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伊藤塾 Topic15 [ 供託 ] 供託法全般 4 1 [ 執行供託 ] 総説 1 執行供託とは (1) 意義 執 供託とは 事執 などの手続において 目的物の管理と執 当事者への交付を供託 続により うことで 執 続の円滑化およびの救済を図ることを目的とする供託の ことです 要するに 事執 の目的である 銭を当事者に交付するための供託です が に対して 万円の 銭債権 [ ] を有している場合に の債権者である甲 が を差し押えたときは は につき に弁済すべきだった 万円を供託すること ができます 執行債権者甲 差押え 供託所 供託 執行裁判所の振分けにより債権者に公平に配当する 用語解説 この事例では を 執 債権者 を 執 債務者 C を を 被差押債権 と呼びます 2 権利供託と義務供託 執 供託においてするがする供託には 権利供託 と 義務供託 の2つのパターンがあります (1) 権利供託.. 権利供託とは が差押えなどに係る 銭債権の額に相当する 銭を権利としてで きる供託のことをいいます すなわち が債務を免れるために供託によることもできる のが権利供託です (2) 義務供託... 義務供託とは が差押えなどに係る 銭債権の額に相当する 銭を義務としてし なければならない供託のことをいいます すなわち が債務を免れるために供託以外 の方法を認めない のが義務供託です.. - 151 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 3 管轄 銭債権に対する差押えなどによってが供託をする場合 [ 執 供託 ] はその債務の履 地の供託所に これをしなければなりません ( 執 156 条 1 項 2 項 ) これは に負担をかけない趣旨です 執行供託 は多くの受験生が苦手とする分野ですが 出題のパターンはある程度決まっているので 権利供託 か 義務供託 をパターン別に押さえていくことで 攻略することが可能です 2 [ 執行供託 ] 差押えがあった場合 1 単発の差押えがあった場合 銭債権に対して差押えがあった場合 は ➊ 差押えに係る部分に相当する 銭 または➋ 差押えに係る債権の全額を供託することができます [ 権利供託 ] ( 執 156 条 1 項 昭 55.9.6 四 5333 号 ) 甲が の に対する 万円の につき その一部である 60 万円について差押えをし た場合 は 60 万円 または 万円 を供託することができます 執行債権者 甲 差押え 60 差押 60 補足知識 の全額である 万円について差押えがされたときは その全額に相当する 万円について供託することができます [ 権利供託 ] 被差押債権の全額 万円差押金額 60 万円 権利供託 上記のケースで権利供託とされているのは 銭債権による差押えがされた場合 は債権者である執 債務者に対する弁済が禁 されるところ 差押債権者が取 てに来ないときは 遅延損害 の発 を防ぐことができなくなるので の保護を図るために 供託による免責を認めたものです (4) 注意点 上記 ➊➋ 以外の任意の額を供託することはできません 上記 ➋が認められているのは 本来 は1 回の弁済で免責されたはずであるところ 差押 額とそれ以外の 額に分けて弁済をする 度 間を省く趣旨であるため あえて複数回の弁済 為が必要となるような供託を認めるべきではないからです - 152 -

伊藤塾 2 差押えの競合があった場合 銭債権に対して差押えが競合した場合 は 被差押債権の全額に相当する 銭を供託しなければなりません [ 義務供託 ]( 執 156 条 2 項 ) のに対する 万円のにつき 甲がその一部である70 万円について差押えをした後 乙がの50 万円について差押えをした場合 は 万円 を供託しなければなり ません 執行執行債権者債権者差押え差押え甲 70 50 乙 差押 70 競合 の全額 万 差押 50 義務供託 上記のケースで義務供託とされているのは 1 の債権者による独占的な取 てを阻 して 執 裁判所の関与のもとで 債権者間の公平な配当を確保し その配当 続で債権者平等の 原則を実現する趣旨です (4) 注意点 そもそもに弁済する義務がない場合には 供託の義務は課せられません すなわち 被差押債権の弁済期が未到来のときや 反対給付と同時履 の関係にあるときは 供託する 義務を負いません が関与しない他 間の執 続に巻き込まれたことによって 本 来は弁済する義務のない場合にまで供託の義務が課されるのは不合理だからです - 153 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 3 配当要求があった場合 銭債権の 部の差押えがされ その差押えに対して配当要求があった場合も 差押債権... 者による独占的な取 てを阻 するために は その差押えに係る部分に相当する 銭を供託しなければなりません [ 義務供託 ]( 執 156 条 2 項 ) のに対する 万円のにつき 甲がその一部である60 万円について差押えをした後 乙がの甲による差押えについて配当要求をした場合 は60 万円を供託しなければ なりません 補足知識 この場合 被差押債権の全額である 万円について供託することもできます ( 民執 156 条 1 項 ) 執行 配当要求 債権者 権者 差押え 60 乙 甲 配当要求 差押額 60 万 配当要求 差押 60 義務供託 の全額 万 供託可 上記のケースで義務供託とされているのは 1 の債権者による独占的な取 てを阻 して 執 裁判所の関与のもとで 債権者間の公平な配当を確保し その配当 続で債権者平等の原則を実現する趣旨です 配当要求は他人の差押えに便乗する手続なので 差押範囲は拡大しません そのため に義務供託が課されるのは あくまで 差押えに係る部分 であることに注意しましょう - 154 -

伊藤塾 3 [ 執行供託 ] 仮差押えがあった場合 1 単発の仮差押えがあった場合 銭債権に対して仮差押えがあった場合 は ➊ 仮差押えに係る部分に相当 する 銭 または ➋ 仮差押えに係る債権の全額を供託することができます [ 権利供託 ]( 保 50 条 5 項 執 156 条 1 項 昭 55.9.6 四 5333 号 ) これは 銭債権に対して単発の差押えがあった場合と同様 の取扱いです 甲は の に対する 万円の につき その一部である 60 万円について仮差押えを した場合 は 60 万円 または 万円 を供託することができます 執行債権者 甲 仮差押え 60 仮差押 60 補足知識 の全額である 万円について仮差押えがされたときは その全額に相当する 万円について供託することができます [ 権利供託 ] の全額 万円仮差押金額 60 万円 権利供託 2 仮差押えと差押えの競合があった場合 仮差押えと差押えが競合しているときは 仮差押えと差押えの前後を問わず は 債権の全額の相当する 銭を供託しなければなりません [ 義務供託 ]( 保 50 条 5 項 執 156 条 2 項 ) のに対する 万円のにつき 甲がその一部である70 万円について差押えをした後 乙がの50 万円について仮差押えをした場合 は 万円 を供託しなければな りません 執行執行債権者債権者差押え仮差押え甲 70 50 乙 差押 70 競合 の全額 万 仮差押 50 義務供託 - 155 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 上記のケースで義務供託とされているのは 差押債権者の逃げ切りを防 する趣旨です 供託をさせずに差押債権者が債権を取り てることができるとすると その後に仮差押債権者が本案訴訟で勝訴をしても 仮差押債権者は自己の取り分を十分に確保できないおそれがあります だからこそ に供託の義務を課しているのです 3 仮差押えの競合があった場合 銭債権に対して仮差押えが競合した場合 は 被差押債権の全額に相当する 銭を供託することができます [ 権利供託 ]( 平 2.11.13 四 502 号通達 ) のに対する 万円のにつき 甲がその一部である70 万円について仮差押えをした後 乙がの50 万円について仮差押えをした場合 は 万円 を供託することが できます 執行執行債権者債権者仮差押え仮差押え甲 70 50 乙 仮差押 70 競合 の全額 万 仮差押 50 権利供託 上記のケースで権利供託とされているのは 競合するのがいずれも仮差押えの場合には どちらの仮差押債権者も債権の取 てをすることができないところ 債権の取り合いになるわけではないので 公平な配当を実現させるために供託を義務付ける必要性はないからです - 156 -

伊藤塾 4 [ 執行供託 ] 滞納処分があった場合 1 意義 滞納処分とは 租税債権の強制的実現を図るため ( 租税債権を私債権に優先させる ) 滞納者の財産の差押えとその換価を経て配当に終わる手続をいいます また 滞納処分において租税債権の徴収を担当する職員のことを徴収職員といいます 強制執 等としての競売と滞納処分との調整を図るため 滞納処分と強制執 等との 続の調整に関する法律 [ 滞調法 ] が定められています 2 単発の滞納処分による差押えがあった場合 銭債権に対して滞納処分による差押えのみがあった場合 は 供託をすることができません ( 国税徴収 8 条 67 条 1 項参照 ) 国が のに対する 万円のにつき その一部である60 万円について差押えをし た場合 は供託をすることができません 国 滞納処分による差押え 60 供託 NG 滞納処分の差押 60 徴収職員に直接支払うべき 供託できない 上記のケースで供託ができないとされているのは は 滞納処分による差押 額に ついて 徴収職員の取 てに応じて弁済をすれば りるからです 3 強制執行による差押えと滞納処分による差押えの競合が生じない場合 強制執 による差押えと滞納処分による差押えが競合していない場合 ➊ は......... 滞納処分による差押 額について供託をすることができませんが ➋ 被差押債権の 額から滞 納処分による差押 額を控除した額または強制執 による差押えの差押 額ついては 供託を することができます ( 執 156 条 1 項 昭 55.9.6 四 5333 号 ) の に対する 万円の につき 甲がその一部である 60 万円について強制執 によ. - 157 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 る差押えをした後 国がの30 万円について滞納処分による差押えをした場合 は ➊ 滞納処分による差押えを受けた30 万円について供託することはできませんが ➋ 被差押債権の 万円から滞納処分による差押 額の30 万円を差し引いた70 万円または強制執 による差押えの差押 額の60 万円を供託することができます 執行債権者差押え 60 甲 滞納処分による差押え 30 国 差押 60 滞納処分の差押 30 全額 - 滞納処分の差押金額 70 万円差押金額 60 万円 権利供託 もともと 被差押債権の 万円から滞納処分による差押金額の 30 万円を差し 引いた 70 万円の債権だった と考え そこに単発の差押えがされたものと考え ると分かりやすいでしょう 強制執 による差押えと滞納処分による差押えが競合していない場合 は 滞 納処分による差押 額について 徴収職員の取 てに応じて弁済をすれば りるため その分を 除いて 強制執 による差押えがあったと捉える処理になっています 4 強制執行による差押えと滞納処分による差押えの競合 1 ~ 滞納処分による差押えが先行する場合 ~ ➊ 銭債権の 部につき滞納処分による差押えがされた後 ➋ 強制執 による差押えがさ れ 競合が生じた場合 は 差押えに係る債権の全額を供託することができます [ 権利供託 ]( 滞調 20 条の 6 第 1 項 ) の に対する 万円の につき 1 国がその一部である 70 万円について滞納処分 による差押えがされた後 2 甲が の 50 万円について強制執 による差押えをした場合 は 万円 を供託することができます 国 執行 1 滞納処分に債権者よる差押え 2 差押え 70 50 甲 1 滞納処分の差押 70 競合 2 差押 50 の全額 万 権利供託 - 158 -

伊藤塾 租税債権は私債権に優先するので ( 国税徴収 8 条 ) は 供託をせずに徴収職員の 取 てに応じて弁済をすれば りるところ ( 国税徴収 67 条 1 項 滞調 20 条の 5 参照 ) 公平な配当の確保の ために 執 裁判所に関与させる という義務供託の趣旨が妥当しないから 義務供託とはなりま せん しかし は 1 回の弁済で免責されたはずであるところ 滞納処分の差押 額とそれ 以外の 額に分けて弁済をする 度 間を省く趣旨であるため 差押えに係る債権の全額の供 託を権利供託として認めています 5 強制執行による差押えと滞納処分による差押えの競合 2 ~ 強制執行による差押えが先行する場合 ~ ➊ 銭債権の 部につき強制執 による差押えがされた後 ➋ 滞納処分による差押えがさ れ 競合が生じた場合 は 差押えに係る債権の全額を供託しなければなりません [ 義務供託 ]( 滞調 36 条の 6 第 1 項 ) の に対する 万円の につき 1 甲がその一部である 70 万円について強制執 による差押えをした後 2 国が の 50 万円について滞納処分による差押えをした場合 は 万円 を供託しなければなりません 執行債権者 甲 1 差押え 70 2 滞納処分による差押え 50 国 1 差押 70 競合 の全額 万 2 滞納処分の差押 50 義務供託 上記のケースで義務供託とされているのは 差押債権者の逃げ切りを防 する趣旨です すなわち 供託をさせずに強制執 の差押債権者が債権を取り てることができるとすると 租税債権は私債権に優先する というルールと矛盾します ( 国税徴収 8 条参照 ) そこで に供託の義務を課すことによって ( 滞調 36 条の6 第 1 項 ) 執 裁判所の関与により両 続が調整され 上記のルールに沿った公平な配当を確保する仕組みがとられています - 159 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 6 仮差押えと滞納処分による差押えの競合 仮差押えと滞納処分による差押えが競合しているときは 仮差押えと滞納処分による差押えの前後を問わず は 債権の全額の相当する 銭を供託することができます [ 権利供託 ]( 滞調 36の12 第 1 項 20 条の6 第 1 項 ) のに対する 万円のにつき 1 甲がその一部である70 万円について仮差押えをした後 2 国がの50 万円について滞納処分による差押えをした場合 は 万円 を供託することができます (2 1 の順序の場合も同様 ) 執行債権者 甲 1 仮差押え 70 2 滞納処分による差押え 50 国 1 仮差押 70 競合 の全額 万 2 滞納処分の差押 50 権利供託 仮差押債権者については 直接取 権を有さず 配当 続も われないことから 滞納処分が先 して競合するか 仮差押が先 して競合するかで結論に違いは じません すなわち 租税債権は私債権に優先するので ( 国税徴収 8 条 ) は 供託をせずに徴収職員の取 てに応じて弁済をすれば足りるところ ( 国税徴収 67 条 1 項 滞調 20 条の5 参照 ) 公平な配当の確保のために 執 裁判所に関与させる という義務供託の趣旨が妥当しないから 義務供託とはなりません しかし は1 回の弁済で免責されたはずであるところ 滞納処分による差押 額とそれ以外の 額に分けて弁済をする 度 間を省く趣旨であるため 差押えに係る債権の全額の供託を権利供託として認めています - 160 -

伊藤塾 5 [ 執行供託 ] 供託の性質と手続等 1 弁済供託と執行供託の違い (1) 弁済供託の手続ア払渡請求 弁済供託がされた場合 被供託者は供託を受諾して還付請求権を 使することができ 供託者は供託不受諾を理由として取戻請求権を 使することができます イ手続弁済供託をする場合には 被供託者が還付請求権を取得することとの関係で 供託の申請の際に提出する供託書の被供託者欄には被供託者の住所 氏名を記載することを要し 被供託者に対する供託通知が必要となります 供託者 供託所 供託金 万円 取戻請求権 還付請求権 供託通知 被供託者 (2) 執 供託の 続 ア払渡請求 1 執 債権者の還付請求権 ( 支払委託 ) による執 供託がされた場合 債権者に対して公平な配当を うため 払渡 続は執 裁判所の配当の実施としての 払委託に基づいて われます ( 執 166 条 1 項 1 号 156 条 1 項 ) 具体的には 執 裁判所の裁判所書記官は 払委託書を作成し これに供託書正本を添付して供託所に送付するとともに ( 執規 145 条 61 条 ) 払渡請求権者に対しては支払証明書を交付します そして 払渡請求権者は 供託物払渡請求書に支払証明書を添付して 供託所に払渡請求をします ( 供託規則 30 条 2 項 ) そのため 供託の時点では 被供託者として還付請求権を有する者は存在しないことになります 用語解説 支払委託 執行裁判所の配当により供託物を払い渡す場合に その執行機関が主導権を握って行われる払渡手続のこと 支払委託に基づいて配当 ➊ 支払委託 債権者に公平に割り振り 払渡請求書 50 支払証明書 供託所 ➌ 提出 支払請求者 執行裁判所 50 ➋ 支払証明書を交付 に 50 万円 に 万円を配当して - 161 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 2 の取戻請求による執 供託がされた場合 は 供託により債務を履 して免責を受けたところ 取戻請求を認める実益がないため 取戻請求をすることができません ( 昭 55.9.6 四 5333 号参照 ) イ手続 1 事情届による執 供託がされた場合 は 執 裁判所に対して 供託書正本を添付して 供託した旨を届けなければなりません [ 事情届 ] 執 供託の払渡しは裁判所の配当の実施として 払委託に基づいて われるところ 事情届を供託者に義務付けることで 供託された事実を執 裁判所に知らせるようにしているのです 2 被供託者の記載 供託通知の要否供託の時点では 被供託者として還付請求権を有する者が存在しないこととの関係で 供託書の被供託者欄にも被供託者の住所 氏名を記載することを要しません また 被供託者に対する供託通知も不要です 弁済供託と執行供託の比較 弁済供託 払渡請求 被供託者 還付請求可 供託者 取戻請求可 手続 供託書に被供託者を記載 供託通知が必要 執行供託 執行債権者 支払委託で執行裁判所から配当 取戻請求不可 事情届を執行裁判所等に提出 が供託する金銭のうち 差押金額の部分についてされた供託は 執 供託 これを超える部分についてされた供託は 弁済供託 の性質を有します ( 差押えの効力が及んでいないから ) 2 差押えに基づく執行供託 (1) 銭債権の 部に差押えがされ 全額が供託された場合 基本事例 甲が のに対する 万円のにつき その一部である60 万円について差押えをした場合において がの全額である 万円 を供託した ア性質 銭債権の 部に差押えがされて その被差押債権の全額が供託された場合 差押 額に相当する部分は 執 供託 差押 額を超える部分は 弁済供託 の性質を有します 事例 差押金額である60 万円の性質が 執行供託 それ以外の 40 万円の性質が 弁済供託 となります - 162 -

伊藤塾 執行債権者 甲 イ払渡請求 差押え 60 の全額 万円を供託 差押 60 60 執 供託 40 弁済供託 供託 1 弁済供託の性質を有する部分差押 額を超える部分については 弁済供託の性質を有するため 被供託者である執 債務者は 供託を受諾して還付請求をすることができ 供託者であるは 供託不受諾を理由として 取戻請求をすることができます ( 昭 55.9.61 四 5333 号 496 条 ) 2 執 供託の性質を有する部分差押 額については 執 供託の性質を有するため 執 債権者は 払委託により還付を受けることができますが は取戻請求をすることができません ( 昭 55.9.6 四 5333 号 執 166 条 1 項 1 号 ) なお 供託後に差押命令が失効した場合であっても は 供託原因の消滅を理由として取戻請求をすることができません は 供託により債務を履 して免責を受けたところ 取戻請求を認める実益がないからです 事例 弁済供託の性質を有する40 万円の部分に関して は被供託者として供託を受諾して還付請求をすることができ は供託不受諾を理由として取戻請求をすることができます 執行供託の性質を有する60 万円の部分に関して 甲は 支払委託により還付を受けることができますが は取戻請求をすることができません ウ手続差押 額については 執 供託の性質を有するため は 執 裁判所に対して 供託書正本を添付して 供託した旨を届け出なければなりません [ 事情届 ] 差押 額を超える部分については 弁済供託の性質を有するため 被差押債権の全額を供託する場合には 供託書の被供託者欄には執 債務者の住所 名を記載することを要し ( 規 13 条 2 項 6 号 ) 執 債務者に対する供託通知も必要となります 事例 は 供託の際に 執行裁判所に対して事情届をしなければなりません また 供託書の被供託者欄にはの住所 氏名を記載することを要し に対する供託通知も必要となります - 163 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 (2) 銭債権にされた差押えが競合し 全額が供託された場合 基本事例 のに対する 万円のにつき 甲がその一部である70 万円について差押えをした後 乙がの50 万円について差押えをした場合において がの全額である 万円 を供託した ア性質 銭債権にされた差押えが競合し 全額が供託された場合 債権全額が差押 額に当たるため 執 供託 の性質のみを有します 事例 供託された 万円全額が 執行供託 の性質となります 執行執行債権者債権者差押え差押え甲 70 50 乙 差押 70 執 供託 の全額 万円を供託 供託 差押 50 イ払渡請求の可否債権全額につき執 供託の性質を有するため 執 債権者は 払委託により還付を受けることができますが は取戻請求をすることができません ( 昭 55.9.6 四 5333 号 執 166 条 1 項 1 号 ) 事例 執行供託の性質を有する 万円の全額に関して 甲は 支払委託により還付を受けることができますが は取戻請求をすることができません ウ手続 債権全額につき執 供託の性質を有するため は 執 裁判所に対して 供託書正本を添付して 供託した旨を届けなければなりません [ 事情届 ] しかし 弁済供託の性質を有する部分はないため 供託書の被供託者欄には執 債務者の住所 名を記載することを要しませんし 執 債務者に対する供託通知も不要となります 事例 は 供託の際に 執行裁判所に対して事情届をしなければなりません - 164 -

伊藤塾 3 仮差押えに基づく執行供託 基本事例 甲は の に対する 万円の につき その一部である 60 万円について仮差押え ( 仮差押解放 :50 万円 ) をした場合において が の全額である 万円 を 供託した (1) みなし解放 仮差押に基づいてされたによる供託は 本来はその債権者である仮差押債務者に対して 払うべき 銭の供託です そのため が仮差押えの執 がされた 銭債権の供託をした場合には 仮差押債務者が仮差押解放 に相当する 銭を供託したものとみなされます [ みなし解放 ]( 保 50 条 3 項 ) この場合 の供託によって その債権者である仮差押債務者が還付請求権を取得し 仮差押えの執 の効 は 仮差押解放 の限度で仮差押債務者の有する還付請求権の上に移 します ( 平 2.11.13 四 5002 号 ) コメント 仮差押解放金は 本来は自身が供託すべきですが が仮差押えによる供託をした場合にも 仮差押解放金が供託された扱いにしているのです 事例 が供託した 万円のうち 仮差押解放金として定められている50 万円については が仮差押解放金を供託したものとみなされます そして は 万円の還付請求権を取得し 仮差押えの執行の効力は 仮差押解放金の50 万円の限度で の還付請求権の上に移行します 裁判所 仮差押 60 仮差押解放金は 50 万円とする 甲執行債権者 60 万円を供託 みなし解放 仮差押の執行 50 還付請求権の上に移行 還付請求権 (2) 性質が供託した 額のうち 仮差押の執 の部分は 執 供託の性質を有します この部分に関しては 仮差押の執 の効 が及ぶものの 仮差押債務者が還付請求権を取得する関係で 弁済供託的な要素もあります これに対して 仮差押えの執 の効 が及ばない部分は 弁済供託の性質を有します 仮差押の執行の部分は 仮差押の執行の効力が及ぶものの 仮差押債務者が還付請求権を取得する関係で 弁済供託的な要素もあります そのため 試験対策上 執 供託 (+ 弁済供託 ) の性質を有すると考えるとよいでしょう 事例 仮差押解放金である 50 万円の性質は 執行供託 (+ 弁済供託 ) となり それ以外 の 50 万円の性質は 弁済供託 となります - 165 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 仮差押 60 仮差押解放金 50 50 執 供託 10 40 弁済供託 供託 (3) 払渡請求の可否 アみなし解放 に相当する部分みなし解放 に相当する部分に関しては 仮差押債権者が本案訴訟で勝訴して本執 として差押えをした場合 供託 の払渡しは 執 裁判所の配当の実施としての 払委託に基づいて われます ( 平 2.11.13 四 5002 号 執 166 条 1 項 1 号 156 条 1 項 2 項 ) イ仮差押の執 の効 が及ばない部分仮差押えの執 の効 が及ばない部分は弁済供託の性質を有するため 被供託者である仮差押債務者は 供託を受諾して還付請求をすることができ 供託者であるは 供託不受諾を理由として 取戻請求をすることができます ( 平 2.11.13 四 5002 号 496 条 ) 補足知識 みなし解放金に相当する部分を除く仮差えの執行の部分に関しては 仮差押債務者は供託を受諾して還付請求をすることができますが は取戻請求をすることができません ( 平 2.11.13 民四 5002 号 ) 事例 みなし解放金に相当する 50 万円 に関しては 甲が本案訴訟で勝訴して差押えをした場合 執行裁判所の支払委託に基づいて甲に払渡しがされます 仮差押えの執行の効力が及ばない 50 万円 に関しては は供託を受諾して還付請求をすることができ は供託不受諾を理由として 取戻請求をすることができます (4) 手続仮差押に基づいてが供託した場合 みなし解放 に相当する 銭につき 仮差押債務者が還付請求権を取得する関係で 供託書の被供託者欄には仮差押債務者の住所 氏名を記載することを要し ( 規 13 条 2 項 6 号 ) 被差押債務者に対する供託通知も必要となります ( 平 2.11.13 四 5002 号 ) 事例 は 供託の際に 執行裁判所に対して事情届をしなければなりません また 供託書の被供託者欄にはの住所 氏名を記載することを要し に対する供託通知も必要となります 6 [ 執行供託 ] 差押禁止債権に対する差押えがあった場合 1 序説 退職手当その他給与に関する債権 [ 給与債権 ] に関しては 原則として その4 分の1に相当する部分についてのみ 差押えをすることができます [ 差押禁止債権 ] ( 執 152 条 1 項 2 号 同条 2 項 ) これは 労働者に最低限度の 活を保障するという社会政策的な観点から 債権の差押えが一部禁止されているのです 2 重要先例 ➊ 退職手当債権のうち差押えが許容される部分について差押えが競合する場合には 差し押えに係る債権の全額に相当する 銭を供託することができます ( 昭 58.11.22 四 6653 号 ) - 166 -

➋ 給与債権のうち差押えが許容される部分に対して差押えがされた場合において は 給与の全額を供託することができます ( 執 156 条 1 項 昭 55 決議 ) 差押禁止債権に対する差押えがあった場合に関しては 差押えが許容される部分 (4 分の1) が全額の債権 と捉えて これに対して 差押えがされた場合と差押えが競合する場合と考えると分かりやすいでしょう 7 払渡請求権に対する強制執行 伊藤塾 補足知識 ➋ の場合 供託がされた給与債権の 4 分の 3 については が還付請求権を取得しますが 他の債権者は その残部に係る還付請求権を差し押さえることができません これは 生活保障のために給与債権の 4 分の 3 について差押えを禁止した趣旨を没却させないためです 1 意義 供託物の払渡請求権 ( 取戻請求権 還付請求権 ) は実体上の債権であるため 強制執 の対象となり 通常の債権執 と同じ 続で強制執 が われます すなわち 払渡請求権に対する差押えの執 は 執 裁判所が発する差押命令を ( 供託所 ) および債務者に送達する 法によって われます ( 執 145 条 3 項 ) 2 払渡請求の可否 (1) 差押えの競合が生じていない場合 払渡請求権に差押えがされた場合において 競合が生じていないときは 差押債権者は 差押命令に基づく取 権を 使し ( 執 155 条 1 項 ) または転付命令を得て( 執 159 条 ) 供託所に対して供託 の払渡請求をすることができます ( 昭 四 5333 号 ) (2) 差押えの競合が生じている場合払渡請求権にされた差押えが競合した場合や 差押えと配当要求があった場合には 供託所は払渡しをすることができません この場合 複雑な配当 の計算を裁判所に委ねるため に当たる供託官は 先に送達された差押命令を発した執 裁判所に事情届をしなければなりません ( 昭 55.9.6 四 5333 号 平 2.11.13 四 5002 号通達 執 156 条 2 項 3 項 執規 138 条 3 項 ) 補足知識 民法上 質権者は 質権の目的である債権について から直接に取り立てることができます [ 直接取立権 ] そのため 払渡請求権に質権の設定を受けた質権者は 債権執行に方法により供託金の払渡しを請求するほか 質権に基づき 供託所に対して直接に供託金の取立てをすることができます ( 民 366 条 1 項 ) - 167 - これでわかる! 民事手続法基礎完成講座

司法書士試験 MEMO - 168 -