-6 に示した 予防適応は, 米国においては, 成人及び13 歳以上の青年を対象に, 感染者に接触した後の予防 (75mg 1 日 1 回, 少なくとも 7 日間 ) と, インフルエンザが流行している期間の予防 (75mg を1 日 1 回, 最大 6 週間 ) に対して承認が得られている評イ -1 欧州連合では, 成人及び 13 歳以上の青年を対象に, 感染者に接触した後の予防 (75mg を 1 日 1 回, 少なくとも 7 日間 ) と, 流行しているウイルス株とワクチンのウイルス株が一致しない場合や大流行している場合のインフルエンザ流行期間の予防 (75mg を 1 日 1 回, 最大 6 週間 ) に対して承認が得られている評イ -2-16-

表イ -3 海外における承認状況 (2004 年 3 月 2 日調査 ) 国名 カプセルドライカプセルドライ国名治療予防シロップ治療予防シロップ アイスランド 中国 アイルランド ( 欧州連合 ) チリ アラブ首長国連邦 デンマーク ( 欧州連合 ) アルゼンチン ドイツ ( 欧州連合 ) アルバ ドミニカ共和国 イスラエル トリニダード トバゴ イタリア ( 欧州連合 ) トルコ ウルグアイ ニカラグア 英国 ( 欧州連合 ) ニュージーランド エクアドル ノルウェー エジプト アラブ共和国 バーレーン エストニア パナマ エルサルバドル ハンガリー オーストラリア バングラデシュ オーストリア ( 欧州連合 ) フィリピン オマーン フィンランド ( 欧州連合 ) オランダ ( 欧州連合 ) ブラジル カタール フランス ( 欧州連合 ) カナダ 米国 韓国 ベトナム キュラソー ベネズエラ ギリシャ共和国 ( 欧州連合 ) ペルー グアテマラ ベルギー ( 欧州連合 ) クウェート ポーランド クロアチア共和国 ポルトガル ( 欧州連合 ) コスタ リカ 香港 コロンビア ホンジュラス サウジアラビア マルタ ジャマイカ マレーシア シンガポール メキシコ スイス モロッコ スウェーデン ( 欧州連合 ) ラオス スペイン ( 欧州連合 ) ラトビア スロベニア共和国 リトアニア セルビア モンテネグロ * ルーマニア タイ ルクセンブルグ ( 欧州連合 ) 台湾 レバノン チェコ共和国 ロシア * 旧称 : ユーゴスラビア連邦共和国 -17-

米国,EU(15 ヵ国 ), スイス, オーストラリア, * 香港, その他の承認国 表イ -4 海外における予防承認取得国の用法 用量 (2004 年 3 月 2 日調査 ) 主要国名 用法 用量 対象年齢 投与期間 75mg, 成人及び 13 歳以 1 日 1 回 上の青年 < 接触後予防 > 感染者接触後少なくとも 7 日間 < 季節的予防 > 最大 6 週間 韓国 同上 同上 < 接触後感染 > 感染者接触後少なくとも 7 日間 カナダ 同上 同上 < 接触後予防 > 感染者 ( 初発患者 ) 接触後少なくとも 7 日間初発患者が小児もしくは高齢者の場合は 14 日間まで継続してよい ニュージーランド 同上 同上 < 接触後予防 > 感染者接触後少なくとも 10 日間 < 季節的予防 > 最大 6 週間 イスラエル 同上 成人及び体重 40kg を超える 13 歳以上の青年 * その他の承認国については表イ-3 参照 < 接触後予防 > 感染者接触後少なくとも 7 日間 < 季節的予防 > 最大 6 週間 -18-

表イ -5 米国における添付文書の概要 販売名 TAMIFLU 剤形 効能 効果 タミフルカプセル :75mg( 遊離塩基 75mg 相当のリン酸塩を含有 ) の灰 / 淡黄色の硬カプセル剤である タミフル経口用懸濁剤 : 白色のミックスフルーツ味の懸濁液調製用に白色の粉末混合物として供給される 調製後,300mg 相当のオセルタミビルを含有する 25mL の懸濁液がガラスビンで販売される 各ビンには, ビンのアダプター及び経口ディスペンサー各 1 個が添付されている インフルエンザの治療 : タミフルは,1 歳以上でインフルエンザ感染による症状発症から 2 日以内の, 併発症を伴わない急性疾患の治療に適応する インフルエンザの予防 : タミフルは, 成人及び 13 歳以上の青年におけるインフルエンザの予防に適応する 食後あるいは空腹時の服用のいずれでもよい しかし, 食後に服用すると, 忍容性が増すとの報告がある 臨床推奨用量 - インフルエンザの治療 : 成人及び青年 : 成人及び 13 歳以上の青年に対するインフルエンザ治療におけるタミフルの臨床推奨用量は,75mg を1 日 2 回,5 日間の経口投与である 治療はインフルエンザ症状発現から 2 日以内に開始すべきである 小児患者 :1 歳以上の小児患者及びカプセルを嚥下できない成人患者に対するインフルエンザ治療におけるタミフルの経口懸濁液の臨床推奨用量 体重 (kg) 体重 ( ポンド ) 推奨される投与量必要なビンの数 15 33 1 回 30mg を1 日 2 回 1 >15-23 >33-51 1 回 45mg を1 日 2 回 2 >23-40 >51-88 1 回 60mg を1 日 2 回 2 >40 >88 1 回 75mg を1 日 2 回 3 用法 用量 経口懸濁液には 30mg,45mg,60mg 目盛付きの経口服薬ディスペンサーが添付されている ; 75mg の服用量は 30mg と 45mg を組み合わせて測ることができる 患者はこのディスペンサーを使用することが推奨される 供給されたディスペンサーを紛失したり破損した場合は, 他の服薬用シリンジまたは容器を用いて次の容量を計りとるとよい 体重 (kg) 推奨される投与量 15 2.5mL( ティースプーン 1/2) >15~23 3.8mL( ティースプーン 3/4) >23~40 5.0mL( ティースプーン 1 杯 ) >40 6.2mL( ティースプーン 1 杯と 1/4) 臨床推奨用量 - インフルエンザの予防 : 感染者と間近で接触後の成人,13 歳以上の青年及び高齢者に対するインフルエンザ感染予防のためのタミフル推奨用量は,75mg1 日 1 回, 少なくとも 7 日間の経口投与である 投与開始は患者と接触後 2 日以内に開始する インフルエンザが地域流行中の季節的予防に対する推奨用量は,75mg1 日 1 回である 安全性及び有効性は最大 6 週間まで明らかとなっている 服用している期間は発症予防効果が持続する 特殊な用量の指示 : 肝障害患者 : 肝障害のある患者での安全性と薬物動態は確立していない 腎障害患者 : 腎機能障害患者における様々な服薬スケジュールにおいて予測されるオセルタミビルカルボン酸の血漿中濃度については, 臨床薬理学: 薬物動態 : 特別な集団 の項 ( 本概要書への記載省略 ) を参照のこと -19-

用法 用量 ( 続き ) 使用上の注意 インフルエンザの治療 : クレアチニンクリアランスが 10~30mL/min のインフルエンザ患者に対する治療にタミフルを投与する際には用量を調整することが推奨される この様な患者においては, タミフル 75mg を1 日 1 回,5 日間に減量することを推奨する 定期的血液透析及び持続的腹膜透析治療を受けている末期腎機能障害患者に対して推奨される用法 用量はない インフルエンザの予防 : クレアチニンクリアランスが 10~30mL/min の患者に対するインフルエンザ予防にタミフルを投与する際には用量を調整することが推奨される この様な患者においては, タミフル 75mg を隔日投与として減量するか,30mg のタミフル経口懸濁液を毎日投与することを推奨する 定期的血液透析及び持続的腹膜透析治療を受けている末期腎機能障害患者に対して推奨される用法 用量はない 小児患者 :13 歳未満の小児患者における予防に対するタミフルの安全性及び有効性は確立していない 1 歳未満の小児患者における治療に対するタミフルの安全性及び有効性は確立していない 高齢の患者 : 高齢者に対する用量の調整は必要ない 薬物動態の特別な患者及び使用上の注意 の項 ( 本概要書への記載省略 ) 参照 全般 : タミフルは A 又は B 型インフルエンザウイルス以外による疾患に対する効果は立証されていない タミフルの使用は, 米国疾病管理予防センター (CDC) と予防接種諮問委員会 (ACIP) のガイドラインに基づき実施されるインフルエンザワクチンの評価に影響しない 症状発現後 40 時間以後に治療を開始した患者におけるタミフルの有効性は確立していない 慢性の心疾患, 呼吸器系疾患のどちらかあるいは両疾患のある患者におけるタミフルの有効性は確立していない このような患者において, タミフルを投与した患者とプラセボを投与した患者の合併症発現率に違いは認められなかった 医学的に重篤又は入院が必要な切迫した危険のある, 症状の安定していない患者において, タミフルによるインフルエンザの治療に関する情報はない タミフルでの治療あるいは予防投与を繰り返し行なう場合の安全性と有効性は調査されていない 免疫不全患者におけるタミフルの治療または予防の有効性は確立されていない 重篤な細菌感染がインフルエンザ様症状と同時に発症したり, インフルエンザ罹患時に併発したり, 又は合併症として発症したりするなどの可能性がある タミフルがこのような合併症を予防することは明らかにされていない 肝機能障害 : 肝機能障害を有する患者での安全性及び薬物動態は評価されていない 腎機能障害 : 血清クレアチニンクリアランス<30mL/min の患者では用量調整が推奨される ( 用法 用量 の項参照) 患者に対する情報 : インフルエンザの症状が発現したらできるだけ速やかにタミフルの投与を開始するよう指導すること 同様に, 予防についても医師の薦めにより暴露後できるだけ早く開始すべきである タミフルの服用を忘れた場合には, 次の服用時間が 2 時間以内の場合を除き, 思い出した時にできるだけ速やかに服用し, その後の服用は通常の時間に服用するよう説明すること タミフルはインフルエンザワクチン接種の代わりになるものではないので, 患者は予防接種諮問委員会のガイドラインに沿って年 1 回のワクチン接種を続けて受けること 薬物相互作用 : オセルタミビルの薬理学及び薬物動態学研究によって得られた情報により, 臨床的に影響のある薬物相互作用はないと考えられる オセルタミビルは, 主に肝臓に存在するエステラーゼによってほとんどがオセルタミビルカルボン酸に変換する エステラーゼの競合に関する薬物相互作用の論文はまったく報告されていない オセルタミビル及びオセルタミビルカルボン酸は, 蛋白結合率が低いので, 薬物置換に基づく薬物相互作用の可能性は低いものと示唆される In vitro 試験から, オセルタミビル及びオセルタミビルカルボン酸はどちらも CYP450 酸化酵素またはグルクロニルトランスフェラーゼに対する基質にはほとんどならないことが示されている シメチジンはチトクロム P450 に対する非特異的阻害薬であり, 塩基性の薬剤又は陽イオン性の薬剤の腎尿細管分泌に対する競合薬でもあるが, リン酸オセルタミビル及びオセルタミビルカルボン酸の血漿中レベルには影響を及ぼさない -20-

腎尿細管分泌過程での競合を介した臨床的に重要な薬物相互作用は起こりにくいと考えられる その理由は, これらの薬の多くで知られている安全性域, オセルタミビルカルボン酸の排泄特性 ( 糸球体濾過及びアニオン型尿細管分泌を介して排泄されること ), 及びこれらの経路での排泄能に基づくものである プロベネシドとの併用では, 腎での能動的アニオン型尿細管分泌の低下による結果として, オセルタミビルカルボン酸の暴露量が約 2 倍に上昇する しかしながら, オセルタミビルカルボン酸の安全性域を考慮すると, プロベネシドとの併用時には服薬用量を調整する必要はない アモキシシリンとの併用は両方の化合物の血漿中濃度を変えることはなく, このアニオン型尿細管分泌に対する競合は弱いものと示唆されている 6 症例において, オセルタミビルを反復投与してもアセトアミノフェンの単回投与時の薬物動態に影響しなかった 使用上の注意 ( 続き ) がん原性, 変異原性, 生殖障害 : オセルタミビルの長期がん原性試験は実施中であり, 終了していない しかしながら,FVB/Tg.AC トランスジェニックマウスにおけるオセルタミビルカルボン酸の 26 週間皮膚がん原性試験は陰性であった 動物には 40,140,400 または 780mg/kg/ 日の用量で 2 分割して投与した この最高用量は, 対照に用いた溶媒に対して溶解可能な最大量に相当する TPA(tetradecanoyl phorbol-13-acetate) 2.5µgを 1 週当たり 3 回投与した陽性対照群の結果は陽性であった オセルタミビルは, エイムス試験及びヒトリンパ球染色体異常試験 ( 代謝活性化系存在下及び非存在下 ) で変異原性は認められず, マウス小核試験は陰性であった シリアンハムスター胚 (SHE) 細胞形質転換試験 ( トランスフォーメーション試験 ) では陽性であった オセルタミビルカルボン酸は, エイムス試験及び L5178Y マウスリンフォーマ試験 ( 代謝活性化系存在下及び非存在下 ) で変異原性は認められず,SHE 細胞形質転換試験で陰性であった ラットを用いた受胎能及び初期胚発生に関する試験で, オセルタミビルの 50,250, 1500mg/kg/ 日を, 雌には交配の前 2 週間, 交配中及び妊娠 6 日目まで投与した 雄には交配前 4 週間, 交配中及び交配後 2 週間投与した その結果, いずれの投与用量においても受胎能, 交尾能, 初期胚発生に対する影響はみられなかった 最高投与用量はヒトの全身暴露量 (AUC 0-24h ) のおよそ 100 倍であった 妊娠 : 妊娠分類 C: 現時点では妊婦あるいは発育中の胎児に対するタミフル投与のヒトにおける情報は不十分である 胚 胎児発生にタミフルが及ぼす影響についての試験は, ラット (50,250,1500mg/kg/ 日 ) とウサギ (50,150,500mg/kg/ 日 ) の経口投与により行われた これらの投与用量による暴露量は, ラットではヒトの暴露量のそれぞれ 2,13,100 倍, ウサギではそれぞれ 4,8,50 倍であった 薬物動態試験ではラット, ウサギで胎児への暴露がみられた ラットにおいて, ごく軽度の母動物毒性が 1500mg/kg/ 日群にみられた ウサギでは, 軽度及び著明な母動物毒性がそれぞれ 150 と 500mg/kg/ 日群にみられた これらの試験において, 出生児に軽微ないくつかの骨格異常及び変異の発生率に用量相関性のある増加がみられた しかしながら, 骨格異常や変異の個々の発生率は試験した種の背景値の範囲内であった 動物における生殖試験の結果がすべてヒトに当てはまるとはいえず, 妊婦における適切できちんと管理された試験がないため, タミフルの妊娠中投与は治療上の有益性が胎児に対する危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること 授乳婦 : 授乳ラットにおいて, オセルタミビル及びオセルタミビルカルボン酸は乳汁中に移行する オセルタミビル及びオセルタミビルカルボン酸がヒトの乳汁中に移行するか否かは不明である 従って, 授乳婦には, 治療上の有益性が乳児に対する危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること 小児への使用 :1 歳未満の小児に対するタミフルの安全性 有効性は確立されていない 高齢者への使用 : タミフルの安全性は,741 人 ( プラセボ投与 374 人, タミフル投与 362 人 ) が参加した臨床試験により確立している 臨床的な有用性については, 季節的な変動が若干認められた 安全性及び有効性はインフルエンザ予防のためタミフルを 42 日間まで服用した介護施設の高齢者において明らかになった これらの多くの患者は心疾患や呼吸器系疾患を有しており, ほとんどがそのシーズンにおいてワクチンを接種していた -21-

表イ -6 欧州連合における添付文書の概要 販売名剤形効能 効果用法 用量 TAMIFLU TM 硬カプセル本硬カプセルは ROCHE と印字された明るい灰色の不透明なボディと 75mg と印字された淡黄色の不透明なキャップで構成される 印字は青色である インフルエンザの治療 : 当該地域においてインフルエンザが流行している期間に, インフルエンザの典型的な症状が発現した成人及び 1 歳以上の小児に対する治療 最初に症状が発現してから 2 日以内に治療を開始した場合に効果が認められている この適応は, インフルエンザ流行期間に, インフルエンザ感染症患者 ( 主に A 型インフルエンザウイルスによる感染 ) に対して行われた臨床試験に基づいている インフルエンザの予防 : 当該地域においてインフルエンザが流行している期間に, 臨床的にインフルエンザと診断された患者と接触した成人及び 13 歳以上の青年における患者接触後予防 インフルエンザ予防におけるタミフルの適切な使用は, それぞれ予防を必要とする状況と集団に応じて, 個別に決定する必要がある 例外的な場合として ( 流行しているウイルス株とワクチンのウイルス株が一致しない場合, パンデミックが発生した場合など ), 13 歳以上の青年及び成人では, シーズナルな予防を検討することができる タミフルカプセルとタミフル経口用懸濁剤は生物学的に同等な製剤である 75mg の用量は, 75mg カプセル 1 カプセル, あるいは (30mg と 45mg をあわせて )75mg 量の経口懸濁液として投与することができる カプセルを飲み込むことができない成人, 青年, 小児 (>40 kg) では, 適切な用量のタミフル経口懸濁液を投与することができる インフルエンザの治療 : 治療は, インフルエンザの症状が発現してから 2 日以内に, できるだけ速やかに開始する必要がある 成人及び 13 歳以上の青年に対して推奨される用法 用量は, オセルタミビル 75 mg を1 日 2 回,5 日間の服用である 1 歳以上の小児に対しては, タミフル経口懸濁液を処方できる 体重が 40 kg を超える小児には, 成人用量の 75 mg カプセルを 1 日 2 回,5 日間処方することができる 1 歳未満の小児におけるタミフルの安全性と有効性は確立していない インフルエンザの予防 : 成人及び 13 歳以上の青年における患者接触後予防 : インフルエンザ感染者と密接な接触をした人の患者接触後予防における推奨用量は,75 mg オセルタミビルを 1 日 1 回, 少なくとも 7 日間の服用である 薬剤服用は, 感染者との接触から 2 日以内に, できるだけ速やかに開始する必要がある インフルエンザ流行期間の予防 : インフルエンザ感染が激増している間の予防における推奨用量は,75 mg オセルタミビルを 1 日 1 回, 最高 6 週間の服用である 12 歳以下の小児において, インフルエンザ予防に対するタミフルの安全性と有効性は確立していない 特殊な集団 : 肝機能障害 : 肝機能障害のある患者での治療あるいは予防に用量の調整は必要ない 腎機能障害 : インフルエンザの治療 : 重篤な腎機能障害を有する成人では, 用量を調整することが推奨される 推奨用量を下表に示す クレアチニンクリアランス 治療のための推奨用量 >30 (ml/min) 75 mg,1 日 2 回 >10~ 30 (ml/min) 75 mg,1 日 1 回あるいは 30 mg 経口懸濁液を 1 日 2 回 10 (ml/min) 推奨されない 透析患者 推奨されない -22-

用法 用量 ( 続き ) インフルエンザの予防 : 重篤な腎機能障害を有する成人では, 用量を調節することが推奨 される 推奨用量を下表に示す クレアチニンクリアランス 予防のための推奨用量 >30 (ml/min) 75 mg,1 日 1 回 >10~ 30 (ml/min) 75 mg,2 日に 1 回あるいは 30 mg 経口懸濁液を 1 日 1 回 10 (ml/min) 推奨されない 透析患者 推奨されない 高齢者への投与 : 重篤な腎機能障害がない限り, 用量の調節は必要ない 使用上の特別な警告及び特別な注意 : オセルタミビルは, インフルエンザウイルスの感染によって生じた疾患に対してのみ有効である インフルエンザウイルス以外の病原体によって生じたいかなる疾患に対しても, オセルタミビルが有効であることは確かめられていない 1 歳未満の小児に対するオセルタミビル投与の安全性と有効性は確立されていない 12 歳以下の小児において, インフルエンザ予防に対するオセルタミビルの安全性と有効性は確立されていない 入院を要する緊急のリスクが考えられる, 極めて重篤あるいは不安定な病状の患者に対するオセルタミビルの安全性と有効性に関する情報は得られていない 免疫能が低下した状態にある患者におけるインフルエンザの治療あるいは予防に対するオセルタミビルの安全性と有効性は確立されていない 慢性心疾患及び慢性呼吸器疾患患者の治療に対するオセルタミビルの有効性は確立されていない この集団では, 治療群とプラセボ群の合併症発生に差が認められなかった 使用上の注意 タミフルはインフルエンザワクチンに置き換わるものではない タミフルの使用が毎年のインフルエンザワクチン接種の意義に影響してはならない タミフルのインフルエンザ予防効果は, 本剤を服用している期間のみ続く タミフルのインフルエンザ治療又は予防使用は, 信頼できる疫学データから, インフルエンザが流行していることが示された場合のみ使用すべきである 重篤な腎障害 : 重篤な腎機能障害の成人に対する治療及び予防では, 用量を調整することが望ましい 腎機能障害を有する小児におけるオセルタミビルの安全性と有効性について, データはない 相互作用 : オセルタミビルはタンパク結合率が低く, その代謝には CYP450 やグルクロニダーゼ系が関与しないことから, これらのメカニズムを介した臨床的に重大な薬物相互作用が起こる可能性は低いことが示唆される 腎機能が正常な患者では, プロベネシドを併用する際に用量の調整は必要ない 腎尿細管分泌のアニオン型経路を強力に阻害するプロベネシドを併用すると, オセルタミビル活性体の暴露量が約 2 倍に増加する オセルタミビルは, 同じ経路で排泄されるアモキシシリンとの間で薬物動態学的相互作用がみられないことから, この経路での薬物相互作用は弱いことが示唆される 腎尿細管分泌過程での競合を介した臨床的に重要な薬物相互作用は起こりにくいと考えられる その理由は, これらの薬の多くで知られている安全性域, 活性代謝物の排泄特性 ( 糸球体濾過, アニオン型尿細管分泌 ) 及びこれらの経路での排泄能に基づくものである ただし, 治療域が狭い同経路で排泄される薬物 ( クロルプロパミド, メトトレキサート, フェニルブタゾンなど ) を服用している被験者にオセルタミビルを処方する際には, 注意が必要である -23-

パラセタモール, アセチルサリチル酸, シメチジン, あるいは制酸薬 ( 水酸化マグネシウム, 水酸化アルミニウム, 炭酸カルシウム ) とオセルタミビルを併用した場合に, オセルタミビルあるいは活性体との間に薬物動態学的相互作用は認められていない 使用上の注意 ( 続き ) 妊婦, 産婦, 授乳婦等への投与 : 妊婦でオセルタミビルを使用した場合の十分なデータは得られていない 動物実験では, 妊娠動物, 胎芽 / 胎仔期あるいは出生後の発達について, 直接, 間接的な有害作用は示されていない 母体に与える有益性が胎児に与える危険性を上回ると判断される場合以外は, 妊婦にオセルタミビルを使用すべきではない 授乳中のラットでは, オセルタミビルと活性代謝物が母乳に移行する オセルタミビルあるいは活性代謝物がヒトの母乳に移行するか否かは分かっていない 母体に与える有益性が乳幼児に与える危険性を上回ると判断される場合以外は, 授乳期間中にオセルタミビルを使用すべきではない 運転あるいは機械操作能力に与える影響 : タミフルが運転あるいは機械操作能力に影響を与えることは知られていない -24-

6. 一般的名称 (1) JAN 平成 11 年 6 月 11 日, 同年 9 月 10 日の医薬品名称調査会で以下のように決定され, 平成 11 年 11 月 4 日付医薬審 1630 号により通知された JAN: ( 日本名 ) リン酸オセルタミビル ( 英名 ) oseltamivir phosphate 化学名 : ( 日本名 ) (-)-(3R,4R,5S)-4-アセトアミド-5-アミノ-3-(1-エチルプロポキシ) シクロヘキセ-1-エン-1-カルボン酸エチルエステル一リン酸塩 ( 英名 ) (-)-ethyl (3R,4R,5S)-4-acetamido-5-amino-3-(1-ethylpropoxy) cyclohex-1-ene-1-carboxylate monophosphate (2) INN WHO Drug Information,13(3),1999,r-INN List42 に以下のように収載された r-inn:oseltamivir 7. 同種同効品 同種同効品として, 既承認の本薬のカプセル剤, 同じ作用機序の薬剤であるザナミビル水和物, 他の作用機序をもつ抗 A 型インフルエンザウイルス剤である塩酸アマンタジンを表イ-7 に示した 本薬はカプセル剤とドライシロップ剤の 2 剤型があり, これまで添付文書は両製剤をあわせて 1 つの添付文書としてきた しかし, 今回, 添付文書の記載を簡潔 明瞭にすべきと考え, カプセル剤とドライシロップ剤で別の添付文書にすることとした 表イ-7 においては, 本剤の添付文書 ( 案 ) のみを記載する 現在の添付文書のカプセル剤に関する記載内容と比較し, 追記又は変更した箇所には下線を引いて示した -25-

表イ-7 同種同効品一覧表 (1) 一般的名称 リン酸オセルタミビル リン酸オセルタミビル 販売名 タミフルカプセル 75 タミフルカプセル 75 タミフルドライシロップ 3% 会社名中外製薬株式会社中外製薬株式会社 承認年月日 - 平成 12 年 12 月 12 日 再評価年月再審査年月 - - - 平成 18 年 規制区分 - 指定医薬品, 要指示医薬品 H 2 N H O O CH 3 化学構造式 H 3 C O H3PO4 N H H H O 同左 H 3 C CH 3 剤型 含量 カプセル剤 :1 カプセル中オセルタミビルとして 75mg 含有 A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症及びその予防 カプセル剤 :1 カプセル中オセルタミビルとして 75mg 含有ドライシロップ剤 :1 瓶 (30g) 中オセルタミビルとして 900mg 含有 A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症 効能 効果 < 効能 効果に関連する使用上の注意 > 1. 本剤の使用にあたっては, 抗ウイルス薬の投与が全ての A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症に必須ではないことを踏まえ, 患者の状態を十分観察した上で, 本剤の使用の必要性を慎重に検討すること 2. 予防に用いる場合には, インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする (1) 高齢者 (65 歳以上 ) (2) 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患の患者 (3) 代謝性疾患の患者 ( 糖尿病等 ) (4) 腎機能障害のある患者 (< 用法 用量に関連する使用上の注意 > の項参照 ) 3. 1 歳未満の患児 ( 低出生体重児, 新生児, 乳児 ) に対する安全性及び有効性は確立していない ( 小児等への投与 の項参照 ) 4. 本剤は C 型インフルエンザウイルス感染症には効果がない 5. 本剤は細菌感染症には効果がない ( 重要な基本的注意 の項参照 ) < 効能 効果に関連する使用上の注意 > 1. 本剤を治療に用いる場合には, 一部の A 型及び B 型インフルエンザウイルス感染症には抗ウイルス薬の投与が必須ではないことを踏まえ, 患者の状態を十分観察した上で, 本剤の使用の必要性を慎重に検討すること 2. 本剤を治療に用いる場合には, インフルエンザ様症状の発現から 2 日以内に投与を開始すること 3. 1 歳未満の患児 ( 低出生体重児, 新生児, 乳児 ) に対する安全性及び有効性は確立していない ( 小児等への投与 の項参照 ) 4. 本剤は C 型インフルエンザウイルス感染症には効果がない 5. 本剤は細菌感染症には効果がない ( 重要な基本的注意 の項参照 ) -26-

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表イ -7 同種同効品一覧表 (2) 一般的名称 リン酸オセルタミビル リン酸オセルタミビル 1. 治療に用いる場合 通常, 成人及び体重 37.5kg 以上の小児にはオセルタミビ ルとして 1 回 75mg を1 日 2 回,5 日間経口投与する 2. 予防に用いる場合 通常, 成人及び 13 歳以上の小児にはオセルタミビルとし て1 回 75mg を1 日 1 回,7~10 日間経口投与する タミフルカプセル 75: 通常, 成人及び体重 37.5kg 以上の小児にはオセルタミビルとして 1 回 75mg を 1 日 2 回,5 日間経口投与する タミフルドライシロップ 3%: 通常, 成人にはオセルタミビルとして 1 回 75mg を 1 日 2 回,5 日間, 用時懸濁して経口投与する 通常, 幼小児にはオセルタミビルとして,1 回 2mg/kg( ドライシロップ剤として 66.7mg/kg) を 1 日 2 回,5 日間, 用時懸濁して経口投与する ただし,1 回最高用量はオセルタミビルとして 75mg とする 用法 用量 < 用法 用量に関連する使用上の注意 > 1. 治療に用いる場合には, インフルエンザ様症状の発現から 2 日以内に投与を開始すること ( 症状発現から 48 時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない ) 2. 予防に用いる場合には, 次の点に注意して使用すること (1) インフルエンザウイルス感染症患者に接触後 2 日以内に投与を開始すること ( 接触後 48 時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない ) (2) インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は, 本剤を連続して服用している期間のみ持続する 3. 成人の腎機能障害のある患者では, 血漿中濃度が増加するので, 腎機能の低下に応じて, 次のような投与法を目安とすること ( 外国人における成績による ) 小児等の腎機能障害のある患者での使用経験はない < 用法 用量に関連する使用上の注意 > 本剤を治療に用いる場合には, 次の点に注意すること 1. 本剤は発症後可能な限り速やかに投与開始することが望ましい ( 症状発現から 48 時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない ) 2. 成人の腎機能障害のある患者では, 血漿中濃度が増加するので, 腎機能の低下に応じて, 次のような投与法を目安とすること ( 外国人における成績による ) 小児等の腎機能障害のある患者での使用経験はない クレアチニンクリアランス (ml/ 分 ) 投与法 Ccr>30 1 回 75mg 1 日 2 回 10<Ccr 30 1 回 75mg 1 日 1 回 Ccr 10 推奨用量は確立していない Ccr: クレアチニンクリアランス クレアチニンクリアランス 投与法 (ml/ 分 ) 治 療 予 防 Ccr>30 1 回 75mg 1 日 2 回 1 回 75mg 1 日 1 回 10<Ccr 30 1 回 75mg 1 日 1 回 1 回 75mg 隔日 Ccr 10 推奨用量は確立していない Ccr: クレアチニンクリアランス -28-

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表イ-7 同種同効品一覧表 (3) 一般的名称 リン酸オセルタミビル リン酸オセルタミビル 警告 (1) 本剤の使用にあたっては, 本剤の必要性を慎重に検討すること (< 効能 効果に関連する使用上の注意 > の項参照 ) (2) 本剤の予防使用は, ワクチン療法に置き換わるものではないことを考慮すること 警告 (1) 本剤を治療に用いる場合には, 本剤が A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症以外のウイルス感染症や細菌感染症に効果がないことを踏まえ, 本剤の必要性を慎重に検討すること (2) 本剤の予防効能での使用は推奨されていない 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 使用上の注意 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 高度の腎機能障害のある患者 (< 用法 用量に関連する使用上の注意 > 及び 重要な基本的注意 の項参照 ) 2. 重要な基本的注意 (1) 本剤は腎排泄型の薬剤であり, 腎機能が低下している患者では血漿中濃度が高くなるおそれがあるので, 本剤の投与に際しては, クレアチニンクリアランス値に応じた< 用法 用量に関連する使用上の注意 >に基づいて, 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること ( 薬物動態 の項参照) (2) 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり, インフルエンザ様症状と混同されることがあるので, 細菌感染症の場合には, 抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと (< 効能 効果に関連する使用上の注意 >の項参照 ) 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 高度の腎機能障害のある患者 (< 用法 用量に関連する使用上の注意 > 及び 重要な基本的注意 の項参照 ) 2. 重要な基本的注意 (1) 本剤は腎排泄型の薬剤であり, 腎機能が低下している患者では血漿中濃度が高くなるおそれがあるので, 本剤の投与に際しては, クレアチニンクリアランス値に応じた< 用法 用量に関連する使用上の注意 >に基づいて, 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること ( 薬物動態 の項参照) (2) 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり, インフルエンザ様症状と混同されることがあるので, 細菌感染症の場合には, 抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと (< 効能 効果に関連する使用上の注意 >の項参照 ) (3) ドライシロップ剤 1g( オセルタミビルとして 30 mg ) 中に, ソルビトール ( 果糖の前駆物質 ) が約 857 mg 含有されているので, 遺伝性果糖不耐症の患者に投与する場合には注意すること -30-

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使用上の注意 ( 続き ) 表イ -7 同種同効品一覧表 (4) 一般的名称リン酸オセルタミビルリン酸オセルタミビル 3. 副作用カプセル剤の承認時までの調査 309 例において, 副作用は,85 例 (27.5%) に認められた 主な副作用は, 腹痛 21 件 (6.8%), 下痢 17 件 (5.5%), 嘔気 12 件 (3.9%) 等であった ( 承認時 ) ドライシロップ剤 (1~12 歳の幼小児 ) の承認時までの調査 70 例において, 副作用は 35 例 (50.0%) に認められた 主な副作用は, 嘔吐 17 件 (24.3%), 下痢 14 件 (20.0%) 等であった ( 承認時 ) (1) 重大な副作用 1) ショック, アナフィラキシー様症状 ( 頻度不明 ): ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 蕁麻疹, 顔面 喉頭浮腫, 呼吸困難, 血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと 2) 肝炎, 肝機能障害, 黄疸 ( 頻度不明 ): AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-P の著しい上昇等を伴う肝炎, 肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと 3) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 中毒性表皮壊死症 (Lyell 症候群 )( 頻度不明 ): 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 中毒性表皮壊死症 (Lyell 症候群 ) 等の皮膚障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと 4) 急性腎不全 ( 頻度不明 ): 急性腎不全があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと 5) 白血球減少, 血小板減少 ( 頻度不明 ): 白血球減少, 血小板減少があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと (2) その他の副作用次のような副作用があらわれた場合には, 症状に応じて投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと カプセル剤 2) 頻度不明注皮膚発疹, 蕁麻疹, 紅斑 ( 多形紅斑を含む ), そう痒感消化器口唇炎 口内炎 ( 潰瘍性を含む ), 血便, メレナ, 吐血, 消化性潰瘍 0.5% 以上 腹痛 (6.8%), 下痢 (5. 5%), 嘔気 (3.9%), 嘔吐, 腹部膨満, 便異常, 口内不快感, 食欲不振頭痛, 傾眠, 不眠症, めまい 精神神経系 幻覚, 興奮, 振戦, しびれ, 妄想, 譫妄, 痙攣, 嗜眠 肝臓 AST(GOT),ALT(GPT), γ-gtp,al-p の上昇 腎臓 血尿 蛋白尿陽性 血液 好酸球増加 呼吸器 気管支炎, 咳嗽 その他 疲労, 発熱, 低体温 血中ブドウ糖増加, 背部痛, 胸痛 3. 副作用カプセル剤の承認時までの調査 309 例において, 副作用は,85 例 (27.5%) に認められた 主な副作用は, 腹痛 21 件 (6.8%), 下痢 17 件 (5.5%), 嘔気 12 件 (3.9%) 等であった ( 承認時 ) ドライシロップ剤 (1 ~12 歳の幼小児 ) の承認時までの調査 70 例において, 副作用は 35 例 (50.0 %) に認められた 主な副作用は, 嘔吐 17 件 (24.3 %), 下痢 14 件 (20.0 %) 等であった ( 承認時 ) (1) 重大な副作用 1) ショック, アナフィラキシー様症状 ( 頻度不明 ): ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 蕁麻疹, 顔面 喉頭浮腫, 呼吸困難, 血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと 2) 肝炎, 肝機能障害, 黄疸 ( 頻度不明 ): AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-P の著しい上昇等を伴う肝炎, 肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと 3) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 中毒性表皮壊死症 (Lyell 症候群 )( 頻度不明 ): 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 中毒性表皮壊死症 (Lyell 症候群 ) 等の皮膚障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと 4) 急性腎不全 ( 頻度不明 ): 急性腎不全があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと 5) 白血球減少, 血小板減少 ( 頻度不明 ): 白血球減少, 血小板減少があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと (2) その他の副作用次のような副作用があらわれた場合には, 症状に応じて投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと カプセル剤 2) 頻度不明注皮膚発疹, 蕁麻疹, 紅斑 ( 多形紅斑を含む ), そう痒感消化器口唇炎 口内炎 ( 潰瘍性を含む ), 血便, メレナ, 吐血, 消化性潰瘍 0.5% 以上 腹痛 (6.8%), 下痢 (5. 5%), 嘔気 (3.9%), 嘔吐, 腹部膨満, 便異常, 口内不快感, 食欲不振頭痛, 傾眠, 不眠症, めまい 精神神経系 幻覚, 興奮, 振戦, しびれ, 妄想, 譫妄, 痙攣, 嗜眠 肝臓 AST(GOT),ALT(GPT), γ-gtp,al-p の上昇 腎臓 血尿 蛋白尿陽性 血液 好酸球増加 呼吸器 気管支炎, 咳嗽 その他 疲労, 発熱, 低体温 血中ブドウ糖増加, 背部痛, 胸痛 ドライシロップ剤 2) 頻度不明注 5% 以上 5% 未満 皮膚 蕁麻疹, 紅斑 ( 多形紅 斑を含む ), そう痒感 消化器 口唇炎 口内炎 ( 潰瘍性を含む ), 血便, メ 嘔吐 (24.3%), 下痢 (20.0%) 軟便, 腹痛, 嘔気 レナ, 吐血, 消化性潰瘍 精神 妄想, 譫妄, 痙攣, 嗜眠 神経系 肝臓 ALT(GPT) 上昇 AST(GOT) 上昇 その他 耳の障害 ( 灼熱感, 耳痛等 ), 結膜炎, 発熱, 低体温 鼻出血 注 2) 国内外の臨床試験又は自発報告にて報告された頻度を算出 できない副作用については頻度不明とした ドライシロップ剤 2) 頻度不明注 5% 以上 5% 未満 皮膚 蕁麻疹, 紅斑 ( 多形紅 斑を含む ), そう痒感 消化器 口唇炎 口内炎 ( 潰瘍性を含む ), 血便, メ 嘔吐 (24.3%), 下痢 (20.0%) 軟便, 腹痛, 嘔気 レナ, 吐血, 消化性潰瘍 精神 妄想, 譫妄, 痙攣, 嗜眠 神経系 肝臓 ALT(GPT) 上昇 AST(GOT) 上昇 その他 耳の障害 ( 灼熱感, 耳痛等 ), 結膜炎, 発熱, 低体温 鼻出血 注 2) 国内外の臨床試験又は自発報告にて報告された頻度を算出 できない副作用については頻度不明とした -32-

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表イ -7 同種同効品一覧表 (5) 一般的名称 リン酸オセルタミビル リン酸オセルタミビル 4. 高齢者への投与 4. 高齢者への投与 国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では, 国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では, 副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められ 副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認めら ていないが, 一般に高齢者では, 生理機能 ( 腎機能, 肝 れていないが, 一般に高齢者では, 生理機能 ( 腎機能, 機能等 ) の低下や, 種々の基礎疾患を有することが多い 肝機能等 ) の低下や, 種々の基礎疾患を有することが多 ため, 患者の状態を観察しながら投与すること (< 用法 いため, 患者の状態を観察しながら投与すること (< 用 用量に関連する使用上の注意 >の項参照 ) 法 用量に関連する使用上の注意 >の項参照 ) 5. 妊婦, 産婦, 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には, 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること [ 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない 動物実験 ( ラット ) で胎盤通過性が報告されている ] (2) 授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること [ 動物実験 ( ラット ) で乳汁中に移行することが報告されている ] 5. 妊婦, 産婦, 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には, 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること [ 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない 動物実験 ( ラット ) で胎盤通過性が報告されている ] (2) 授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること [ 動物実験 ( ラット ) で乳汁中に移行することが報告されている ] 使用上の注意 ( 続き ) 6. 小児等への投与 (1) 1 歳未満の患児 ( 低出生体重児, 新生児, 乳児 ) に対する安全性は確立していない (2) 国外で実施されたドライシロップ剤による第 Ⅲ 相治療試験において, 体重 8.1kg 未満の幼小児に対する使用経験はない 6. 小児等への投与 (1)1 歳未満の患児 ( 低出生体重児, 新生児, 乳児 ) に対する安全性は確立していない (2) 臨床試験において, 体重 8.1kg 未満の幼小児に対する使用経験はない 7. 過量投与現時点では, 過量投与による有害事象が発生したとの報告はないが, 国外での健康成人を対象としたカプセル剤による第 I 相臨床試験において,1 回 200mg 以上の投与により嘔気, 嘔吐, めまい ( 浮動性眩暈 ) が報告されている 7. 過量投与現時点では, 過量投与による有害事象が発生したとの報告はないが, 国外での健康成人を対象としたカプセル剤による第 I 相臨床試験において,1 回 200mg 以上の投与により嘔気, 嘔吐, めまい ( 浮動性眩暈 ) が報告されている 8. 適用上の注意薬剤交付時 : PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること [PTP シートの誤飲により, 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し, 更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている ] 8. 適用上の注意カプセル剤薬剤交付時 : PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること [PTP シートの誤飲により, 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し, 更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている ] -34-

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表イ -7 同種同効品一覧表 (6) 一般的名称 リン酸オセルタミビル リン酸オセルタミビル 使用上の注意 9. その他の注意 (1) 国内で実施されたカプセル剤による第 Ⅲ 相予防試験において, 糖尿病が増悪したとの報告が1 例ある また, 国外で実施されたカプセル剤による第 Ⅲ 相予防試験では, 糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7 例にみられた 非臨床試験においては, 臨床用量の 100 倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない (2) 国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第 Ⅲ 相治療試験において, インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない しかし, 本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し, その結果, 発熱, 筋肉痛 / 関節痛又は悪寒 / 発汗の回復期間が有意に短縮した (3) 国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合 9. その他の注意 (1) 国内で実施されたカプセル剤による第 Ⅲ 相予防試験において, 糖尿病が増悪したとの報告が1 例ある また, 国外で実施されたカプセル剤による第 Ⅲ 相予防試験では, 糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7 例にみられた 非臨床試験においては, 臨床用量の 100 倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない (2) 国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第 Ⅲ 相臨床試験において, インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない しかし, 本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し, その結果, 発熱, 筋肉痛 / 関節痛又は悪寒 / 発汗の回復期間が有意に短縮した (3) 国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合 ( 続き ) 併小児を対象とした第 Ⅲ 相治療試験において, 有効性を併小児を対象とした第 Ⅲ 相臨床試験において, 有効性を検証するには至っていない 一方, 安全性において特に検証するには至っていない 一方, 安全性において特に 大きな問題はみられていない (4) 国外で実施されたカプセル剤による高齢者 (65 歳以上 ) を対象とした第 Ⅲ 相治療試験において, 本剤の投与によりインフルエンザ罹病期間をプラセボに比較して, 約 50 時間 (23%) 短縮した (5) シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない 大きな問題はみられていない (4) 国外で実施されたカプセル剤による高齢者 (65 歳以上 ) を対象とした第 Ⅲ 相臨床試験において, 本剤の投与によりインフルエンザ罹病期間をプラセボに比較して, 約 50 時間 (23%) 短縮した (5) シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない (6) 国内外で実施されたカプセル剤による第 Ⅲ 相予防試験 において,6 週間を超えて投与した経験はない 添付文書作成年月 - 2003 年 12 月 -36-

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