持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

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はじめに 学校を取り巻く環境は, 社会や経済の変化に伴い, より複雑化 多様化しており, 学校には, これまで以上に子供たちに対するきめ細かな対応が求められております また, 情報化やグローバル化といった社会の急速な変化が進む中, 知識を活用し, 協働して新たな価値を生み出せるよう, 主体的な学びを

【資料2】緊急提言(委員意見反映)

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現在 学校には 急速に変化する社会の中で 自立して生きていく力を育成するための指導の充実が求められております そのためには 教員が健康で生き生きとやりがいをもって働きながら 学校教育の質を高めることができる環境を構築することが必要です しかしながら 北海道教育委員会が平成 28 年度に行った 教育職

01 取組項目0320

4 副校長 教頭の長時間業務改善への取組 学校内施設 ( 校舎等 ) の鍵の開閉は 副校長 教頭のみが行うこととせず 全教職員等で協力して行います ( 警備員が配置されている学校においては そのシステムを適切に活用します ) 児童生徒の登校時間については 学校と県教育委員会 市町村教育委員会が連携し

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(資料3ー1)平成30 年度「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」の結果について

学校における 働き方改革推進プラン 千葉県教育委員会 平成 30 年 9 月

舞鶴市立学校教職員の勤務時間適正化に向けた取組方針 ~ 残る文化 から 帰る文化 への構築に向けて ~ ( 案 ) 平成 29 年月日 舞鶴市教育委員会 0

資料1-7 部活動指導員について

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基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

教職員の働き方改革プラン 2018 岐阜県教育委員会では 平成 29 年 6 月に 教職員の働き方改革プラン 2017 を定め 教職員の勤務の適正化に向けた取組みに着手したところであるが 月 80 時間を超える長時間勤務の解消等は 未だ道半ばの状況にある また ハラスメントやメンタル不調等への対応に

17 石川県 事業計画書

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(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

平成30年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果(三重県)

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

平成 30 年 5 月 14 日 教職員育成課 横浜市教育委員会 東京大学中原淳研究室共同研究 ( 平成 29 年度 ) ~ 教員の 働き方 や 意識 に関する質問紙調査の結果から ~ < 内容 > 1 研究の目的 調査の概要 (1) 研究の目的 (2) 調査の概要 2 調査結果から見えてきたこと

学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等の取組の徹底について(通知)

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

45 宮崎県

02-01 ビジョンの基本的考え方

平成23年9月29日WG後修正

組織目標シート 平成 28 年度 部局 教育委員会事務局局長吉田久芳 1. 部局の使命 児童 生徒一人ひとりを大切にし 豊かな人間性と人間関係を築く力を育むとともに 自ら学び考え行動する子どもの育成を図る学校教育を推進する 市民生活が豊かで活力のあるものになるよう 市民が生涯を通して学習し学び続ける

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平成30年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果(新潟県)

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

平成18年度標準調査票

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

愛媛県学力向上5か年計画

 

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

領域別レーダーチャート 教科の領域別に全国を 100 とした場合の全道及び根室市の状況をレーダーチャートで示したもの 小学校 : 国語 小学校 : 算数 国語 A( 話すこと 国語 B( 読むこと ) 聞くこと ) 国語 A( 書くこと

(3) 面接 [300 点満点 ] 3 名の評価者が, 次の4つのごとに, 各に基づき,a( 優れている ) b( 標準である ) c( 標準をやや下まわる ) d( 標準を下まわる ) e( 問題がある ) の 5 段階で評価する aを25 点,b を20 点,c を15 点,d を5 点,e を

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

平成30年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果(山形県)

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

4 選抜方法 ( 1 ) 選抜の方法 学力検査の成績 調査書の得点 第 2 日の検査 ( 面接 ) の得点 を全て合計した 総得点 により順位をつけ 各選抜資料の評価等について慎重に審議しながら 予定人員までを入学許可候補者として内定する < 総得点の満点の内訳 > 調査書の得点第 2 日の検査学力

【資料2】社会教育主事講習の見直しについて【派遣社会教育主事制度とその現状】

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

5 2 性格 について 2 性格 に 指標は 人事評価に用いるものではない と明記しているが 人事評価に用いられないことを 県教育委員会としてどのように担保するのか 教育公務員特例法等の一部を改正する法律等の施行について (28 文科初第 1803 号 H ) の第二 留意事項 1 指標

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

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平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

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(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

学校現場における業務の適正化に向けて(本体)

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

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鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

4 選抜方法 (1) 選抜の方法 本校の 期待する生徒像 に基づき, 学力検査の成績, 調査書, 面接の結果 等を総合的に判定して入学者の選抜を行う ア 学力検査の成績 による順位と 調査書の得点 による順位が, ともに次のパーセント以内にある者は, 入学許可候補者として内定する ( ア ) 受検者

平成30年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果(岐阜県)

研究内容 2016 年 9 月時点 自治体の協力を得つつ 国立教育政策研究所や外部の研究者 有識者により実証研究を実施 関連施策の費用と効果について把握 分析 研究テーマ実施主体研究内容 ( 学力 非認知能力等 ) 国立教育政策研究所 埼玉県 大阪府箕面市等 国立教育政策研究所等 都道府県 :6 程

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

目次 Ⅰ 福島県教育委員会経験者研修 Ⅰ 実施要項 1 Ⅱ 高等学校経験者研修 Ⅰ 研修概要 1 研修体系 2 研修の目的 研修の内容等 4 研修の計画及び実施 運営等 4 5 研修の留意点 4 表 1 高等学校経験者研修 Ⅰ の流れ 5 表 2 高等学校経験者研修 Ⅰ 提出書類一覧 5 Ⅲ 高等学

教育公務員特例法等の一部を改正する法律について

第 1 部 施策編 4

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

①H28公表資料p.1~2

1 目標 安芸高田市立甲田中学校 ( 以下 学校 という ) の運動部活動において, 安芸高田市立中学校に係る運動部活動の方針 ( 以下 安芸高田市方針 ) に則り, 生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点に立ち, 以下の点を重視して地域, 学校, 競技種目等に応じた多様な形で最適に実

4 父親も育児参画しよう! 父親となる職員に, 配偶者出産休暇や男性の育児参加休暇を取得するよう働き掛けましたか 対象の職員全てに働き掛けは行われている 回答数 76 0 全人数割合 (%) 対象者なし 293 配偶者出産休暇 (3 日 ) 数値目標 31 年度までに配偶者出

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平成28年度「英語教育実施状況調査」の結果について

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学校における働き方改革に関する緊急対策 概要 ( 平成 29 年 12 月 26 日文部科学省 ) 平成 29 年 12 月 22 日に中央教育審議会において 新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導 運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について ( 中間まとめ ) が

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ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

新学習指導要領の理念と カリキュラム マネジメント 2019( 平成 31) 年 1 月 16 日 文部科学省 3 階講堂 天笠茂 ( 千葉大学特任教授 )

ICTを軸にした小中連携

情報コーナー用

目 次 平成 29 年度島根県公立高校入試の改善方針について 1 Ⅰ 改善方針の概要 2 1 基本的な考え方 2 改善方針の内容 3 実施の時期 Ⅱ 選抜制度の具体的内容 3 1 選抜の機会 2 検査の時期 3 選抜資料 学力検査 3-2 個人調査報告書 3-3 面接 3-4 その他の資

英語教育改善プラン

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

3. 分析と結果 公表に対する配慮事項 公表に際しては 文部科学省が定めた平成 29 年度全国学力 学習状況調査実施要領に基づき 次の点に配慮して実施します 1) 本調査は 太子町の子どもたちの学力や学習状況を把握し分析することにより 全国 大阪府の状況との関係において教育及び教育施策の成果と課題を

平成 30 年度東京学芸大学附属小金井中学校学校経営計画 平成 30 年 4 月 1 日 校長奥住秀之 仲間を思い自分を大切にして 一生懸命楽しく学び 希望を胸に未来に羽ばたこう 1 附属学校の役割 (1) 学部 大学院における研究を附属学校で実際の指導に取り入れ その結果を学部 大学院の教育研究に

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小・中学校における学校選択制等の実施状況について(平成24年10月1日現在)

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H ( 木 ) H ( 水 ) H ( 金 ) H ( 金 ) H ( 土 ) H ( 月 ) H ( 月 ) H ( 木 ) H ( 金 ) H ( 火 ) H30.6.2

44 大分県

別添

「標準的な研修プログラム《

子どもから大人まで県民だれもが生涯にわたって主体的にスポーツに親しめる環境 (= スポーツ振興基盤 ) を整えていくことが重要

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

校外教育施設について

Transcription:

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

教員の多忙化を解消し 質の高い教育を持続的に行うために 教員の業務は 道徳の教科化 小学校における外国語科の導入等 新しい学習指導要領への対応や 様々な教育課題への対応等により ますます複雑化 多様化しておりますが そうした中で 教員の専門性を高めつつ 子どもと向き合う時間を十分確保し 質の高い教育を持続的に行っていくことが求められています 愛知県教育委員会は 平成 29 年 3 月に 教員の多忙化解消プラン ( 県教委ホームページ参照 ) を策定し 以下の基本的な考え方の下 保護者や県民の理解を得ながら 市町村教育委員会 学校とともに 教員が学習指導 生徒指導などの本来的な業務に専念できる環境づくりを進めています < 取組を進める上での基本的な考え方 > 教員一人ひとりのワーク ライフ バランスに十分配慮し 各教員が健康的に教育活動に従事できる環境を整えていくことは 学校設置者の責務であり 質の高い教育を持続的に行っていくための基盤である 現在 愛知県の公立学校の教員の勤務状況を見ますと 例えば中学校では約 3 人 に 1 人 高校では約 8 人に 1 人の教員が 勤務時間外の在校時間が月 80 時間 ( 厚 生労働省の示す いわゆる 過労死ライン ) を超えています 50% 40% 30% 20% 10% 0% 勤務時間外の在校時間が月 80 時間を超えている教員の割合 36.3% 38.7% 38.6% 32.9% 9.3% 15.0% 10.8% 14.0% 12.7% 13.1% 9.6% 13.3% 1.1% 1.0% 0.4% 0.6% 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度 小学校中学校県立高等学校県立特別支援学校 各年度とも小 中学校 ( 名古屋市立学校を除く ) は 11 月時点 県立高等学校 県立特別支援学校は 4 月時点での調査

これまで 愛知県の公立学校が果たしてきた役割や使命を維持しながら いかに して一人ひとりの教員の働き方を見直していくかが大きな課題となっています 教員が疲弊することは 教育活動の質の低下につながるおそれがあります また 新学習指導要領が小学校で平成 32 年度 中学校で 33 年度 高校で 34 年度から実施され 社会に開かれた教育課程 という理念のもと カリキュラム マネジメント や 主体的 対話的で深い学び の視点から より一層の授業改善が求められています このような状況で 教員の多忙化を解消するためには 学校設置者による環境整 備とともに 校長等管理職と教員自身の意識改革 そして保護者や県民の皆様の御 理解 御協力が必要となります 公立学校の教員は 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法 及び関連政令 条例により 時間外勤務手当が支給されていません その代わり 給料月額の4% に相当する教職調整額が一律に支給されていますが 教職調整額は 昭和 41 年度に文部省が実施した 教員勤務状況調査 で 1 週間平均の超過勤務時間が小 中学校平均で 1 時間 48 分であったことが根拠となっています また 非常災害時 修学旅行 対外運動競技等の引率 学校の管理下において行われる部活動における指導といった業務に従事した場合には教員特殊業務手当が支給されます 休日に部活動を指導した場合 :1 日 (4 時間程度以上 )3,600 円 ( 愛知県の場合 ) 現行の中学校及び高等学校の学習指導要領では 部活動を以下のとおり位置づけています 生徒の自主的 自発的な参加により行われる 学校教育の一環として 教育課程との関連が図られるように留意 地域の人々の協力 社会教育施設や社会教育団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行う ( 愛知県教員の多忙化解消プロジェクトチーム 教員の多忙化解消に向けた取組に関する提言 ( 平成 28 年 11 月 ) より )

教員の多忙化解消プラン について あいちの教育ビジョン 2020- 第三次愛知県教育振興基本計画 - では 開 かれた学校づくりと多忙化解消への支援 として 教員の多忙化解消に取り組むこ ととされています 愛知県教育委員会が平成 29 年 3 月に策定した 教員の多忙化解消プラン では 達成すべき目標 ( 指標 ) として 勤務時間外の在校時間が月 80 時間 ( 厚生労働省の示す いわゆる 過労死ライン ) を超過している教員の割合を 平成 31 年度までに 0% とすることとしています 平成 30 年度までに達成すべき目標 在校時間が月 80 時間を超過している教員の割合 : 現状数値 ( 平成 27 年度調査 ) の半減以下を目指す小学校 5% 以下 中学校 20% 以下 高等学校 5% 以下 特別支援学校 0% 平成 31 年度までに達成すべき目標 在校時間が月 80 時間を超過している教員の割合 : 全校種 0% を目指す 平成 32 年度までに達成すべき目標 在校時間が月 80 時間を超過している教員の割合について 全校種 0% を継続しつつ 国の働き方改革の動向を踏まえ新たな目標を設定する 在校時間 : 休憩時間を含む正規に割り振られた勤務時間 (8 時間 30 分 ) 以外に自主自発的に業務に従事した時間

教員の長時間勤務の状況について 愛知県の公立学校の教員について 勤務時間外の在校時間が月 80 時間を超過し た主な理由は以下のとおりです 公立小中学校 ( 平成 29 年 11 月調査 ) 授業関係 ( 教材研究 準備 点検 採点 成績処理等 ) 1,108 2,102 生徒指導関係 ( 生徒 保護者対応 関係機関連携等 ) 281 856 行事関係 ( 資料作成 準備等 ) 学級事務 学年事務関係 694 814 655 1,205 部活動 ( クラブ活動 ) 関係 177 1,568 上記以外の校務分掌 係の仕事 422 556 85 その他 133 調査対象者数 : 小学校 1,579 人中学校 3,129 人 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 ( 在校時間が月 80 時間を超える教員 ) 人 ( 名古屋市立学校除く 複数回答可 ) 小学校中学校 県立学校 ( 高等学校 特別支援学校 )( 平成 29 年 4 月 ~9 月調査 ) その他 12% 校務分掌 27% 部活動 45% 学習指導 13% 生徒指導 3% 調査対象者数 :751 人 ( 在校時間が月 80 時間を超える教員に係る平成 29 年 4 月 ~9 月の平均人数 ) 在校時間が月 80 時間を超えている教員について 従事時間数内訳の計に対する構成比率 校務分掌 : 学校内における運営上必要な業務分担 主な校務分掌として 生徒の生活 進路の指導や時間割の 作成 行事の準備運営 保護者団体や同窓会など外部団体との交渉 調整などがあります

愛知県教育委員会における教員の多忙化解消に向けた取組について 愛知県教育委員会では 教員の多忙化解消プラン に基づき 以下 の取組を進めてまいります 1 長時間労働の是正に向けた在校時間管理の適正化 平成 30 年度に 県立学校 ( 高等学校 特別支援学校 )5 校において 試行的に出退勤時刻をICカードで記録し 電子化します 平成 30 年度中に 県立学校において施錠時間を設定します 2 業務改善に向けた学校マネジメントの推進 研修計画に学校マネジメントを重点的に位置づけ 体系的な教員研修を実施し ます 3 部活動指導に関わる負担の軽減 単独で部活動の指導や大会への引率等が可能な部活動指導員を配置します ( 平成 30 年度は県立高校 12 校にモデル配置 中学校への設置を希望する市町村を支援 ) 部活動指導ガイドライン ( 休養日及び活動時間についての方針を含む部活動指導全般に関する指針 ) を平成 30 年度の早期に作成します 4 業務改善と環境整備に向けた取組 学校における業務改善を推進し モデル事業を他の学校 地域に普及させます 小中学校で教職員定数を改善します ( 新学習指導要領の実施に伴う小学校における外国語の教科化などに対応 )

教職員の皆様へ 心身共に健康を維持できる職場環境の推進のため 教員自身が 適切なマネジメ ントや ワーク ライフ バランスを十分に意識しながら業務に取り組むことが重 要です 愛知県教育委員会では 市町村教育委員会や学校とともに 教職員定数の改善や専門スタッフ等の配置の拡充をはじめ 教員が学習指導や生徒指導などの本来的業務に専念できる環境づくりを進め 教員の多忙化解消に向けて主体的に取り組んでまいります 教職員の皆様におかれましては 笑顔で子どもたちの前に立ち 一人ひとりの子どもに丁寧に関わりながら 質の高い授業や個に応じた指導を実現していくため 自らの働き方を振り返るとともに 家庭 地域を含めた全ての関係者の理解を得ながら 共に多忙化解消に向けた取組を進めていただくよう お願いいたします

愛知県教育委員会事務局教育企画課 460-8534( 住所不要 ) 名古屋市中区三の丸三丁目 1 番 2 号電話 052-954-6827( ダイヤルイン ) FAX 052-961-3925 メール kyoikukikaku@pref.aichi.lg.jp