1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

今年度の校内研究について.HP

ICTを軸にした小中連携

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

児童の実態に応じた取り組みであり, 学ぶ意欲や思考力を高める上からも意義深い (4) これまでの研究の経過から本校は平成 23 年度から, 算数科を研究領域とした研究に取り組み, 子どもの主体的な学びと算数的活動を重視した学び合いを通して, わかる できる 喜びを味わう子どもの育成に取り組んできた

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

3/3 研究推進委員会

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

1

第5学年  算数科学習指導案

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ


「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

国語科学習指導案様式(案)

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H27 国語

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

平成 30 年度なごや小学校努力点推進計画 1 研究主題なかまとともに感性輝くなごやっ子 (1 年次 ) 2 研究主題について本校では 昨年度までの努力点研究において 道徳や特別活動の時間を中心に 子ども一人一人の成長と互いの認め合いをめざすことで 子ども自らが なごや小でよかった と感じられるよう

平成 年度言語活動の充実促進モデル校事業の研究より 豊かな表現力を培う 各教科等における言語活動の充実 伝え合う力 の育成

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

H26研究レポート一覧(6年研)変更2017.3.22

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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PowerPoint プレゼンテーション

問題解決的な学習スタイルを充実させるために 3 つのステップを積み上げましょう 課 題 板書を充実させる道具を用意している ( マグ ネット名札 学習の流れカード ) 黒板に日付を書き 単元の流れ 本時の流れを 掲示している ノートに日付 単元の流れ 本時の流れを書かせている 前時の振り返りをノート

解答類型

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

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○数学科 2年 連立方程式

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

3 特別支援学級における学習指導案 特別支援学級においても 学習指導案は授業の設計図としての働きに変わりはありません しかし 特別支援学級では 児童生徒の実態から指導の内容や計画を考えることに大きな意味があります 通常の学級の学習指導案では 例えば 単元について は学習指導要領に沿った指導計画に基づ

Microsoft Word - 社会科

Microsoft Word - aAL00058(Kawakatu_Sonobe)

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

第○学年 ○○科指導計画

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

2、協同的探究学習について

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

20(掲載)【石川県小松市立松陽中学校】

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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授業の主となる教材は教科書ですが ねらいに即して学習プリント ( ワークシート ) を活用することで 子供たちの学習の効果を高めることができます 学習プリント ( ワークシート ) の作成において 次の 3 つのポイントに留意しましょう ポイント 下関スタンダード 4 ワークシートで学習効果を高めよ

Microsoft Word - ③-1だれもがかかわり合えるよに

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平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

PowerPoint プレゼンテーション

学校課題HP用

指導案 5年 算数

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Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれ

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6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

しかし 活用を図る学習過程や活用する児童の姿 学び方を習得させる指導法等の共通理解が十分ではなく 児童の個人差を考慮しつつ一人一人の考えを生かす授業づくりを確立するまでには至らなかった そのため 既習事項を活用して説明する思考力や表現力及び基礎 基本の定着に個人差が生まれてしまった そこで本年度は

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

PowerPoint プレゼンテーション

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

(2) 授業者が学びの見通しを持つ ( 学習目標の明確化 ) 問題解決的な学習に取り組む際, どのような場面で, どのようにして, どのような力を子どもたちに付けるのか, 単元や授業における目標を明確にして学びを見通しておくことが大切です 目標が不明確であると, 作業や体験などの活動そのものに, 子

算数科学習指導案 1 単元名三角形と四角形 授業者小澤勇司 2 単元について児童は第 1 学年で, 箱や積み木の面を写し取ったり, 数え棒を使って形を作ったりするなどの活動を通して, 図形の構成要素である辺や頂点 角についての素地的な経験をしている ここでは, 児童が日常使っている さんかく や し

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

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保健体育科学習指導案

学習指導要領の趣旨を実現する授業づくりのポイント

実践 報告書テンプレート

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

15-miyazakiken

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

Transcription:

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的に学習に取り組む態度の育成, 課題を解決できる子ども, 友達と交流して考えを深められる子どもの育成を目指して研究を進めてきた その結果, リーダー学習などを通して, 自分達で学習を進めることができるようになってきた また, 班などで友達と意見を交流できるようになってきたなどの成果があった 一方, 学習などへの意欲や基礎 基本の定着の個人差が大きく, 特に算数科で顕著であるなどの課題が挙げられた そこで, 平成 25 年度から平成 27 年度の3 年間では, これらの成果と課題, 児童の実態を踏まえて, 複式学級における算数科授業づくりに焦点を当てて, 学び方を身につけ, 意欲的に学ぶ子どもの育成 を主題として設定し, 研究を進めていく 研究を進めるに当たっては, 算数科と特別活動の両面から課題に対して見通しをもって意欲的に学ぶ子ども を目指していく 今日の社会 自ら考え, 主体的に学ぶ資質や能力の育成 豊かな人間性 本校の研究主題 児童の実態 学習などへの意欲に個人差がある 基礎 基本の定着に課題がある 教師の願い 何事にも意欲的な子どもに育てたい 学び方を身につけさせたい 3. 目指す子ども像 目指す子ども像は, 研究主題にもある通り, 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的 に学ぶ子ども である その子ども像を具体的には, 以下のような子どもだと位置づけた 何事にも意欲的に取り組む子ども 友達と交流し, 考えを認め合える子ども 学び方を身につけ, 課題を解決できる子ども

3. 全道へき地 複式教育連盟第 9 次長期 5 か年研究推進計画との関連 分野 学習指導の深化 充実 地域に根ざした, 主体的 創造的な学び合いにより 確かな学力 を育てる学習指導の創造 課題 6 主体性を育てる学習指導過程の改善 充実 (1) 課題意識をもって主体的に学習に取り組む学習指導過程 (2) 児童生徒一人一人の多様な考え方や個人差 学年差に即した指導過程 4. 研究の仮説 5. 研究の内容 課題 7 学ぶ意欲を高める指導方法の改善 充実 (1) へき地 複式教育の特性を生かした指導方法 (3) 学習効果を高める個別化 集団化などの指導方法 本校の研究 本校の研究 (1) 間接指導 の充実を図る 直接指導 (1) わたり ずらし の工夫の工夫 ( 問題提示, 発問, 指示, 板書 ( 自学自習や学習リーダーによる学の工夫, ノート指導 ) 習の工夫 ) (2) 定着を図り, 考えを広げるためのまと (2) 系統的な学び方の共有化と指導めの充実 ( まとめを中心に考えた授業 ( リーダーによる自主的な学習の系づくりの工夫 ) 統化 ) 仮説 1 算数科において系統的な学び方を職員間で共有化し, 学ぶ楽しさを実感できるように指導方法を工夫することで, 学び方を身につけ, 課題を意欲的に解決できる子どもに育てることができるであろう 仮説 2 算数科において, 考え 交流する場面を効果的に設定することで, 他者の意見から, 自分の意見を高め, 学力の定着を促すことができるであろう 仮説 3 算数科において, 目標や目指す子ども像を明らかにし, 適切に評価をすることで, 他の授業や特別活動にも意欲的に取り組む姿勢を育てることができるであろう 研究内容 1 指導方法の工夫と学び方の習得 1 間接指導 の充実を図る 直接指導 の工夫 問題提示, 発問, 指示, 板書の工夫, ノート指導 2 わたり ずらし の工夫 自学自習や学習リーダーによる学習の工夫 問題提示から課題までの工夫 問い を持たせるような授業づくりを行うことで課題を意欲的に解決できる子どもが育成できると考える ここでの 問い とは, 子どもから湧き出る疑問 必要感のある問題意識などである 問い を持たせるためは, 子どもが ズレ を感じる必要がある ズレ には,1 友達との考えとのズレ,2 予想とのズレ,3 感覚とのズレ,4 既習とのズレがあると考え, ズレ を意識させるような問題の提示, 予想の導入, 発問を意識している

実践例 1 年生 ぜんぶでいくつ 既習とのズレ を生かして問いを持たせようとした実践例である 既習では ふえるといくつ という問題を行ってきたが, 本時では, あわせるといくつ という問題を学習する あわせると という言葉に着目させて, 既習とのズレ を生じさせて, 課題解決への意欲を高めさせようとした 板書の工夫問題を書く位置やまとめを赤チョークで囲むなどの板書のルールを全校で共通化することで, 子どもへのノート指導と一体化し, 思考の過程がわかりやすくなると考えた また, 学年が変わっても板書のルールが決まっているので安心して授業に臨めると考えた 問題解決的な学習の板書例偶数学年の場合 / ( )p 問題 * 問題文は, 白チョークで囲む 予想 * 必要に応じて行う * 予想をさせて, 課題解決への意欲を持たせる 実践例 4 年生 がい数を使った計算 課題 * 課題は, 黄色チョークで囲む * 子どもが意欲的に取り組みたくなるような課題を作る 考え方 * 子どもの考えを書いたり, 書かせたりする * 考えは整理分類しまとめにつなげる まとめ * まとめは, 赤チョークで囲む * 子どもの考えを生かしたまとめにする 練習 応用 * 本時の学習の振り返りや応用 発展的な問題を行う 問題, 課題, まとめを色分けしてチョークで囲むことを全校で共通化し, わかりやすい板書を心がけている 研究内容 2 指導場面の工夫と定着の促進 1 系統的な学び方の共有化と指導 リーダーによる自主的な学習の系統化 2 定着を図り考えを広げるためのまとめの充実 まとめを中心に考えた授業づくりの工夫 個で考える場面での学び方算数科の課題解決に向けて自分の考えを書く場面では, どのように書いたらわかりやすいかを以下のように具体的に教えている 具体的に教えることで, 自分の考えを論理的に書けるようになってきている また, 相手にも伝わりやすい内容になってきた 1 一文は, 短く書き, 内容は一つに絞る 2 接続詞を効果的に活用する 3 算数の学習用語を活用する

リーダーによる自主的な学習の系統化発達段階に合わせた学習リーダーの役割と話し合いなどの自主的な学習を系統化することで,6 年間で学び方が身につくと考えた 今後, 学習リーダーを中心に鍛えて, 自主的な学習が深まるようにしていく 1 2 年生 3 4 年生 5 6 年生 リーダー 話し合い 手引きに沿って話し合いを進めることができる 自分の考えを発表できる 相手の考えに簡単な感想が言える 手引きを踏まえ, 相手の考えの良さも引き出しながら, 話し合いを進めることができる 自分の考えを発表できる 相手の考えの良さを発表できる 臨機応変に話し合いを進めることができ, グループの理解を深めることができる 自分の考えを発表できる 自分の考えと相手の考えをまとめたり, よりよい考えに向けて話し合ったりすることができる 考えを発表している場面 ( 中学年 ) 学習リーダーの手引き ( 中学年 ) 実際に切った図形を示して 説明している場面 ( 高学年 ) 研究内容 3 教育課程と授業の改善 1 子どもの成長をイメージした算数科や特別活動への取り組み 算数や行事で目指す子ども像への手立てと成果の確認 2 授業評価 各種学力調査の授業改善への活用 3 授業に生きる研修の充実 複数回の授業交流, 実技研修 算数ふりかえりシートの活用 ( 算数科の各単元末の算数科の授業評価 ) 算数の各単元が終了後に, 単元の授業評価を実施している 昨年の 2 年生の 1 学期の授業評価の結果である 結果を授業改善に生かしている