第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際に見たり触ったりできない電流を理解することは難しく 苦手意識をもっている生徒も少なくない また 磁界についても砂鉄や方位磁針を用いて間接的に磁界を観察するため 磁界の概念の習得は困難であると予想される 電気については小学校 5 年生で 電流のはたらき 小学校 6 年生で 電気の利用 を学習しており 磁力については小学校 3 年生で 磁石の性質 を学習している 本単元では 小学校での 磁石の性質 や 電流のはたらき の学習と関連させながら 磁界を磁力線で表すことを理解させるとともに 電流がつくる磁界について理解させることがねらいである 棒磁石や電流が流れているコイルの回りに鉄粉を撒き 模様を観察させたり 方位磁針をいくつか置いて観察させたりして 磁石や電流が流れているコイルの回りに磁界があることを見いださせる また 磁界は磁力線で表されること及び磁石やコイルの回りの磁界の向きについて理解させる このとき 電流の大きさによって磁界が強くなることや電流の向きを変えると磁界の向きも変わることを 実験を通して見いださせたい (2) 生徒の実態 ( 省略 ) (3) 指導観磁界そのものを見ることができないので 砂鉄や方位磁針などを用いて 磁界の様子を観察させることにより 磁界の概念が形成されていく 電流や磁界を頭の中のイメージだけで理解できる生徒は少ないため 積極的に観察 実験を取り入れていきたい 考察させる際はキーワードや書き出しの部分を教師側が与え 少しずつ論理的に結論を導き出せるようにしていきたい 3 単元の目標 電流回路についての観察 実験を通して 電流と電圧との関係及び電流の働きについて理解させ るとともに 日常生活や社会と関連付けて電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う 1
4 指導と評価の計画 (1) 単元の観点別評価規準 関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 磁石や電流による磁界の発生 磁界から電流が受ける力 電磁誘導などの観察 実験を通して 電流による発熱や磁界についての事象に関心をもち 観察 実験を進んで行い それらの事象を日常生活と関連付けて考察しようとしている 磁石や電流による磁界の発生 磁界から電流が受ける力 電磁誘導などの事象についての問題を見いだし 問題解決の方法を考え 観察 実験などを行い 得られた結果に基づき規則性を考えている 磁石や電流による磁界の発生 磁界から電流が受ける力 電磁誘導などの観察 実験を通して 電気器具の基本操作を習得するとともに 記録の方法なども身に付け 自らの考えを加えた報告書を作成し 発表することができる 観察 実験などを通して 磁石や電流による磁界 磁界から電流が受ける力の関係 電磁誘導など 基本的な概念や原理 法則を理解し 知識を身に付ける (2) 学習の流れ及び指導と評価の計画 評価の観点 関心 思考 技能 知識 時 ねらい 学習活動 評価規準 評価方法 第 1 節電磁石のまわりの磁界 1 磁石の回りの磁界について理解する 磁界の様子を調べる活動について 興味 関心を 鉄粉や方位磁針を用いて 磁石の回りの もっている 関心 磁界の様子を調べる 意欲的に観察 実験に取り組むことができている か生徒の様子を観察する 磁界の様子を磁力線で表すことができる 知識 観察結果から 磁界の様子を磁力線で表すことが できているかで判断する 2 複数の棒磁石がつくる磁界について理解 複数の棒磁石がつくる磁界について話合いを行 する い 予想することができる 思考 複数の棒磁石がつくる磁界の様子を予想 目的意識をもって 複数の棒磁石の回りの磁界を し 実際に観察を行い 磁力線を引いてま 調べ 結果をまとめることができる 技能 とめる 3 コイルに流れる電流がつくる磁界につい 目的意識をもって コイルの回りの磁界の様子を て理解する 調べ 磁力線を用いてまとめることができる 技能 コイルの回りにできる磁界を観察し 電 流の向きと磁界の向きとの関係について 観察の結果をまとめる 第 2 節磁界の中で電流が受ける力 4 磁界の中にあるコイルや導線に電流を流 磁界の中にあるコイルに電流を流すと コイルが したときの 電流の強さと向き 磁界の向 動き出すことを予想することができる 思考 き コイルの動きについて理解する 実験の予想の記入状況で判断する 2
コイルと U 字磁石を用いた実験を行い 実験結果をまとめる 5 電流が磁界から受ける力について理解する 前時の実験の結果を参考にし 磁石の磁界の向きと 導線に流れる電流の大きさと向き 導線にはたらく力の関係についてまとめる 6 モーターが決まった方向に回転し続ける原理について理解する モーターが回転する原理についての説明を聞く 第 3 節モーターを回したときに発生する電流 7 コイルと磁石を動かして電流が流れる条件や コイルや磁石の動かし方と電流の流れ方の規則性について理解する コイルと磁石を用いた実験を行い 電流が流れる条件や コイルや磁石の動かし方と電流の流れ方の規則性を見いだす 8 電磁誘導の条件や 誘導電流の向きや強さを決定する条件を理解する 磁界の変化と結び付けて 誘導電流が流れる条件を見いだす 第 4 節直流と交流 9 乾電池の電流と家庭用コンセントの電流との違いを見いだし 直流や交流について理解する 2 個の発光ダイオードを用いて 電源装置とつなぎ 直流と交流による発光ダイオードの点灯の様子の違いを見いだす 目的意識をもって実験を行い 磁界の向き コイルに流れる電流の向きと強さ コイルの動き方を調べ 結果をまとめることができる 技能 磁界の向き コイルに流れる電流の向きと強さ コイルの動き方の規則性についてまとめている内容から判断する 磁石の磁界の向き 電流が流れる向きと大きさから 導線にはたらく力の向きや大きさについて説明することができる 知識 モーターが決まった方向に回転し続けるしくみを説明することができる 知識 生徒の発表内容から判断する 目的意識をもって コイルに磁石を出し入れするときに電流が流れるかどうかを調べ 出し入れする条件ごとに結果をまとめることができる 技能 実験に取り組む様子と実験プリントの記述内容から判断する 電磁誘導が生じる条件や 誘導電流の向きや強さを変える条件を コイル内部の磁界の変化と関連付けて説明することができる 知識 生徒の様子や発表 理科ノートの記述内容から判断する 発光ダイオードの点灯の様子から 直流のように向きの変わらない電流と 交流のように向きが変わり続ける電流があることを見いだすことができる 思考 家庭には交流が供給されており 周波数が 50Hz の地域と 60Hz の地域があることを説明することができる 知識 5 本時の学習指導 (1) 目標 複数の棒磁石がつくる磁界について理解している 思考 3
方位磁針を用いた観察の結果から 磁界の様子を磁力線で表現することができる 技能 (2) 展開 (2/9 時 ) 評価の観点 関心 思考 技能 知識 学習内容と学習活動 指導上の留意点 評価規準 評価方法 棒磁石の回りの磁力線について復 磁力線は N 極から S 極に向かう や 磁力線同士が習を行う 交わることがない などの基本的な事項を確認する 導 課題を提示し 予想の仕方について説明する 本時の課題を把握する 入課題複数の棒磁石の回りの磁界はどのようになっているのだろうか? < 実験の予想 > グループで配られた用紙に それぞれの条件での 複数の棒磁石の回りに方位磁針を置いたらどのような向きになるか について ホワイトボードと方位磁針 棒磁石のモデルを用いて話し合い 予想する グループで予想した方位磁針の向きを 理由も踏まえて発表する 頭の中だけで考えるのではなく ホワイトボードや方位磁針と棒磁石のモデルを活用し 意見を共有しながら予想する 複数の棒磁石がつくる磁界について話合いを行い 予想することができる 思考 グループでの話合いや発表の様子から判断する 各グループで記入したプリントを 実物投影機でテレビに映しながら 生徒に説明をさせる 展 実験の準備を行う 開 整理 < 結果の確認 > 棒磁石と方位磁針を用いて 棒磁石周辺の磁界の向きを確認する < 発展 : 磁力線を引く> 方位磁針に筆記具を取り付けたものを使い 棒磁石周辺の磁力線を引く 実験の片付けを行う 本時のまとめを行う 各グループに棒磁石と方位磁針の条件を印刷した用紙 棒磁石 2 本 方位磁針 8 個程度を配付する 方位磁針が直接棒磁石に触れないよう注意させる 筆記具付き方位磁針はゆっくり動かさないと正確な磁力線が引けないため 磁界の様子を予想しながら少しずつ引くように指導する 筆記具付き方位磁針を使って 磁力線を表現することができる 技能 実験プリントの記入状況で判断する 4
6 参考 (1) 授業の取組状況と筆記具付き方位磁針について < 取組状況 > 電気分野の実験の際には ホワイトボードと電気器具のモデル 赤と黒のマーカーを各グループに配付し 回路図 配線 ではなく 回路図 ホワイトボード 配線 とワンクッションおいてから 配線を行わせた 二色のマーカーの使い分けなどに課題も見られるが 生徒はホワイトボードやモデルを使うことに抵抗はないようである 今回は 100 円均一ショップのホワイトボードを使用したが 白紙にラミネートでも対応は十分である モデルを活用して回路図の確認 回路図を確認しながらの配線 回路図を活用してグループで考察 5
(2) 筆記具付き方位磁針について> 磁力線は磁界の向きに沿った線であり 磁界内の方位磁針の N 極が指す向きを連続した線で表したものである ということと ある商品から 方位磁針の底の中心に筆記具を取り付け 磁界の中で N 極の指す向きに連続して動かしていくと その方位磁針の軌跡は磁力線となる ということを参考に 自作で筆記具付きの方位磁針を作成した 白い紙の上に棒磁石を置き その周辺でゆっくりと方位磁針を N 極の指す向きに連続して動かすと磁力線を引くことができる 棒磁石の強さや方位磁針の精度にもよるが おおむねしっかりと 磁力線を引くことができる 筆記具の部分は 短い鉛筆のようなものがなく 学校にあるものの中から探したところ 中心にテープで画びょうを取り付け そこに濃いめの色のチョークを取り付けた 画びょうを方位磁針裏面の中央に貼る 画びょうにチョークを刺して固定する チョークが垂直になるようにもつ 垂直を保ちつつゆっくり線を引く 磁力線の様子 6