JT医薬事業における研究開発

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

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の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

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通常の単純化学物質による薬剤の約 2 倍の分子量をもちます. 当初, 移植時の拒絶反応抑制薬として認可され, 後にアトピー性皮膚炎, 重症筋無力症, 関節リウマチ, ループス腎炎へも適用が拡大しました. タクロリムスの効果機序は, 当初,T 細胞のサイトカイン産生を抑制するということで説明されました

2016年 海外たばこ事業実績

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

平成14年度研究報告

平成24年7月x日

スライド 1

アトピー性皮膚炎の治療目標 アトピー性皮膚炎の治療では 以下のような状態になることを目指します 1 症状がない状態 あるいはあっても日常生活に支障がなく 薬物療法もあまり必要としない状態 2 軽い症状はあっても 急に悪化することはなく 悪化してもそれが続かない状態 2 3

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図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

第6号-2/8)最前線(大矢)

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

博士の学位論文審査結果の要旨

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

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アトピー性皮膚炎におけるバリア異常と易湿疹化アトピー性皮膚炎における最近の話題に 角層のバリア障害があります アトピー性皮膚炎の 15-25% くらい あるいはそれ以上の患者で フィラグリンというタンパク質をコードする遺伝子に異常があることが明らかになりました フィラグラインは 角層の天然保湿因子の

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

決算概要

の基軸となるのは 4 種の eif2αキナーゼ (HRI, PKR, または ) の活性化, eif2αのリン酸化及び転写因子 の発現誘導である ( 図 1). によってアミノ酸代謝やタンパク質の折りたたみ, レドックス代謝等に関わるストレス関連遺伝子の転写が促進され, それらの働きによって細胞はス

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

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決算概要

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糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

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環境変化への業界側取組  ~CU制度に係るパイロット試験での経験から~

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

Transcription:

JT 医薬事業における研究開発 2017 年 7 4 医薬総合研究所 川滋紀 将来に関する記述等についてのご注意 本資料には 当社 は当社グループの業績に関連して将来に関する記述を含んでおります かかる将来に関する記述は 考えています 込んでいます 予期しています 予想しています 予 しています 計画 戦略 可能性 等の語句や 将来の事業活動 業績 事象 は条件を表す同様の語句を含むことがあります 将来に関する記述は 現在 できる情報に基づく経営者の判断 予測 期待 計画 認識 評価等を基礎として記載されているに過ぎません これらの記述ないし事実 は前提 ( 仮定 ) については その性質上 客観的に正確であるという保証も将来その通りに実現するという保証もなく 当社としてその実現を約束する趣旨のものでもありません また かかる将来に関する記述は さまざまなリスクや不確実性に晒されており 実際の業績は 将来に関する記述における 込みと きく異なる場合があります その内 現時点で想定される主なものとして 以下のような事項を挙げることができます ( なお かかるリスクや要因はこれらの事項に限られるものではありません ) (1) 喫煙に関する健康上の懸念の増 (2) たばこに関する国内外の法令規則による規制等の導 変更 ( 増税 たばこ製品の販売 国産葉たばこの買 れ義務 包装 ラベル マーケティング及び使 に関する政府の規制等 ) 喫煙に関する 間規制及び政府による調査の影響等 (3) 国内外の訴訟の動向 (4) 国内たばこ事業 海外たばこ事業以外へ多 化する当社の能 (5) 国際的な事業拡 と 本国外への投資を成功させる当社の能 (6) 市場における他社との競争激化 銘柄嗜好の変化及び需要の減少 (7) 買収やビジネスの多 化に伴う影響 (8) 国内外の経済状況 (9) 為替変動及び原材料費の変動 (10) 然災害及び不測の事態等 2

研究開発戦略 JT 医薬事業のミッション 国際的に通 する特 ある研究開発主導型事業の構築 オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保 基本戦略 患者様の視点を念頭においた創薬 ファースト イン クラス新薬を 指した研究開発 低分 創薬への集中 アンメットメディカルニーズを指標とした重点領域の設定 グローバル開発に向けたパートナー会社への早期導出 積極的なオープンイノベーション 3 研究開発事業所の配置 Akros Pharma Inc. ( 国ニュージャージー州 ) 安全性研究所 ( 神奈川県秦野市 ) 医薬探索研究所 ( 神奈川県横浜市 ) 医薬総合研究所 ( 阪府 槻市 ) 医薬事業部 居薬品本社 ( 東京都中央区 ) JT 本社 ( 東京都港区 ) 4

近年に承認を取得した新薬 薬剤 適応症 Stribild/ スタリビルド配合錠 HIV 感染症 HIV integrase 阻害薬 elvitegravir (+ cobicistat FTC and TDF) Genvoya/ ゲンボイヤ配合錠 HIV 感染症 HIV integrase 阻害薬 elvitegravir (+ cobicistat FTC and TAF) Mekinist/ メキニスト錠 BRAF 遺伝 変異を保有 根治切除不能な悪性 腫 MEK 阻害薬 trametinib リオナ錠慢性腎臓病患者における リン 症クエン酸第 鉄 和物 承認年 海外 (2012)/ 国内 (2013) 海外は Gilead Sciences 社が開発 海外 (2015)/ 国内 (2016) 海外は Gilead Sciences 社が開発 海外 (2013)/ 国内 (2016) GlaxoSmithKline 社 ( 現在 Novartis 社に移管 ) が開発 国内 (2014) 5 現在の重点疾患領域 重点 3 領域に注 免疫 炎症 糖 脂質代謝 ウイルス その他 CKD 貧 など 将来医療展望 ( 後述 ) に基づきアンメットメディカルニーズの い疾患を対象にR&Dを展開 創薬標的 : 徹底した病態の理解に基づく創薬標的の選択現 治療との差別化を中 とするTPPの設定総 戦によるbest practice 6

研究開発パイプライン 領域開発コード作 機序 探索 / 前臨床 Phase 1 Phase 2 Phase 3 申請 JTE-052 JAK 阻害 国内 Ph3 海外 LEO 社 免疫炎症 JTE-051 ITK 阻害海外 JTE-451 RORγ アンタゴニスト海外 早期プログラム 代謝 ウイルス JTT-251 PDHK 阻害 海外 早期プログラム JTK-351 HIV Integrase 阻害 国内 早期プログラム JTT-751 経 鉄剤国内 その他 JTZ-951 HIF-PH 阻害 国内 Ph2 海外 Ph1 早期プログラム 7 JTE-052 JAK 阻害剤 サイトカインは細胞内の JAK-STAT 経路を活性化し 種々の病態の起点となる JTE-052 はアトピー性 膚炎をはじめとした種々のアレルギー 免疫疾患の治療薬として期待される 8

アトピー性 膚炎の病態 3 主病因がサイトカインを介して悪循環を形成し病態増悪 進展 J Clin Invest. 2004 113 (5) 651-7 改変 9 JTE-052 のアトピー性 膚炎治療における臨床的期待値 アトピー性 膚炎モデルマウス等による検討 膚炎症を改善症状スコア 膚肥厚 サイトカイン産 炎症細胞浸潤 膚バリア機能を改善 分蒸散量 天然保湿因 フィラグリン かゆみ ( 掻破 動 ) を抑制掻破回数 Vehicle JTE-052 かゆみ ( 掻破 動 ) アトピー性 膚炎モデルマウス (NC/Nga マウス ) における効果 J Allergy Clin Immunol. 2015;136:667-677 Society for Investigative Dermatology (SID) 75th Annual Meeting 等で公表 10

JTE-052 のアトピー性 膚炎治療における臨床的期待値 3 主病因に対する作 既存薬 ( ステロイド タクロリムス ) とは差別化された治療薬としての期待 JTE-052 免疫異常 膚バリア機能異常 痒み 11 JTT-251 PDHK * 阻害剤 PDH はミトコンドリアにおける糖質からのエネルギー産 を制御 JTT-251 は PDH 活性化により糖質の利 を促進 糖尿病 グルコース利 の促進 循環器疾患 JTT-251 エネルギー産 効率の向上 糖尿病合併症 細胞増殖の抑制 ミトコンドリア病 癌 * PDHK: Pyruvate Dehydrogenase Kinase 12

低分 医薬のポテンシャル 物製剤に べ多様な創薬標的を選択可能 フォワードファーマコロジー * による全く新規なメカニズムの発 リポジショニングによる新たな価値の創造 再 医療領域においても細胞医療と並 して低分 医薬品が必要 中枢神経系薬剤のように複数の標的に対する作 が必要な医薬品 経 剤をはじめとした多様な剤型に対応可能 特許は基本的に物質特許が中 で化合物ごと 物製剤に して製造費が低い 安定性が い 品質管理が容易 通常 免疫原性がない * : フェノティピックアッセイ 化合物取得 創薬標的探索というアプローチ 13 低分 医薬のポテンシャルーフォワードファーマコロジー MEK 阻害剤 Trametinib のリード化合物探索 HTS により p15 INK4b 誘導活性のある化合物をケミカルライブラリーからスクリーニング branched DNA (bdna) 法 化合物 通常の細胞に化合物を添加する 細胞 p15 mrna 増加 細胞を溶解させ 溶解物中の p15 mrna 量を直接定量する 細胞内の mrna 量は微量のため bdna 法による増幅プローブでシグナル感度を向上させる 細胞溶解物 bdna 法を いた mrna の直接定量 14

低分 医薬のポテンシャルーフォワードファーマコロジー ケミカルバイオロジーによる Trametinib の標的分 探索 ケミカルバイオロジーの 法によりTrametinibの標的分 がMEKであることを 出した リン酸化 MEKに結合しRafによるMEKのリン酸化を阻害 (IC 50 6.7 nm) リン酸化 MEKにも結合し下流にあるERKのリン酸化を阻害 (IC 50 290 nm) 細胞増殖刺激 活性化 Raf Trametinib MEK ERK p15 サイクリン D G2 M 細胞周期 G1 p27 S 15 将来の医療を展望した研究開発 バイオマーカー 患者個 の状況に合わせた医薬品の選択 上流 向と下流 向へ向かう治療パラダイムシフトへの備え 様々な治療の選択肢の中での薬のポジショニングの選定 16

オープンイノベーション アンメットメディカルニーズを満たすFIC 新薬の創製に向けて社内で けているピースを外部に求める 標的探索リード化合物創出 / 最適化 前臨床 病因解析 新規薬剤標的など HTS 系 化合物ライブラリー in vitro/in vivo 評価系 動物モデルなど バイオマーカー探索 リポジショニングなど 分達の でパートナーを探索 研究者を派遣し 共同で研究を実施 信頼と尊敬の醸成 近年の共同研究件数は約 3 倍に増加 (2013 年 -2017 年 ) 17 研究開発戦略 JT 医薬事業のミッション 国際的に通 する特 ある研究開発主導型事業の構築 オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保 基本戦略 患者様の視点を念頭においた創薬 ファースト イン クラス新薬を 指した研究開発 低分 創薬への集中 アンメットメディカルニーズを指標とした重点領域の設定 グローバル開発に向けたパートナー会社への早期導出 積極的なオープンイノベーション 18