平成 29 年度事業報告 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 3 年 3 月 31 日まで ) 平成 29 年度事業の概要 当会計年度における県内の経済は 公共投資では大型案件の増加等により 景気は回復基調にありましたが 県が行う土木事業については 減少傾向にありました 平成 29 年度の事業につきましては事業活動方針に基づき 建設事業において品質の良い調達ができるよう 品質検査 ( 監督補助 ) や積算等の発注者支援及び公共施設の点検 維持管理支援 さらに建設技術の研究開発 試験調査 研修を行うとともに 建設産業の課題解消に向けた支援など7 事業を実施しました このような状況の中 平成 28 年度との比較では 社会資本整備支援事業の品質検査 工事管理支援事業が約 8% 32, 千円減少し また 積算支援事業が約 6% 5, 千円減少しました 一方 土砂災害警戒区域等指定支援事業は 確認業務 4,691 箇所を受託し 約 12, 千円増加しました 社会資本維持管理支援事業では 市町の橋梁定期点検一括発注業務を 12 市町 (733 橋 ) より受託し 約 11% 21, 千円増加しました 研究開発事業では 4 件の研究を実施しました 試験調査事業では 建設工事用材料等試験事業が平成 28 年度より約 8, 千円減 少しました 研修事業では 一般社団法人長崎県建設業協会等より研修業務 4 講座を受託し また 一般財団法人建設業振興基金より研修業務 4 講座を受託しました 建設産業支援事業では ながさき建設技術フェア事業で出展団体 69 団体 1,651 名が来場しました
1 事業の実施状況 (1) 社会資本整備支援事業 1 品質検査 工事管理支援事業 監督補助業務県より24 件 市町より3 件 道路公社より2 件の合計 29 件の品質検査 工事管理支援業務を受託し実施しました 2 積算支援事業 積算技術業務建設工事の積算技術業務を県より 38 箇所 市町より 9 箇所の合計 47 箇所を受託し実施しました 積算協議会事務局業務市町が使用する積算システムにかかる事務局の運営を4 団体より受託し実施しました 5, 4, 3, 2, 15, 5, 品質検査 工事管理支援事業 47,89 39,959 358,913 積算支援事業 113,613 83,341 78,235 3 土砂災害警戒区域等指定支援事業 土砂災害警戒区域等設定確認業務 県より 土砂災害警戒区域等の設定に おける確認業務 4,691 箇所を受託し 実施しました (2) 社会資本維持管理支援事業 1 公共施設点検支援事業 長崎県橋梁点検 防災点検支援業務 4, 3, 2, 1, 土砂災害警戒区域等指定支援事業 県より 359 橋の橋梁点検支援業務及び県内一円の防災点検支援業務を受託 し実施しました 22,486 34,372 長崎県港湾漁港施設点検支援業務県より31 港 海岸の港湾漁港施設点検支援業務を受託し実施しました 2 公共施設資料登録保管事業県より工事図書完成図書登録保管業務 38 件 及び委託成果品登録保管業務 82 件を受託し実施しました 3 その他社会資本維持管理支援事業 市町橋梁維持管理システム運用業務 19 市町より市町橋梁維持管理システム業務を受託し運用しました
市町橋梁定期点検一括発注業務 12 市町より 733 橋の橋梁定期点検一括発注業務を受託し実施しました (3) 災害応援協力事業 災害応援協力業務該当ありませんでした 25, 2, 15, 5, 市町橋梁定期点検一括発注業務 188,839 29,777 11,738 (4) 研究開発事業 1 三次元 CAD(CIM) の活用研究 (H27~H31) 三次元 CADによる積算の効率化 現場の安全確保 適切な維持管理等への活用を目指すことを目的として 研究を行っているところです 平成 29 年度は 橋梁の維持管理段階におけるCIM 活用の手法について 長崎大学インフラ長寿命化センターとの協議を行い 今後共同研究として進めていくことになりました 研究としては 橋梁点検の方法として 3Dレーザーや3D 写真等による計測方法を実施していきます これにより コンクリートひび割れ幅や浮き 剥離などを計測して定量化し健全度の実証を行うとともに 従来の点検手法と比較し効率化や低コスト化ができないか研究してまいります 現在 市町から実橋データの提供を受けており 今後 現地踏査や点検の実施を踏まえモデルの構築を進めていくことにしています 2 鋼橋の長寿命化の研究 (H28~H33) 橋梁の長寿命化の研究は 鋼橋の製作や架設時の溶接作業時に 溶接ビード表面に小さく窪んだ穴となって発生する溶接の欠陥 ( ピット ) が 錆発生の原因となっています 今回ピットを補修無しで塗装したもの 金属パテや化粧溶接で補修し塗装を行ったものなどの溶接鋼材のサンプルを作成して 橋梁の長寿命化の研究を行うものです サンプルは 平成 28 年 1 月に環境の厳しい生月大橋の橋脚上に設置し これまで概ね年 4 回確認しており 平成 3 年 2 月の観測では腐食は確認されず 引き続き観測を行うことにしています 3 野草の堆肥化による有効利用の研究 (H28~H31) 除草作業で発生する野草の堆肥化による有効利用の研究を行うものです 平成 28 年度から発酵促進剤の添加などの6パターンで実験を開始しましたが 発酵促進が認められなかったため 平成 29 年度は 米ぬかなどを加えた4パターンの方法で堆肥化の実験を進めました さらに週 1 回の水分量や温度の測定及
び月 3 回の切り返しを行った結果 発酵 分解へと進行し 野草の減量が認められたものの 完全なる堆肥化には至りませんでした これは 実験中の温度上昇が期待値より低かったことから 添加物や管理方法などに課題が残っていたと考えられ 今後 さらに専門家の意見を踏まえて進めていくことにしています 4 針尾無線塔 (H29~H3) 針尾無線塔は 日露戦争を経て無線通信の重要性を認識した旧日本海軍が 大正 7 年に着手し 大正 11 年に完成させた構造物です 築後約 1 年を経た現在でも 健全な姿を保持しており, 当時の技術力の高さを感じることができます また 平成 25 年には この無線塔を含む針尾送信所は国の重要文化財に指定されています. 最近のコンクリート構造物の劣化が深刻な社会問題となっているなか 当時の施工技術を解明していくことが重要と考え 平成 29 年度からセンターの研究として取り組んでいます 研究内容は 現存する写真や塔コンクリート表面に残る現象 当時の文献等を分析し 塔の詳細な施工方法について考察 検証するものです 平成 29 年度は 当時の配合によるコンクリート締固めの実証実験を行い 圧縮 細孔径分布試験により 当時の施工方法のコンクリートが緻密であることを確認しました 今後 研究成果をまとめて報告を行う予定です (5) 試験調査事業 1 建設工事用材料等試験事業土質 コンクリート 鋼材 アスファルト等の試験を 合計 24,84 件実施しました 2 リサイクル製品等工場調査事業長崎県リサイクル製品等認定制度に基づき 公共や民間の建設工事に使用されるリサイクル製品の品質確認の調査を64 事業所 115 件実施しました 12, 8, 6, 4, 2, 建設工事用材料等試験事業 19,9 18,861 11,194 (6) 研修事業 1 一般研修事業 34 講座 51 回を開催し 1,59 人が受講しました なお 平成 29 年度からは 国が推進 している i-construction の取り組み として ドローン研修を開始しました 2 土木部職員等専門研修事業 受講者数 ( 人 ) 1,6 1,4 1,2 1, 8 6 4 2 ( 県職員が対象 県関係団体職員 市町職員も受講可 ) 11 講座 27 回を開催し 293 人が受講しました 一般研修事業 1,353 1,421 1,59
3 その他研修事業 一般社団法人長崎県建設業協会より 研修業務 4 講座を受託し また 一般財団法人建設業振興基金より研修業務 4 講座を受託しました 建設関係団体等の研修に講師を15 講座 延べ25 人を派遣しました (7) 建設産業支援事業 1 ながさき建設技術フェア事業平成 29 年 1 月 24 日 ( 火 ) 25 日 ( 水 ) の 2 日間 長崎県立総合体育館において 未来を拓く をキャッチフレーズに ながさき建設技術フェア 217 を開催しました 出展企業等は 69 団体で 官公庁や建設業をはじめ1,651 人に来場していただき 新工法 新技術ついて発注者等にアピールすることができました 2 その他 ( 安全 安心パトロール ) 建設工事における労災事故や第三者事故を未然に防止するため 42 現場において建設会社の店社パトロールに同行し 現場の安全管理や施工管理全般について指導助言を行いました