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( 別記報告様式 1 ) 記載例 2 感染症等 ( 疑 ) 発生報告票 1 報告年月日 平成 1 9 年 4 月 1 日 ( 日 ) 1 5 時 0 0 分現在 2 施設等の名称 学校法人 函館学院 函館保健所幼稚園 ( 種 別 ) ( 私立幼稚園 ) 4 報 告 者 職 氏 名 園 長 名 函 館

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

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6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

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10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

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症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

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A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

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熊本県感染症情報 ( 第 14 週 ) 県内 165 観測医の患者数 (4 月 4 日 ~4 月 10 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 10 8 ヘルパンギーナ 6 5 咽頭結膜熱 A 群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

感染拡大攻略法 ~流行前から備えるべし~

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手洗いについて できてる? 手を洗う機会 ( 利用者 入所者 ) 来所時 食事前後 トイレ後 外出後 粘土など共有のリハビリ用品等を触った後 動物を触った後 手が汚れてしまった後 手を洗う機会 ( 看護 介護職員 ) 来所時 ( 通勤後 ) 調理時 配膳時 食事介助時 薬を扱う時 トイレの手伝い後

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熊本県感染症情報 ( 第 31 週 ) 県内 170 観測医の患者数 (7 月 28 日 ~8 月 3 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 0 1 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 7 0 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

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今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

菌名原因食品及び感染したときの症状特徴 黄色ブドウ球菌 原因食品 : 弁当 おにぎりなど潜伏期間 :1~5 時間症状 : 吐き気 おう吐 下痢 腹痛などの症状が現れます ヒトや動物の化膿した傷口やおできなどに存在し 食品に付着し増殖するときに毒素を作ります 毒素は熱や乾燥に強い性質があります ウエル

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事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

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70 例程度 デング熱は最近増加傾向ではあるものの 例程度で推移しています それでは実際に日本人渡航者が帰国後に診断される疾患はどのようなものが多いのでしょうか 私がこれまでに報告したデータによれば日本人渡航者 345 名のうち頻度が高かった疾患は感染性腸炎を中心とした消化器疾患が

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インフルエンザ等感染症に対する健康危機管理について 呉特別支援学校には, 慢性心疾患や慢性呼吸器疾患等, 感染症に罹患すると重症化するリスクのある児童生徒 が在籍しています また, 体調不良を自分で訴える事や, 咳エチケット等の衛生管理をする事が難しい児童生徒 も多数おり, 感染が拡大しやすい状況と

胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要

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各都道府県介護保険担当課 ( 室 ) 各保険者介護保険担当課 ( 室 ) 各介護保険関係団体御中 厚生労働省老健局高齢者支援課 介護保険最新情報 今回の内容 高齢者介護施設における感染対策マニュアル ( 平成 25 年 3 月 ) の送付について 計 105 枚 ( 本紙を除く ) Vol.319

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

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HCR NEWS 飛まつ感染の予防対策 : 咳エチケット 飛まつ感染の感染予防として 最も期待できるのは 咳エチケット です 1 咳やくしゃみをする場合はハンカチ タオル ティッシュなどで口を覆い 周囲の人に飛まつを浴びせないようにする 2 ハンカチ タオル ティッシュがない場合は手のひらではなく

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する

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東京大会と感染症サーベイランス ~ 普段とどこがちがうのか ~ 疾患疫学が変化する可能性 多数の訪日外国人の流入 多くのマスギャザリングイベント 事前のリスク評価に基づいたサーベイランスと対応の強化の必要性を検討する 体制構築の観点から 行政と大会組織委員会の責任範囲と協力体制の構築が必要 国内移動

(案の2)

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

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第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

Ⅰ 第 30 週の発生動向 (2017/7/24~2017/7/30) 1. 手足口病については むつ保健所管内で警報が発令されました 東地方 + 青森市保健所管内 弘前保健所管内 上十三保健所管内で警報が継続しています 三戸地方 + 八戸市保健所管内では 定点当たり報告数の増加が続いており 警報レ

感染対策の基礎知識 1 感染対策の原則 感染成立の 3 要因への対策と 病原体を 1 持ち込まない 2 持ち出さない 3 拡げないが基本です 感染成立の 3 要因と感染対策 感染症は 1 病原体 ( 感染源 )2 感染経路 3 宿主の 3 つの要因が揃うことで感染します 感染対策においては これらの

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水いぼ ( 伝染性軟属腫 ) ウイルスによる感染症で, 主に 7 歳以下の乳幼児がかかります いぼの中身はウイルスと変質した皮膚からなる白い塊です 掻いてつぶれると広がります 症状潜伏期間は 14~50 日 1~3mm 程度の水っぽい光沢のあるいぼがわきの下, わき腹, 首, 肘などにきますが, か

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

【事務連絡】高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版

名称未設定

Transcription:

20 1 23 東京都福祉保健局健康安全室 1

本日の内容 Ⅰ. 感染症に関する指導の法的根拠等 Ⅱ. 感染症について Ⅲ. 施設内で流行しやすい感染症 Ⅳ. 感染予防の実際 Ⅴ. 感染症対策のために必要なこと 2

Ⅰ. 感染症に関する指導の法的根拠等 第 5 条 ( 医師等の責務 ) 2 病院 診療所 老人福祉施設等の施設の開設者及び管理者は 当該施設において感染症が発生し 又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない 第 15 条 ( 感染症の発生の状況 動向及び原因の調査 ) 都道府県知事は ~ 感染症の発生の状況 動向及び原因を明らかにするため必要がある ~ 必要な調査をさせることができる 3

社会福祉法人及び社会福祉施設等指導検査実施方針 17 福保指指第 195 号平成 17 年 5 月 10 日 2 利用者保護とサービスの質の向上 (4) 安全対策の徹底感染症 ( 特にインフルエンザ レジオネラ症 食中毒 ) 予防対策が徹底されているか 4

指導検査項目 ( 小規模通所授産施設 指定障害者支援施設 児童養護施設 ) 施設内において感染症が発生し 又は蔓延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない 食中毒 感染症の発生を防止するための措置等について 必要に応じ保健所の助言 指導を求めるとともに 密接な連携を保つこと 5

指導検査項目 ( 小規模通所授産施設 指定障害者支援施設 児童養護施設 ) 観点 感染症の予防対策を講じている 感染症発生時には 速やかに地域の医療機関と連携し また保健所等へ報告しているか 関連法令 平成 17 年 2 月 22 日付雇児発 022001 号厚生労働省通知 社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について 6

社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告 健発第 0222002 号 薬食発第 0222001 号 雇児発第 0222001 号 社援発第 0222002 号 老発第 0222001 号平成 17 年 2 月 22 日 1 社会福祉施設等においては 職員が利用者の健康管理上 感染症や食中毒を疑ったときは 施設長は必要な指示を行うこと 4 社会福祉施設等の施設長は 次のア イ又はウの場合は 市町村等の社会福祉施設等主管部局 併せて保健所に報告し 指示を求めるなどの措置を講ずること 7

障害福祉サービス関係 自己点検票 運営に関する基準 確認事項 衛生管理等 感染症が発生しないように予防に努めているか 感染症が発生し 又 蔓延しないように必要な措置を講ずるよう努めているか 必要に応じ保健所の指導 助言を求め 密接な連携を保っているか 従業員の清潔の保持及び健康状態について必要な管理を行っているか ( 備品の常備等 ) 指導監査部指導調整課ホームページ 8

Ⅱ. 感染症について 感染症とは? 感染成立の三要素 感染と発症 障害を持つ方の特徴 9

感染症とは? 細菌やウイルスなどの病原体が体内に入り いろいろな症状を起こす病気のこと < 細菌 > カンピロバクター O157 赤痢サルモネラ A 群溶連菌黄色ブドウ球菌等 <ウイルス> アデノウイルスエンテロウイルスロタウイルスノロウイルスインフルエンザ RSウイルス風疹 水痘等 10

感染成立の三要素 ウイルスや細菌を体内に入る方法飛沫 接触 経口感染など 宿主 ウイルスや細菌が増殖できる場所抵抗力の弱い人 感染経路 感染源 ウイルスや細菌をもつ物や人食品 患者 保菌者 11

感染と発症 体外 体内 細菌 ウイルス 汚染 感染 腸管 増殖 発症 下痢おう吐発熱 12

障害がある方の特徴 症状が顕在化しにくい 既往疾患をもっている ( 免疫機能 身体機能の低下がある場合 ) 二次感染をおこしやすい生活パターン ( ふれあいが多い 排便後のケア等 ) 13

Ⅲ. 施設内で流行しやすい感染症 入所者及び職員にも感染が起こり 媒介者となる感染症集団感染を起こす可能性がある感染症インフルエンザ 結核 感染性胃腸炎 ( ノロウイルス ) 腸管出血性大腸菌感染症 ノルウェー疥癬など 健康な人に感染を起こすことは少ないが 感染抵抗性の減弱した人に発生する感染症 MRSA 感染症 緑膿菌感染症など * 冬に流行する代表的な感染症と消化器系の 感染性胃腸炎 ( ノロウイルス ) 呼吸器系の インフルエンザ 14

ノロウイルス 流行時期感染経路症状診断方法経過潜伏期間治療その他 11 月 ~3 月冬場に多い 食品媒介感染 接触感染 飛沫感染が主 吐気 おう吐 下痢 腹痛 発熱 症状やノロウイルスの証明 感染後 24~48 時間で 吐気 おう吐 下痢 腹痛 発熱などの症状が出るが 通常 3 日以内に回復 * 口から入り小腸粘膜で増加 少量のウイルスで感染 1~2 日 (24~48 時間 ) 対症療法 消毒 15

ノロウイルスの感染経路 二枚貝 16

ノロウイルスの消毒 他の微生物などと比べると熱に強く 85 で 1 分以上の加熱が必要 逆性石鹸 アルコールの消毒効果は十分ではない 塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムが効果あり 17

施設内で感染が広がる要素 ~ ノロウイルスを例に ~ 宿主 手洗い 感染経路 感染源 職員の手から 患者のおう吐物 食品 ( 従事者 ) 食材 18

インフルエンザ 流行時期感染経路症状診断方法経過潜伏期間治療その他 例年 12 月 ~3 月下旬 飛沫感染が主 * 飛沫感染 突然の発症 38 を超える発熱 上気道炎症状 全身倦怠感などの全身症状 * かぜ との鑑別 症状やインフルエンザウイルスの証明 典型例には 突然の発熱で始まり 高熱が 3 日程度続き しばしば全身倦怠感や筋肉痛などの全身症状を伴う 一般に 1 週間程度で軽快 1~5 日 ( 平均 3 日 ) 1 月末 ~2 月上旬にピーク 1~2 メートル程度 対症療法 抗インフルエンザウイルス薬 インフルエンザ予防接種 高齢者への注意 消毒 19

施設内で感染が広がる要素 ~ インフルエンザを例に ~ 宿主 予防接種 うがい 手洗い 感染経路 感染源 患者との接触 同部屋 職員から 見舞い客から 20

集団発生事例 探知 1 月 15 日 医療機関の医師から連絡 入所施設からおう吐 下痢症状の人が出て 往診した 情報 知的障害者入所施設( 利用者 100 名 職員 50 名 ) 入所者の平均年齢 30 歳 1 月 15 日 ( 月 ) 現在 利用者 10 名以上から おう吐 下痢症状がある 医師が往診したが 感染性胃腸炎の疑い 保健所 初動調査へ 21

22

施設でできること ( 例 ) 手洗いの徹底 おむつ交換時の場所や処理方法の確認 おう吐物の処理方法の確認 排泄物 おう吐物の物品整備 清潔区域( 調理室等 ) と不潔区域 ( 汚物処理室等 ) の確認 利用者と職員の健康状態の確認 集団でするイベントの自粛 職員への周知について 職員の健康管理 保護者への周知について 施設嘱託医へ連絡 所管課への連絡 保健所への連絡 23

Ⅳ. 感染予防の実際 手洗い 1 ケア 1 手洗い ケア前後の手洗い 便 おう吐物の処理 入浴 手を触れる場所や身のまわりの物 24

手指洗浄不足部位 25

手洗いの手順 26

排泄物 おう吐物の処理 -1 27

排泄物 おう吐物の処理 -2 28

おう吐物の処理時の換気 おう吐物等の処理時とその後は 大きく窓を開けるなどして換気する 換気設備 ( 換気扇等 ) がある場合には運転させる 29

入浴 症状がある人 ( 患者など ) は 最後に浴槽に入るかシャワーのみにするようにする 30

手を触れる場所や身のまわりの物の 清潔 消毒 施設内で人が直接手を触れる場所は 汚染される可能性があり 定期的に消毒する 例 ) 手すり ドアノブ 水道の蛇口 机 引き出しの取っ手 車椅子の押し手 トイレなど 31

標準予防策 感染症の発生の有無に関わらず 常に実施すべきこと 項目手洗い手袋マスク利用者の配置 便 おう吐物等に触れた後 手袋を外した後 他の患者に接する前に 便 おう吐物等に触れる前に 使用後 非汚染物 環境面に触る前 他の患者のところに行く時は外し 手洗いをする 便やおう吐物等が飛び散って 目 鼻 口を汚染しそうな時 衣類が汚染しそうな時 具体的な内容 汚れたガウンはすぐに脱ぎ 手洗いをする 環境を汚染させるおそれのある利用者は個室に入れる 32

Ⅴ. 感染症対策のために必要なこと 平常時対応 施設に持ち込まれないようにすることが施設内感染防止の基本 円滑に対応できるよう平常時の訓練の実施 施設内感染対策委員会の設置 * 予防 発生した際の行動計画の策定など 発生時対応 行動計画に従った対応 関係機関との連携 ( 保健所 協力医療機関 都担当部局等 ) 33

感染対策委員会の役割 施設内感染対策の立案 指針 マニュアル等の作成 施設内感染対策に関する 職員への研修 新入所者の感染症の既往の把握 入所者 職員の健康状態の把握 感染症の発生時の対応と報告 各部署での感染対策実施状況の把握と評価 委員会の構成 幅広い職種を例 ) 施設長 ( 施設全体の管理責任者 ) 事務長 ( 事務関係 ) 医師 看護師 ( 医療面 ) 介護職員 ( 現場 ) 栄養士 ( 食事面 ) 34

感染対策のために 施設管理者 利用者の特徴 施設の特性を理解 感染に対する知識の習得 施設内活動の推進 ( 感染対策委員会 研修等 ) 施設外活動の実施 ( 情報収集 行政への連絡等 ) 職員の労務管理 職員 自分の健康管理 ( 感染源 媒介者にならない ) 等 * 感染対策は 利用者の安全管理の視点からきわめて重要であり 利用者の安全確保は施設の責務 35

参考 東京都福祉保健局 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/ 東京都健康安全研究センター http://www.tokyo-eiken.go.jp/ 国立感染症研究所感染症情報センター http://idsc.nih.go.jp/index-j.html 社会福祉施設等におけるノロウイルス対応標準マニュアル http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/noro_manual.html 社会福祉施設のための感染症対策 Q&A http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shidou/kansen/mokuji.htm インフルエンザ施設内感染予防の手引き http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/pdf/03.pdf 今冬のインフルエンザ対策について http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html 36