第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

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計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

はじめに

<総論>

事業内容

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3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

1 広島市障害者計画の策定について

地域包括ケアシステム

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

基本目標 1( 日常生活 ) 地域住民みんながつながり支えあう 心豊かなコミュニティづくり 核家族化や少子高齢化の進行に伴いさまざまな課題が顕著に現われるなか ライフスタイルの多様化や 携帯端末の普及などによる人と人とのつながり方の多様化もあり みなさんが生活する家庭や地域社会におけるつながりが希薄

地域福祉とは 住民による自主的な活動や行政などの公的サービスを活用しながら 個人が人としての尊厳を持って家庭や地域の中で その人らしい自立した生活を送れるように支える ものです 計画の内容は 少子高齢化が急速に進む中で 核家族化が進行し地域意識は希薄化し 家庭や地域で 支え合う力が弱まりつつあります

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

計画の今後の方向性

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

区(支部)社協会費関係相談記録

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Microsoft Word - 舞09・絆1(多文化) ⑤ doc

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民


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富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

区(支部)社協会費関係相談記録

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地域子育て支援拠点事業について

第 3 章地域生活の現状と課題 本計画の策定に当たり 市民の福祉ニーズ 課題を明らかにするために 入間市の福祉圏域 9 地区において 入間市との共催により2 回の地域福祉地区懇談会を実施しました ( 平成 25 年 2 月に9ヶ所 7 月には 近隣助け合い活動推進会との共催により10 ヶ所 ) また

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

第3節 重点的な取り組み

第 2 部基本計画

地域総合支援協議会

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成


問 3 あなたの家族構成は ひとり暮らし世帯 7.5% 夫婦のみの世帯 29.3% 2 世代同居世帯 48.3% 3 世代同居世帯 13.3% 1.0% 0.6% 家族構成は 2 世代同居世帯 が 48.3% と最も比率が高く 以下 夫婦のみの世帯

Microsoft Word - ●【本編】おおた高齢者施策推進プラン180313 《最終校正》

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

Microsoft Word - ■【滑川町総合振興計画】計画書_修正_ _NXPowe


も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

区分今後の施策のこと地域福祉に関わる機関や団体 しくみのこと 設問内容 市の福祉に関する情報の入手方法 行政と地域住民の関係について 民生委員 児童委員の活動内容 あなたの地区の民生委員 児童委員について 備前市社会福祉協議会 について 備前市社会福祉協議会が発行している広報紙 社協だより について

3. 安心できる福祉基盤の整備 高齢者や障害のある人など日常生活に支援が必要な人が増え続けている中 平均寿命が延び 支援が必要な状態で暮らす期間が長くなることが見込まれています このような中 たとえ支援が必要になっても 誰もが地域の中で適切な福祉サービスを選択して利用でき 安心して暮らし続けられるよ

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スライド 1

こんな柏市を目指します 目指す姿 が, だれにとっても生まれてから生涯を全うするまで暮らしやすい場となることへの想いを込めて, 健康福祉像を だれもが, その人らしく, 住み慣れたで, 共に, いきいきと暮らせるまち柏 と定めました 健康福祉に関するその他の分野別計画でも, この健康福祉像を共有して

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

基本理念 1 市民参加及び協働は 市民の豊かな知識及び社会経験並びに創造的な活動を尊重して推進されなければならない まちづくりの基本理念 変更 まちづくりは 市民一人一人が市民参加を行い 協働を行うとともに できるところから自立的に活動して地域の実情に合わせて取り組むことを基本とし 次のことを考慮し

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

柱1 みんなで支え合う地域づくり

ができるボランティア活動 のメニューを開拓するとともにウェブサイ トや SNS などを通じて情報発信を行います 施等により スポーツ団体等と連携した体験型ボランティアイベントの実施等により ボランティアムーブメントを拡大します 向けのボラ 学ボランテ 身近な所属等を通じて活動への参加を促すため企業や

第 2 章垂水市地域包括ケアシステムの概要 1 垂水市の地域包括ケアシステムの考え方地域包括ケアシステムとは 高齢者等に関わる様々な人や社会資源が 地域の中でつながりを持って高齢者等の生活を支える仕組みです 高齢者については 介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう 医

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平成 30 年 10 月 15 日開催 厚生常任委員会資料 所管事務調査 上越市地域福祉計画について 地域福祉計画策定に当たっての基本的な考え方 1~3 上越市地域福祉計画策定委員会におけるこれまでの検討状況等 4 健康福祉部

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

1

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

第4章_なごやか地域福祉.indd


八街市教育振興基本計画(平成26年~平成35年)

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

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金山地区 1 福祉のまちづくり会議 金山地区 あなたの暮らしお助け隊 テーマ 1 生活支援 1 活動のねらい 目的 誰もが自立した生活をおくることができるよう 生活の中でちょっとした困りごとを助ける 特に ひとり暮らし高齢者や買い物に行けない人 寝たきりの人や高齢夫婦世帯などを支援する 2 活動の概

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やる後押しと人材を活かせる仕組みづくりを行う A 班 テーマ系活動団体と連携して 若い人が参加できる取り組みを行う B 班 各種団体が集まり 話や協議ができる場を設け つながりができるシステム ( 協議会など ) をつくる それぞれの課題を理解する A 班 企業のリタイア組の活動の場をつくる A 班

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

h23活動報告書

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外部評価地域かかわりシート 1 〇外部評価 ( 地域かかわりシート 1) は A~F までの 6 項目となります〇項目 A については 事業所自己評価 をお読みいただき 適当と思われる箇所に を記入ください わかりにくい場合は 運営推進会議当日に事業者から説明がありますので 空欄のまま持参し 当日記


(Microsoft Word - \222\361\214\276.doc)

三鷹市健康福祉総合計画2022

平成 26 年度版 第三者評価結果概要版 ( 居宅介護支援 ) 基本情報 法人名 社会福祉法人多摩同胞会 事業所名 泉苑居宅介護支援センター 所在地 東京都府中市武蔵台 1 丁目 10 番 4 号 連絡先 事業者が大切にしている考え ( 事業者の理念 ビジョン 使命など )

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

議案第3号

目 次 はじめに 1 新郷地区でのこれまでの取り組み 2 共通の取り組み 3 個別テーマ 4 防犯 4 防災 5 コミュニティー 6

札幌市教育振興基本計画第3章

このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えて

評価方法 ディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミング 定期テストディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミングその他成果物 定期テストディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミングその他成果物 上に示す観点に基づいて 学習のまとまりごとに評価し 学年末に

2

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

( 別紙 ) 地域ケア会議 に関する Q&A 問 1 今般 地域ケア会議 を通知に位置づけた背景は何か 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年へ向けて 高齢者が尊厳を保ちながら 住み慣れた地域で自立した生活をおくることができるよう 国は 医療 介護 予防 住まい及び生活支援サービスが 日常生

25 周年を迎えたコミ協の新たな取組 について ( 報告 ) 20 周年に向けての見直し検討報告書 に明示された方策等の推進状況を企画総務部会で精査したところ そのほとんどが既に実施もしくは改善されていることがわかった ついては これらの事業は引き続き実施することとし 新たに 地域コミュニティ が抱


1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた


平成19年6月

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社協 生活支援活動強化方針 ー地域における深刻な生活課題の解決や孤立防止に向けた社協活動の方向性ー ( 平成 24 年 10 月 29 日 ) 社会福祉法人全国社会福祉協議会 地域福祉推進委員会

Transcription:

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊重しながら協働すると共に パートナーシップに基づき 取り組みを進めることが大切です 第 1 期 第 2 期計画では さまざまな地域福祉の主役となる人や関係団体等のつながり 関係性の構築に取り組み ネットワーク基盤の構築を図ってきました 第 3 期では これまでのネットワーク基盤の充実を図りつつ さまざまな取り組みの中で それぞれ関係主体が担うべき役割を認識し 協働とパートナーシップに基づく取り組みを進めます 地域の主体性と行政の施策力が連携した事業の展開本市の地域福祉は 市民力 地域力 に支えられています 第 1 期 第 2 期計画では 民生委員 児童委員 校区福祉委員会 自治会 公民分館 老人クラブ PTA 自主防災組織 消防団など 地域を支えるさまざまな主体が 自発的 自主的に 共に話し合う場を持ち 課題を共有しながら 共に取り組んできました その中には 課題解決に向けた具体的な取り組みも生まれてきています 今後は 地域と行政がこれまで以上に密接に連携しながら 取り組みを進めていく必要があります 第 3 期では これまでの地域の自発的 自主的な活動を尊重しながら連携をしてくことが大切です 行政と地域におけるお互いの弱みを補い合い また 強みを活かしながら 地域の主体性と行政の施策力が連携した事業の展開をめざします 市民視点 地域特性を考慮した計画の効果的な推進地域には 支える者や支えられる者などさまざまな市民の存在や文化 施設 社会資源などが存在するなど 地域によって特性は多種多様です これらの市民や地域の特性を踏まえながら取り組みを進めることが大切です 第 1 期 第 2 期計画では 社会資源の有効活用や潜在的資源の掘り起し 財源の配分や使用方法の工夫などを通じて 柔軟な支援 効果的な施策の推進を行ってきました 第 3 期では さまざまな市民の心情や状況 背景に想いをはせながら 行動するとともに 多種多様な地域特性を踏まえ 効果的 効率的な計画の推進をめざします 24

25 2. 地域福祉推進にあたっての考え方 自助 互助 共助 自助 互助 共助 自助 互助 共助 自助 互助 共助 公助の考え方について公助の考え方について公助の考え方について公助の考え方について地域社会の変容により 市民が抱えるさまざまな問題が顕在化している中にあって 市民一人ひとりの実情に応じたきめ細やかで柔軟な対応が求められますが 複雑多様化する生活課題に応えていくためには 公的サービスのみでは限界があります たとえば 実際に地域で生活しているからこそ気づく問題や 高齢者や障害のある人などのごみ出しや買い物支援といった近隣同士のちょっとした声掛け 助け合いで解決できる問題もあります そのため これからの地域福祉の推進を行うためには 行政はもとより 地域住民 事業者 NPO ボランティアなど地域で活動する団体がより一層 地域課題への共通認識をもつとともに 各々の役割を理解し 自発的 自主的な取り組みを行っていくことが重要です 高齢者や障害のある人 子どもなど多様な住民が生活する地域においては 高齢者同士での見守り活動やひきこもりの経験のある方が ボランティア活動を行うなど その時々で 支援する者とされる者が入れ替わることもあります また 助け合うことにより 支援される者の生きる力が引き出されて自身の自己実現につながる一方で 支援者は地域福祉活動を通じて社会貢献することにより やりがいや喜びを感じることも可能です このように地域福祉活動を行うことは 互いに尊重し支え合うことを通じて 両者の自己を実現する可能性を秘めています 地域福祉の推進にあたっては これら多様な活動主体を 自助 互助 共助 公助 の概念で整理を行い 地域福祉 の主たる推進者として定義を行いました 地域のさまざまな課題に応えていくためには 自助 互助 共助 公助 それぞれが最大限役割を果たしていくとともに お互いが補完し合うなど おたがいさま おかげさま の視点で 重層的なネットワークで受け止めていくことが大切です 本計画では この考え方に基づき 地域福祉の意義や 自助 や 互助 共助 の重要性の理解を促すとともに 行政が 自助 互助 共助 の取り組みを支援し また 公助 で担うべきサービスをしっかりと提供することで 地域福祉の具体的な推進をめざしていきます 自助公助互助 共助地域課題を共有する地域課題を共有する地域課題を共有する地域課題を共有する自発的 自主的な取り組み自発的 自主的な取り組み自発的 自主的な取り組み自発的 自主的な取り組みネットワークで受け止めるネットワークで受け止めるネットワークで受け止めるネットワークで受け止める地域福祉の推進地域福祉の推進地域福祉の推進地域福祉の推進おたがいさま おかげさまのおたがいさま おかげさまのおたがいさま おかげさまのおたがいさま おかげさまの支え合い支え合い支え合い支え合い

自助 自分 家族など 自分の意思と行動や家族の支え合いによって 自発的 自主的に生活課題を解決してくことを 自助 と言います すべての課題を自助で解決することはできませんが 自助努力で解決し難い問題については 自らの判断により 隣近所や地域 行政に相談していくことも自助と言えます また いざ何かあった場合に 気軽に相談することができるように 日ごろから 地域の一員として積極的に地域福祉活動に参画していくことにより 近隣 地域とのつながりを作っていくことも大切です 日ごろから 近隣住民との交流を図り 協力し合える関係を構築すること 地域に愛着や関心をもち 地域活動などを通じて 地域とのつながりをもっておくこと 自分や家族では解決できない 困ったことがあった場合に助けを求めること 互助 共助 隣近所 自治会 民生委員 ボランティア団体など 個人や家族だけでなく 近隣の住民同士や市民団体同士で課題解決を図ることを 互助 共助 と言います 地域における身近な関係は 隣近所の関係です 日ごろの近所づきあいの中で それとなく支援が必要な人の見守りをしたり 話し相手になったり ちょっとした手助けをしたり 時には助けられたりすることを 互助 共助 と言います 地域においては特定課題の解決のためにさまざまな団体による活動が行われていますが 地域福祉推進にあっては地域に属する誰もが その担い手であると同時に受け手であることから それぞれの責任と役割を認識するとともに 共に連携 連動していくことも大切です また 住んでいる地域という地理的に限定されない趣味やサークル活動などの自己実現のための活動によるつながりも互助 共助の範疇です 日頃から あいさつや声掛けなどを通じて 地域との関わりやつながりを大切にすること 支援を要する人や社会的に孤立した方に対し 協力して見守り 何かあれば行政などに支援を求めるこ と 26

公助 行政 公的サービス 行政が提供する公的サービスや行政が行うべき支援を 公助 と言います 法律や各種制度に基づくサービス提供も公助ですが 自助 互助 共助のみでは 解決することが難しい生活課題に対応するための支援や地域福祉推進の基盤づくりを行うことも 公助 となります 公助は 行政がその責と役割を担うこととなりますが 住民が抱える複雑多様化する生活課題すべてに対応することは困難なため 自助 互助 共助と連携を行いながら 支援を行いつつ 自助 互助 共助 で解決できることに対しては 可能な限り地域が主体となって解決するという意識をもつことが大切です 福祉サービスをはじめとした公的サービスを提供すること 福祉課題を抱える方に対して 関係する部署 機関が連携して 対応できるよう横の連携を強化すること 市民が積極的 安定的に地域福祉活動を行えるように 仕組みづくりや支援を行うこと 社会福祉協議会との緊密な連携にもとづく取り組みの推進 本市では 第 1 期 第 2 期地域福祉計画においても 社会福祉協議会との連携強化 を施策運営における視点として位置づけてきました 社会福祉協議会は 社会福祉法において 地域福祉を推進する中核的な役割を担う団体として位置づけられ 地域におけるさまざまな団体の参画を得て構成されています またその内部組織として 地域では校区福祉委員会が組織され 地域住民の自発的 自主的な活動が展開されています 地域と行政との協働関係を築く上で コーディネーターとしての社会福祉協議会の役割は大きく とりわけ コミュニティソーシャルワーカー (CSW) がつなぎ手として地域課題に積極的に取り組むことで ライフセーフティネットの構築に関して重要な一翼を担っています 社会福祉協議会とのパートナーシップのさらなる強化に努め 行政と社会福祉協議会とが互いの役割を明確にし 連携を深める中で取り組みを進めていくことが大切です 27

3. 計画の基本目標 計画の基本理念を実現するために 以下のとおり 3 つの基本目標を設定します 1. 安心 安全に地域で生活できる環境づくり 少子高齢化や核家族化の進展 価値観やライフスタイルの多様化などを背景に 地域社会が大きく変容しています それにより 孤立死や虐待 ひきこもり ニートといった問題など 公的制度の狭間や複合的な問題も存在しているほか 災害時の避難に対するものから健康面など市民の不安や悩みごとも多岐にわたります 誰もが地域で安心して健康に暮らしていくためには 支援が必要な人が地域の中で孤立することなく 地域全体で見守り 寄り添い 支援を行うことが大切です このことから 基本目標 1では 行政はもとより 住民 事業者などの多様な主体が連携して 支援を要する人を早期に発見するとともに 個々の実情を踏まえた支援を行う重層的なネットワークの取り組みを進め ライフセーフティネットの充実強化を図っていきます 2. 人づくり 地域づくりの推進 誰もが地域で安心して健康に暮らしていくためには 住民一人ひとりが地域福祉について理解することが大切です 地域に住む誰もが時には 支える 支えられる 関係にあることを認識し 地域を構成する一員として 地域福祉の一端を担っているという自覚をもつことが必要です 地域での支え合いは住民間のつながり すなわち住民同士が出会い コミュニケーションが豊かになることにより 自然と強くなっていきます こうしたことから 基本目標 2では 市民意識の醸成を図るとともに 立場や世代を超えて 地域の人と人 人と地域がつながり合い 地域の生活課題に対して それぞれができることを活かして 支え合う関係 を作ることをめざします 3. 必要とする福祉サービスを利 しやすい環境づくり 誰もが地域で安心して健康に暮らしていくためには すべての地域住民が個人として尊重され 権利が守られるとともに 福祉サービスが必要となったときに 必要なサービスを選択でき 適切に利用できることが必要です また 地域住民が日常生活の中で何か困ったことに直面したときに 必要な福祉サービスについての情報が適宜入手できること 気軽に相談できる窓口があることが必要です その上で 適切なサービスが提供されることも求められます 基本目標 3では 福祉サービスに関する分かりやすい情報提供を推進するとともに 福祉ニーズに応じた相談や支援を受け 自らの意思と判断により 住み慣れた地域で安心して日常生活を送ることができるよう 福祉サービスを利用しやすい環境づくりをめざします 28