器械運動 C 井上建男 ( 福岡 ) 冨沢孝 ( 長野 ) 依田隆生 ( 長野 ) 角田晃 ( 長野 ) 跡部定一 ( 長野 ) Ⅰ 研究テーママット運動を子どものものに ~ 子どもの自発性と教師の指導性を踏まえた学習指導を通して~ Ⅱ 研究内容 1 授業作りを行う上で 必要なこととは何か ( 1) 授業の前に把握すること 1 生徒の実態 ( 運動経験を取れ得る マット運動の経験 ) 2 生徒から見た特性 3 知っている技 出来る技調査 ( 2) 教師の願い ( 授業に対する ) を持つこと 1 連続技を行わせたい ( 柳町 : 角田先生 ) A: 後転 ( 必修 ) B: 開脚後転 C: 開脚前転 D: 倒立前転 B C Dのいずれか二つ選択 E: 自分の入れたい技 A B C D Eの組み合わせは自由 実態の把握から授業を仕組む必要がある ( 教師の願いと生徒実態がつながらないと授業展開が難しい ) ( 3) クラスの実態の把握が必要 アンケート調査 個人追究 ( 個人スパイラル ) ( 4) 単元展開について考える必要がある 1 スパイラル型 1 2 3 4 5 6 7 オリエン めあて1 今できる技で ( フォーム 回数 ) 発 テーション 技を楽しむ 表 ( 技調べ 試 す しの動き ) めあて2やりたい技に挑戦する る 目指す姿の ( できそうな新しい技 ) 明確化 -1-
1ステージ型 1 2 3 4 5 6 7 オリエン 発 テーション 表 ( 技調べ 試 す しの動き ) る 目指す姿の 明確化 2 授業つくりの実際 ( 1) 単元名器械運動長野市立柳町中学校授業者角田晃教諭 1 年 4 組 ( 男子 19 名 女子 19 名 計 38 名 ) ( 2) 運動の特性 1 一般的特性 転がる 回る 跳ぶなどの自分の体をコントロールすることが楽しい 新しい技への挑戦やつなぎの工夫をしたり バランスを入れよりスムーズに技を連続して高めたりしていくことが楽しい運動である 2 柳町中 1 年 4 組の子どもから見た特性マット運動に対して A 心的状況 あまり経験がないが 少しやってみたい という意識の生徒たちが多い 倒立系の技にあこがれる生徒が多い 自分の良いところを人前で発表しても苦にならない 技を増やしたいと思っている 経験 体験が無いため自信が無くやり方が分からないため 失敗すると恥ずかしい ( 痛いのでは ) と思う生徒も少なくない 会話の中で 克服型? 達成型? の違いとは 達成型 出来る技をさらに高める楽しさ マットでは 財産増やし ( 克服 ) 組み合わせ ( 達成 ) B 技能レベルの幅 廊下でハンドスプリングをやったり それをまねる子ども達の姿がある ( 芝生の上でやっている男子の姿 ) 前転はほとんどの子どもができる 後転については 経験していないので出来ない子が大部分である 経験が余りないため 技の財産が少ない子が多い -2-
予備調査の反応や小学校での経験が少ないという状況と 反面 廊下でハンドスプリングを行う生徒の姿を考えると 技能についてはかなりの差がありそうである マットの連続技への意識は低い C 楽しい体育学習 の準備状況 リレーの学習では タイムを短縮するために 何をどうしたいか などのめあてを持ちながら取り組んできた めあてを達成するために 教師の支援を素直に取り入れてできる しかし 自分でまたは グループで自ら具体的な練習方法を取り入れていくことは不十分である 克服型の楽しみや経験が少ない子ども達である ( 3) マット運動を子どものものにするために ( 教師の願い込めて ) 1 生活班で連続技 ( 子どもの意識にはないが ) を見合い高めていく ( 関わりを大切にしながら ) 2ポイントカードを使って ( 手立てとして ) 自分の出来ないことを知り 共に助言や関わりを持ちながら課題を解決していく 3できない技をできるようにして マット運動の楽しさを味わってほしい ( 4) 学習のねらいと道すじ 1 学習のねらいマット運動のたくさんの技の種類を知り 自分の能力に合わせていろいろな楽しみ方で運動したり できそうな新しい技に挑戦したりしてマット運動を楽しむことができる 2 学習の道すじねらい1 今できる技で 楽しむ ( フォーム 高さ 速さ 時間 回数 距離 組み合わせ) ねらい2 できそうな新しい技に挑戦して楽しむ ( 5) 学習と支援の計画 ( 全 10 時間 ) 単元展開 次ページからの表参照 Ⅲ 成果と残された課題 一般的特性と子どもから見た特性を生かして 学習のねらいと道筋を位置付け 学習の支援と計画を立てることができた ( 長野提案を生かして ) 研究部にあったカリキュラムという所まで学びが深まらなかった 本時案の作成にまでに至らなかった -3-
( 5) 学習と支援の計画 ( 全 10 時間 ) 単元展開 配時 1 2 3 1 学習の準備とめあての確認をする オリエンテーション グループごとにマットの準備や場づ 準備運動をする 1 学習の見通しを持つ 今日のめあてを確認する 単元全体の流れとねらいをつかむ 2 めあて1の活動をする 一時間の学習の進め方を知る グループと活動場所を知る 今できる技で マット運動を楽しむ 安全の約束とマナーを知る 本時のめあてを知る 準備運動をする アップをかねて今 できる技での マットの準備や場作りをする できる技を連続し 楽しみ方を広 今自分のできる技を知り 学習の見通しを持とう て行う げる 自分にあった楽しみ方をしている生徒やグループを紹介する 2 財産調べをする A: いつもできる B: だいたいできる 3 めあて2の活動をする C: できない できそうな新しい技で マット運動を 3 本時のまとめをする 本時を振り返り 次時のねらい1とねらい2を学習カードに記入する アドバイスや場の できそうな新し 後片付け 工夫を学ぶ 技のポイントや場の作り方を積極的に指導する 4 学習のまとめをする 今日の学習を振り返って学習カード 感想を出し合う 後片付けをする 良かった事や残された課題を生かし 取り組みに良かった生徒やグループ できる技やできそうな技を調べて めあて1: できる技 めあて1 今ある自分の力を知ろうとしている の中から自分にあっ できる技で友達と 目指 単元の見通しを持って自分ができる た楽しみ方を選んで す子 ようになりたい技を考えている いる ども の姿 めあて2: できそう めあて2 な技の中から自分の やりたい技を友達 やりたい技を選んで いる -4-
( 5) 学習と支援の計画 ( 全 10 時間 ) 単元展開 4 5 6 7 8 9 10 くりを行う 発表会 できるようになった技を フォーム 回数 高さ 時間 速さ 距離 組み合わせを工夫して行う 今までの時間でできるようになった技を組み合わせて つなぎや構成を工夫して行う できる技で友達と関わる方法や場 技のポイントを意識しながら活動する 用具の活用の仕方を紹介して ように助言する 友達同士で見合った 楽しみを広げさせる り VTR で技のできばえを確認させる 楽しむ い技を 資料の活用 アドバイスや補助 VTR の利用 場の工夫をして 獲得をしていく 学習資料を活用させながら主体 どのポイントができていないのか気 的に練習させる 付かせるように教師から発問する 友達同士でできていないポイン 示範ビデオをみたり補助してもらっ トを見合ったり コツを教えあ たりしてできるイメージを持たせる ったりして練習方法を考えさせ できていないポイントを繰り返し練 る 習させたり その基礎となる動きに 立ち返って練習させたりする に記入する て 次時のめあてを設定させる を賞賛し 全体に広め 意欲を高める めあて1 関わったり 場や用具を工夫してい できる技を組み合わせて スムーズにつな る いだり 技のつなぎを工夫している 同士で教えあったり 場や用具を工夫しながら練習している めあて2 やりたい技を自分にあったやり方で練習している -5-