VisionTech Inc. 文部科学省 地球観測技術等調査研究委託事業 良食味 高品質米の安定生産のための水稲生育管理への衛星データの適用実証 アグリルック
アグリルック ( 水稲圃場農業情報提供システム ) は 人工衛星の利用開拓および宇宙利用の裾野拡大を目的とする文部科学省 地球観測技術等調査研究委託事業 に 良食味 高品質米の安定生産のための水稲生育管理への衛星データの適用実証 の課題名で採択され研究開発と実証試験を行なったものです この研究開発は 持続的 安定的 効果的な米作りのための情報を提供するため 精度 -タイミング-コスト のバランスを考慮した衛星データの解析手法の開発および処理の自動化を図り 必要な情報 が 必要な時 に安定して かつ 分かりやすい形で生産現場に供される情報システムを構築すること また その情報を有効活用できる生産現場の体制を整備することを目的としました JA 北越後管内の水田約 12 万筆を対象とし 衛星観測のタイムリー性の問題や衛星観測で得られたデータが生産現場で使える情報に変換 ( 抽出 ) されていない問題など 利用や普及の障害になっている問題を解決するために以下の課題に取り組みました 1 合成開口レーダを利用した圃場単位の水田抽出 2 毎日観測されている衛星のデータを利用した時系列データによる水稲生育パターンの抽出 3 近赤外デジタルカメラによる現地観測の効率化 4 人工衛星ひまわり 6 号やアメダスのデータを利用した 1km メッシュの気温 日射量推定 5 人工衛星から観測した圃場単位の食味推定 6 情報提供のためのインターネットを利用した IT システムの開発と実証運用 毎日作成される情報は自動的に情報配信用サーバに蓄積されます ユーザーはアグリルックのホームページを介してサーバに蓄積された種々の情報から任意の情報をマウス操作で選択 閲覧することができます 生育状況の把握 予測 栽培管理に必要な 入力 データの蓄積 情報表示 解析 を一元的に行い 高品質 安定生産のための情報利用の効率化を図ります 一般に営農指針の策定や施業スケジュールの決定には農業気象情報が利用されています 提供情報に農業気象情報を加え 農業気象情報にもとづく栽培管理を踏襲するようにしました 農業気象情報と農作物の生育状況を直接観測できる人工衛星情報のコラボレーションにより 更に精密な情報提供を行います 農家 携帯電話 パソコン 気象会社 高解像度 中解像度衛星 気象データ 衛星データ配信会社 農協自治体 自社受信衛星データ 情報処理配信サーバ パソコン営農情報 作柄情報の配信 近赤外デジタルカメラ
人工衛星からのタイムリーな情報や 集計された記録の活用でこれからの農業をサポートします これからは 高精細圃場図 高解像度衛星画像を用いて圃場図の作成を行うことで 水稲作付マップ 食味マップなどは圃場図の領域ごとにマップにされるため 精 度と細密度合いが劇的に向上します これからは 水稲作付マップ 今までは 作付確認や転作 減反は実際の圃場を確認する必要があり 多くの人手と時間が必要でした 水稲作付マップは 全天候型衛星データを利用して 対象地域の 水稲作付状況を確認できます データは天候に関係なく取得でき 圃場図データをもとに毎年の情報更新が可能です 水稲作付圃場の分布図と面積集計表を同時に入手でき 市町村などの行政界ご とに作付面積を集計して 一覧表で提供できます これからは ライブカメラ 高精細圃場図表示例 圃場付近にライブカメラを設置することで パソコン等でリアルタイムに水稲の状態を確認することができます これからは 圃場データベース 水稲作付マップ表示例 3.0 圃場毎の品種 施肥状況 作付状況等の圃 場情報管理用データベースの構築を行います アグリルックからデータの入力 表示が可能で 圃場管理や特定の条件の圃場検出などが可能 になります データを蓄積することで 類似年 豊作年など過 去の年度データと比較が可能になり 栽培管理に おける的確な予測や判断をサポートします データベース表示例
様々なデータを利用して 今 を把握します 毎日観測されている衛星から取得した250mメッシュ画像データから 旬単位に生育状況の画像を作成し 画像表示 任意の地点の生育変化グラフ表示が可能です 表示機能 他年度の生育状況のグラフを併せて表示することにより 年度間の生育の推移の比較が可能です 移植日を入力することにより 出穂期 成熟期の予測が可能です 毎日の気象情報により 出穂期 成熟期の予測日は更新されます 対象地区 日本全国 データの解像度 1メッシュ (250m 250m) 配信時間 毎日午前 4 時更新 ( 前日の情報を当日 4 時に更新 ) 品種 こしひかり/ あきたこまち / ひとめぼれ / こがねもち / ゆきの精 / こしいぶき / ゆきん子舞 / わたぼうし / トドロキワセ / 越後早生 / 五百万石 / 越後麗 / ゆめひたち / キヌヒカリ / こがねもち 生育情報の画面 気象庁が観測しているアメダス気象情報から 日最高気温 日最低気温 日平均気温の1kmメッシュ画像を毎日作成し 画像表示 任意地点の時系列変化グラフ表示が可能です さらに 毎日の平均気温から有効積算温度を累積した画像とグラフが表示可能です 他年度のグラフと併せて表示することにより 生育環境の比較を行うことが可能です 表示機能 日最高気温 日最低気温 日平均気温 有効積算温度 表示機能: セミリアルタイム情報の時系列グラフ表示 セミリアルタイム情報の過去 3 年間の履歴をグラフに重ねて表示 有効積算温度は 基準年( 事前に登録 ) の情報と当該年の情報の差をもとめ 基準年との比較値を表示 ( 積算温度が前年より 高く 何日早い等 ) 対象地区 日本全国 データの解像度 1メッシュ (1km 1km) 配信時間 毎日午前 4 時更新 ( 前日の情報を当日 4 時に更新 ) 気温情報の画面 気象衛星 ひまわり で観測したデータから 日別積算日射量を推定し 1km メッシュの解像度で提供します この日積算日射量変化グラフと 積算日射量および 他年度のグラフを併せて表示することにより 日照条件の比較を行うことが可能です 毎日の農業気象情報を生育情報と複合的に利用することで より正確な産地の状況を把握することができます 表示機能 セミリアルタイム情報の時系列グラフ表示 セミリアルタイム情報の過去 3 年間の履歴をグラフに重ねて表示 積算日射量情報は 基準年 ( 事前に登録 ) の情報と当年の情報の差をもとめ 基準年との比較値を表示 ( 積算日射が前年より 高く 何日早い等 ) 対象地区 日本全国 データの解像度 1 メッシュ (1km 1km) 配信時間 毎日午前 4 時更新 ( 前日の情報を当日 4 時に更新 ) 日射量の画面
アグリルックサービスの基本情報をもとに 以下の障害予測を行います 高温登熟障害予測 白未熟粒の発生予測 死米 乳白米 背白米の多発予測 胴割粒の発生予測 配信時期 出穂期以降 胴割粒の発生予測表示例 アグリルックサービスの基本情報をもとに 10ha あたりの収穫量を予測します 配信時期 出穂期以降 収穫量予測表示例 任意の圃場付近に設置されたライブカメラの画像を見ることができます リアルタイムで水稲の状態を確認することができます ビジョンテックの屋上アンテナで直接受信した気象衛星 ひまわり の画像を 1 時間ごとに更新して表示します 圃場のライブカメラ情報 気象衛星情報 設置された気象観測装置のデータを 1 時間ごとに更新して表示します 過去データは月 年単位に表示することができます また 気温メッシュの精度向上にも利用しています 気象庁が発表している各地域の以下の天気予報情報を提供します 週間天気予報 異常天候早期警戒情報 季節予報 (1 カ月 3 か月予報 ) 気象観測情報 気象庁発表天気予報の画面 空からの農地管理にタイムリーな情報収集ツール 小型無人機搭載用撮像装置 小型無人機搭載用撮像装置は アンテナ内蔵 GPS 近赤外カメラ及び デジタルカメラ撮像制御装置から構成され それぞれの装置は デジタルカメラ撮像制御装置と各々ケーブル 1 本で接続するシンプルな構成です デジタルカメラ撮像制御装置は 撮影インターバル 開始時刻 領域 高度など事前に設定された条件に合せてデジタルカメラの自動撮影と撮影時の GPS ログの保存を行います デジタルカメラは近赤外カメラ ( 可視緑 可視赤 近赤外 ) の他 市販のデジタルカメラが使用可能です セスナ機 ラジコンヘリコプター 飛行船などの空中移動体で撮影した画像は 専用のソフトウェアを使い KML ファイルを作成して GoogleEarth 上で表示したり 自動でオルソモザイク画像の作成が可能です 小型無人機に搭載可能 アンテナ内蔵 GPS Milvus-I ( カメラ撮像制御装置 ) 近赤外デジタルカメラで撮影 近赤外デジタルカメラ 小型無人機撮像装置はJAXA COSMODE PROJECT 付与製品製品です 本商品の一切の責任はビジョンテックに帰属いたします
~ 移植から収穫までアグリルックで ~ 圃場を選択すると対象圃場の情報が時系列グラフで表示されます 以前の年と比較しながら生育状況や気温の推移を把握します 近隣の実証圃場の生育調査結果も参考にできます 移植日と品種を入力すると 出穂期 成熟期予測を行います 葉緑素計や葉色カラースケールによる観測日と実測値を入力すると 生育状況に応じた理想値と比較した観測値の評価結果を回答します 情報を参考に栽培管理を実行します 圃場ごとの定量的な目標値 予測値の提供圃場状況確認施業 高精細圃場図の作成田植え時期生育調査出穂期 / 成熟期予測 作付け状況を把握するため 水稲作付マップを利用します 作付面積の算出も可能です 地温が低すぎると根の活着に影響します 生産者の圃場の日最高 日最低 日平均気温 有効積算温度の推移を参考に田植時期を決定します 実証圃場の現地調査データ 衛星による生育状況を参考にその年の生育の傾向を把握します 移植日 現地調査日 現地調査データを入力すると各生育ステージにおける理想値と現地調査データを比較し 理想値と比較してどの程度高い ( または低い ) を表示します この結果から生育状況を判断し施業を行います 移植日を入力すると圃場ごとの出穂期 成熟期を予測します 穂肥の予測 落水時期や適期刈取に役立ちます 生育ステージ予測 気象メッシュ画像 ( 平均気温 最高気温 最低気温 有効積算気温 ) 衛星による生育状況画像 ( 左 :2011 年 6 月第 1 旬 右 :2011 年 9 月第 1 旬 ) 1 年を通して監視します 気象衛星ひまわり画像 ライブカメラ画像
アグリルックの操作方法について 情報の入力を除いてほとんどの情報表示はボタンの選択やタブ切り替えなどのマウス操作で行うことができます 追肥の時期 / 回数 登熟障害予測 食味予測 区分収穫へ 出穂期予測から逆算して穂肥の時期を知ることができます 最適なタイミングの穂肥施肥に役立ちます 障害発生予測が出た場合は 水管理などの対策をとることにより被害を軽減します 9 月上旬ごろ食味の予測結果が提供されます 食味予測や成熟期予測の結果を元に同品質のもので集荷を行うことにより ブランド化 高品質化が図られます 玄米蛋白含有率 低い 乳白米多発予測画像 食味マップ 高い 白未熟粒 / その他 生育トレンドと栽培暦の関係 衛星データによる生育トレンドの値は 植被率と葉色の影響を受けて変化します 移 植期は低く 水稲の生長に伴って高くなり 出穂期に最も高くなります 出穂期を過ぎると成熟期まで低下していきます 生育トレンドを比較することにより生育の早さ 葉色の濃淡などの情報が得られます 生 育トレンドを見ながら必要に応じて中分解能衛星データを取得し 圃場単位の葉色 マップ 食味マップを作成して施肥管理 病 虫害 気象災害対策 区分収穫などに利用することにより 時系列的 空間的栽培管 理を実現します
JA 北越後では人工衛星の情報を利用し 土壌の状態や肥料の過不足によって異なる蛋白含有率のばらつきを的確に把握し 生産者と連携を取りながら水田状態に合わせたベストな栽培環境の整備に努めています お客様のニーズに合った 美味しさ粒ぞろい の北越後米を提供していくため最新鋭の技術を取り入れて 次世代の米づくり をサポートしています セスナ機からの写真 デジタルカメラ撮影 近赤外カメラ撮影 精度検証風景 精度検証風景 勉強会 アグリルックの画面を見ながら打合せ 今後もアグリルックの実用化に向けて北越後農業協同組合と共同で開発を進めて参ります アグリルックの仕様は都合により変更する場合がございます お気づきの点 ご不明な点などございましたら下記までお問い合わせください 株式会社ビジョンテック 305-0045 茨城県つくば市梅園 2-1-16 Tel 029-860-6100 Fax029-859-1199 URL http://www.vti.co.jp