石川県水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 水稲作付面積については 昭和 60 年の 37,700ha から 平成 25 年では 26,900ha と作付 面積で約 10,000ha 作付率で約 30% と大きく減少したものの 本県の耕地面積に占める水稲作 付面積の割合は

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2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

( 別記 ) 大玉村地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン ( 案 ) 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 当該地域は 水田面積に占める主食用水稲の割合が 69% で 転作作物に占める割合としては飼料作物が多く 次にそば 野菜がある しかしながら 主食用米の需要が減少する中で さらに他の転作

新規前年度継続 ( 変更あり ) 前年度継続 加工用米助成 ( 基幹作物 ) 豊郷町農業再生協議会整理番号 2 加工用米 ( 基幹作物 ) 1,079 円 /10a 参考となる 3 1,300 円 /10a 豊郷町では加工用米を地域振興作物に位置付けている 一定品質を確保するために 種子更新を行って

(5) そば収穫量の年次変動が大きいが 比較的栽培が容易であるため 適正品種を選定し 団地化による作付面積の拡大を図る また 排水対策 ( 額縁明渠等 ) や適期播種などを徹底し 単収 品質の向上に取り組む (6) 野菜等ア地域基盤作物江府町内で比較的 作付けが多く 生産部会が設置されているなど生産

江府町地域協議会活用明細

第5回 農地・農村部会 資料 /8

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(3) 大豆 飼料作物ア大豆栽培適地が多くないため 大幅な作付拡大は困難な状況であるが 適地を中心に継続した作付推進に取り組む イ飼料作物耕作放棄地の増加が見込まれる中 自給粗飼料の安定確保 二毛作による土地利用率向上等にも有効で 耕畜連携とあわせて推進を図る また 那岐 富沢地区を中心に和牛の水田

水田活用の直接支払交付金実施要領 農林水産省生産局長通知 制定平成 26 年 4 月 1 日付け 25 生産第 3561 号 第 1 趣旨 水田活用の直接支払交付金の実施については 経営所得安定対策等実施要綱 ( 平成 23 年 4 月 1 日付け22 経営第 7133 号農林水産省事務次官依命通知

米及び畑作物の直接支払交付金を受ける方は 対象作物ごとに生産数量目標を必ず記入してください 経営所得安定対策の交付金に係る営農計画書 主食用水稲の生産数量目標 主食用水稲は 生産調整方針作成者等から通知された 生産数量目標 単収 作付面積 ( 換算値 ) を記入してください 単収 が通知されていない

技術の導入による所得確保を図る 一般家庭用については, 品種特性に即して適地適作を誘導し, 良食味生産を進めるとともに, 地元銘柄の育成 ( ブランド化 ) とその増大を図る 分類区分供給先又は用途主な品種取組の方向 家庭用 ブランド米 一般向け 業務用 主食 主食非主食 百貨店, スーハ ー, イ

【千葉県事業計画】別記様式第3号別添

会見資料 27 年産水田農業にかかる JA グループの取組方針 平成 2 7 年 1 月 全国農業協同組合中央会

H30年産そば方針

はじめに 政府は 23 年度からの戸別所得補償制度に対して 8 月 31 日に概算要求案として 農業者戸別所得補償制度概算要求の骨子 を示した 国家戦略である新たな基本計画が大きな柱として位置づけた戸別所得補償制度は 農業者の経営安定と国内生産力の確保を図るための重要な政策であり 生産者の期待は大き

宮崎県における農業者戸別所得補償制度をはじめとした水田営農対策の取組状況について 1 宮崎県の農業の概要 1 全国における本県農業の位置 2 本県における農地の状況 3 本県における農業生産の状況 2 宮崎県の米生産の現状 1 栽培体系 2 生産量及び品質 ( 平成 23 年産 ) 3 品種別作付面

資料 1 30 年産 生産の目安 の基本的な考え方に対する申し入れ事項 平成 29 年 9 月 15 日北海道農協米対策本部 1. 基本的な考え方 30 年産以降 急激な需給変動が発生した場合においても 生産者の経営安定と手取りの確保を図っていくことが重要であるが 一方で産地としての供給責任を果たし

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2 麦類 ( 子実用 ) (1) 4 麦計平成 24 4 麦の作付面積 ( 子実用 ) は26 万 9,5haで 前に比べて2,2ha(1%) 減少した ( 表 8) 麦種別には 二条大麦は前に比べて7ha(2%) 増加したものの 小麦 六条大麦及びはだか麦は前に比べてそれぞれ2,3ha(1%) 3

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山形県水田フル活用ビジョン

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

はじめに 戸別所得補償制度は 食料自給率の向上を図るとともに 農業と地域を再生させ 農山漁村に暮らす人々が将来に向けて明るい展望を持って生きていける環境を作り上げていくための施策です 同時に 環境の保全や美しい景観などの農業 農村の多面的機能を維持し 我が国の資産として維持していくためのものです 昨

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

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別記様式第 3 号別添 ( 攻めの農業実践緊急対策事業都道府県事業計画 ) 攻めの農業実践緊急対策事業 都道府県事業計画書 事業実施主体名 : 石川県農業活性化協議会 ( 平成 26 年度 ) 事業実施年度 : 平成 26 年度 ~ 平成 27 年度

農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

品目別の現状と克服すべき課題 食料 農業 農村基本計画 ( 平成 22 年 3 月閣議決定 ) をもとに整理

14 現行のナラシ対策では 集落営農が加入するには 法人化計画 (5 年以内の法人化 ) が必須であるが 意欲があっても法人化に時間を要するものもある 法人化はさせたいが 現在の法人化計画は実態に合っていないのではないか 15 平成 27 年度からの経営所得安定対策では 集落営農の法人化等については

大分県農業共済組合 大分県農業共済組合作成 収入保険と既存制度の掛金及び補てん金の比較 ( 大分県 ) 品目 : 米 平均収入 100 万円作付面積 83a 単収 504kg/10a シナリオ 1 販売価格が 地域平均で シナリオ 2 販売価格が 個人のみで シナリオ 3 自然災害により 地域全体が

スライド 1

181 第1 小麦の作付面積は 全国の 56% を占める北海道では前年産並みとなったものの 都府県では 関東 九州において二条大麦への転換があった ことから 20 万 7 千 ha と前年に比べてやや減 少しました ( 図 2-17) 大麦 はだか麦の作 付面積は 5 万 9 千 ha と前年に比べ

はじめに 経営所得安定対策では 担い手農家の経営の安定に資するよう 諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する交付金 ( ゲタ対策 ) と 農業者の拠出を前提とした農業経営のセーフティネット対策 ( ナラシ対策 ) を実施しています また 食料自給率 自給力の向上を図るため 飼料用米 麦 大豆

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

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3 売れる農産物づくり (1) 農業産出額 目標 評価 755 億円 (22 年度 ) 760 億円 (25 年度 ) 755 億円 A (2) 県オリジナル品種の作付面積 141ha (21 年度 ) 197 ha (26 年度見込み ) 190 ha A (3) オリーブ牛出荷頭数 100 頭

2. 食料自給率の推移 食料自給率の推移 我が国の食料自給率 ( 総合食料自給率 ) は 長期的に低下傾向で推移してきましたが 近年は横ばい傾向で推移しています (%) (H5 ) 43 7

( 別添様式 )( 別記様式第 3 号関係 ) 攻めの農業実践緊急対策事業都道府県事業計画 神奈川 県農業再生協議会 策定 : 26 年 8 月 1 日 変更 : 26 年 10 月 9 日 第 1 第 2 目標年度 : 平成 27 年度 ( 事業実施最終年度の翌年度 ) 地域の農業生産に係る現状と

H26とりまとめ公表(生産計画認定面積)

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目次 1 地域水田農業の改革の基本的な方向 (1) 地域農業の特性 (2

輸出のターゲット市場の拡大 深掘りをするとともに 輸出用米生産に関する制度の運用を改正 現状 課題 日本食レストランを中心とした需要に留まっている中 輸出先国 地域の多様なニーズに合わせた商品の多様化 生産コストの削減による価格競争力の強化を通じ 輸出ターゲット市場の拡大 深掘りを図ることが課題 潜

4つの改革パンフ(中四局作成)

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

米の生産調整見直しをめぐる課題

新米の契約取引拡大支援事業 9,000 中核経営体の連携生産及び複数年契約等による県産米の取引モデルを確立 普及することにより 産地間競争に打ち勝つ生産体制の強化や 米価変動の影響が少ない安定した生産 供給体制の構築を図る 予算額 奨励品種 恋の予感 等の大規模流通試験 地域間連携による統一商品づく

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

II 基本政策 1 食料自給率 食料自給力の維持向上 食料安全保障の観点から 食料自給率に加え 食料自給力の理念を導入し 地域の自主性と創意工夫の活きる生産振興を図ることで 農地 担い手 技術の育成 確保を図る カロリーベース及び生産額ベース双方の食料自給率目標の達成 ( 食料 農業 農村基本計画平

27 年産以降のゲタ ナラシ対策の交付対象者 ゲタ ナラシ対策の交付対象者は 27 年産から認定農業者 集落営農に認定新規就農者を加えるとともに 規模要件は廃止しました また 交付対象となる集落営農の要件も 2 要件に緩和します 担い手の方が幅広く参加できるようになります また ナラシ移行の円滑化対

経営所得安定対策の見直し

自給飼料と耕畜連携による WCS 用イネの違い 自給飼料 畑作物 栽培者 収穫者と利用者が同じ ( 畜産農家 ) 品質は自己責任 WCS 用イネ 水田作物 栽培者と利用者が異なる場合が多い栽培者 : 耕種農家収穫調製者 : 組織体 ( コントラクター ) 利用者 : 畜産農家 品質は換金作物であるな

1 国際的な穀物需給がタイトな状況の中で、食料の多くを海外からの輸入に依存している我が国においては、農地を最大限活用し、

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H28経営所得安定対策等(関東版)

食料 農業 農村基本計画 ( 平成 27 年 3 月 31 日閣議決定 ) における飼料用米の位置づけ 飼料用米などの戦略作物については 生産努力目標の確実な達成に向けて 水田活用の直接支払交付金など必要な支援を行う旨を明記 食料 農業 農村基本計画 食料 農業 農村基本法 ( 平成 11 年 7

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みずほインサイト 政策 2013 年 12 月 19 日 減反廃止 の実情を読み解く農業の構造再編 競争力強化への効果には懸念も 政策調査部主任研究員堀千珠 政府は 2013 年 11 月に 1 いわゆる 減反廃止 2

~ 集落営農の組織化 集落営農の法人化 ~ ~ 転作大豆の引受け手 ~ 岩木大豆組合 - 青森県弘前市 - ~ 県内最大級の法人設立 ~ ( 農 ) かわにし - 青森県弘前市 - ~ 複合経営を進め経営を安定化 ~ ( 株 ) 真瀬ファーム ~ 中山間地域の担い手 ~ 大鰐営農組合 - 青森県大鰐

4つの改革パンフダイジェスト版



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以上かつ5ヘクタール以上の変動が生じた場合には 変更後の高収益作物転換計画を計画主体に提出するものとする 第 6 事業達成状況の報告 1 事業実施主体は 別記様式第 1 号により 高収益作物転換促進計画の目標年度 ( 事業完了予定年度の3 年後までのいずれかの年度とすることを原則とし 対象事業の進捗

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ⅳ 出来秋の段階で区分保管した豊作による過剰米については 豊作となった時点における需給状況等を踏まえ 以下の対応方法の中から適切な対応を行うこととする a 区分保管分を翌年の農業者別生産数量目標から減少させた上で その需要に対して 翌年の出来秋以降に古米として販売 b 配合飼料用 新規加工用 ( 米

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年社会 経済のうごき食料 農業 農村の動向と主要な施策の流れ 食料 農業 農村基本計画 の策定 00 中山間地域等直接支払制度導入 00 農地法改正 ( 農業生産法人の一形態として株式会社を位置付け ) 国際化の進展と食料 農業 農村基本法の制定 米穀同時多発テロ発生 0

独立行政法人水資源機構事業 ぐんまようすいきんきゆうかいちく群馬用水緊急改築地区 事業の概要本事業は 群馬県の中央に位置し 関東平野の西北端 赤城 榛名及び子持山麓一帯に広がった 5 市 1 町 1 村 ( 渋川市 前橋市 桐生市 伊勢崎市 高崎市 吉岡町 榛東村 ) にまたがる農地面積 6,214

員を中心として進められてきましたが 今後の町民や農家の参加をどう進めていくかについて伺います 三つ目として 美郷町の自然 歴史 環境などを解説してくれる人の協力を得られる体制整備をどう進めるかということについて伺います 次の質問として 食糧自給率向上策に向けた美郷町の米と農業政策について伺います 国

もがみがわかりゅう 事 業 名 国営かんがい排水事業 地 区 名 最上川下流 県名 山形県 さかたしさかたしやわたまちまつやままちひらたまちつるおかしふじしままち関係市町村酒田市 ( 旧酒田市 八幡町 松山町 平田町 ) 鶴岡市( 旧藤島町 ) ひがしたがわぐんしょうないまちたちかわまちあまるめまち

東部地域の農業 農地の復旧 復興スケジュール 平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 市復興ビジョン 復旧 再生期 発展 創出期 仙台の復興 仮設ポンプ設置 基盤整備対策 がれき撤去 排水機能復旧 ( 排水ポンプ場 排水路の改修等 ) 堆積土砂の除去 除塩事

( 問 2) 担い手確保 経営強化支援事業は 補助率が 2 分の 1 以内となっていますが 融資額と補助金はどのような関係となっていますか 本事業では 農業者の融資を活用した主体的な経営発展の取組を支援することから 融資の活用を要件としており 融資を主体とするいわゆる融資主体型補助事業としていること

29 宇農委第 227 号 平成 29 年 12 月 5 日 宇治市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 宇治市農業委員会 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) 第 7 条第 1 項の規定に基づき 宇治市農業委員会にかかる標記指針を下記のと

3 当該区域における今後の地域の中心となる経営体 ( 担い手 ) の状況 経営体数集落営農法人個人地区名 ( 任意組織 ) 計 村角 ( 大宮 4) 江田 山崎 ( 檍 1) 赤江 ( 赤江 2) 赤江南方 ( 赤江 5)

米穀の生産調整に関する方針

農業に関する消費税増税対策の 具体策について(案)

米の消費に関する動向 米の1 人当たりの年間消費量は 昭和 37 年度をピークに一貫して減少傾向にある 具体的には 37 年度には118kgの米を消費していたのが 平成 25 年度には その半分程度の57kgにまで減少している また 米の需要量は毎年約 8 万トンずつの減少傾向にある 米の年間 1

米に関するマンスリーレポート 新潟県版 2018 年 12 月 今月の特集 1 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 の見直しについて 農林水産省は 11 月 28 日に 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 ( 以下 国の基本指針 ) の変更を行い 平成 31/32 年の主食用米等需要量を

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石川県水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 水稲作付面積については 昭和 60 年の 37,700ha から 平成 25 年では 26,900ha と作付 面積で約 10,000ha 作付率で約 30% と大きく減少したものの 本県の耕地面積に占める水稲作 付面積の割合は 63% と高く 依然として本県農業の基幹作物となっている また 本県の水田転作の状況は 加賀地域を中心に麦 大豆 河北 中能登地域では 飼料用米 など非主食用米での転作が定着してきている このうち麦 大豆については 収量や品質面の向上 が課題となっている 一方 奥能登地域では 担い手の高齢化が進展し 農家戸数の減少とともに 不作付地が増加す るなど 農業生産のみならず 農業 農村が担う多面的機能の低下が懸念される状況にある このような状況の中 国の米政策が見直された平成 26 年度においては 過年産米の在庫に加え 26 年産米も豊作傾向から 米価は前年に比べ大きく下落しており 水稲を基幹とする本県農家経 営に大きな影響を及ぼしている このため 地域 集落の担い手や農地など地域の実情を踏まえた上で 水稲の作付面積は 前年 以上を目標とし 麦 大豆 その他転作作物の作付面積についても 産地交付金を有効に活用し 前年以上を目標として 担い手の育成 及び 水田フル活用 を進める 2 作物ごとの取組方針 基本方針 (1) 主食用米の生産について 需給環境の好転に向けて 良質米生産県として配分された生産数量目標を遵守し 配分された範囲内で主食用米の生産を最大限行う (2) 農家所得の最大化を図るため 麦 大豆及び産地戦略作物の作付拡大と産地育成を進める (3) 水稲以外の作付けが困難な地域においては 加工用米 備蓄米 輸出用米 飼料用米 WC S 用稲 米粉用米等の新規需要米の作付を進める 1 主食用米 うまい きれい石川米づくり運動 を着実に推進し 需要に対応した良食味 良質米産地として評価を高めていくことが重要である このため 本県の主力品種である コシヒカリ については 9つの重点推進技術の励行により 気象変動に強い稲体づくりに努め 1 等米比率の更なる向上を進める また コシヒカリ以外の主食用品種についても 業務用等の低価格需要にも対応すべく 収量の向上による所得の確保に努める

2 麦 大豆麦 大豆については 本県の転作における土地利用型基幹作物として産地化を進めており 共同利用施設の整備 実需者に対する安定供給を行ってきた また 水田の高度利用を図り 所得の向上を図る観点から 麦 大豆を導入し 水稲との輪作体系を構築することは重要であり 今後とも 産地戦略枠を活用して 担い手への集積 作付の団地化 水田の高度利用を進め 生産の拡大を図る 品質 単収については 麦 大豆ともに全国平均と比べ低い状況にあることから 排水対策の徹底など基本技術を着実に励行するほか 麦については 消雪後施肥の実施 大豆については 新品種 里のほほえみ への品種転換を段階的に進め 品質 単収の向上を図る 3 非主食用米麦 大豆などの畑作物の作付が困難な湿田地域においても取組が可能であり 現有の機械 装備が活用できることから 品目毎の需要に応じて最大限に作付を推進する ア加工用米 備蓄米 輸出用米主食用米と同一品種で取り組めるため 中 小規模の農業者でも対応が容易である 加工用米は実需者の確保が前提となるため 複数年契約の継続も含めた生産枠の確保とあわせて作付を進める 一方 備蓄米は国の入札での落札が前提となるため 生産枠の確保を図る また 輸出用米については 香港 シンガポール 中国等での和食ブームを背景として日本米需要が年々高まっており 輸出先での販売動向等を踏まえ 作付を拡大する イ飼料用米 今後とも主食用米の需要減退が見込まれるなか 飼料用米は非主食用米のなかでは 最も大きな需要があり 助成金を含めて安定的な手取りが見込めることから JA 全農 による買い取りの仕組み等を活用して導入を推進する 導入にあたっては 主食用米への混入 ( コンタミ ) の防止を考慮して 主食用米の品種での取組を基本とするが ほ場の団地化や共同利用施設への受入れなど生産条件が整備されている地域 生産者においては 多収性専用品種での取組や 生産農家と実需者 となる畜産農家の連携を推進する体制も整備していく ウ WCS 用稲 WCS 用稲は 加賀地区の一部で取組が見られるが 購入飼料の価格が高騰していることから 今後 耕種農家の収益確保と畜産農家の生産コスト低減を図るため 耕種農家と畜産農家との連携を進め 作付を推進する エ米粉用米

米粉用米については 全国的に需要が伸び悩んでおり 県内の作付面積も横ばいの状 況にあるが 今後 米粉製品の消費拡大とあわせて作付を推進する 4 産地戦略作物等 戦略的に水田を活用した園芸作物等の産地を育成するため 市場から要望の高い品目で 水稲農家や集落営農組織でも取り組みやすい ねぎ かぼちゃ ブロッコリー にんじん たまねぎの 5 品目のほか 従来から地域特産物として市町や地域が産地化を図ってきた作物 等について 産地戦略作物 と位置づけ 市町 JA 等関係団体と連携して重点的に生産の 拡大を図る また 作付けに当たり 産地戦略枠及び攻めの農業実践緊急対策事業等を活用して 収穫 調製作業の機械化や明渠の設置などによる排水対策など生産性の向上や ブラ ンド化やエコ栽培等の高付加価値化の取り組みを進める 5 不作付地の解消 調整水田等不作付地について 人 農地プラン の策定 見直し時に集落で話し合いを 進め 日本型直接支払制度 産地交付金等を活用して 野菜やそばなど地域の実情にあった 作物作付 地力増進 景観形成等を進め 不作付地の解消に努める

3 作物ごとの作付予定面積 作物 ( 水田 ) 平成 25 年度の 作付面積 (ha) 予定面積 (ha) (%) 作付面積 (ha) (%) 水 稲 26,724.3 26,091.9 632.5 2.4 26,149.4 575.0 2.2 主食用米 24,750.9 23,353.8 1,397.0 5.6 23,628.0 1,122.9 4.5 非主食用米 1,973.4 2,738.0 764.6 38.7 2,521.3 547.9 27.8 飼料用米 235.0 524.2 289.1 123.0 469.1 234.1 99.6 米粉用米 9.7 46.3 36.6 375.3 17.8 8.1 82.6 WCS 用稲 23.5 49.7 26.2 111.2 60.0 36.5 154.9 加工用米 928.0 804.8 123.2 13.3 796.3 131.8 14.2 うち二毛作 64.4 100.0 35.6 55.4 91.5 27.1 備蓄米 758.3 1,260.1 501.8 66.2 1,078.4 320.1 42.2 輸出用米 18.8 53.0 34.2 182.3 99.8 81.0 431.6 麦 892.7 965.5 72.8 8.2 958.8 66.1 7.4 うち二毛作 120.1 144.1 24.0 20.0 112.8 7.3 大豆 1,019.9 990.4 29.5 2.9 1,103.6 83.7 8.2 うち二毛作 171.2 189.5 18.3 10.7 188.2 17.0 飼料作物 52.4 39.8 12.6 24.1 34.0 18.4 35.1 そば 263.9 233.8 30.1 11.4 281.4 17.5 6.6 うち二毛作 81.0 71.8 9.2 11.4 82.0 1.0 産地戦略作物 260.2 281.6 21.4 8.2 337.2 77.0 29.6 ねぎ 37.0 44.0 7.0 18.8 50.9 13.9 37.6 かぼちゃ 86.1 87.9 1.8 2.0 104.0 17.9 20.8 ブロッコリー 58.4 60.2 1.8 3.0 80.0 21.6 37.0 にんじん 4.0 6.2 2.2 56.0 7.8 3.8 95.0 たまねぎ 2.5 1.7 0.8 32.0 4.4 1.9 76.0 知事特認作物 72.2 81.7 9.5 13.2 90.1 17.9 24.8 その他地域振興作物 211.0 240.5 29.5 14.0 249.6 38.6 18.3 野菜 108.0 135.0 27.0 25.0 140.3 32.3 29.9 花き 花木 20.0 17.7 2.3 11.4 29.1 9.0 45.1 果樹 7.5 15.0 7.5 100.3 8.6 1.1 15.0 雑穀 3.2 2.9 0.3 9.2 4.3 1.1 34.7 地力増進 10.7 9.1 1.6 15.2 10.5 0.2 2.2 景観形成 58.5 47.4 11.1 19.0 53.0 5.5 9.4 その他 3.1 13.4 10.3 338.8 3.9 0.8 27.7 水田計 ( 作付延面積 ) 29,424.4 28,843.4 581.0 2.0 29,114.0 310.4 1.1 うち二毛作面積 436.8 505.5 68.7 15.7 474.5 37.8 8.6 ( 水田作付実面積 ) 28,987.7 28,337.9 649.7 2.2 28,639.5 348.2 1.2 作物 ( 畑地 ) 平成 25 年度の 平成 27 年度の作付 平成 27 年度の作付 作付面積 (ha) 予定面積 (ha) 平成 28 年度の目標 平成 28 年度の作付 (%) 予定面積 (ha) (%) 水稲 161.3 170.2 8.9 5.5 170.2 8.9 5.5 主食用米 128.1 132.0 3.9 3 133.8 5.7 4.4 非主食用米 33.2 36.4 3.2 10 36.4 3.2 9.6 加工用米 33.2 41.2 8.0 24 36.4 3.2 9.6 麦 320.9 344.9 24.0 7 345.3 24.4 7.6 大麦 271.7 278.6 6.9 3 267.8 3.9 1.4 小麦 49.2 77.5 28.3 58 77.5 28.3 57.5 大豆 330.4 302.0 28.4 9 326.2 4.2 1.3 そば 12.0 13.4 1.4 12 15.0 3.0 25.0 畑地計 824.6 830.5 5.9 1 856.7 32.1 3.9 0.0 合計 ( 作付実面積 ) 30,249.0 29,673.9 575.1 2 29,970.7 278.3 0.9 ラウンドの関係で 合計 小計が内訳と一致しない場合がある

4 平成 28 年度に向けた取組及び目標 取組番号 対象作物取組分類指標 平成 25 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 ( 現状値 ) ( 予定 ) ( 目標値 ) 1 麦 ( 水田 ) 担い手への集積イ集積面積 887.3 ha 951.6 ha 956.3 ha 2 大豆 ( 水田 ) 担い手への集積イ集積面積 976.9 ha 955.4 ha 1082.2 ha 3 産地戦略作物生産の拡大ウ栽培面積 260.2 ha 281.6 ha 337.2 ha 4 WCS 用稲担い手への集積イ集積面積 23.5 ha 49.7 ha 60.0 ha 麦 大豆は輪作を進め 麦 大豆の合計面積で平成 25 年実績より拡大を目指す 分類 ア農業 農村の所得増加につながる作物生産の取組イ生産性向上等 低コスト化に取り組む作物生産の取組ウ地域特産品など ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物を生産する取組