平成 29 4 月 26 日定例記者会見資料 大船渡市魚市場の水揚と水産資源の動向について 平成 29 4 月 25 日 大船渡市 担当 : 農林水産部水産課 電話 :192-27-3111( 内線 371)
1 大船渡市魚市場の水揚状況について 1 過去 6 間の水揚状況 度平成 23 平成 24 平成 25 平成 26 平成 27 平成 28 水揚数量 (t) 3,731 45,433 42,62 52,861 41,799 36,76 水揚金額 ( 千円 ) 3,82,272 4,987,86 6,791,197 7,42,11 6,16,883 5,694,366 グラフ 1 過去 6 度水揚数量の推移 万 t 8 6 4 2 23 24 25 26 27 28 グラフ 2 過去 6 度水揚金額の推移 億円 8 6 4 2 23 24 25 26 27 28 2 主要魚種水揚状況 ( 水揚数量上位 5 種 ) 度 魚種名 数量 ( トン ) 数量 ( トン ) 数量 ( トン ) 数量 ( トン ) 数量 ( トン ) 魚種名魚種名魚種名魚種名金額 ( 千円 ) 金額 ( 千円 ) 金額 ( 千円 ) 金額 ( 千円 ) 金額 ( 千円 ) 平成 23 さんま 18,438 3,622 1,88 さけ 1,473 1,399 いさだぶり類さば 1,873,618 149,93 162,346 ます 66,652 69,873 平成 24 さんま 2,392 7,922 3,417 3,71 1,585 いさだぶり類さばするめ 1,752,488 327,153 419,927 177,34 41,779 平成 25 さんま 14,59 6,64 4,44 さけ 3,354 2,589 いさださばぶり類 2,6,777 241,866 369,144 ます 1,285,472 349,835 平成 26 さんま 27,133 5,921 3,375 2,987 さけ 2,62 いさださばぶり類 2,973,612 258,67 246,83 479,72 ます 1,44,3 平成 27 さんま 13,684 8,157 7,259 2,584 さばぶり類 253,754 455,58 476,954 いわし 2,323 2,949,68 いさだ 135,426 平成 28 さんま 13,848 7,86 3,39 1,882 1,62 さばいさだいわしかつお 2,843,736 545,31 234,962 123,18 424,262 3 2 1 グラフ3 さんま さけ ます 水揚数量の推移万 t さんま さけ ます 4 3 2 1 グラフ4 さんま さけ ます 水揚金額の推移億円さんま さけ ます 23 24 25 26 27 28 23 24 25 26 27 28 3 船籍別水揚隻数 度平成 23 平成 24 平成 25 平成 26 平成 27 平成 28 水揚隻数合計県内計 9,817 9,539 16,138 15,697 19,252 18,837 2,94 2,5 2,49 19,75 19,17 18,651 9,249 15,288 18,42 2,271 19,571 18,443 以外 29 以外 49 以外 417 以外 229 以外 134 以外 28 県外計宮城北海道福島東京宮崎 6 位以下計 278 113 71 22 16 13 43 宮城北海道青森高知茨城 6 位以下計 441 166 118 33 18 16 9 宮城北海道青森富山福島 6 位以下計 415 182 45 38 31 25 94 宮城北海道青森茨城富山 6 位以下計 44 119 97 55 4 39 9 宮城北海道福島青森富山 6 位以下計 344 141 76 31 23 17 56 宮城北海道青森福島富山 6 位以下計 366 118 57 37 34 29 91 1
2 岩手県内全魚市場と大船渡市魚市場の水揚状況 ( 過去 2 ) について 25, 2, 震災前後で約 58,992 トン減 15, 震災前平均 :168,878 トン 1, 震災後平均 :19,886 トン 5, 震災前後で約 6,59 トン減 震災前平均 :48,93 トン 震災後平均 :41,584 トン H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 縦軸 : トン横軸 : 度傾向 : 度 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 225,897 155,29 138,747 157,251 166,161 146,981 152,777 174,66 173,381 169,175 58,757 33,21 3,97 4,644 48,786 34,349 48,766 46,393 54,329 52,476 度 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 186,3 191,838 174,235 152,49 95,876 115,124 11,215 14,573 11,59 87,47 54,975 67,58 56,858 45,982 3,731 45,433 42,62 52,861 41,799 36,76 震災後ののデータは大船渡魚市場 資料 2
3 大船渡市魚市場の主要魚種の水揚と資源現況について (1) サンマの水揚状況 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 53,363 65,94 48,23 42,613 31,52 34,486 21,529 42,145 2,453 21,872 23,289 3,436 29,98 21,698 18,438 2,392 14,59 27,133 13,685 13,848 サンマ資源の現況等について ( 水産庁 ) 漁業の特徴サンマを漁獲している主な国は 台湾 日本 中国 ロシア 韓国である 198 代中盤から韓国や台湾が漁獲を始め 外国船籍による漁獲量が増加した ロシア漁船は 排他的経済水域内 (EEZ) で操業しているのに対し 韓国 台湾及び中国は北太平洋公海域を主漁場としている 最近の動き現在 北太平洋のサンマは 高度回遊性魚類として北太平洋漁業委員会による資源管理の対象となっている 北太平洋漁業委員会では 215 8 月に第 1 回委員会が開かれ 217 中にサンマの資源評価を実施することで合意し 216 4 月から 資源状況 資源評価方法等に関する議論が開始された 各国の漁獲状況 (215 = 平成 27 ) 台湾 =15.8 万トン 日 本 =11.2 万トン 中 国 = 4.9 万トン ロシア= 2.4 万トン 韓 国 = 1. 万トン 資源状態資源水準 ( 現在の資源のようす ) は 日本のさんま棒受網漁船の 1 操業当たりの漁獲量から予測すると中位と判断できる 資源動向 ( 将来の資源のようす ) は 213 資源調査以降 4 連続で資源量推定が減少していることから 減少と判断している 3
(2) サケ ( シロサケ ) の水揚状況 3, 25, 2, 15, 1, 5, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 26,662 24,884 26,752 17,989 8,99 7,71 14,888 15,897 9,24 8,344 2,923 5,568 4,145 2,277 1,473 968 3,354 2,62 766 525 サケ ( シロサケ ) 資源の現況等について ( 水産庁 ) 漁業の特徴 1952 に北洋サケマス漁業が再開されると流し網による沖獲りが発展したが 1977 に 2 海里水域が設定され さらに母川国主義の考えが定着すると沖獲り漁業は著しく後退した 197 代になると日本沿岸での漁獲量が増加した 日本系資源の大半は 夏から冬季にかけて主に北日本の産卵河川周辺の沿岸で定置網等により漁獲される 他国の経済水域内での漁獲量は不明 最近の動き 215 度漁期の来遊数は 1989 以降では 2 番目に低い水準となった 漁獲の動向 (215 ) 沖合域ではロシア系が主な漁獲対象であり 日本系の漁獲は僅かと考えられている 最近 5 間 (211~215 ) の日本の沿岸漁獲量は 12.2 万 ~14. 万トンで 215 の漁獲量は 13.4 万トンだった 資源状態資源水準 ( 現在の資源のようす ) は 215 の来遊数が過去 2 番目に少なかったが 21 ~214 の平均来遊数と同水準であったことから中位と判断できる 資源動向 ( 将来の資源のようす ) は 198 代半ば以降の来遊数の変動の範囲内にあることから横ばいと判断している 4
(3) イカの水揚状況 25, 2, 15, 1, 5, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 23,27 19,8 21,166 15,96 16,575 12,588 13,21 14,54 8,378 4,871 3,59 2,861 2,99 2,369 1,274 1,659 1,327 1,33 483 211 イカ資源の現況等について ( 水産庁 ) 漁業の特徴我が国周辺水域のスルメイカは 日本近海に広く分布し 季節により南北に大きく回遊するが 主に 12 月 ~3 月に東シナ海で発生する群れと 1 月 ~12 月に北陸沿岸から東シナ海域で発生する群れとに大別される 主にイカ釣りによって漁獲されるが 近 底引き網 定置網 まき網などによる漁獲量が増加し 釣り以外の漁獲は全体の 57% を占める 最近の動きスルメイカは減少傾向にあるが 漁獲割合の推移から近の漁獲圧は上昇傾向を示している 漁獲の動向 (215 ) 漁獲量 ( 日本及び韓国 ) は 198 代は低水準で推移し 1989 以降増加傾向に転じ 近は概ね 18 万 ~29 万トンで推移している 215 の我が国の漁獲量は 9.7 万トンで 韓国の漁獲量は 8.6 万トン ( 日韓合計 18.3 万トン ) だった 資源状態資源水準 ( 現在の資源のようす ) は 過去 38 間の資源尾数から低位と判断できる 資源動向 ( 将来の資源のようす ) は 直近 5 間の推移から減少と判断している なお 当該資源は 海洋環境によって変動が大きいことから 注視する必要がある 5
(4) サバの水揚状況 25, 2, 15, 1, 5, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 19,432 2,71 13,46 19,887 6,61 8,91 11,31 9,57 18,2 16,554 9,468 1,819 7,7 7,44 1,399 3,71 4,44 3,375 7,267 7,86 サバ資源の現況等について ( 水産庁 ) 漁業の特徴大中型まき網による漁獲が最も多く 主に常磐 ~ 三陸北部海域において ~2 歳魚を主対象としてほぼ周操業する ( 盛漁期は 9~ 翌 2 月 ) 定置網は各地で行われ 三陸沿岸での漁獲が多い 最近の動きマサバは 太平洋に分布する太平洋系群と日本海方面の対馬暖流系群に ゴマサバは 太平洋に分布する太平洋系群と東シナ海に分布する東シナ海系群に大別される ゴマサバは マサバに比べて南方域に分布しているが 近は北海道沖まで分布が見られる 漁獲の動向 (215 ) 漁獲量は 1978 漁期に 143 万トンのピークに達した後減少し 199 には 3 万トンまで落ち込んだ 24 ~28 は 18 万 ~25 万トンと比較的安定して推移した 215 の我が国の漁獲量は 32.2 万トンに増加している 資源状態資源水準 ( 現在の資源のようす ) は 親魚量から中位と判断できる 資源動向 ( 将来の資源のようす ) は 直近 5 間の資源量と親魚量から増加と判断している しかし 北西太平洋公海での外国漁船による採捕の影響が懸念され その動向に注意が必要である 6
(5) イサダの水揚状況 2, 18, 16, 14, 12, 1, 8, 6, 4, 2, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 18,664 18,926 14,653 18,561 2,917 1,53 13,123 6,781 13,818 8,349 8,98 9,369 8,337 9,258 1,584 6,883 7,73 4,469 8,839 5,7 (6) ブリの水揚状況 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 2,83 2,55 2,667 4,988 7,621 6,866 6,373 6,455 6,22 3,918 499 551 741 1,896 1,81 3,45 2,571 2,941 2,577 989 7
(7) カツオの水揚状況 4, 3,5 3, 2,5 2, 1,5 1, 5 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 1,933 3,783 1,186 2,51 46 1,247 1,78 885 717 984 1,886 3,74 1,153 2,476 43 1,234 1,72 871 713 982 4 大船渡市の取組みについて 当市魚市場においては 2 連続でサンマやサケ等の主要魚種の漁獲量が減少しています 国民の食生活や地域経済を支える水産資源を 今後も持続的に活用可能とするためには 適切な資源管理が重要であると考えております 特に回遊する魚類の資源管理については 広域的に推進しなければならない課題であります 大船渡市は 水産都市として 資源管理の重要性を市長会や関係機関等に機会を捉えて発信するとともに 三陸沿岸都市会議においては 大船渡市からの提案が構成市長のご同意を得ることとなり 資源管理施策の充実について国に対して要望を重ねております 大船渡市では 今後尚一層 国や関係機関に対して施策の充実について要望して参りたいと考えております 8
海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画 ( 抜粋 ) 参考 第 1 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本方針 平成 28 11 月 24 日公表平成 29 2 月 23 日一部改正 1 基本理念排他的経済水域等における水産資源は 我が国が主権ないし主権的権利を有する資源であることから 科学的知見に基づき適切に管理することにより その持続的利用を確保し 水産業の健全な発展と水産物の安全供給の確保を図ることが必要である その場合 水産資源の保存 管理の担い手が漁業者であることを鑑み 漁業者の積極的な取組みを助長するよう所要の施策を講ずるものとする 2 漁獲量及び漁獲努力量の管理資源水準に見合った漁獲を実現するため 資源量並びに漁獲量及び漁獲努力量を的確に把握しつつ TAC( 漁獲可能量 ) 及び TAE( 漁獲努力可能量 ) の設定及び管理 許可漁業及び漁業権漁業の規制等により我が国漁業の管理を行うとともに 許可制度等により外国人漁業及び遊漁の管理を行う また これらの管理措置の実行を確保するための指導監督を行う 3 資源管理指針 資源管理計画の推進海洋生物資源の資源状況は 海域ごと 魚種や系群ごとにそれぞれ異なるが 資源状況や当該資源を利用する漁業実態等を踏まえた適切な資源管理措置を講じることにより 資源状況の回復 維持を図る必要がある そのため 海洋生物資源ごとの資源管理の方向性や内容を定めた資源管理指針を策定するとともに それに基づき 具体的な資源管理措置を内容とする資源管理計画について 漁業者等による作成及び実施を推進し 計画的かつ機動的な資源管理を図る この場合 計画的に資源管理に取り組む意欲のある者が 減収を恐れずにこれらの取組を実施することができるよう 資源管理 収入安定策を講じる 平成 29 度国の漁業資源管理に関する予算措置状況 ( 抜粋 ) 資源管理 資源調査の強化ポイント 1 資源評価の精度向上を図るため 資源調査研究の充実 2 個別割当 (IQ) 方式等の実証実験を実施するとともに 資源管理計画の評価 検証の結果を踏まえて より高度かつ効果的な自主的資源管理措置の導入に向けた取組みの支援 平成 29 度資源管理充実の予算措置内容 1 広域資源管理強化推進事業 ( 継続 ) 漁獲可能量 (TAC) 制度の的確な運用等 個別割当 (IQ) 方式 TAC 魚種追加に対応した漁獲情報システムの改修 2 包括的な国際資源管理体制構築 ( 拡充 ) カツオ マグロ類 サンマ等について科学データ収集体制を強化マグロ類に加えて新たにカツオの輸入の適正管理等を強化 3 資源管理高度化推進事業 ( 拡充 ) マサバ太平洋系群の個別割当方式 (IQ) 方式の効果実証資源管理計画の高度化に向けた評価 検証等広域資源に係る計画作成の指導及び改良漁具の導入に係る実証調査等 4 太平洋クロマグロ漁獲抑制対策支援事業 ( 新規 ) 特定の魚種を選択的に漁獲することが難しい定置網の混獲回避のための漁具改良を支援 9