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切断者の義足装用の現状について 身体障害者手帳情報および 5 年間の義足判定からの考察 仙台市障害者総合支援センター ( ウェルポートせんだい ) 佐藤廣之 後藤美枝 石川洋子 北川佳世 1. はじめに 従来, 四肢切断 ( 以下 切断 ) に至る原因の多くは, 交通事故や労働災害などの外傷およ 1) び後遺症, 腫瘍, 炎症, 循環障害, 奇形, 神経性疾患等で占められていた 近年, 高齢化社会が加速する中, 生活習慣病の増加に伴い, 切断に至る原因にも変化が見られ, 糖尿病性壊疽, 閉塞性動脈硬化症による末梢循環障害 (PAD) 等が要因と考えられる下肢切断が増えてきていることが各学会等で報告されている 医療機関では, 切断治療として, 手術, 義肢製作, 義肢装着訓練, 歩行訓練などが行われ, 生活機能の獲得を通じて自宅復帰, 社会復帰を目指してきた しかし昨今の医療制度改革等により, 医療機関における治療期間が短縮化し, 切断者の義肢製作等に変化が生じている 注 1) 医療機関における治療用義肢製作, 装着訓練, 歩行訓練などを経ることなく, 仙台市障 1) 害者総合支援センター ( 以下 本支援センター ) の義肢判定において, 更生用義肢注支給を希望する方が散見されるようになった また, これまで義肢を使用している切断者も高齢化し, 義肢に係る様々な支援が必要になっている 今回我々は, 義肢の中でも義足に着目し, 義足装用に関する現状を客観的に把握するため, 身体障害者手帳情報から下肢切断者の状況について調査した さらに本支援センターの過去 5 年間の義足判定の調査も行い, 義足装用に関する現状とその課題について考察した ( 注 1) 治療用義肢 : 治療用に用いられる義肢 更生用義肢 : 障害者 ( 児 ) の日常生活や社会参加 ( 就学 就労など ) の便宜を図る ため, 失われた身体機能を補完 代替することに用いられる義肢 2. 国や仙台市における施策の現状について 厚生労働省の障害者実態調査の報告の中で, 平成 13 年 ~1 年の 5 年間において, 上肢切断者は,9. 万人から.2 万人に減少し, 下肢切断者は,4.9 万人から 6.0 万人に増加と報告されている 3 ) このような数字の背景には, 様々な理由があると言われている 補装具の活用は, 切断者の日常生活の自立, 社会参加の獲得方法のひとつとして位置づけられ, その定義は補装具費支給制度において, 障害者の身体機能を補完 代替し 日常生活や就労, 就学に用いる用具であり, 障害者が自立し社会参加する上でもべースとなるものである と述べられている 1 ) 仙台市においては, 政令指定都市への移行に伴い, 身体障害者福祉法第 11 条に基づき, 平成 4 年に身体障害者更生相談所を設置し, 補装具判定および専門相談 ( 助言, 技術的援助 ) を開始した その後, 平成 25 年 1 月より, 障害のある方の自立及び社会参加を総合的に支援

する機能を有する本支援センターを開設し, 支援を継続している 4 ) 3. 身体障害者手帳情報に基づく切断調査 (1) 切断者の現状と調査方法本市における身体障害者手帳 ( 以下 身障手帳 ) の取得者は,31,66 人であり, 本市人口の約 3% に相当する また, 肢体不自由により障害認定を受けた方は,16,77 人であり, 身障手帳取得者全体の 54% を占めている ( 平成 26 年 3 月 31 日現在 ) 今回, 切断者の現状把握にあたっては, 本市が保有する身障手帳取得者の情報を用いている また, 調査対象者の抽出に際しては, 以下の2つの条件を設定した 1 昭和 25 年 4 月 ~ 平成 25 年 3 月末まで身障手帳を取得したもの 2 身障手帳情報に 切断 欠損 と記載されていること ( 脳血管障害は省く ) その結果, 上記条件に該当する切断件数は 912 件, そのうち上肢切断は 602 件, 下肢切断は 310 件であった 今回の報告は, 下肢切断の調査結果について報告する (2) 調査結果ア. 切断件数 ( 表 1)( 表 2) 下肢切断件数 310 件の内訳は, 青葉区 73 件, 宮城野区 60 件, 若林区 50 件, 太白区 72 件, 泉区 55 件 身障手帳等級は,1 級 26 件,2 級 14 件,3 級 133 件,4 級 137 件 性別は, 男性 234 件, 女性 76 件であり, 男性が女性の約 3 倍である 下肢切断件数 310 件のうち, 更生用義足判定件数は,19 件 (63.%) 逆に, 更生用義足未判定件数は,112 件で, 約 4 割を占める 青葉区宮城野区若林区太白区泉区 ( 表 1) 下肢切断の現状 4 60 44 50 30 40 55 36 下肢切断更生用義足 73 72 1 級 2 級 3 級 4 級 ( 表 2) 身障手帳等級別 0 50 100 150 26 14 133 137 イ. 切断部位 ( 表 3) 下肢切断部位は, 大腿切断 135 件, 下腿切断 155 件, 股関節切断 2 件, 膝関節切断 2 件, サイム 足部切断 2 件, 中足骨 足指切断 14 件であり, 大腿切断 (46%) と下腿切断 (50%) でほとんどを占める 原因別分類として,1 ( 交通事故, 労働災害, 火傷 ),2 末梢循環障害 ( 閉塞性動脈硬化症, 糖尿病性壊疽 ),3 悪性腫瘍 ( 骨肉腫 ),4 炎症 ( 慢性骨髄炎, ガス壊疸 ),5 先天奇形,6 神経性疾患 ( 二分脊椎, 脊髄損傷 ),7 原因疾患未記載, その他とし, 切断部位とクロス集計した 結果は下記表 3のとおりであり, 以下

のことがわかった Ⅰ: による切断は, 大腿切断と下腿切断が多い Ⅱ: 末梢循環障害による切断は, 下腿切断が圧倒的に多い Ⅲ: 悪性腫瘍や炎症による切断は, 大腿切断が多い Ⅳ: 股離断, 膝離断およびサイム 足部切断は, 切断自体が少ない 足指切断サイム 足部切断膝関節離断股関節離断下腿切断大腿切断 0 50 100 150 200 ( 表 3) 原因別による切断部位 ( 交通事故 労働災害 火傷 ) 末梢循環障害 ( 糖尿病性壊疽等 ) 悪性腫瘍 ( 骨肉腫 ) 19 歳未満 20~39 歳 先天奇形 神経性疾患 ( 二分脊椎 脊髄損傷 ) 原因疾患未記載 その他 40~59 歳 60~79 歳 0 歳以上 0 100 200 ( 表 4) 年齢別疾患別内訳 末梢循環障害 ( 糖尿病性壊疽等 ) 悪性腫瘍 ( 骨腫瘍 ) 先天奇形 原因疾患名不明 神経性疾患 その他 ウ. 年齢別 ( 表 4) 切断に至った年齢は,60~79 歳が最も多く,4 割を占め, 以下 40~59 歳と続き,0 歳以上 (2 割 ) となる 件数結果は,19 歳未満 3 件,20~39 歳 33 件,40~59 歳 3 件,60 ~79 歳 127 件,0 歳以上 64 件である 原因疾患別に分類した結果, 以下のことが伺えた Ⅰ: による下肢切断は, どの年代においても見られる Ⅱ: 末梢循環障害による切断は,40 歳代から見られ,60~79 歳代で一番多い Ⅲ: 悪性腫瘍および炎症は, 切断件数は少ないが, どの年代にも見られる エ. 末梢循環障害の推移 ( 表 5) 切断件数における末梢循環障害の切断割合を, 昭和 25~63 年は集約し, 平成については,2 年きざみで集約したものをグラフ化した その結果, 以下のことがわかった Ⅰ: 末梢循環障害による切断は, 平成 2 年ごろから増加が見られる Ⅱ: 平成 15 年以降に増加が著しく,40% を超える年も見られる

( 表 5) 切断による手帳取得における末梢循環障害の割合 0% 20% 40% 60% 0% 100% S25~63 H 1~2 H 3~4 H 5~6 H 7~ H 9~10 H11~12 H13~14 H15~16 H17~1 H19~20 H21~22 H23~24 糖尿病以外 糖尿病切断件数 オ. 更生用義足未製作について ( 表 6)( 表 7) 下肢切断件数 310 件のうち, 更生用義足判定を受けていない件数は,112 件であった その 112 件について, 原因疾患別に分類した なお分類にあたり, 身障手帳に診断名の記載がない場合は, 原因疾患名不明に分類 他県にて身障手帳取得した方の中で, 身障手帳の本支援センターにそのデーターがない場合はその他に分類した ( 表 6) その結果, 1 1 件,2 末梢循環障害 42 件,3 悪性腫瘍 2 件,4 炎症 4 件,5 先天奇形 3 件,6 神経性疾患 0 件,7 原因疾患名不明 37 件, その他 6 件であり, (1 件 ) と末梢循環障害 (42 件 ) が比較的多いことがわかった と末梢循環障害については, 年齢別にも分類し比較した ( 表 7) その結果, 末梢循環障害は明らかに 60 歳以上で急増している ( 表 6) 疾患別内訳 ( 表 7) 年齢別疾患別 1 末梢循環障害 末梢循環障害 ( 糖尿病性壊疽等 ) 悪性腫瘍 ( 骨腫瘍 ) 先天奇形神経性疾患原因疾患不明 ( 死亡含む ) その他 2 4 3 0 6 37 42 19 歳未満 20~39 歳 40~59 歳 60~79 歳 0 歳 ~ 0 2 2 6 11 23 (3) 得られた知見 今回の調査から, 以下の点が判明した 1つめは, 下肢切断者に対する更生用義足判定者の割合である 本支援センターにおいて更生用義足の判定件数は 19 件であり, 下肢切断者数の 64% である そのほとんどが, 医療機関において治療用義足の制作を経て, 更生用義足判定に至っている 本支援センターにおいて更生用義足判定を受けた方は, 生活場面において義足を活用しており, 身体機能 生活機能の維持に一定の効果が認められた 一方, 残りの 36% の下肢切断者については, 更生用義足判定は受けていない これらの切断者については, 車椅子やその他の補装具 ( 松葉つえなど ) により, 身体機能を補完し

ているものと推測されるが, その実態は不明である 2つめは, 切断に至る原因についてである 切断原因として, ( 交通事故, 労働災害, 火傷, 骨折 ) は多いものの, 糖尿病性壊疽, 閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害が, 平成 2 年から増加し, 平成 14 年以降では, 全下肢切断原因の4 割を占める年もあることが分かった このことは, 先の澤村らの兵庫県における, 身体障害者手帳が発行されている約 205,000 人のうち, 昭和 45 年から平成 16 年までの 35 年間の四肢切断者に対して行った調査において, 糖尿病性壊疽や閉塞性動脈硬化症による下肢切断が, 190 年代より増加していると報告されている 2) 本市においても増加を示した年に違いはあるが, 先の調査報告と類似する傾向を示していることがわかった 3つめは, 切断に至る年齢である 切断は 60~70 歳代が多く,127 件であった 40~ 59 歳の 3 件を凌いでいる この年代の傾向として, 切断に至る原因が末梢循環障害によるものが多い これまで切断といえば, による場合が多く, 現役世代 ( 労働従事世代 ) にも多く見られていた しかし末梢循環障害による切断増加に伴い,60 歳以上の切断も急増していることがわかった ここでは身障手帳情報の視点から, 下肢切断者の現状把握を試みた結果, 知見と併せて課題を知る機会となった 上記課題については, 別の視点からも調査分析を行うこととし, 次に最近 5 年間 ( 平成 21 年 4 月 ~ 平成 26 年 3 月末 ) の本支援センターの義足判定から切断者の現状について調査 分析を行った 4. 仙台市障害者総合支援センターにおける義足判定 5 年間の実績に基づく調査 (1) 現状と調査方法本支援センターでは, 補装具 ( 肢体不自由, 内部, 聴覚 音声言語, 視覚 ) 判定を実施している 平成 25 年の補装具判定実績は, 肢体不自由判定件数は 72 件である そのうち義足判定件数は 52 件である 4) 今回の調査では, 本支援センターにおいて, 平成 21 年 4 月 ~ 平成 26 年 3 月末における義足判定を実施した切断者を対象とした なお, 脳血管障害による下肢切断は省いている (2) 調査結果ア. 判定数 ( 表 )( 表 9) 平成 21 年 4 月 ~ 平成 26 年 3 月末における義足判定件数は,250 件である 年度別内訳は, 平成 21 年度 45 件, 平成 22 年度 50 件, 平成 23 年度 50 件, 平成 24 年度 53 件, 平成 25 年度 52 件である 5 年間の平均義足判定数は 50 件 そのうち新規更生用義足判定件数は平均 件である 切断部位は, 大腿切断 6 件 (34%), 下腿切断 131 件 (52%), 股関節離断 2 件, 膝関節離断 3 件, サイム 足部離断 20 件 (%), 足指切断 件である

( 表 ) 判定数 ( 新規 継続 ) 50 40 30 20 10 0 39 42 41 6 9 45 45 7 新規継続 足指切断サイム 足部離断膝関節離断股関節離断下腿切断大腿切断 3 2 20 6 131 H21 H22 H23 H24 H25 0 50 100 150 ( 表 9) 切断部位別内訳 イ. 原因別 ( 表 10)( 表 11) 年度別に原因疾患を割合で表した結果が, 表 10 である 原因疾患別は, 身障手帳情報に基づいた調査同様,1 ( 交通事故, 労働災害, 火傷 ),2 末梢循環障害 ( 閉塞性動脈硬化症, 糖尿病性壊疽 ),3 悪性腫瘍 ( 骨肉腫 ),4 炎症 ( 慢性骨髄炎, ガス壊疽 ),5 先天奇形,6 神経性疾患 ( 二分脊椎, 脊髄損傷 ),7 原因疾患名不明, その他とした 結果は以下のとおりである Ⅰ:, 末梢循環障害による切断で, 約 6~7 割を占める Ⅱ: 平成 24 年以外の 4 年間は, 同様な傾向を示している H21 H22 H23 H24 H25 0% 50% 100% ( 交通事故 労働災害 火傷 骨折 ) 末梢循環障害 ( 閉塞性動脈硬化症, 糖尿病性壊疽 ) 悪性腫瘍 ( 骨肉腫他 ) 先天奇形 神経性疾患 原因疾患名不明 ( 表 10) 原因別 ( 割合 ) 表 11 は, 原因疾患を切断部位別に分類したものである 結果は以下のとおりである Ⅰ: による切断は, 大腿切断と下腿切断に多い Ⅱ: 末梢循環障害による切断は, 下腿切断が圧倒的に多い Ⅲ: 悪性腫瘍による切断は, 比較的大腿切断に多い Ⅳ: 炎症, 先天奇形は, 下腿切断と大腿切断の差異は見られない

足指切断サイム 足部離断膝関節離断股関節離断下腿切断大腿切断 0 50 100 150 ( 表 11) 原因疾患と切断部位 ( 交通事故 労働災害 火傷 骨折 ) 末梢循環障害 ( 閉塞性動脈硬化症, 糖尿病性壊疽 ) 悪性腫瘍 ( 骨肉腫他 ) 先天奇形 神経性疾患 原因疾患名不明 その他 ウ. 年齢別 ( 表 12) 切断に至った年齢について, 原因別に分類した 内訳は,1~19 歳未満 2 件,20~39 歳 41 件,40~59 歳 71 件,60~79 歳 94 件,0 歳以上 42 件という結果を得た 結果から以下の特徴が伺えた Ⅰ: による切断は, 各年齢群とも多く見られる Ⅱ: 末梢循環障害による切断は,60~79 歳群で一番多い Ⅲ: 悪性腫瘍による切断は,20~40 歳,40~59 歳群に比較的多い Ⅳ:0 歳以上の切断が, 全切断の約 2 割を占め, 末梢循環障害の要因が多い ( 表 12) 原因別年齢別内訳 0 50 100 19 歳未満 20~39 歳 40~59 歳 60~79 歳 0 歳以上 末梢循環障害 ( 糖尿病性壊疽等 ) 悪性腫瘍 ( 骨腫瘍 ) 先天奇形原因疾患名不明神経性疾患その他 エ. 年度ごとの切断による手帳取得と新たに更生用義足判定した件数の比較 ( 表 13) 平成 25 年度は, 他の4 年間よりも少ないが, 平成 21~24 年度にかけては, 切断により新たに身障手帳を取得した平均件数は 1 件で, 身障手帳後に初めて更生用義足判定した件数は, 平均 7 件であり, 少ない傾向は変わらなかった ( 表 13) 新規切断件数と新規更生用義足件数 新規切断者 ( 手帳情報 ) 来所判定者 ( 義肢判定 ) H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H25 年度 6 7 9 10 7 1 19 17 19

(3) 得られた知見本調査により, 本市における更生用義足判定の傾向を改めて確認することができた 5 年間の更生用義足判定件数は 250 件, 年間平均更生用義足判定件数 50 件, そのうち新規更生用義足平均判定件数 件である 切断部位は, 下腿切断と大腿切断に多く, 切断原因は,, 糖尿病や閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害の順に多いこと この結果は, 先の身体障害者手帳情報の結果と相関している 新規更生用義足判定を受けた方の中には, 少数であるが, 治療用義足未製作者も含まれていた 更生用義足判定では, これまで治療用義足を製作した切断者が, 更生用義足の判定を受けていたが, この結果は, 医療機関の切断治療から始まる義足製作の流れの変化を読み取るきっかけになるのではと考え, 今後も同調査を実施し, 傾向を分析していきたいと考える 5. まとめ 今回, 身体障害者手帳情報に基づいた調査と5 年間の本支援センターにおける判定調査の両面から, 義足装用に関する現状把握を試みた結果, 以下の課題を見つけるに至った 1つめは, 末梢循環障害による切断に関することである 末梢循環障害による切断が増加していること その背景には, 最近では糖尿病による切断が9 割を占め, 切断部位は下腿切断に多く,60~79 歳代がピークであること また 0 歳以上の切断でも, 末梢循環障害による切断割合が多いことである 日本糖尿病学会では, 糖尿病による切断は, 非外傷性の切断原因の第一位であり, 全国で年間 3,000 人が切断に至っていると報告されている 5)6) これを当市の人口に当てはめて考えてみると, 身障手帳の取得状況や更生用義足判定に結びついている件数とに大きな解離があると考えられる 医療機関において, 切断後の在宅復帰に向け, 義足の活用以外にも車椅子などの他の補装具活用した生活機能の獲得が勧められ, 身障手帳を取得しないまま退院を迎えることもあると聞く 特に 65 歳以上の切断者においては, 介護保険の対象であり, 車椅子レンタルによる在宅復帰の道もある 切断者のうち, どの程度の方が車椅子レンタルを活用し, 在宅復帰をはたしているのか, その実態把握が課題である 2つめは, 身障手帳取得した切断者において, 更生用義足判定を受けていない方が 4 割存在していることである 予想以上に更生用義足判定を受けていないように感じた その現状把握をさらに深めることも課題である 3つめは, 切断に至る原因として, 末梢循環障害によるものや高齢者にも多いことから, 断端形成において成熟が進まず, なかなか義足が装着できる状態までに回復しないことが背景にあることが予想でき, 義足の情報 義足訓練などが十分に提供されず, 更生用義足判定につながりにくくなっているのではないか その現状を探るうえでも, 医療機関における切断後の治療用義足制作の現状について調査を深めることも今後の検討課題である

引用文献 1) 財団法人テクノエイド協会 : 特例補装具 判定困難事例集 :p12,2010 2) 澤村誠志 他 : 義肢学第 2 版医歯薬出版株式会社,p5-59,2013 参考文献 1) 川村次郎 他 : 義肢装具学第 3 版医学書院,p26-2,2004 2) 注 1: 伊藤利之 : 補装具費支給マニュアル- 適正実施のためのQ&A-,p32,229,2007 3) 厚生労働省 : 福祉行政報告, 障害者実態調査 4) 仙台市障害者総合支援センター事業概要 ( 平成 25 年版 ):p1,p,p15,2013 5) 日本糖尿病学会 : 健健日本 21 の糖尿病対策検討委員会作成パワーポイント p1~14 6) 米田千賀子. 才藤栄一 : 糖尿病切断の疫学. Monthly Book Medical Rehabilitation. No133.pp2-5, 全日本病院出版 7) 梅澤慎吾, 他 : 血管原性切断高齢者の義足リハビリテーション. 日本フットケア学会雑誌 : 12(2),2014 ) 義肢装具サポートセンター 現況: 公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター : p2-11,2014 9) 岡安健, 他 : 高齢大腿切断の理学療法.PTジャーナル 46:1065-1079,2012